2005年の台湾情勢に関する報道

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2005.12.18 Yahoo 毎日新聞記事

「米国から購入のキッド級駆・・・」

<0601-121803>
 台湾が米国から購入したキッド級駆逐艦2隻が17日に正式就役し、陳水扁総統も参加して就役式典が行われた。 両艦の 満載排水量は10,500tで、イージス艦に近い性能を備えている。 1隻当たりの購入費 は約$200Mである。
 陳総統は式典で、中国の軍備拡張はすでに合理的な防衛の範囲を超えていると述べ、現在 GDP 比2.4%の防衛費を2008 年までに GDP 比3%に引き上げる考えを示した。
2005.12.14 Jane's Defence Weekly Taiwan ponders S-92 Helibus for search-and-rescue role <0601-121412>
 台湾が次期捜索救難ヘリの機種選定に関して、S-92 について Sikolrsky社と協議を 行っている。 台湾国営の AIDC社は6ヶ国が参加する TEAM S-92 の一員であり、S-92 価格の6.5%にあたる コックピットを生産している。
 台湾空軍の救難飛行群は1990年代購入した S-70C-1 を14機装備しており、海軍も2個飛行隊の S-70C 対潜ヘリを保有している。
2005.12.10 Yahoo 産経新聞記事

「米製兵器、調達予算案が難・・・」

<0524-121001>
 台湾が米国から調達したキッド級駆逐艦2隻が、8日に東部の蘇澳港に到着した。 到着したキッド級駆逐 艦は満載排水量が9,574tで、対艦、対空ミサイル、対潜機雷や新鋭レーダーなどを装備している。  来年中に同型艦がさらに2隻、台湾側に引き渡される。
 しかし同時に承認された通常型潜水艦などの調達予算案は、立法院の審議入りが野党の反対で連続して40回も拒否される異常事態とな っている。
2005.12 Jane's Missiles & Rockets Taiwan may have plans to build 500 cruise missiles <0602-120005>
 台湾が HF-2E LACM 量産を3年以内に開始する計画である。  これは2005年6月に行われた飛行試験の成功を受けたもので、この試験で HF-2E は、周回コースを50周して 500kmを飛行した。
 HF-2E は全長6m、胴径50cm、重量1,600kgで、400〜450kgの弾頭を搭載し1,000kmを 飛行する。 この射程内には上海や香港が入る。 HF-2E を P-3C から発射する計画もあるが、計画は議会により阻止されている。
 試験のための少量生産は2006年、2007年に行われ、試験が終了すると500発以上が生産される計画である。  量産経費は$2Bに上る。
2005.11.23 Jane's Defence Weekly Taiwan favours Cobras for helicopter procurement <0523-112305>
 台湾政府が Bell-Textron社に対して、AH-1Z 30機の国内生産に関する公式要求を行った。 台湾は次期攻撃 ヘリに AH-1Z と AH-64D を検討していたが、Boeing社が AH-64D の台湾での生産に応じなかったため、AH-1Z が優位に立った。
 台湾は保有する63機の AH-1W を AH-1Z 仕様に改造するオプションも行っている。 また AH-1Z の国内生産 は、老朽化した UH-1H の後継に考えている UH-1Y の国内生産に道を開くものと見られている。
2005.10.26 Jane's Defence Weekly Taiwan debates satellite procurement programme <0522-102610>
 台湾では5月20日に打ち上げられた ROCSAT-2 情報収集衛星の後継が議論になっている。 ROCSAT-2 は EADS グループの Astrium社が製作し、Orbital Sciences社製の Taurus XL で打ち上げられたが、Astrium社が中国からの圧 力中国上空での情報収集能力を制限しているため、台湾政府部内で不満が出ている。 ROCSAT-2 後継は2006年中に決定される。
 現在議論になっているのは、ROCSAT-2 の後継を ROCSAT-2 にするか、ROCSAT-6 SAR 衛星にするか、Ikonos などの民間衛星を活用する かで、台湾国家保安局は米国の DigitalGlobe社が運営する民間衛星 Quickbird を推している。
2005.10 Jane's Missiles & Rockets Kidds prepare for SM-2 firing trials <0521-100017>
 台湾が 9,900t Kidd 級駆逐艦一番艦の11月の引き渡しを控え準備を進めている。  Kidd 旧駆逐艦は、退役する7隻の Gearing 級駆逐艦の代替で、SM-3 Block 3A、RGM-84L Block 2 Harpoon、RUR-5A ASROC を装備する。
 残りの2隻は2007年3月までに引き渡される。
2005.09.28 Jane's Defence Weekly Taiwan boosts submarine force with Harpoons <0520-092806>
 台湾が、オランダ製である Hai Lung (Sea Dragon) 級の2隻の潜水艦に UGM-84 Harpoon を搭載する準備を進 めている。 台湾は既に艦載型の RGM-84D/84L 及び F-16 搭載用の AGM-84A Block 2 CTS Harpoon を装備している。
 もし UGM-84 が Block 2 であれば沿岸や内陸の攻撃能力があり、台湾は汕頭、上海、廈門、舟山、Sandu、 Xiazhen などの台湾海峡対岸の海軍基地を攻撃する能力を保有することになる。
2005.09.22 Yahoo 産経新聞記事

