2013年の台湾情勢に関する報道

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2013.12.11 Yahoo 朝鮮日報記事

「中国防空識別圏:親中政策の台湾総統に『弱腰』批判」

<1401-121104>
 Wall Sreet Journal紙が10日、中国が東シナ海に防空識別圏を設定したことを受け、親中政策を取ってきた馬総統の中国への対応が 生ぬるいと、台湾住民が不満を募らせていると報じた。
 馬総統は中国が防空識別圏を設定したことを受け、台湾の航空機には中国の防空識別圏を守らせ、中国に飛行計画書を提出するよう求めたが、これに対し最近の世論調査では 、台湾住民の69%が中国に飛行計画書提出に反対し、馬総統の対応が弱腰だとの回答も65%に達した。 馬総 統の支持率は2012年の40%台から現在は9~11%に低下し最悪の状況になっている。
2013.11.26 Defense News Taiwan's BMD radar gives unique data on China <1312-112607>
 台湾新竹市 (Hsinchu) に近い楽山 (Leshan Mountain) に設置された AN/FPS-115 Pave Paws レー ダは、3,000kmにわたり中国の航空機、CM、BM を探知することができるため、世界一活躍しているレーダと言える。
 1995~1996年の台湾海峡危機の際、中国が10発の DF-15 SRBM を台湾南北の海域に打ち込んだのを受け、台湾は BMD に力を入れている。 2008年に PAC-3 弾330発を購入したのに続き、2010年には114発を追加購入している。
2013.11.13 Jane's Defence Weekly Taiwan receives first AH-64E Apaches <1401-111303>
 2008年にブッシュ政権が台湾に対し、30機を$2.01Bで売却することに合意した AH-64E Apache の 最初の6機が、11月4日に台湾へ引き渡された。 二次分も12月末までに引き渡され、一、二次分は2014年4月 に就役する予定である。 残りについても2014年末までに納入される。
 今回の台湾への納入は、AH-64E にとって初めての輸出になる。
2013.11.05 Defense News Taiwan gets first batch of US-made attack helicopters <1312-110503>
 台湾が2008年に米国から30機を$6.5Bで購入した Apache のうちの6機が台湾に 搬入された。 12月には更に6機が搬入され、2014年末までに全機が納入される。
 今回台湾へ引き渡されたのは Apache の最新型である AH-64E で、米陸軍以外では初めての装備化になる。
2013.10.27 Yahoo Record China 記事

「台湾の中国接近が加速、統一が実現すれば日本のシーレーン防衛が危機に―米メディア」

<1311-102701>
 米ニュースサイト Micro Network Policy が23日、『中国本土にますます接近する台湾、米国はなぜ緊張しないのか?』と題する記事を掲載した。 台湾 は中国本土と両岸経済協力枠組協議 (ECFA) を結び接近を続けているが、台湾に経済的利益を与える反面 政治的自決権を失なった。 専門家は経済関係の強化は台湾と中国本土の統一を不可避なものになると分析している。
 統一が実現すると中国は、台湾山岳部の BMD レーダを太平洋の米艦隊の監視に、潜水艦基地太平洋進出の拠点に利用できるようになるであろう。 台湾が実効支配している南沙諸島最大の島太平島は中国の南シナ海領有主張を後押しするもの となる。 そして何より台湾海峡の両岸を支配すれば、中国は中東へ向かう日本、韓国のシーレーンをいつでも封鎖する能力を持つことになる。
2013.10.16 Jane's Defence Weekly Taiwan White Paper warns of growing threat from China <1312-101609>
 10月7日に発簡された台湾の国防白書が、中国は2020年までに台湾を制圧する能力を持つように なるとしている。
 また
J-202019年までに operational になると見ている。
2013.10.02 Jane's Defence Weekly Taiwan receves first P-3C <1311-100208>
 台湾が導入する再生 P-3C 12機1号機が、9月25日に台湾に到着した。
 最終号機の納入は2015年末になる。
2013.10 Jane's Missiles & Rockets Taiwan unveils mobile launcher for Hsiung Feng 3 <1311-100015>
  1310-082111 (JDW 2013.08.21) とほぼ同文の記事
 台湾 CSIST は台北防衛航空宇宙展 TADTE で、回転翼 UAV Mo Yen 1 (Magic Eye 1) も公表した。 Mo Yen 1 は 重量20kg30~60分の滞空の能力があり、最大速度50km/h、航続距離8kmの性能を持つ。
2013.09.25 Defense News Taiwan receives first US anti-submarine aircraft <1310-092502>
 米国が2007年に$1.96Bで台湾への売却を認めた中古 P-3C 12機1番機が、25日に台湾へ飛来 した。 残りの11機も2015年までに引き渡される。
 P-3C は老朽化した S-2T と換装する。
【註】
 台湾が現在保有している S-2T は、かつて海上自衛隊が装備していた S2F-1 Tracker とファミリーでレシプロエンジンの艦載対潜哨戒機で、現在でも一部の国で使用され ている。
2013.09.12 Yahoo 時事通信記事

