2010年の台湾情勢に関する報道

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2010.12.20 China Defense ROC Navy opens missile base in eastern Taiwan to media <1101-122002>

 台湾海軍が17日、台湾東部にある HF-2 ASCM の基地を初めて公開した。
 HF-2 は全長4.8mで射程は100km以上である。

2010.12.15 Jane's Defence Weekly Annual defence report 2010: Asia Pacific <1102-121511>
= 2010年軍事情勢の総括 (アジア、太平洋編) =
アフガニスタン、パキスタン、中央アジア
南アジア
中国と台湾
北東アジア
東南アジア
オーストラリアとニュージーランド
2010.12.15 Yahoo Searchina 記事

「台湾とロシアが潜水艦を建造?米国製購入進まず奇策」

<1101-121506>
 米国製の通常型潜水艦の購入が実現しないため、台湾がロシアと協力して潜水艦建造を計画しているとの記事を台湾メディアが報じた。
 台湾国防部副部長はこの報道を否定したが、これまでにも S-300 、SA-18 MANPADS、Kilo級潜水艦などのロシア製武器の購入のため、 台湾がロシアと接触しているとの情報がしばしば流れている。
2010.12.15 Yahoo Searchina 記事

「台湾が新型ミサイルを量産へ、中国東南部を攻撃可能」

<1101-121505>
 台湾国防部副部長が8日、台湾が独自に開発した HF(雄風)ミサイルの量産計画は順調 に進んでいると述べ、HF-2(雄風-2)と HF-3 (雄風-3)を 2011年から量産する方針であることを明らかにした。
 台湾国防部は、中国が台湾攻撃用のミサイルを2年前の1,500発から、現在は1,900発に増強したと推測している。
2010.12.10 Yahoo Wall Street Journal 記事

「台湾、中国本土到達の巡航ミサイル大量製造開始」

<1101-121002>
 台湾の国防高官は8日、中国本土の都市に到達できる Hsiungfeng-2EHF-2E、雄風-2E)の 量産を開始したことを明らかにした。 台湾と中国の政治的経済的関係の大幅改善にもかかわらず、中台の軍事的な対立が解消されていないこ とを浮き彫りにしている。
2010.11.29 Yahoo Searchina 記事

「台湾に F16 売却へ、米中関係の悪化は不可避―中国」

<1012-112902>
 来年1月に予定されている中国の胡錦涛国家主席の訪米後、オバマ政権は、F-16C/D を含む台湾向け武器売却に関す る詳細を発表する計画という。 台湾の馬英九総統は、米国は中国からの圧力に直面しても、新規武器売却計画は実現すると語る。
 米国務省はこれについてノーコメントだが、信頼できる消息筋によると、武器売却の詳細を明らかにするのは時間の問題という。
2010.10.13 Jane's Defence Weekly Taiwan proceeds with Hsiung Feng UE development <1011-101311>
 台湾が中国との関係改善が進んでいるにもかかわらず HF-UE開発を継続することを明 らかにした。 HF-UE は陳前政権が開発を開始したが、米国は攻撃用兵器であるとして反対していた。 今回の台湾の決定は米国が AGM-154 JASSM の売却を拒否した事への反発と見られる。
 HF-UE はターボファン推進で射程800〜1,000km、最大速度 Mach 0.85 で200kgの弾頭を搭載する。 台湾軍は2013年 までに300基以上を装備したいとしている。
2010.10 International Defence Review Taiwan missile revamp <1011-100013>
 台湾の国民党国会議員が、年内に HF-UE を配備することを明らかにした。 Hsiung Feng は元々対艦ミサイルであったが、HF-UE は誘導装置とエンジンを換装して、陸上発射型 LACM になった。
2010.09.01 Jane's Defence Weekly US grants Taiwan IDF radar export licences <1010-090111>
 米国務省が8月24日、台湾IDF 戦闘機搭載レーダの改良に技術輸出することを 承認したと発表した。
2010.08.25 Jane's Defence Weekly Taiwan renews call for US weapons <1010-082510>
 米国防総省が議会に対し中国の軍事力に関する報告を行ったのを受け、台湾国防省が8月17日に米国に対し、最先端装 備の売却を再要求した。
 台湾は$6.4Bの武器売却パッケージの一部として来年Patriot 3個中隊分と PAC-3 弾114発 を$2.81Bで購入することが決まっている。
2010.07.28 Jane's Defence Weekly Taiwan fears rise in Chinese missile threat <1009-072811>
 台湾国防省が7月21日、台湾に向けられたミサイルの数が、2010年末には1,900発に達すると発表した。 従来は1,300発 と見積もられていた。
 この様な情勢から馬政権は、米国から M1A2 Abrams MBT などの購入を希望しており、このため2011年国防予算の増額を計画している。
 米国は、台湾が要求している F-16C/D 66機の売却に応じていないが、与党議員は F-16A/B の性能向上は進められているとしている。 これに対 し野党民進党の議員は、台湾には F-16C/D より AV-8B Harrier U の方が適していると主張している。
2010.05.26 Jane's Defence Weekly Taiwan commissions Kwang Hua 6 squadron <1007-052611>
 台湾海軍が5月18日、KH-6 ミサイル艇を装備した最初の戦隊を編成した。 海軍は当初50隻を計画していたが財政上の制約から 30隻に削減されている。 10隻ずつを装備する残りの2個戦隊も2012年2月までに編成され。
 KH-6 はイスラエルの設計した Hai Ou 級57tミサイル艇に代わるもので、台湾最大の造船会社である CSBC社の設計による。 艇は全長34.2m、排水量 171tで最大速力33ktの性能を持ち、HF-UE ASCM 4発を装備している。
【註】
 HS-UE は従来 ASCM ではなく、射程が600kmあるいは1,000kmとされる LACM と伝えられてきた。
2010.05.19 Jane's Defence Weekly Report calls for stronger Taiwanese fighter fleet <1006-051911>
 US-Taiwan Business Councile が5月10日、米政府は台湾へF-16C/D の売却を行うべきとの提言を公表した。 も し売却を行わないと2014年〜2015年には中国の航空優勢が二倍になると警告している。
2010.04.25 Yahoo 毎日新聞記事

