6・1 防衛対象
6・1・1 対中戦略6・2 防衛体制
6・1・1・1 対日挑発6・1・2 南西諸島の防衛
6・1・1・1・1 東シナ海及び周辺海域6・1・1・2 中露の連携
6・1・1・1・2 日本海での動き
「3・2・1 中国の動き」で記述
6・1・1・1・3 太平洋岸への接近
・ 4月 4日: 駆逐艦1隻とフリゲート艦1隻が対馬海峡通過 防衛省が4月4日、中国艦2隻が対馬海峡を通過したと発表した。 領海侵入はなかったという。
同省によると、3日10:00頃、対馬の北東320kmの海域で、駆逐艦1隻とフリゲート艦1隻を確認した。
両艦はその後、対馬海峡を抜けて東シナ海に向かった。 (2205-040410)・ 4月11日: 情報収集艦2隻が対馬海峡通過
防衛省が4月11日、中国海軍の情報収集艦2隻が対馬海峡を通過し日本海に向かったと発表した。
発表によると、海上自衛隊の哨戒機などが11日正午頃、対馬の南西130kmの海域を北東に進む同艦を確認した。 (2205-041108)・ 5月22/23日: フリゲート艦が対馬海峡を抜けて日本海に
統合幕僚監部が24日までに、中国海軍のフリゲート艦2隻が対馬海峡を抜けて東シナ海から日本海に入ったのを確認したと発表した。
防衛省によると、22日午後に五島列島福江島の西260kmでフリゲート艦1隻が航行し、23日午前には別のフリゲート艦1隻が対馬の南西120kmを進んだ。 2隻はその後、日本海へ向かった。 ミサイル駆逐艦は23日午前、久米島の北西80kmを南下し、同日太平洋へ入った。 (2206-052403)・ 6月14日: 駆逐艦など3隻が対馬海峡を抜けて日本海に
統合幕僚監部が6月14日、中国海軍の駆逐艦、フリゲート艦、補給艦の各1隻が対馬海峡を抜け、東シナ海から日本海へ北上したのを確認したと発表した。
防衛省によると、駆逐艦など3隻は13日正午ごろには、五島列島の福江島の西200kmを東に進んだ後、対馬の方向へ進んだ。
防衛省は13日にも中国の情報収集艦が対馬海峡を通過して日本海へ入ったと明らかにしていた。
中国が同じ付近に相次いで艦艇を送る意図を分析するとともに、動向を警戒している。 (2207-061410)・ 8月30日: 駆逐艦など3隻が対馬海峡を抜けて日本海に
防衛省が8月30日、中国海軍の駆逐艦やフリゲート艦など3隻が同日に対馬海峡を北東に進み、日本海に入ったと発表した。 (2209-083019)
【註】中国海軍は9月1日からロシア東部軍管区が行うVostok 2022演習の一環として、日本海でロシア海軍との合同演習を行うと報じられている。・ 9月23日: 情報収集艦が対馬海峡を抜けて日本海に
防衛省が9月26日、中国海軍の情報収集艦が対馬海峡を抜けて日本海へ入るなどの動きがあったと発表した。
海上自衛隊は23日正午ごろに対馬の南西100kmを東へ進む中国海軍の情報収集艦1隻を確認した。 その後、同艦は対馬海峡を北東へ進み日本海へ抜けた。
26日から米韓海軍が米空母Ronald Reaganが参加する合同軍事演習を日本海で行っており、情報収集目的の可能性もある。 (2210-092614>2210-092614)
6・1・1・1・4 日本列島を一周
・ 6月20日: 中国艦3隻が犬吠埼の南東220kmを航行 防衛省が6月20日、中国海軍艦3隻が犬吠埼の南東220kmを航行したと発表した。
3隻は日本海から北海道沖を通過して太平洋側を南下し、日本列島を周回するコースを進んでいる。 (2207-062015)・ 6月: 情報収集艦1隻が太平洋岸で情報活動
統合幕僚監部が6月26日、中国海軍の情報収集艦1隻が26日01:00頃、伊豆諸島の御蔵島と八丈島の間を西へと通過したのを確認したと発表した。
この情報艦は対馬海峡から日本海を北上、16日に津軽海峡を抜けて太平洋に入っていたのち、時間をかけて南下しながら情報収集活動をしていたとみられる。
防衛省によると、情報艦は今月に日本列島を周回するように航行した駆逐艦や補給艦の計3隻と共に日本海へ北上し、情報艦など2隻は津軽海峡から、残り2隻は宗谷海峡から太平洋側へ移ったのち、情報艦以外の3隻は21日に伊豆諸島の須美寿島と鳥島の間を通過し収集艦だけが外れていた。
