2021年の北極圏地域の情勢に関する報道

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2021.09.11 FNN Prime

(Yahoo)

日本初!北極の氷を進める「砕氷研究船」を新造…大きさ1万トン超の性能をJAMSTECに聞いた <2110-091103>
 海洋研究開発機構(JAMSTEC)が日本初の砕氷観測研究船を建造することを発表した。 建造費は335億円で、引き渡しは2026年度の予定だという。
 新たな砕氷観測研究船は、全長128m、幅23m、13,000総㌧で乗員は99名、厚さ1.2mの平坦な1年氷を連続して砕氷する能力があり、国際的な規則でPolar Class 4になる。
 Polar Classは数字が低いほど砕氷能力が高く砕氷艦しらせは、中程度の厳しさの多年氷が存在する氷水域を通年航行するPolar Class 2だという。
2021.08.06 C4ISR net Autonomous systems to help NATO examine climate change effects in Arctic waters <2109-080604>
 NATOが融解の進む北極圏のデータを収集するため自動
UUVであるAUVを活用しようとしている。
2021.06.28 National Defense Coast Guard in talks to add ships to heavy icebreaker program <2107-062809>
 米沿岸警備隊司令官のシュルツ大将がBrookings研究所の催しで6月28日、2隻の建造が予算化され更に1隻の建造準備として$170MがFY22に予算が計上されている極地警備艦 (Polar Security Cutter) 計画の砕氷艦更に増強するよう要求していると述べた。
 その上で沿岸警備隊の予算を、毎年3%~5%増額するようにも要求した。
2021.05.12 Stars & Stripes Coast Guard looks to expand Seattle base <2106-051209>
 米沿岸警備隊が2030年代に新型砕氷艦3隻の基地としてシアトルを整備する方針である。
2021.05.10 毎日新聞

(Yahoo)

日本初の北極砕氷研究船建造へ 気候変動予測 国際ルール構築参画へ <2106-051003>
 北極海の大気や海氷を観測できる砕氷研究船の建造を、海洋研究開発機構が2021年度から始める。 南極への船では砕氷艦しらせが知られるが、北極の砕氷研究船建造は日本で初めてで、氷で閉ざされた海洋観測の空白域にアクセスし、データを得て他国と共有することによって気候変動予測の高度化を目指す。
 各国が新たな船舶航路や資源を求めて北極政策に注力する中、国際的なルールづくりに関わる土台とする狙いもある。
 建造する砕氷船は全長128m、幅23mで厚さ約1.2mの砕氷能力があり建造費は335億円で2026年の就航が予定される。 海洋機構は1998年から研究船みらいで北極海の観測を続けてきたが砕氷能力はなく、老朽化も進んでいた。
2021.03.27 産経新聞

(Yahoo)

ロシア、北極圏で大規模演習 プーチン氏「史上初」 極地開発の主導権狙う <2104-032705>
 ITAR-TASS通信が、ロシア海軍総司令官が26日に北極圏で行っている軍事演習を含む北極探検の成果をプーチン大統領に報告したと報じた。 ロシア史上初の北極圏での戦闘機への空中給油や原子力潜水艦の同時浮上、氷面下からの魚雷発射などを訓練したとしている。 大統領は探検の規模についてソ連時代を含め、過去に例がないと満足感を表明し、北極圏の研究を継続するよう指示したという。 総司令官は、北極圏でMiG-31 2機が空中給油を受けたほか、原潜3隻が半径300mの範囲内で氷面下から同時浮上したのも露海軍史上初めての試みだと説明した。
 TASS通信によると、20日から実施している露海軍による北極圏探検は、ロシア領Franz Josef諸島の周辺などで計43の計画を予定し、将兵や地理の専門家ら600名以上が参加しているという。
Franz Josef諸島の位置 (Google Map)】
2021.03.24 Jane's Defence Weekly MiG-29K deploy to Russian Arctic island <2105-032408>
 ロシア国防省が3月12日、海軍ノバヤゼムリアにMiG-29K艦載戦闘機を即応警戒任務 (
QRA) として配置したことを明らかにした。
 派遣されたのはコラ半島Severmorsk-3航空基地に所属す北方艦隊の第100海軍航空連隊のMiG-29Kで、Rogachevo航空基地に派遣されていた第98特別混成航空連隊のMiG-31BMと交代した。
【RogachevoのMiG-31BMに関する記事:2103-012703 (JDW 2021.01.27)】
2021.03.24 Jane's Defence Weekly US Army plans to set up MDTF in Arctic region <2105-032407>
 米陸軍協会 (
AUSA) が今年バーチャルで開いたRegaining Arctic Dominanceと題する会議で、陸軍が北極圏戦略のうち秘区分のない部分を公表した。
 それによると陸軍は中露に対抗するため少将を長とする指揮所マルチドメイン戦闘部隊 (MDTF) を北極圏に配置する計画であるという。
2021.03.10 時事通信