「台湾、一転再開 北京射程のミサイル開発」

<1005-042501>
 台湾の国防安全保障関係者の話や国防部高官の議会証言から、馬英九政権が北京を射程圏内とする MRBM と CM の開発 を一旦停止に踏み切ったものの、再開したことがわかった。 台北から北京までは約1,700kmある。馬政権は政権発足後まもなくで、巡航ミサイル HF-2E Block 3 を含む1,000km以上の射程を持つミサイルはすべて開発を停止した。
 再着手は米軍普天間飛行場の移設問題を巡る日米関係のギクシャクぶりへの台湾側の懸念や、中国の海軍力増強で有事 の際に米軍の協力が得られにくい状況への危機感と受け止められている。
2010.04.12 China Defense Blog Taiwan developing 'carrier killer' <1005-041201>
 台湾が、中国の空母対抗に特化したコルベット艦構想を明らかにした。
 この艦は排水量1,000t、速力30ktで、HF-V 超音速 ASCM を装 備する。
2010.03.31 Jane's Defence Weekly US 'remains committed' to Taiwan defence trade <1005-033106>
 米国務省高官が、台湾が十分な自衛力を保持することが必要であるとして、米国が引き続き台湾への武器売却の約束を果たす方針であることを 明らかにした。
 この約束は1979年に成立した台湾関係法に基づいて行われている。
2010.03.24 Jane's Defence Weekly Greece to acquire Type 214 sub to resolve TKMS dispute <1005-032402>
 ギリシャType 214 潜水艦2隻を追加建造する。 一方2000年代初期に 発注した4隻の Type 214 についても、受領することに合意した。
 Type 214 は、一番艦が2008年11月に要求を満足していないことを理由に受領を拒否して、現在も Kiel の造船所に係留されており、受領後ギリシャ政府は EUR350Mで売りに出す。 二、三、四番艦はギリシャ海軍が装備する。
【註】
 ギリシャが受領を拒否した Type 214 潜水艦4隻は、米国が買い取り台湾に転売されると報じられていた。
【関連記事:1001-121401 (China Record 2009.12.14)】
2010.03.19 Yahoo 時事通信記事

「海上封鎖や上陸シナリオ=中国の台湾有事行動想定−米国防総省」

<1004-031901>
 米国防総省の東アジア担当次官補代理が18日、議会の諮問機関に提出した書面で、中国軍拡の主たる目的の一つは台湾海峡有事 に備えたものであるとし、有事の際に想定される中国による海上封鎖や台湾への上陸侵攻など、以下のようなシナリオを示した。
 1. 台湾海峡の封鎖
 2. 弾道弾による台湾の防空システムへの限定的な攻撃
 3. 東沙諸島の東沙島や南沙諸島の太平島への上陸
 4. 台湾への上陸侵攻、占領
 海上封鎖については、中国海軍はその能力が不足しており、海域での軍事演習や近海をミサイル発射試験区域に指定することで、事実上封鎖するのではないかとの見方も 示した。
2010.03.18 Yahoo 毎日新聞記事