防衛省によると、中国艦艇が御蔵島と八丈島の間を航行するのを公表したのは初めてで、中国側の意図を分析するとともに、今後の活動を警戒している。 (2207-062604)・ 7月: 中国とロシアの情報収集艦が情報を共有する可能性も
関係者の話で7月2日、日本列島を周回している中国海軍の東調級情報収集艦1隻が北海道沖と三陸沖を往復する動きを見せていたことが分かった。
この情報収集艦は6月16日に津軽海峡を通過した後いったん南下したのち反転北上し、北海道南部沖を航行して再び南下した。
これに先立ち同艦は、6月13日に対馬海峡を東に向けて通過した3日後に津軽海峡を通過し、さらに10日後には伊豆諸島に達していた。
同海域ではロシア海軍のBalzam級情報収集艦1隻も5月18日から6月7日まで同様の動きを見せており、防衛省関係者は「中国とロシアが別個に収集した情報を共有する可能性もある」と分析している。 (2208-070207)・7月、8月: 測量艦が北日本の周辺海域を航行
複数の政府関係者が8月11日、中国PLAが台湾周辺で大規模演習を行っていた4日から10日までの間にPLA海軍の測量艦が北日本の周辺海域を航行していたことを明らかにした。
航行していたのは測量艦1隻で、2日に宗谷海峡を東進したのち北方領土周辺海域を航行し、北海道沿いに南下して東北沖を航行している。
これに先立ち、同艦は7月29日には対馬海峡を通過しており、日本列島を周回するような航路を取って、八戸基地の海上自衛隊第2航空群のP-3Cなどが動向を追っている。
測量艦は、潜水艦航行に必要な海底地形、海流、水温や塩分濃度などのデータを収集するもので、7月20日には同型艦が屋久島から口永良部島周辺にかけての日本領海に侵入した。 (2209-081107)
6・1・1・1・5 与那国島台湾間通過
・6月: 駆逐艦2隻と補給艦1隻が20日間かけて日本列島を一周 防衛省が6月30日、中国の駆逐艦2隻と補給艦1隻が沖縄本島と宮古島の間から東シナ海へ北上したと発表した。
3隻は約20日間かけて日本列島を一周するように航行したことになる。 (2207-063010)
6・1・1・1・6 日台間海域で遼寧 が離着艦、H-6 が飛行
統合幕僚監部が7月11日、中国海軍のフリゲート艦1隻が7日から10日にかけて、与那国島と台湾の間を通過し太平洋と東シナ海を往復したと発表した。
防衛省によると、フリゲート艦は7日13:00頃に尖閣諸島魚釣島の西北西80kmを南下し、その後与那国と台湾の間から太平洋に入った。
10日14:00頃には与那国島の西南西50kmを航行したのち北寄りに進んで、再び与那国と台湾の間を抜けた。
海上自衛隊の艦艇3隻が監視に当たったが、領海侵入はなかった。 (2208-071109)
6・1・1・1・7 わが国の EEZ 内へ BM を打ち込み
・5月3~9日: 日本と台湾の近海で6日間にわたり100ソティー以上の離着艦 中国PLA海軍遼寧が日本と台湾の近海で、5月3~9日の6日間にわたり100ソティー以上の離着艦訓練を行った。
遼寧群にはType 055駆逐艦1隻、Type 052D駆逐艦3隻、Type 052C駆逐艦1隻、Type 901補給艦1隻、Type 054Aフリゲート艦1隻が加わっていた。
遼寧にはJ-15 36機、Z-18F ASWなどのヘリ15機が搭載されている。 (2208-052510)・5月18日: 遼寧 での離着艦訓練と連携した H-6 の飛行
5月24日にQuad首脳会議が開かれるのを前に、中国が西太平洋で空母遼寧で離着艦訓練を行ったが、これと連携したH-6の飛行も行った。
H-6 2機は5月18日に宮古海峡を通過して太平洋に出た。
飛行したH-6 2機はH-6Kの海軍仕様のH-6Jで、いずれも射程が285kmのYJ-12 ASCMを2発ずつ搭載していた。
H-6JにはASCM搭載用のパイロンが6箇所あり6発を搭載できる。 (2208-060103)・12月18日~: 沖縄南方の太平洋上で離着艦
統合幕僚監部が12月18日、沖縄南方の太平洋上で中国PLA海軍空母遼寧から17日の11:00頃から17:00頃まで6時間にわたり戦闘機やヘリが離着艦したのを確認したと発表した。