「米、武器調達予算遅れ警告・・・」

<0520-092201>
 米国防総省の高官が、台湾に自己防衛の意思がなければ、米国に台湾防衛の義務はないと述べて、潜水艦など米国製の防衛装備調達の ための予算案成立が大幅に遅れている台湾に対し警告した。
 米側がいらだちを強めているのは、ブッシュ大統領が2001年に対台供与を承認した PAC-3 や潜水艦、対潜哨戒機の 調達特別予算案が、台湾の国会の与野党対立で29回も否決されているためだ。
2005.09.14 Jane's Defence Weekly Taiwan propares for Kidd delivery <0519-091409>
 最初の Kidd 級駆逐艦2隻の台湾への引き渡しは11月と12月に行われる。 この2隻は現在評価試験が終了し、 10月には SM-2 の試射が行われて、11月上旬に台湾に向け回航される。 Kidd 級駆逐艦は4隻が Gearing級対空 駆逐艦と交代する。
 Kidd 級駆逐艦には SM-2 Block 3A のほか、RGM-84L Harpoon Block 2 が装備され るが対潜能力は低いため、台湾海軍は Knox 級フリゲート艦で護衛する考えである。
(関連記事 JMR 2004.04)
2005.09.13 Yahoo 産経新聞記事

「台湾、艦載対空ミサイル開・・・」

<0518-091301>
 12日付の台湾紙が国防筋の話として、艦艇搭載対空ミサイル天剣2型」と垂直発 射システムの開発に成功したと報じた。 海軍が1990年代にフランスから購入した6隻のラファイエット級フリゲート艦に来年から搭載を 始める。 このミサイルの能力は明らかにされていない。
【註:】
 台湾では「天剣」 (Tien Chien) の名称を AAM に使用しいる。 Tien Chien U AAM は Tien Chien UA という ARM 型も開発されており、AIM-7 Sparrow AAM と類似の AAM と見られ、艦載型は Sea Sparrow 類似の SAM と 思われる。 Tien Chien U AAM の射程は60kmと言われている。
( Tien Chien U AAM 関連記事 JDW 2004.03.17)
 La Fayette 級フリゲート艦(右図)はフランスで建造された満載時3,800tのフリゲート艦で16隻予定中6隻が就役している。  HF-U ASCM を装備する最新鋭艦であるが SAM は IR 誘導の Sea Chaparral だけである。
2005.08.31 Jane's Defence Weekly Snecma certifies Taiwan to maintain Mirage turbofans <0518-083109>
 台湾は60機保有する Mirage 2000-5 に搭載する M53-P2 エンジンの保守整備担当を、フランスの Snecma社 に決めた。 コストの削減が狙いである。
 M53-P2 は12個のモジュールで構成されているが、そのうち11個モジュールが Snecma社に発注される。
(関連記事 JDW 2005.01.17)
2005.08.31 Jane's Defence Weekly Taiwan pushes ahead with UAVs <0518-083106>
 台湾では軍民の双方が UAV の開発を推進している。
 Chung Shyang U は CSIST が開発している UAV で、EO/IR シーカを搭載して 150km/hで10時間滞空できる。 上昇限度は3,660mである。 同じ CSIST が1995年に開発した Kestrel Chung Shyang T は量産されなかったが、Chung Shyang U は現在陸軍と海軍が採用を検討 している。
 MX-1 (Medium Experimental-1: 右図) は AFTE社が独自に開発しているもので沿岸監視隊が関心を 示している。 MX-1 は150ccの2サイクルエンジンで5時間、400kmを飛行する。 価格は$10,000と見積もられて いる。
2005.08.24 Jane's Defence Weekly Taiwan discusses helicopter co-manufacture <0518-082414>
 台湾は Bell社と、35機の UH-1Y 及び30機の AH-1Z の共同生産の話し合いを開始している。 UH-1Y は現有 の UH-1H 63機の更新で、Bell社はこの他に、現有63機の AH-1W を AH-1Z 仕様に改造する提案も行っている。
 台湾のヘリ更新計画には Boeing社が AH-64D Apache Longbow を、Sikorsy社が UH-60 Black Hawk を提案している。
2005.08.12 Yahoo 時事通信記事