(Yahoo)

中国、北極開発を5カ年計画に明記 周辺国は軍事目的警戒 <2104-031002>
 中国は第14次5ヵ年計画(2021~2025年)で北極圏の開発協力を本格化する方針を明確にした。 表向きには資源開発や航路の利用をはじめとする経済分野を重視するとしているが、米国やフィンランドなど周辺国は軍事的な意図があるとみて警戒している。
 11日に閉幕する全国人民代表大会(全人代)で採択する5ヵ年計画は「北極の実務協力への参加」を明記し、氷上のシルクロード建設も謳って、一帯一路と連動して北極圏の開発に関与していく。
 中国は2013年に北極圏の8ヵ国で構成する北極評議会オブザーバになっており、2018年には「北極政策白書」を公表して自国を北極近接国と規定している。
2021.03.09 Stars & Stripes Air Force B-1 bomber makes historic Arctic Circle landing <2104-030905>
 米空軍が初めて北極圏内に展開するB-1B 4機1号機が3月8日に、テキサス州Dyess AFBからノルウェーのBodo空軍基地に飛来した。
 途中B-1Bはノルウェーとスウェーデン上空を飛行し、スウェーデン空軍のJAS-39 Gripen 4機に護衛された。
2021.03.05 ロイタ通信

(Yahoo)

中国、「北極シルクロード」の開設目指す 5カ年計画で表明 <2104-030504>
 中国が5日に開幕した全国人民代表大会(全人代)で、2021~2025年の経済発展5ヵ年計画を発表し、北極圏にシルクロードを開設すると共に、北極と南極圏の開発に積極的に関与する方針を示した。
 2018年には一帯一路を北極圏に広げる計画を盛り込んだ北極政策白書を公表し、北極圏を通じてアジアと欧州を結ぶ航路の開設を目指すと表明している。
2021.02.02 Stars & Stripes US Air Force bombers deploy to Norway for first time <2103-020209>
 北極圏の戦略的重要性が増すなか、米空軍が2月2日にノルウェーのOrland空軍基地にB-1Bを派遣したと発表した。 ノルウェー空軍はOrland基地にF-35Aを配置している。
 派遣されたのはテキサス州Dyess AFBの爆撃機飛行隊と200名の要員で、ノルウェーへの派遣は初めてである。。 
Orland Air Base の位置 (Google Map)】
2021.02 International Defence Review Arctic turn: Integrated remote sesing aims to bolser cold climate operations <2103-020013>
= 北極圏戦におけるリモートセンシングに関する4頁の記事 =
 ・Arctic test facility
 ・Demonstration
2021.01.27 Jane's Defence Weekly Russian MiG-31BM fighters deploy to new Arctic base <2103-012703>
 ロシア国防省のウェブサイトで北海艦隊報道部が1月16日、海軍航空隊のMiG-31BMノバヤゼムリア諸島のRogachevo航空基地でアラート任務に就いたことを明らかにした。
2021.01.19 Inside Defense McConville: Army to upgrade Alaska command <2102-011908>
 米陸軍参謀総長マコンビル大将が米陸軍協会 (
AUSA) の会同で1月19日、北極圏に駐屯する部隊を増強するため、現在アラスカ州に置いている少将を指揮官とする部隊を "operational headquarter"に改編すると述べた。
 その上で、陸軍はアラスカでMDTFを編成すると共に、極地での戦闘能力を持つ旅団を配置したいと述べた。
2021.01.09 共同通信

(Yahoo)

ロシア北方艦隊、軍管区に昇格 NATOの北極圏進出をけん制 <2102-010903>
 プーチン大統領が2020年12月に北極圏防衛を任務とするロシア北方艦隊を1月1日から軍管区に格上げし、北極圏に面するコミ共和国、アルハンゲリスク州、ムルマンスク州、ネネツ自治管区を、北方艦隊の管区に移管する大統領令に署名していた。
 豊富な資源と北極海航路で注目される北極圏の実効支配を確保し、NATOの艦船の進出を牽制するのが狙いである。
 ロシアは、バレンツ海の大半を実効支配してきたが、2020年5月以後、NATOの艦船がバレンツ海や北極海航路を頻繁に航行しており、ロシアは警戒を強めている。
2021.01.08 Stars & Stripes 1,000 US Marines arrive in Norway for cold-weather training <2102-010803>
 北極圏ノルウェー陸軍との合同戦闘訓練を行うため1,000名以上の米海兵隊と米海軍の部隊が、1月8日にノルウェーのSetermoenに到着した。
Setermoen の位置 (Google Map)】
 米海兵隊冷戦以来ノルウェーに駐留すると共に、ノルウェーの洞窟に大量の武器を備蓄している。