防衛省によると、遼寧は僚艦と共に16日に沖縄本島と宮古島の間を通過し、東シナ海から太平洋へ南下していた。 (2301-121806)防衛省が、沖縄県南東の太平洋を航行している中国海軍の空母遼寧から戦闘機などが20日までの4日間で130回離着艦していたと発表した。
領空侵犯はなく、航空自衛隊が緊急発進して対応した。
防衛省は空母等の能力向上や遠方での作戦遂行能力の向上を狙っている可能性があるとして警戒監視を続けている。 (2301-122113)
6・1・1・1・8 UAV の通過
・わが国の EEZ 内へ BM 5発を撃ち込み 「3・4・1・2 台湾危機」で記述
・習主席が自ら決断
複数の中国筋が8月11日までに、PLAが台湾周辺で行った大規模演習で、日本の排他的経済水域 (EEZ) にBMを落下させる決断を習主席が自ら下したとみられることを明らかにした。
2022年が日中国交正常化50周年であることを考慮し、PLAには日本のEEZを演習エリアに含まない別の案もあったが、習主席には台湾との関係強化の動きがある日本に対して台湾有事の際に介入しないよう強く牽制する狙いがあったようである。 (2209-081109)
6・1・1・1・9 76mm砲搭載 Type 818 警備艦の投入
・7月25日: TB001 UAV 1機 防衛省が7月25日、中国軍のTB001 UAV 1機が沖縄本島と宮古島の間の上空を通過して太平洋に入ったと発表した。 領空侵犯はなかった。
同省によるとUAVは東シナ海を南下後、先島諸島の南の太平洋上で旋回し、台湾南部のバシー海峡に向かった。
中国軍の無人機が有人機を伴わずに単独で同空域を飛行するのは初めてという。 (2208-072507)・8月30日: TB001 UAV 1機
統合幕僚監部が8月30日、中国のTB-001偵察攻撃型UAV 1機が同日午後に沖縄本島と宮古島の間を通過し、東シナ海と太平洋を往復したと発表した。
太平洋側では、宮古島や石垣島など先島諸島の南側を東西に移動し、周回するような飛行もした。
防衛省によると、TB-001は中国が台湾周辺で大規模な軍事演習を開始した8月4日にも、沖縄を通過して東シナ海と太平洋の間を飛んだのを確認している。 (2209-083101)
中国国営CCTVにると、海警局が18日に警備艦2隻が北太平洋の公海で違法操業を取り締まるため、山東省青島を出港したと発表した。
日本政府関係者によると、この警備艦は76mm砲を装備しているとみられる。
海警局はこれまでもたびたび30mm砲装備艦を派遣しているが、76mm砲装備艦の派遣は初めてで、今回76mm砲搭載警備艦が日本周辺を航行することから日本政府は警戒を強めている。 (2208-071902)
【註】中国海警局は海軍のType 054フリゲート艦を元にした76mm砲を装備したType 818警備艦を保有している。
6・1・1・2・1 海上戦力の連携6・1・1・3 外交姿勢での対立
6・1・1・2・2 航空戦力の連携
・9月27日: 中国艦とロシアの艦計7隻が伊豆諸島を相次いで通過 防衛省が9月27日、中国艦とロシアの艦計7隻が伊豆諸島を相次いで通過したと発表した。
中露が実施中とされる共同パトロールの一環とみられる。
両国は連携した軍事活動を活発化させていることに同省は警戒を強め、護衛艦や哨戒機が警戒監視を続けている。
同省によると、中国海軍のType 052C駆逐艦など3隻は26日夜に伊豆諸島の須美寿島と鳥島の間を西に進んだ。
27日昼ごろにはロシア海軍のUdaloy級駆逐艦など4隻が伊豆諸島の御蔵島と八丈島の間の接続水域を通り、南西方向に進んだ。 (2210-092708)・9月: 中国艦とロシアの艦計7隻が太平洋での合同パトロール
防衛省統合幕僚監部が9月29日、中国とロシアの海軍艦計7隻が28日から29日にかけて、大隅海峡を西向きに航行し東シナ海に入ったと発表した。 東シナ海では隊列を組んで航行した。
7隻は9月上旬以降、日本海からオホーツク海へ移動し、さらに太平洋側へ進んで伊豆諸島など太平洋側で確認され、ロシアが公表した中露による太平洋での合同パトロールの一環とみられる行動を取った。 (2210-092912)・12月21~27日: 東シナ海で合同演習