「自主開発の巡航ミサイル配・・・」

<0516-081201>
 12日付の台湾紙中国時報は、国防部の中山科学研究院が開発した巡航ミサイル「雄風2E」 の台湾本島での配備が既に始まり、新たに設置された国防部ミサイル司令部第1中隊に配備されたと伝えた。  将来的は同司令部の下に3個中隊を置き、各中隊に18〜24基を配備する計画という。
 現時点で射程は1,000kmに達していないものの、2,000kmを最終目標に改良を進める と共に、海軍のキッド級駆逐艦への搭載も検討されている。
2005.08.01 Inside the Army International Missile Defense sales boost Raytheon earnings <0518-080101>
 Raytheon社の2005年2/四期における収益は$233Mで、昨年同期の$94Mの赤字から大きく好転した。 これはミ サイル防衛システム等の国外販売の伸びが一因で、Patriot と Cobra Judy 艦載用弾道ミサイル追随レーダの売 上高は$940Mに達している。
 また、2/四期の契約高は$1.6Bで、これには台湾が発注した早期警戒監視レーダの$631Mが含まれる。 同社 は2005年の販売総額が$3.4Bにのぼるものとみている。 
2005.07.21 東京新聞

インターネット

巡航ミサイル台湾が量産へ・・・」 <0515-072101>
 20日の台湾紙中国時報が、台湾が巡航ミサイル「雄風」の量産態勢を整えたと報じた。  台湾の軍事関係者の間では、今年3月までに上海、南京、武漢など中国大陸の東南半分を網羅する射程1,000km の雄風の発射実験に成功したとの見方が有力であった。
 今回量産しながら性能を高める方式が新たに採用されたことで、当初予定の2008年より早い時期に実戦配備 される可能性がある。
【註:】

 今年3月に発射試験に成功した射程1,000kmの雄風とは、HF-2E (Hsiung Feng-2E) のことで、Harpoon と良く似た射程150kmの対艦ミサイ ルである HF-2(右図)の改良型である。

(関連記事 東京新聞 2005.06.06 )
2005.07.20 Jane's Defence Weekly Taiwan adds air defence capability to Knox frigates <0516-072007>
 台湾が、保有する8隻の Knox 級フリゲート艦に、Gearing 級駆逐艦から SM-1 やレーダ などを載せ替えて対空能力を強化している。 また Mk42 127mm砲は、同じく Gearing 級駆逐艦からの 76/612 Super Rapid 砲に換装される。 SM-1 は4基の2発又は3発入り箱形発射機に装填され、計10発が搭載さ れる。
【註:】
 Knox 級フリゲート艦は1969年に就役が始まった対潜作戦用水上艦で、Mk42 127mm砲のほか ASROC 及び 20mm CIWS を装備している。  初期には 20mm CIWS はなく DASH を装備していた。
2005.07.19 Yahoo 西日本新聞記事

