2020年の北極圏地域の情勢に関する報道

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2020.12.15 Navy Times Congress OKs new Arctic icebreakers for Coast Guard <2101-121508>
 米議会がFY21予算で沿岸警備隊砕氷艦の建造認めた。
 ロシアは現在53隻の砕氷船を保有しており、カナダですら7隻保有しているが、米沿岸警備隊の保有数は僅か2隻で、そのうちのHealyは火災事故で損傷を受けている。 新砕氷艦を建造しても取得できるのは2025年以降になる。
2020.10.19 Defense News Polar icebreakers are key to America's national interest <2011-101909>
 アラスカ近くで冷戦以来最大規模の演習を行ったロシアは、閉鎖していたソ連時代の基地50ヵ所以上を再開し、アラスカ近くに早期警戒レーダやミサイルを配備している。 自らを近北極圏国と称する中国も北極海への進出を狙っている。
 このような中露の北極圏進出に対し米国は戦略的な基盤を失っている。 40隻以上の砕氷艦船を保有しているロシア更に3隻を建造中で、2030年代に12隻の建造を計画しており、中国も建造を進めている。 北極圏で決定的な意味を持つのは砕氷艦であるが、米沿岸監視隊が保有する砕氷艦はPolar StarHealy2隻だけで、しかもHealyは火災を起こしたため現在動けるのはAntarcticaのMcMurdo基地で再補給中のPolar Starだけである。
 米沿岸警備隊は2024年までに重砕氷艦1隻を含む砕氷艦6隻の建造を計画しているが、少なくとも2023年までは艦齢を20年以上過ぎているPolar Starを使用しなければならない。
2020.09.30 Air Force Times B-1s cross the North Pole to train with Norwegians <2010-093007>
 テキサス州Dyess AFBに所属する米空軍第345外征爆撃飛行隊に所属するB-1B 2機が9月25日に北極点上空を飛行した。
 B-1Bはアラスカ州Eielson AFBを離陸して北極圏内で空中給油を受けながら16時間かけて3,100nmを飛行し、途中で7時間にわたりグリーンランド及びノルウェー海上空でF-16V 2機を含むノルウェー空軍機と共同訓練を行った。
2020.09.23 Defense News Great power competition heats up in the thawing Arctic, and the US must respond <2010-092304>
= 北極海域の米安全保障に関する記事 =
 海氷の後退からベーリング海を航行する船舶が過去10年間で128%増となっている。 また今後15~30年北極海には夏期に無氷海域が出現するとみられる。 ロシアは北極海の軍備増強を進めていて約50箇所の航空基地やレーダサイトなどの軍事拠点を復活させると共に16箇所の本格港湾を開設している。 またベーリング海を睨んだBastion沿岸型CMを配備している。
 これに対して米国では退役した沿岸警備隊大将などが海軍と海兵隊の対応に不満を示している。
2020.09.08 Breaking Defense US, NATO warships exercise off Russia's Arctic coast <2010-090810>
 英海軍が主催した演習がロシアの北極海沿岸から115nmのロシアの
EEZで行われ、米海軍からは駆逐艦が参加した。
 演習には米駆逐艦Ross英フリゲート艦Sutherland、英支援艦Tideapringノルウェーフリゲート艦Thor Heyerdahl、及びデンマークとノルウェーの哨戒機が参加して2週間にわたり行われる。
2020.08.30 Military Times Russian navy conducts major maneuvers near Alaska <2009-083003>
 米軍筋が8月28日、ロシア海軍アラスカ沿岸ソ連時代以来最大規模の演習を行ったことを明らかにした。
 この演習について露海軍トップYevmenov大将が、50隻以上の艦艇40機の航空機が参加してベーリング海で行ったと述べた。 また、北極海におけるプレゼンスを強化するとも述べた。
2020.08.29 CNN

(Yahoo)