ロシア国防省が19日、ロシア海軍と中国海軍が21~27日に東シナ海で合同演習を行うと発表した。
ロシア太平洋艦隊の巡洋艦やフリゲート艦などが参加し、中国は駆逐艦や潜水艦を派遣する。 両海軍の航空機やヘリコプターも参加するとしている。
ロシアのウクライナ侵攻が進むなか、中露は11月に日本海と東シナ海で爆撃機による共同哨戒飛行を実施するなど、軍事面の協力を活発化させている。 (2301-121911)
・5月15日: H-6 と Tu-95 が日本海と東シナ海上空を編隊飛行 日米豪印Quad首脳会議が東京で開かれた5月24日に、中国のH-6 2機とロシアのTu-95 2機が日本海と東シナ海上空を編隊飛行した。 (2208-061513)
6・1・1・3・1 ロシアのウクライナ侵略6・1・1・4 各国との連携
6・1・1・3・2 8月台湾危機
・ロシアのウクライナ侵略に対する中国の対応を批判 日本の外務大臣として初めてNATO外相会合に出席した林外相が、ウクライナ情勢を巡る中国の対応を名指しで批判した。
林外相は、欧州とインド太平洋地域の安全保障は切り分けることができないとした上で、インド太平洋地域で影響を強める中国を念頭に、力による一方的な現状変更はどの地域においても許されないと訴えた。
さらに「ロシアによる平和条約交渉の中断に日本はひるまない」と述べ、欧米各国と連携してさらに厳しい制裁措置を取る構えを示した。 (2205-040807)
・ペロシ米下院議長の訪台へ対抗した中国軍の大規模演習 ペロシ米下院議長の台湾訪問への対抗措置として、中国軍が大規模な軍事演習を開始した。
岸防衛相は中国が発射したBM 5発が、日本の排他的経済水域 (EEZ) 内に初めて落下したことを明らかにした。
5発は沖縄県の波照間島の南西の海域に落下したとみられ、岸防衛相はわが国の安全保障と国民の安全に関わる重大な問題だなどと非難した。
また、カンボジア訪問中の林外相は、中国の駐日大使に抗議したことを明かし、軍事訓練の即刻中止を求めると述べた。 (2209-080502)統合幕僚監部が8月5日未明、中国のUAVが4日午前から夜にかけて東シナ海や太平洋を飛行したと発表した。
偵察型と偵察攻撃型が1機ずつのほか、中国のものと推定されるものが1機の計3機が飛び、中国が台湾周辺に設定した軍事演習のエリアを通過した。
航空自衛隊の戦闘機が緊急発進して対応したが日本領空への侵犯はなかった。
防衛省は、演習に関連する飛行だったとみて分析し、日本政府は外交ルートを通じて意図を確認する関心表明をした。 (2209-080504)・演習海域に日本の排他的経済水域 (EEZ) が
松野官房長官が中国軍が8月4日から台湾周辺で行う演習について、日本の排他的経済水域 (EEZ) が含まれているとして、中国側に懸念を伝えた。 (2209-080312)
・日本の排他的経済水域 (EEZ) に BM 5発が落下
中国軍が8月4日に台湾東部の海域に向けて複数のミサイルを発射したと発表した。
日本政府は発射されたBMのうち5発が日本のEEZの内側に落下したと推定されるとして中国側に抗議した。
日本側の抗議に対し、これまでのところ中国政府の公式な反応はないが、日本側が演習区域に日本のEEZが含まれているとして懸念を伝えたことについて、中国外務省報道官は4日、「両国は関連海域で境界を画定しておらず、演習区域に日本のEEZが含まれるという見解は存在しない」と主張した。 (2209-080507)・中国が台湾本土を囲む飛行禁止区域を設定
ANAホールディングスが8月3日、中国が台湾本土を囲むように飛行禁止区域を設定するとの航空情報 (NOTAM) を出しているのを確認したと明らかにした。
回避ルートの作成が可能かどうか、台湾当局と調整し確認するという。 (2209-080314)・日中外相会談が中止
日本政府関係者が、8月4日午後にカンボジアの首都プノンペンで予定されていた日中外相会談が中止になったことを明らかにした。
日中両外相は、ASEAN関連の外相会議に出席するためカンボジアを訪問しており、林外相は岸田政権の発足後、初めて中国の王外相と1時間対面で会談する予定だった。