脱北議員証言、台湾にミサ・・・」

<0515-071902>
 月刊朝鮮が17日に発売した8月号で、北朝鮮が500kg級の小型核兵器を製造していると証言した最高人民会議の代議員 (72) が、 ミサイルを台湾に密売したとも述べていると報じた。
 韓国聯合ニュースによると、国家情報院は18日、代議員を台湾との武器取引に関与した人物と確認したという 。
2005.07.06 Jane's Defence Weekly Taiwan proceeds with EWR programme <0514-070608>
 台湾は EWR (Early Warnning Radar) 計画に Raytheon社製の AN/FPS-115 Pave Paws UHF レー ダを選定し、6月に$752Mの契約を行った。 MEADS 用レーダを売り込んでいた Lockheed Martin社は敗れた。
 台湾にはこの様な固定施設は敵の攻撃に対して脆弱であることや、膨大な支出で得られるのは僅か6分前の警報 だけとの反対意見もある。
2005.06.26 東京新聞

インターネット

「台湾にレーダー供与、米が・・・」 <0513-062601>
 台湾各紙が24日、米国が台湾に早期警戒レーダを供与することを決めたと報じた。
 報道によると同レーダの有効探知能力は約3,000kmで中国大陸の東南半分をほぼ網羅する。
2005.06.24 Yahoo ロイタ通信記事

「台湾、米国から早期警戒レ・・・」

<0513-062401>
 米国防総省は23日、台湾に早期警戒レーダを提供すると明らかにした。 装備は、米空軍がレイセオン社に発注 する。
 総額は最高$752Mで、2009年9月までに納入する予定である。