米軍機、アラスカ州に接近のロシア軍機牽制 潜水艦も監視 <2009-082907>
 北米航空宇宙防衛司令部 (NORAD) が28日、27日深夜にアラスカ州の防空識別圏 (ADIZ) 内に入ったロシア軍のTu-142洋上哨戒機2機を牽制するため米空軍のF-22が緊急発進したと発表した。 F-22はKC-135から空中給油の支援も受けたという。 ロシア軍機はアラスカ州沿岸から50nmを飛行したが、国際空域内にとどまっていたとも指摘した。
 一方、米北方軍司令部は27日、アラスカ州沖合の国際海域に浮上したロシア軍の潜水艦の動向を監視しているとも報告した。 米政府当局者によると、この海域にロシア軍潜水艦が現れたのは極めて異例であるという。
2020.08.26 Breaking Defense No US icebreakers working as USCGC healy limps home <2009-082606>
 米沿岸警備隊が8月25日、中型砕氷艦Healy(註:18,000t)が18日に主機のうちの1基火災を起こしたため母港(註:シアトル)に向け帰投中であると発表した。 到着は31日になるという。 この結果沿岸警備隊は北極海における全ての洋上活動を停止した。
 Healyの火災により沿岸警備隊が保有する砕氷艦は、11月に南極に向けての航海に備えてオーバーホール中の重砕氷艦Polar Star(註:13,623t)だけにが、Healyは1980年代、Polar Starは1970年代就役の老朽艦で、いずれも機械的な事故のリスクが高まっている。
2020.08 International Defence Review Cold Warrior: The T-80BVM main battle tank enters service in the Arctic <2009-080019>
= T-80BVM MBTに関する6頁の記事 =
 ・Assessed capabilities
 ・Enabling new firepower
 ・Balancing capabilities
2020.07.21 Breaking Defense New Air Force Arctic strategy may update planes for polar ops <2008-072111>
 米空軍が7月21日にArtic Strategy文書を公表した。 新戦略は中国やロシアによる挑発の増大を受けたもので、バレット空軍長官は海路の拡大や資源の開拓、主権の争いに対応すると述べた。
Arctic Strategy (Department of Air Force】
2020.06.09 Breaking Defense White House orders new icebreaker strategy for Coast Guard <2007-060911>
 米大統領府沿岸警備隊に対し、重砕氷艦建造計画の見直しを命じた。
 沿岸警備隊は2026年までに通常動力の砕氷艦を3隻建造し、その後中型砕氷艦を建造する計画であったが、大統領府は原子力砕氷艦を3隻以上建造する検討を命じた。
更にその砕氷艦にはUAVの発艦能力、情報収集設備の搭載、自衛用戦闘の装備の搭載を求めている。
2020.06.09 Inside Defense Trump calls for polar security icebreaker fleet to grow Arctic presence <2007-060908>
 トランプ米大統領が6月9日、北極圏での米国のプレゼンス拡大を狙った"fleet acquisition program"を提唱した。
 閣議に参加した閣僚等によると、大統領はFY29までに砕氷艦隊を北極海に展開するための予算処置を命じたという。
2020.05.06 Jane's Defence Weekly Russian paratroops drop on Arctic <2007-050601>
 ロシアの副国防相が4月26日、同日に露軍空挺部隊が史上初めて北極圏での降下を行ったと発表した。
 特殊な落下傘と降下は高度10,000mから酸素マスクを着けた隊員がIl-76 3機から特殊な落下傘でFranz Josef Land降下し、降下後に演習を実施した。 またその内の1機は高度1,800mから18tの貨物を投下した。
 降下訓練後Il-76はロシア最北の飛行場Nagurskoyeに着陸した。
2020.05.04 Stars & Stripes US Navy in Barents Sea for first time since 1980s, as Russian activities mount in the Arctic <2006-050404>
 米海軍の4隻が5月4日、冷戦終了後初めて北極圏のバレンツ海を航行した。
 この日航行したのはDonald CookPorterRoosevelt駆逐艦3隻と、戦闘支援艦Supplyで、この他に英海軍Kent(註:Type 23 フリゲート艦)も同海域に入った。
2020.04.29 Jane's Defence Weekly Extended horizons <2006-042911>
= 米沿岸警備隊の活動に関する5頁の記事 =
 ・Pacific exercises
 ・Artic endeavours
 ・Polar Security Cutters
2020.04.26 東京新聞 ロシア空挺部隊が北極圏降下訓練 領有権争い視野に、実効支配狙い <2005-042602>
 タス通信などが、ロシア国防省が26日に空挺部隊北極圏ロシア領のバレンツ海アレクサンドラ島に降下し、訓練を実施したと発表したと報じた。 空挺部隊は高度10,000mIl-76から降下して3日間展開し、攻撃訓練や北極圏の環境下で生き延び脱出する訓練も実施した。
 北極圏への部隊での降下は史上初という。
2020.04.22 Jane's Defence Weekly Northern response <2006-042208>
= 北極海の軍事情勢に関する7頁の記事 =
 ・Russia
 ・Finland
 ・Sweden
 ・Denmark and Norway
 ・Iceland
 ・Modernisation
 ・Future plans
2020.04.20 Jane's 360 Russian Navy receives first Project 20183 survey and research ship for Arctic operations <2005-042002>
 ロシア国営TASS通信が4月12日、Project 20183捜索救難艦が3月にロシア海軍に納入されたと報じた。
 同艦は北極海で使用するための多目的艦で、捜索救難のほか海洋調査、装備の試験、特殊装備の輸送などにも使用できる。
2020.03.10 Stars & Stripes Russian bombers intercepted off Alaska's coast <2004-031004>
 北米防空軍 (
NORAD) が3月9日、ロシアのTu-142 Bear偵察機2機ベーリング海上空でアラスカから200哩の防空識別圏 (ADIZ) に侵入したため、米空軍のF-22とカナダ空軍のCF-18緊急発進させた。 ロシア軍機はアラスカまで50nmまで接近した。
 この緊急発進には米空軍のEC-135空中給油機とE-3 (AWACS) も同行した。
2020.02.19 Jane's Defence Weekly High North <2004-021916>
= 北極圏を巡る戦いに関する6頁の記事 =
 ・Russian moves
 ・Assertive Canada
 ・USNORTHCOM
 ・Danish command
 ・Norwegian activity
 ・Finland and Sweden