2022年の北極圏地域の情勢に関する報道
年 月 日
出 典
標 題
要 旨
2022.12.29
17:30
CNN
(Yahoo)
ロシア、北極圏地域の軍事化に減速みられず 衛星画像で判明
<2301-122913>
CNNが29日までに得た
Maxar社の衛星画像
で、
北極圏
にある
ロシア軍のレーダ基地群や滑走路
が
過去1年の間に改修
されたことが判明し、ウクライナ戦争で大きな損失も被っているとされるロシアが
北極圏で軍事基地の拡張を今なお続けている
ことが確認された。
NATOのストルテンベルグ事務総長はCNNとの単独会見で、
ロシア軍は北極地域で軍事力の大幅な強化
を図っていると指摘し、緊張が最近高まると共にNATOは自らの軍事的な存在感などを倍増させる対抗措置を強いられているとも述べた。
一方で西側情報機関の高官はCNNの取材に、ロシアは
極地に展開
させていた
地上部隊
のうち最大で
3/4をウクライナへ転戦
させたとも明かした。
2022.09.21
Jane's Defence Weekly
Icebreaker Healy completes Artic mission for ONR system
<2211-092104>
米沿岸監視隊
の
中型砕氷艦
Healy
が、ボーフォート海(註:ベーリング海峡以東のアラスカ沖)で行ってきた
AMOS
を完了した。
AMOSは北極海に設置したブイと氷の下で
双方向通信を行うUUVの回収
を行っている。
2022.09.14
Jane's Defence Weekly
USCG starts to shift some Marine Protector-class vessels to Alaska
<2211-091405>
高緯度海域での米海軍力を増強
するため、
沿岸警備隊
が
Marine Protector級23.8m警備艇数隻をアラスカに配備
する。
これは
退役が始まるIsland級33.5m警備艇の後継
になる。
2022.09.09
13:12
乗りものニュース
(Yahoo)
北極海航路の守護神 カナダ海軍の砕氷哨戒艦「マックス・バーネイズ」就役
<2210-090905>
カナダ海軍
が2022年9月2日、
極地用哨戒艦
Max Bernays
が就役
したと発表した。
Max Bernays
は、北極海域におけるカナダ海軍の能力を強化する目的で建造された新艦種
Harry DeWolf級
AOPV
の三番艦
で、通年にわたり北極海域を航行できるよう、優れた
耐氷砕氷構造
を有している。
Harry DeWolf級AOPVは全長103.6m、幅19.0m、排水量
6,615t
でノルウェー沿岸警備隊の砕氷哨戒艦
Svalbard
を元にしている。
ディーゼル電気推進で速力は17ktで武装は
25mm機関砲1門
、12.7mm重機関銃2丁のほか、
SHORAD
1基を搭載することができ、艦尾部にはヘリ甲板を備えている。
カナダ海軍は同級哨戒艦を
6隻装備
する計画で、4番艦と5番艦は建造中、6番艦も予算承認済みであり、2025年までに毎年1隻ずつ就役させる。
2022.08.31
National Defense
JUST IN: Space Force partners with Norway to launch Arctic Comms Satellites
<2209-083114>
静止軌道
の通信衛星は
北極圏での通信に適さない
ことから、米軍は
極地通信用
として2019年に24/7強化衛星による
EPS
を構築したが、耐用期間が10年であることからSPACECOMは2023年初期に、
ノルウェーの衛星に通信装置2基を搭載
して打ち上げる計画である。
2022.08.23
14:39
Breaking Defense
BAE Systems wins $278 million Army Cold Weather All-Terrain Vehicle contest
<2209-082308>
BAE Systems
社が米陸軍の
CATV
にOshkosh/ST Engeneeringチームを打ち破り選定された。 契約額は
$278Mで納期は2029年
になっている。 陸軍は
163両を装備
する計画である。
【関連記事:
2208-062204
(JDW 2022.06.22)】
BAE Systems社は-50゚F (-58゚C) に耐えられる
9人乗りの水陸両用車
で、同社は同社製の
Beowulf
を提案していた。
2022.08.03
Jane's Defence Weekly
USCG highlights multimission attributes of new PSCs and plans to bolster cold-climate comms partnerships
<2210-080303>
米沿岸警備隊第17管区司令官のムーア少将が7月14日、
沿岸警備隊の北極海
に於ける活動の範囲は沿岸警備隊が計画している
極地用警備艦
(
PSC
) により飛躍的に拡大すると述べた。
また沿岸警備隊副司令官のフェイガン大将も議会下院国土安全保障委員会運輸水上安全保障小委員会の公聴会で、