(台湾の早期警戒レーダ機種選定に関する記事 JMR 2004.01)
2005.06.06 東京新聞

インターネット

台湾、巡航ミサイル実験成功 <0512-060602>
 台湾の中国時報が5日、台湾が射程1,000kmの巡航ミサイル「雄風」の発射実験に成功 したと報じた。 台湾国防当局は発表を行っていないが、同紙によると発射実験は今年3月までに台湾東方の太平 洋上で実施され、500km以上離れた距離から海上の標的を正確にとらえたとしている。
 この巡航ミサイルについて同紙は、今年中か来年には初期的生産体制が整い、配備後は中国の上海、南京、武 漢、海南島東部など軍事的重要地点が射程内に入るとしている。
2005.06.01 Jane's Defence Weekly Taipei embroiled in defence budget row <0512-060108>
 ブッシュ政権と2001年に取り交わした12機の P-3C、6個中隊の PAC-3、8隻の潜水艦売却を受けた台湾の国防 予算は、国民党の反対で昨年から成立しないでいる。
 これに対して米国は5月末を期限として、それより遅れれば協定の破棄又は変更を求めるとしている。 特に 問題なのが P-3C で、米国の保管機に対して他国からの引き合いが来ていると台湾に通告している。
2005.06.01 Jane's Defence Weekly Taiwan expands Hawkeye fleet <0512-060106>
 2機の E-2C が台湾へ引き渡され、5月19日にコンテナ船で高雄港に到着した。 この E-2C は、既に 4機の E-2T と1機の C-130HE が配備されている第20電子群に装備される。
 E-2T は台湾仕様の E-2 で、C-130HE は ELINT 機である。
2005.06 Jane's Missiles & Rockets Hsiung-Feng V nears production <0513-060009>
 台湾が Hsiung-Feng V (HF-V) 超音速対艦ミサイルの量産を2006年に 開始すべく準備している。 初年度には120発の生産が予算化されている。
 HF-3 は Mach 2.5 で巡航し、150kmの射程を持つ。 開発責任者によると対地攻撃 型及び ARM 型の開発も可能である。
(関連記事 JDW 2005.04.20)
 これとは別に Wan Chien ASM の写真が初めて公開された。 Wan Chien は子弾を搭載し滑 走路破壊に用いられると報じられている。
(関連記事 JDW 2005.04.13)
2005.05.11 Jane's Defence Weekly Taiwan acknowledges strategic missile development <0511-051103>
 台湾の国防相が5月2日に、台湾が戦略地対地ミサイルを開発中であることを公式に認めた。
 台湾が開発しているのは天弓 SAM を元にした SRBM 及び MRBM と、 勇風 (Hsiung Feng) 対艦ミサイルを元にした LACM の2種類である 。 
2005.05.04 Jane's Defence Weekly Taiwan receives briefing on F-35 fighter contract <0510-050406>
 米 DoD が台湾に対し、F-35 JSF の説明会を実施した。 これは2002年5月に台湾から出された LoI (Letter of Interest) に基づく もので、この LoI では攻撃で滑走路が使用できなくなった場合に STOVL 機が有用と述べている。
 台湾は現在 F-16、Mirage 2000-5、IDF(国産戦闘機)、F-5 などの戦闘機を約400機保有しているが、JSF は2011年に退役する F-5 の後継として2010年に F-35B 型を60機調達したいとしている。 更に2012年には F-35A を150機調達する計画である。 
2005.04.20 Jane's Defence Weekly Taiwan to mass-produce anti-ship missile <0509-042007>
 台湾が2006年に Hsiung Feng V (HF-3) 超音速対艦ミサイル の量産を開始する。 台湾の国防相は初年度に120発分の HF-3 予算を計上しているこ とを明らかにした。
 HF-3 は Mach 2.5 で飛翔し、300kmの射程を持つ。 台湾海峡は最も広いところで 220km、狭いところでは130kmであるため、HF-3 は大陸の中国海軍基地を攻撃できる。
 また HF-3 は ARM や LACM にも改造可能である。 台湾は既に HF-2 を改造した HF-2E LACM や、Tien Chien AAM を改造した TC-2A ARM を開発している。 
2005.04.13 Jane's Defence Weekly Taiwan reveals new stand-off weapon <0509-041302>
 台湾がスタンドオフ兵器である Wan Chien (註:萬剣)を開発している。 台湾は1999年の台湾海峡危 機を契機に Wan Chien をはじめ Tien Chien UA ARM や Hsiung Feng V 超音速対艦ミサイルなどの開発を開始した。
( Tien Chien 関連記事 JDW 2004.03.17)
 Wan Chien はジェットエンジンで200km程度の射程を有すると見られことから攻撃用途も考えられ、重要な インフラに対しての精密攻撃が可能となる。
 弾頭には散布子弾を搭載している模様であるが、用途により同一機体を使用した各種ファミリが開発されて いる可能性がある。 
2005.04.04 Aviation Week & ST Taiwan developing an air-launched powered standoff weapon <0508-040405>
 台湾が空中発射型のスタンドオフ兵器を開発中で、飛行試験(右図)を行っている。
 国産戦闘機 Ching Kuo の翼下に搭載した形状は、イスラエルの Modular Stand-Off Vehicle もしくはフラ ンスの Apache に酷似しており、機体上部の翼は発射後展張するとみられる。 動力にはターボジェットが用いられ、終末誘導に必要な 精密機器と単弾頭が装備されていると推測される。
 開発は1990年代中頃から CSIST社が行っているものとみられ、同社はこの他にラムジェット推進の対艦ミサ イル HF-V (Hsing Feng V) の開発を進めている。 Hsing Feng V の試験飛行は昨年末に行われてい る。
【註:】
 台湾の CM としては、対艦ミサイル HF-U の改良型である、射程1,000kmの HF-UE が報じられていたが、今回初めて Apache 型の CM の存在が明らかになった。
2005.03.23 Yahoo 産経新聞記事