「軍の志願制、2年延期=台湾」

<1310-091203>
 台湾国防部が12日、志願兵の採用が予想を下回ったため、徴兵制から志願制への完全移行を2015年から2017年に 延期すると発表した。
 馬総統は、徴兵制廃止と2015年1月からの志願制への移行を打ち出していた。
2013.08.30 Defense News Lawmaker: Taiwan plans to buy 2 frigates from US <1309-083006>
 台湾が、老朽化した Knox級フリゲート艦の後継として2隻の Perry級フリゲート艦を米国から購入 する計画で、FY14とFY15予算に$187Mを計上する。
【関連記事:1212-110502 (Defense News 2012.11.05)】
2013.08.29 Defense News Taiwan to spend $100M to build warship dock at Spratlys <1309-082906>
 台湾政府が議会で29日、スプラトリ諸島(南沙諸島)最大の島である太平島に、$112.4Mかけて艦 船が使用できるドックを建設することを公表した。 このドックは同島に既にある埠頭を改修して建設するという。
 台湾は同島に、3,800ftの滑走路を2006年中頃に建設している。
2013.08.22 Yahoo 新華網記事

「台湾軍が東部海空域で9月に実弾演習、与那国島への自衛隊配備に対応―中国メディア」

<1309-082205>
 香港中通社の報道によると、台湾軍が9月23、24日に与那国島近くの台湾東部の海空域で演習を 行う。 自衛隊が与那国島に配備されることに対応するものという。
 台湾国防部は、この演習は年間計画に沿ったものだと説明し、報道についてのコメントは避けた。
2013.08.21 Jane's Defence Weekly Taiwan unveils HF 3 mobile launcher <1310-082111>
 台湾が8月15日、地上発射型の超音速対艦ミサイル HF-3 を初公開した。 発射機は国産トレーラ の4発のキャニスタを搭載しており、発射管制装置と発電機は、トレーラの前方に配置されている。
 HF-3 は全長5.1m、重量660kgで、150~200kmMach 2.0 で飛行する。
2013.08.17 Defense News Missile launchers, vessels, UAVs unveiled at TADTE <1309-081702>
= 台湾の新兵器を紹介した記事 =
 12回目となる隔年開催の台北防衛博 (TADTE) が先週開かれた。
・陸上型 HF-3 発射機: Perry級フリゲート艦搭載と同じ発射機の陸上型
Hsu Hai 三胴船型コルベット艦: HF-2/3 を16発搭載
Magic Eya 回転翼 mini-UAV: 滞空能力30~60分、速力50km/h
HTTP-2B Hybrid Sounding Rocket
 後継の HTTP-3 が、2014年に10kgの衛星3基を、高度180kmの軌道に打ち上げる。
IDF 戦闘機
 IDF は2010年から71機が、TC Ⅱ 中距離 AAM 4発や、Wan Chien クラスタ爆弾を 搭載できるように近代化改修され、年内に改修を完了する。
 台湾空軍は残る56機の改修を2014年に開始する計画である。
天弓-Ⅲ
2013.08.07 Jane's Defence Weekly Taiwan plans frigate-capable pier on Taiping <1310-080710>
 台湾沿岸監視隊 (CGA) が、係争の続く南シナ海の太平島に、2,000t級フリゲート艦が接岸できる埠頭 を建設する計画で、来年早々にも着工し、2015年に完成させる計画である。
 CGA は1999年に、海兵隊に代わって太平島に駐留しており、2012年には40mm高射砲8門のほか120mm迫撃砲や AT4 軽 ATM を配備している。
2013.06.05 Defense News Report: Taiwan deploys new powerful rocket system <1307-060504>
 台湾のメディアが5日、同国が中国による上陸作戦を阻止するため、離島に RT-2000 MLR を 配備したと報じた。
 RT-2000 は1分間に40発の発射が可能で、射程は45kmである。
【 RT-2000 関連記事:1208-072202 (Defense News 2012.07.22)】
2013.04.10 Yahoo 時事通信記事