ペロシ米下院議長の台湾訪問に反発した中国が同日に軍事演習を開始していた。 (2209-080412)
6・1・1・4・1 米国との共同6・1・1・5 装備の強化
6・1・1・4・2 日米豪印 Quad
2023年に特筆すべき記事なし
6・1・1・4・3 米、英、豪、NZ との連携
・ 2月11日: 外相会談 林外相が2月11日の午後、日米豪印の4ヵ国の枠組みQUADの外相会談に臨み、緊迫するウクライナ情勢のほか、中国が海洋進出を続けたり北朝鮮がミサイル発射を続けたりする中、地域情勢などをめぐり協議した。
また、これに先立って日米の外相会談が行われ、ウクライナ情勢をめぐりロシア軍の増強に重大な懸念を持ち、日米で緊密に連携していくことを確認すると共にブリンケン国務長官からは日本政府がLNGの一部を欧州に融通する方針を決めたことに謝意が伝えられたという。 (2203-021107)・ 5月24日: 首脳会合
日米豪印の4ヵ国による枠組みQuadの首脳会合が24日10:30過ぎから2時間行われ、会合の冒頭に岸田首相はウクライナ情勢をめぐりロシアを批判した上で、中国を念頭にインド太平洋地域で同じことを起こしてはいけないと強く牽制した。
バイデン米大統領は「民主主義 対 独裁主義の構図だ」と述べて、ロシアと中国の連携の動きも牽制したが、モディ印首相はロシアへの言及は無く、対ロシアをめぐって他の3ヵ国との温度差が際立った。 (2206-052405)・11月 8日~15日: 関東南方の太平洋上で Malabar 共同演習
海上自衛隊と米豪印の海軍による共同演習Malabarが8日に始まり、15日まで関東南方の太平洋上で、対潜水艦や対空戦闘の訓練、洋上補給などを実施する。
横須賀基地に停泊する護衛艦ひゅうがの甲板上で開かれた式典には、4ヵ国の艦隊司令官ら200人以上が出席した。
中国による海洋進出の牽制や緊迫化する台湾情勢を念頭に、日米豪印4カ国の枠組みQuadの連携を強化する狙いがある。 (2212-110813)
6・1・1・4・4 米、英、豪、NZ、加(Five Eyes)との連携
・PBP (Partners in the Blue Pacific) 複数の政府関係者が、日米英豪とニュージーランドの5ヵ国が、9月後半の国連総会に合わせてニューヨークで太平洋諸島の支援に向けた外相会合を開く方向で調整していることを明らかにした。
5ヵ国は2022年6月、太平洋諸島を支援する枠組み青い太平洋のパートナー (PBP) を設立して高官レベルで協議を続けてきたが、今回は外相レベルに格上げして災害対策や海洋監視などでも島嶼国との協力強化を模索する。
中国は経済支援を通じて太平洋の島嶼国への影響力を拡大しており、5ヵ国が協調してこの地域で開発支援を強化し対抗する狙いがある。 (2210-091102)
6・1・1・4・5 豪、韓、NZ との連携
・カナダと情報保護協定締結に向け調整 複数の関係省庁幹部が10月7日、日本とカナダはそれぞれが保有する機密情報を円滑に提供し合えるようにするため、情報保護協定の締結に向けた調整に入ったことを明らかにした。
林外相は11~13日に来日するカナダのジョリー外相との会談で、正式な交渉開始について話し合う方針である。
米英加豪NZ 5ヵ国による機密情報の共有枠組みFive Eyesとの連携を強化し、軍事的・経済的な威圧を強める中国に対抗する狙いがある。
情報保護協定は、安全保障にかかわる機密情報をスムーズにやり取りできるようにするため、相手国から提供された情報の管理方法や、漏えいした場合の対処方法などを定めるもので、日本は既に米英豪など8ヵ国と1機関と締結済みで、NZとも締結に向け交渉中であるが、5カ国のうち唯一、カナダとの交渉は未着手だった。 (2211-100804)
6・1・1・4・6 欧州との連携
スペインのマドリードで開かれたNATO首脳会議に、アジア太平洋パートナーとして招待された日韓豪 NZ 4ヵ国首脳が、岸田首相の呼び掛けで29日昼(日本時間同日夜)に約1時間会談し、覇権主義的な動きを強める中国を念頭にインド太平洋地域での連携を進めることで一致した。 (2207-062919)