2014年、台北にミサイル12・・・」

<0507-032301>
 台湾国防部は野党が抵抗している4,800億台湾元(約1兆5,000億円)の軍備予算の承認を訴えるのが狙い、中 国がミサイル攻撃するなどとの想定に基づくシミュレーション結果をまとめ、立法院の国防委員会に21日に報告した。
 22日付の台湾紙聯合報によると、シミュレーションでは中国が2014年に12基の巡航ミサイルを発射したと想 定し、ミサイルは高度150〜200mで台北地区を流れる淡水河の河口から侵入して川の上空を遡 り、市内中心部の総統府など重要施設を攻撃してくる可能性が高いが、PAC-3 を配置した場合は12基のうち平均で8.1基にあたる 67.5%までが撃墜可能という。
 このシミュレーションでは PAC-3 の撃墜率を、巡航ミサイルでは85%、弾道ミサイルでは83%と試算している 。
 さらに国防部は、予算が立法院を通過せずミサイル防衛能力が現状にとどまれば、2020年までに台湾と中国の軍事バ ランスが1:2.8と開き、中国が台湾への武力攻撃を容易だと判断する格差の「3」に近づくとも警告して いる。
 中国が台湾海峡沿岸に配備している弾道ミサイルについては、2003年11月に陳総統が496基との数字を公表したが、国防部ではこれが 現時点で約700基にまで増加し、さらに2014年には1,200基に達すると予測している。  
2005.03 Jane's Missiles & Rockets Taiwan tests Hsiung Feng V <0507-030020>
 台湾が2004年11月に、ラムジェット推進超音速対艦ミサイル Hsiung Feng V の発射試験に成功した。 Hsiung Feng V は発射後中間経路で数回のマヌーバを行い目標に命中した。
 Hsiung Feng V は300kmの最大射程を持ち、対艦用のほか対地用、ARM 用などの各種誘導 装置を取り付けられる。 
2005.02.28 Aviation Week & ST Bigger than ever <0506-022809>
 Boeing社は747-400旅客機の LCF (Large Cargo Freighter) への改修に台湾の EGAT社を 指名する。 EGAT社は台湾の EVA Air社と General Electric社の合弁企業で、改修作業は台北国際空港に昨年12月に開設した 127,464平方呎の大型整備ハンガーで実施する。
 LCF は標準の747-400機の3倍の容積を持つ世界最大の輸送機で、設計を Boeing社が担当し、 主翼と機体の改修部分はイタリア及び日本(三菱重工、富士重、川重)が供給、EGAT社が組み立てを行 う。
 Boeing社は試作用に台湾航空から中古機2機を購入し改修を行い、2006年中頃の飛行試験をめざす。
2005.02 Jane's Missiles & Rockets Taiwan agrees to uprchase Hellfire U missile form US <0506-020015>
 米陸軍は台湾に400発以上の AGM-114M 破片弾頭 Hellfire を FMS で輸出する。  引き渡しは2005年始めに開始される。
 契約は HEAT 弾頭の AGM-114K を含め600発以上に上るが、AGM-114M の契約としては米国内、輸出を含め最大規模 となる。 
2005.01.19 Jane's Defence Weekly Taiwan may mothball Mirage 2000-5s <0503-011713>
 台湾が1年間の試験の結果、Mirage-2000-5 をモスボールにする方法を確立した。 これは食品の保存に用い られる真空パックを応用したもので、従来のモスボールの方法では装備をすべて取り外すため、再使用に数週間 を要したが、この方法では僅か2時間で再使用が可能になる。
 報道によると台湾は10機の Mirage-2000-5 と、30機の台湾製 Chig-Kuo をモスボールにするという。
 台湾は1992年に$3.8Bで60機の Mirage-2000-5 を購入した。 
【註:】
 Ching-Kuo は台湾が開発した防空、対艦用の軽戦闘機で、1989年に初飛行している。
 最大離陸重量は12,750kg、最大速度は1,275km/hで、 M61A1 20mm Vulcan砲を装備する。
 今までに130機が生産されたと見られている。
( globalaircraft のサイトから)
2005.01.19 Jane's Defence Weekly Supersonic anti-ship missile tests successful <0503-011709>
 台湾が2004年11月と12月に、飛行経路変更を含む HF-3 の発射試験を行い成功した。
 HF-3 の最大射程は150〜200kmと見られており、台湾海峡(最大幅220km、最小幅130km)を 横断できる射程を有する。
 台湾はこの他に、射程120kmで Mach 0.85 の HF-2 も保有しており、軍事筋は、両ミサイルで中国の汕頭、アモイ、Sandu、Xiazhen な どの海軍基地を攻撃できると見ている。
 未確認情報によると、台湾は今後5年間に120発の HF-3 と、500発の HF-2E LACM を生産する計画である。 
2005.01.19 Jane's Defence Weekly Taiwan unveils CM-32 light armoured vehicle <0503-011708>
 1月11日に台湾が、開発中の CM-32 Yunpao(雲豹)を公表した。
 CM-32 は現有の M113、CM-21 装軌 APC、及び LAV-150S 4×4 装輪装甲車に代わる軽装甲車 (LAV) で、2007年以降 1,400両の調達が要求されている。
 CM-32 は Caterpillar社のエンジンと Allison社のミッションを搭載し、重量は22t、最高速度は110km/hの性能を持つ。
 ATK社製25mm砲を標準で搭載するほか、救急車、迫撃砲車、Tien Chien 1 SAM 搭載車、 105mm加農砲(砲弾32発)搭載車などが検討されている。
2005.01.12 Jane's Defence Weekly Taiwan set to receive Hellfires <0502-011207>
 台湾が、破片榴弾弾頭の AGM-114M Hellfire 400発を$50Mで購入することになった。 これは AGM-114M にと って過去最大の契約数である。
 これは、合計600発の破片榴弾弾頭 AGM-114K と、対戦車榴弾弾頭 AGM-114Y 契約の一部で、この他に5〜10%がイスラエル向け、残りが 米陸軍向けとなっている。 
2005.01.08 Yahoo 西日本新聞記事