「中国ミサイル『台湾向け1400発余に増加』と台湾局長」

<1004-031803>
 台湾の情報機関である国家安全局の局長が17日に立法院外交国防委員会で行った機密報告で、中国が台湾に向けて配備したミサイルは1,400発 以上に増加したことを明らかにした。 国防部が昨年10月に発表した国防報告書では、中国の台湾に向けた SRBM と CM は約1,300発と記していた。
 同局長はまた、中国軍が昨年実施した軍事演習31回のうち、台湾の攻撃を想定したものが74% に上ったと述べた。
2010.03.03 Jane's Defence Weekly Taiwan's air force on the wane, says intel report <1005-030302>
 米国防情報庁 (DIA) が2月16日に議会に提出した報告書で、台湾空軍の弱体化が指摘している。
 台湾が保有する F-5E/F 60機の半数以上が耐用命数を過ぎており、56機保有している Mirage 2000-5 は補用品が不足している。 また126機保有している F-CK-1 IDF搭載能力と戦闘行動 半径が限られている。 Tien Chien 2 AAM、Tien Chien 2A ARM、Wan Chien クラスタ爆弾を搭載できる IDF-U Goshawk はまだ1機しかな い。
 146機保有している F-16A/B Block 20 は改良が必要である。
2010.02.01 Yahoo 時事通信記事

「中国潜水艦が台湾近海に侵入=一時臨戦態勢に−地元紙報道」

<1003-020101>
 1日付の台湾紙が、高雄の左営海軍基地沖の南西44kmの近海に27日、中国海軍とみられる潜水艦が侵入し、台湾海軍は一時、 臨戦態勢に入ったと報じた。 同基地沖では台湾海軍が演習を行っていた。
 ソナーが検知した潜水艦とみられる相手に所属などを問い掛けたが応答せず、そのまま台湾海峡の中台中間線方向に逃れたという。
2010.01.26 Yahoo 毎日新聞記事

「米国、台湾向け売却武器の確定案を議会に通告」

<1002-012602>
 オバマ米政権が台湾に売却する武器の確定案を米議会に通告した。 議会で承認されれば売却が決定し、同政権下では初の新規売却となる。  武器売却は台湾への防衛支援を義務づける米国の台湾関係法に基づくもので、確定案には PAC-3 や UH-60、防衛通信 ネットワーク用機材が含まれるが、台湾が強く希望している F-16 は入っていない
 ブッシュ前政権は2008年10月に PAC-3 など総額$6.5Bの武器売却を議会に通告していたが、最終的な決定を持ち越してきた。
2010.01.20 Jane's Defence Weekly Taiwan ponders US frigate acquisition <1003-012005>
 台湾が、保有する Knox級フリゲート艦の後継に Oliver Hazard Perry級フリゲート艦又は LCS の購入を検討している。 Perry級の場合には Aegis システムを搭載したいとしている。 米海軍は現在30隻の Perry級を保有しており 、台湾も1990年代に8隻をライセンス国産している。
 一方 Knox級は1970年代初期に進水し米海軍で使われていたものが1990年代に台湾へ引き渡されたものである。
2010.01.13 Jane's Defence Weekly US to outline Taiwan defence package... <1003-0113801>
 米政府が議会に対し、2008年10月以来保留されていた台湾への武器売却を来月に行うと通知した。 この中には PAC-3 は含まれているが、F-16C/D Block 50/52 66機は含まれていない。
 PAC-3 については既に台湾国防省が1月8日に、米国防省が台湾向け PAC-3 を Lockheed Martin社に発注したことを明らかにしている。 ブッシュ政権が決めた武器売却 には PAC-3 ミサイル300発$3.1Bが含まれていた。
 実は既に2008年1月と2009年1月に、台湾の Patriot を Config 3 に改修する契約を Raytheon社が受注していた。
【註】
 Config 3 とは、PAC-3 の射撃が可能なように改良された Patriot 地上装置の仕様である。
2010.01.07 Yahoo 毎日新聞記事

「台湾、米国が PAC3 売却…対中ミサイル防衛力向上」

<1002-010702>
 台湾の中央通信が7日、米国防総省が台湾への PAC-3 売却を表明したと報じた。 台湾の PAC-3 配備は初めてになる。 米国は PAC-3 のほ か、UH-60 とディーゼル潜水艦なども近く台湾に売却する見込みである。
 米国防総省は2008年10月、台湾へ PAC-3 など総額$6.5Bの武器を売却する計画を米議会に通告し、中国がこれに反発して米中軍事対話を約半年間中断していた。