6・1・1・4・7 日台の連携
2023年に特筆すべき記事なし
2023年に特筆すべき記事なし
6・1・1・6 情報戦の強化
・反撃装備の繰り上げ配備 複数の政府与党関係者が8月2日、政府が開発中の長射程地対艦ミサイルについて、令和8年度以降としている配備時期を開発完了を待たずに試作品段階で配備することで前倒しする方針を固めたことを明らかにした。
台頭する中国をにらみ、防衛力強化を加速させる。
改良型の開発では、3~7年度の5年間で試作と試験評価を実施することが既に決まっていて、これまで8年度以降の量産配備を目指していたが、開発完了前でも一定の性能を獲得できた段階で導入する「アジャイル開発」と呼ばれる手法を採用して5年度以降に前倒しすることで早期配備につなげたい考えである。
改良型の射程は、12式の200kmを大きく上回る900~1,500kmを目標としていて、反撃能力の保有を検討している政府は、改良型の反撃能力への転用も可能となる。 (2209-080209)
6・1・1・7 日中国防相の接触
防衛省が、自国に有利な情報を流すことで他国との紛争を有利に進める情報戦への体制整備を進めていて、令和4年度予算案に担当のグローバル戦略情報官(仮称)を新設する関連経費を計上している。
2014年にロシアがウクライナのクリミア半島を併合した際に行われた情報戦を念頭に、日本を対象とした攻撃に備えると共に、SNSの発信を中国語でも行うなど、情報発信も強化している。 (2203-021209)
6・1・1・8 警察拠点の設置問題
岸防衛相が6月12日にシンガポールで中国の魏国務委員兼国防相と、日中国防相の対面会談としては2019年12月に北京で行われて以来2年半ぶりに70分間会談し、尖閣諸島周辺で両国の緊張が高まっていることを受け、自衛隊と中国軍幹部間のホットラインの早期開設に向け調整を加速させることで一致した。
会談で岸防衛相は、中国軍が5月にロシア軍と日本周辺で爆撃機の共同飛行を実施したことについて「示威活動だ」と述べ、重大な懸念を伝達した。
また、尖閣諸島周辺を含む東シナ海などでの中国の活動にも強い懸念を伝え、自制を強く求めた。
魏国防相は「2国間の協力関係を強化し、両政府のコンセンサスに基づいた関係を構築していきたい」と語った。 (2207-061203)
中国共産党の「出先機関」として日本など海外に警察拠点を置いていると指摘される問題を巡り、林外相が外交ルートで中国側に申し入れを行ったと明らかにした。
林外相は「関係省庁と連携して適切に対応する」と強調している。
スペインのNGO Safeguard Defendersは、中国共産党が日本や欧米などに「海外警察サービスセンター」と呼ばれる警察拠点を設置していると指摘した。
これは中国の国外にいる反体制派などを非公式に監視するための拠点とされ、国際的な懸念が広がっている。 (2212-112918)
6・1・2・1 南西防衛を重視した部隊配置6・1・3 台湾有事への備え
6・1・2・2 南西防衛を重視した作戦基盤の整備
・第15旅団を機能強化し沖縄防衛集団を創設 政府関係者への取材で12月3日、防衛省が那覇駐屯地に拠点を置く第15旅団の機能を強化し、大規模部隊に再編成する方向で検討していることが分かった。 (2301-120306)
複数の政府関係者が防衛省が南西諸島防衛の中核となる新たな部隊として、陸上自衛隊に沖縄防衛集団を創設する検討に入ったことを明らかにした。
12月中に閣議決定される防衛力整備計画(現・中期防衛力整備計画)に創設方針を盛り込む。
現在の陸自第15旅団に部隊を追加し、令和9年度までをメドに組織を新編する。
2010年に設立された第15旅団は、司令部を置く那覇駐屯地に普通科連隊のほか、高射特科連隊、偵察隊など2,000名を擁するが、これにさらに1個普通科連隊を加え、沖縄防衛集団に格上げする。 (2301-120311)・令和5年度予算案での南西部隊強化
12月23日にを閣議決定した防衛省の令和5年度予算案に、与那国駐屯地の施設拡大に向けた経費が盛り込まれている。