台湾、新型ミサイル試射 ・・・

<0502-010801>
 7日付けの台湾紙が、台湾中央研究院が軍の委託で10年がかりで開発を進めていた新型ミサイルの実弾試射に 成功したと報じた。報道によると、このミサイルは超音速飛行し射程が300km以上雄風三型(註:HF-3)で、試射は昨年9月と11月の2度、台湾東部の太平洋海域で行いともに成功した。  数個の方向転換点を設定し、超音速で方角を切り替えて飛行させたという。
 注目されるのは、ミサイルに新たに搭載した誘導システムが、地上の地形を読みとる能力を備えているのと、 高速度で方向転換ができる点で、この能力は地形に沿って一定高度と一定速度を保つ巡航ミサイルとしての基本技術であり、台湾は 巡航ミサイル開発に大きく近づいたといえる。 
【註:】
 台湾は HF-2 対艦ミサイルを改良した、射程1,000km HF-3E LACM を開発中と伝えられていた。
(関連記事 JMR 2001.9月)
 また、昨年公表された向こう10年間のミサイル調達計画では、射程1,500kmの LACM を500発取得するとしていたが、
(関連記事 JMR 2004.4月)
ラムジェット推進でMach 2で飛行する HF-3 対艦ミサイルの LACM 型は、今まで報じられていなかった。
(関連記事 JMR 2001.9月)
2005.01 Jane's Missiles & Rockets US government considers release of HARM and JDAM missiles to Taiwan <0504-010012>
 台湾は AGM-88C HARM 及び JDAM 購入のため、価格とデータの開示を求める LOR (Letter of Request) を、米国防総省に提出した。 これに対して対中関係を懸念する国務省と国家保安委員会は反対するものと見 られる。
 反対の根拠は台湾関係法が防衛用兵器に限り台湾への供与を認めていることであるが、米国は1990年代に F-16、GBU-10/-12 Paveway を、また1999年には AGM-65 Maveric を輸出しており、更に Harpoon 対艦ミサイルに限定的な対地攻撃能力を 付与するソフト及びハードを提供している。