「日台、尖閣周辺に共同水域=台湾漁船操業を許可―領有権に触れず」

<1305-041006>
 日本と台湾が10日、尖閣諸島周辺海域を対象とした漁業協定を締結した。 協定締結は協議開始以来17年ぶりである。  尖閣周辺の日本の排他的経済水域 (EEZ) 内に協定適用水域(共同水域)を設け、台湾漁船の操業 を許可する。
 協定は領有権には触れていないが、台湾漁船が日本の領海に入ることは引き続き認めない
2013.04.07 Defense News Taiwan plans to expand pier in disputed islands <1305-040705>
 台湾政府関係者が7日、台湾が実効支配している南シナ海スプラトニー諸島太平島にある 埠頭を拡張し、2,000t級巡視船が接岸できるようにする計画であることを明らかにした。 南シナ海最大の島である同島 には2006年に建設された1,150mの滑走路はあるが、埠頭には小型艇しか接岸できない。
 台湾沿岸監視隊は、同島周辺の環境影響調査費として$640,000の予算を確保している。
2013.04.03 Jane's Defence Weekly Taiwan's CSBC confident of submarine-building capabilities <1306-040305>
 台湾の艦船メーカである CSBC社が、数年以内に潜水艦を国産できると強調した。 同社は4年 間にわたる潜水艦建造のフィジビリティスタディを、台湾政府から$5Mで受注している。
【関連記事:1304-031203 (Defense News 2013.03.12)】
2013.03.30 Yahoo 毎日新聞記事

「台湾 新巡視船が就航 尖閣諸島の主権を強く意識」

<1304-033007>
 台湾の海岸巡防署が30日、新巡視船 新北艦 (排水量2,482t、全長98.5m)の就役式典 を行った。 新北艦 は台湾最大級の巡視船で、尖閣諸島周辺を含む台湾北東部の海域に配備される。 台湾では同級の巡視船は既に就役しているが、新北艦初めて40mm砲を備えている。
 台湾は2008年に尖閣諸島周辺で、台湾の遊漁船と日本の巡視船が衝突する事故が起こって以降、海上警備強化を進めており、2019年には現在保有する巡視船など162隻を、 1,000t以上の大型船を中心に173隻に増強する計画を打ち出している。
2013.03.30 Yahoo 時事通信記事

「尖閣海域展開の新巡視船公開」

<1304-033006>
 台湾の海岸巡防署(海上保安庁に相当)が30日、高雄港で巡視船 新北艦 (2,000t級)と 巡護八号 (1,000t級)の就役式を行い報道陣に公開した。
2013.03.20 Defense News Taiwan gives up on partial F-16C/D release <1304-032005>
 台湾が今月上旬に公表した QDR で、F-16C/D Block 50/52 1個飛行隊分の 売却を求めていたのを棚上げし、国産の戦闘機を開発する方針を示した。 新型戦闘機はステルス性を持ち、空 中給油が可能な長距離型で、BVR 交戦能力が求められる。 また高性能電子戦装置のほか、ARM や対地対艦ミサイルを搭載する。
 台湾は現在387機の戦闘機を保有しているが、40機保有する F-5 は5年以内に退役させ、55機ある Mirage 2000-5 は10年以内 にモスボール化する計画で、後継機が必要になっている。
2013.03.18 Defense News Report: Taiwan to aim 50 medium-range missiles at China <1304-031804>
 台湾の中国時報が18日、台湾が来年、射程1,000km以上の雲峰 (Yun Feng=Cloud Peak) ミサイルの 配備を開始すると報じた。 来年には50発を量産し、中部山岳地帯に配備するという。 雲峰は台湾の CSIST が開発したが、欧州のどこかの国が協力しているという。
 一方、台湾の専門家は、中国が台湾に向け配備しているミサイルは1,600発以上になると見ている。
【註】
 雲峰は射程がラムジェット推進で Mach 3、射程は1,200kmと報じられている。 既報では、2014年に量産を開始して、2015年に配備を開始するととされていた。
【関連記事:1304-030007 (JMR 2013.03)】
2013.03.12 Defense News Taiwan to study building own submarine fleet <1304-031203>
 台湾が3月12日、米国が永く提供を保留している潜水艦8隻を国内で建造する計画であることを確認した。
 通常動力型潜水艦8隻の提供は、2001年4月にブッシュ大統領が武器売却パッケージの一部として認めたが、米国は40年以上にわたり通常動力型潜水艦を建造しておらず、 ドイツとスペインも中国の反発を恐れて提供を拒否していた。
2013.03.10 Defense News Upgraded early warning aircraft arrive In Taiwan <1304-031002>
 台湾が発注していた E-2T AEW&C機を E-2K に改良する最後の2機 が納入され、E-2K 6機体制が整った。 台湾は1995年に E-2T を4機、2006年に E-2K 2機を購入し、2008年に4機の E-2T を$6.5Bかけ て E-2K に改良する契約を行っていた。
 E-2K はプロペラが8枚の新型に換装されたほか、レーダ、ソフトウェア、その他アビオニクスが 更新され、米海軍現有の E-2C 2000 と同等の性能を持つという。
2013.03 Jane's Missiles & Rockts Report reveals details of Taiwan's Mach 3 missile <1304-030007>
 台湾の I Chou Kan誌が2012年12月20日、ラムジェット推進で Mach 3、射程1,200kmの CM である Yun Feng(註:Cloud Peak 雲峰か?)を報じた。 Yun Feng の発射試験は2012年に2回行われており、2014年に量産を開始して 、2015年に配備を開始すると見られる。
 Yun Feng は天弓 SAM 用に開発された固体燃料ロケット4本で発射される。 報道によると、Yun Feng の射程は 2,000kmまで延伸されるという。
2013.02.06 Jane's Defence Weekly Analysts: Taiwan building long-range cruise missile <1303-020606a>
 台湾 CSIST が2014年、長距離、高高度、高速巡航ミサイル Yun Feng( Cloud Peak 雲峰か?)の量産を開始する。
 Yun Feng ラムジェットで推進し速度は Mach 3 以上、射程は1,200km以上であるという。
<1303-020606b>
 台湾の馬総統が1月28日、訪問中の米国会議員に、2001年4月に当時のブッシュ大統領が売却を約束したディーゼル潜水艦8隻の売却を再要求 した。
2013.02.03 Yahoo 時事通信記事