町有地を一部含む駐屯地東側の土地約18万平米の取得関連費用を計上し9年度以降に想定されるSAM部隊の配置に向け、火薬庫や隊庁舎整備も予定する。
関係者によると、南西地域周辺の警戒監視能力の向上を狙い、将来は町内へ固定式レーダを配備する計画もあるという。
与那国駐屯地には、5年度中に電子戦部隊の配置も予定されており、同隊庁舎新設の関連費として約3億円を計上し、相浦駐屯地から約20人、健軍駐屯地から約30人が移駐予定で、与那国の定員は現在の約170人から210人に増える。
また、宮古島駐屯地の施設整備に約100億円を計上し、保良訓練場の火薬庫などを6年度以降の完成を目指し新設する。
定員を約90人から290人に増員する勝連分屯地の隊庁舎整備などの経費は約34億円で、5年度中に第7地対艦ミサイル連隊の本部を新たにつくり、指揮下の1個中隊も配置する。
第15旅団の師団への格上げに伴う那覇駐屯地の隊庁舎新設などに向け、調査設計費を約2億円計上し、旅団司令部庁舎の一部地下化に向けた検討調査費として1億円を盛り込んだ。
自衛隊那覇病院の建て替えに必要な検討経費には約1億円で、沖縄訓練場に補給拠点を整備するための検討経費には2億円を充てる。
5年度開設予定の石垣駐屯地(仮称)の倉庫整備などには53億円を確保した。 (2301-122412)防衛省は令和5年度予算案で、将来与那国駐屯地にSAM部隊を配置するため必要な土地18万㎡の取得費を盛り込んだ。
与那国島には現在、沿岸監視隊が配備されているが、実戦部隊の配備は初めてとなる。
5年度には電子戦部隊を新設し、与那国駐屯地の定員を今年度末の約170人から約210人に増員する。
電子戦部隊は相浦駐屯地の第101電子戦隊の一部20人、健軍駐屯地の第301電子戦中隊の一部30人をそれぞれ移駐させて編成する予定で、電子戦部隊の新編に伴い、隊庁舎整備に約38億円を計上した。
将来はSAM部隊の配置に必要な隊庁舎、火薬庫、覆道射場、廠舎などの施設整備も予定する。
一方、来春開設予定の石垣島駐屯地(仮称)整備に向け、倉庫、車両整備場などの設置に約53億円を計上した。
また駐屯地の輸送調整機能を強化するため、中央輸送隊の一部数人が那覇駐屯地から移駐する予定で、石垣駐屯地の定員は約570人となる。 (2301-122702)・南西諸島への SAM 部隊配置
防衛省の青木報道官が12月27日の記者会見で、陸上自衛隊与那国駐屯地にSAM部隊の配置を計画していると明らかにした。
同島は台湾から110kmの位置にあり、台湾情勢が緊迫化した場合や有事の際に、他国軍に圧力をかけられる体制を構築する。
政府は南西諸島へのSAM部隊の配置を進めていて、令和元年に奄美大島に、2年に宮古島にそれぞれ配置したほか、4年度中に石垣島にも配置する。 (2301-122709)
6・1・2・2・1 飛行場の整備6・1・2・3 対艦火力組織の構成
6・1・2・2・2 港湾施設の整備
・馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練移転と自衛隊基地整備 馬毛島への米軍空母艦載機陸上離着陸訓練 (FCLP) 移転と自衛隊基地整備計画を巡り、市は9月7日に幹部で構成する経営会議を開き、市有地の馬毛島小中学校跡地と、下西校区の隊員宿舎用地を防衛省に売却する方針を固めた。 また島内3市道も廃止する。
大半が国有化された馬毛島で学校跡地は計画反対派が「最後のとりで」と位置付けていた。
市は早ければ9日に関連3議案を開会中の市議会定例会に提案するが、市議14人は計画への賛否が7人ずつに割れ、議決権のない議長に反対派が就いているため、3議案とも可決される公算が大きい。 (2210-090806)硫黄島で実施している米空母艦載機の陸上離着陸訓練 (FCLP) 移転などを目的に、防衛省が西之表市の馬毛島に自衛隊基地を建設する計画を巡り、同市議会は9月30日に島内などの市有地を国に売却する議案を可決した。
2021年の市長選で計画反対を訴えた八板市長は現時点で賛否を明確にしていないが、議会は7対6の賛成多数で可決した。
可決されたのは、廃校になった旧馬毛島小中学校の跡地などの売却議案で、基地の施設配置案では東端が市有地を避けて入り組んだ形になっていたため、防衛省が市に購入申請していた。 (2210-093011)・先島諸島の空港整備