重砕氷艦の必要性
について述べた。
2022.06.22
Jane's Defence Weekly
US Army adtivates 11th Airborne Division in Alaska
<2208-062204>
米陸軍が6月6日、
アラスカ州
に
寒冷地作戦に適応
した
第11空挺師団を発足
させた。 これに伴い第25歩兵師団第1Stryker
BCT
は第11空挺師団第1 BCTに、第4歩兵BCT(空挺)は第11空挺師団第2 BCTに改編された。
この改編によりアラスカ州にある
数百両のStrykerは数ヶ月かけて南に移動
し、代わって寒冷地に適した
次期
CATV
が配備
される。
陸軍は
10人乗り
のCATVに、BAE Systems社、Oshkosh社とST Engineering社(註:シンガポール)の3社の提案を評価しており、
2022年後半に採用機種が決まる
。
2022.05.05
16:49
Inside Defense
Army Alaska could become 11th Airborne Division
<2206-050512>
米陸軍
が
アラスカ州
に配置している陸軍中将を指揮官とする
1個歩兵旅団
と
1個Stryker旅団
を
第11空挺師団に名称変更
する。
ただ変更されるのは名称だけで、
部隊の増強は行われない
。
2022.05.04
Stars & Stripes
US Army airborne units, special ops troops launch large drills in Europe
<2206-050418>
在欧米陸軍の
空挺部隊と在欧特殊部隊
が
北極圏からバルカン半島まで
の地域で
大規模演習Swift Response
を5月20までの予定で開始した。
陸軍からは北極圏からノルウェーまでを任務範囲とする
アラスカ駐留の空挺部隊
とバルト三国に駐留する
第173空挺旅団
と
第82空挺師団
が参加し、シュツットガルトに駐留する特殊部隊はTrojan Footprint演習を実施した。
米軍は空挺隊員は3,300名
以上と前年の同名演習の2倍以上が参加し、
NATO加盟国からも9,000名
が参加している。
2022.04.18
08:34
ロイタ通信
(Yahoo)
ロシア、北極圏で NATO 活発化と懸念 「意図せぬ事態」を警告
<2205-041801>
TASS通信が17日、
ロシア
のコルチュノフ
北極国際協力特任大使
が、
北極圏でNATOの軍事活動が活発化
していることに懸念を示し、意図しない事態が発生するリスクが高まっていると警告したと報じた。
コルチュノフ大使は、「最近、
ノルウェー北部で大規模な演習
が行われたが、地域の安全保障に資するものではないと考える」と指摘し、そうした活動は「意図しない事態」が発生するリスクを高め、安全保障上のリスクとともに北極圏の生態系に深刻な打撃を与えかねないとの見解を示した。
この演習は以前から計画されていたものだったが、2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻によって軍事演習は激しさを増した。
2022.02.23
Jane's Defence Weekly
USCG underscores need for Polar Security Cutters
<2206-022307>
米沿岸監視隊
(USCG) の
重砕氷艦
Polar Star
が
能力向上工事
を終え南極でのDeep Freeze作戦任務に就いている。
Polar Star
には更なる能力向上も計画されているが、
1976年に就役した老朽艦
で、USCGは
極地保安警備艦
PSC
計画
も進めている。
【註】
USCGが保有する砕氷艦は
Polar Star
とHealyの2隻だけで、しかもHealyは火災を起こしたため現在動けるのは
Polar Star
だけである。 USCGは2024年までに重砕氷艦1隻を含む砕氷艦6隻の建造を計画しているが、少なくとも2023年までは艦齢を20年以上過ぎている
Polar Star
を使用しなければならない。
【関連記事:
2011-101909
(DN 2020.10.19)】
2022.01.13
National Defense
Just In: No room to accelerate icebreaker program, Coast Guard chief says
<2202-011312>
米沿岸警備隊 (
USCG
) 司令官
のシュルツ大将が1月12日に水上海軍協会で、
新型砕氷艦の引き渡し
を2025年より
早めてほしいと要望
した。
USCGは現在、
たった1隻の重砕氷艦
Polar Star
と
元調査船の中砕氷艦
Healy
しか保有していないため、重砕氷艦
Polar Security Cutter (PSC) 3隻
と中砕氷艦
Arctic Security Cutter 3隻
を建造する計画であったが、2021年秋に
引き渡し時期が1年延期
され2025年5月になっていた。