「米国製新鋭レーダー配備=奇襲攻撃に備え―台湾」

<1303-020303>
 台湾国防当局者が3日、北部新竹県に設置した米国製の早期警戒レーダが1日から正式 運用を開始していることを明らかにした。
 台湾軍筋によると、2012年12月に北朝鮮が ICBM を発射した際や、最近中国が BMDS の試験を実施した際も、試験運用中のレーダが包括的な情報収集が可能になったこ とが確認したという。
【註】
 台湾が台湾の新竹山と楽山に設置する BMEW レーダは、台湾が$1Bを米国に提供して建設されたものの、米国が運用しており、得られるデータも米側が検討した後、一 部だけを台湾軍に提供している。
【関連記事:1205-040701 (韓国東亞日報 2012.04.07)】
 しかし台湾は、1基目の設置の際に追加支出を求められたのを不服として、2基目の設置を取りやめた。
【関連記事:1210-092505 (Defense News 2012.09.25)】
2013.01.18 Defense News Taiwan working on new 'Cloud Peak' missile <1302-011805>
 台湾が、ラムジェット推進により Mach 3 以上で飛翔する射程1,200kmLACM 雲峰 (Yun Feng) を開発しており、2014年に量産を開始する。 雲峰の射程は2,000kmまで に延ばすことが出来る。
 台湾政府筋はまた、射程600kmの亜音速 LACM HF-2E 3個大隊が配備されたことを明らかにした。 Google (25 02 13.59 N,121 25 14.90 E) には、発 射機4両、指揮車2両、衛星中継車5両の画像が写っている。
2013.01.05 Yahoo 毎日新聞記事

「台湾、南シナ海・太平島周辺で石油探査へ 周辺各国に対抗」

<1302-010502>
 台湾が、実効支配している南シナ海のスプラトリ諸島(南沙諸島)最大の太平島周辺で 石油探査計画に着手することを明らかにした。 台湾政府は、公営石油会社『台湾中油』と協力して今年中に太平島に向けて資源探査船を出航さ せる。
 台湾はこれまで、太平島の領有権を主張する中国、フィリピン、ベトナムを刺激しないよう積極的な行動を避けてきたが、各国が資源の豊富な 南シナ海での探査活動を活発化させるなか方針転換を図る。 台湾が方針転換を図る背景には、南シナ海の主権問題を巡り中国、フィリピン、ベ トナムが対立を先鋭化させる中、存在感を打ち出せない現状を打破する狙いがある。
 台湾と中国は台湾海峡やアフリカでの資源開発で既に協力関係にあるが、太平島周辺での協力は今のところ見えていない。
2013.01 Jane's Missiles & Rockets Taiwan ends anti-ship trials <1302-010023>
 台湾のメディアが11月12日、10月に長射程型 HF-3 の試験を完了したと報じた。
 従来の HF-3 が速度が Mach 2 で速度が200kmであるのに対し、新型 HF-3 は Mach 3300kmの性能を有する。