複数の政府関係者が政府は、先島諸島の空港をF-35が離着陸できるよう延伸改修する方向で調整に入ったことを明らかにした。
政府の計画では、先島諸島のうち、与那国、新石垣、宮古の各空港で滑走路の延伸や補強を実施しF-35が離着陸できるようにする。
いずれの空港の滑走路も2,000mで戦闘機の利用には短く、F-35Bの運用には滑走路の耐熱強度を高める必要もある。 (2301-121307)
6・1・2・2・3 補給処支処の新設
・移動式臨時港の開発 防衛省が大規模な港湾がない島嶼部に迅速に部隊を展開するため緊急に桟橋を海上に浮かべて島と繋げる移動式の臨時港を開発し、輸送艦などが接岸できるようにする。
台湾有事などに伴う南西諸島の防衛への対応を念頭に数年以内の配備を目指し、令和5年度予算の概算要求で必要額を示さない事項要求として盛り込んだ。
同省は「機動展開能力」を高める施策と位置づけている。
5年度に研究開発に着手し、早期に部隊で試験的に活用する。
水上に浮く素材でつくり艦艇から人員や物資、装甲車などを陸に揚げられるようにする。
運搬や組み立てが容易で波や塩害に耐えられる技術を研究する。 (2212-110701)・与那国島に港湾を整備
複数の政府関係者が政府は、先島諸島で日本最西端の与那国島に護衛艦が接岸できる港湾を整備する計画も進め、台湾有事を見据えて自衛隊の機動的な展開や住民避難を支える体制を強化する。
港湾関連では、護衛艦や大型巡視船が接岸できない与那国島に新たな施設を設け、250m程度の岸壁の整備や港の水深確保を検討している。
石垣港や宮古島の平良港を自衛隊や海保の補給施設として活用する案もある。 (2301-121307)
6・1・2・2・4 弾薬庫、燃料庫の整備
吉田陸上幕僚長が12月22日の会見で、那覇市の沖縄訓練場に補給品を保管する拠点を置くことを検討していることを明らかにした。
補給品の詳細は今後詰めるが弾薬が含まれる場合もあり、地元が反発する可能性がある。
16日に閣議決定された防衛力整備計画では持続性・強靱性を強化するため、南西地域に補給処支処を新編と記されていた。
補給処支処は九州地区では佐賀県などにあるが、これまで沖縄県にはなかった。 離島への部隊配備が増え、必要性が浮上していた。 (2301-122213)
・南西諸島に燃料・火薬庫増設 浜田防衛相が日経新聞とのインタビューで9月6日、南西諸島地域に燃料タンクや火薬庫を増設すると表明した。
北海道に7割ほどが集中していた弾薬の備蓄状況を是正し、台湾有事への備えを厚くして、これまで手薄だった継戦能力の強化に踏み切り抑止力を高める。
浜田防衛相は港湾施設や燃料タンクなども沖縄や九州などの島嶼地域に整備を検討すると述べた。
弾薬の備蓄量は日本全体で最大2ヵ月分ほどにとどまり、現状で北海道に偏り九州や沖縄は全体の1割未満しかなかった。
有事になった際、弾薬を運ぶ船舶も十分に確保できていなかった。
まずはスタンド・オフ・ミサイルなどの保管を念頭に、奄美大島の陸上自衛隊瀬戸内分屯地に火薬庫を整備すると述べた。 (2210-090608)
6・1・2・4 陸上自衛隊に洋上機動力
2023年に特筆すべき記事なし
6・1・2・5 航空自衛隊の緊急発進
2023年に特筆すべき記事なし
6・1・2・6 海上自衛隊の活動
2023年に特筆すべき記事なし
6・1・2・7 輸送能力の強化
2023年に特筆すべき記事なし
・優先使用契約を結ぶ民間船舶の増強 関係者が10月27日、有事の際に自衛隊部隊や装備を最前線に迅速に輸送するため、優先使用契約を結ぶ民間船舶の数を増強する方針を固めた。
台湾での事態緊迫化などに備え、現在の2隻から6隻程度へ3倍に増やす計画で、自衛隊の輸送力不足を補い、離島の拠点へ円滑に物資を運べるよう、仮設の桟橋や埠頭を設置する研究も進めることを明らかにした。
国家安全保障戦略と共に12月に改定する「防衛計画の大綱」などに民間輸送力の活用拡大の趣旨を盛り込む。 (2211-102803)
6・1・3・1 台湾有事に対する政府の認識6・1・4 日米防衛協力
6・1・3・2 日台防衛協力
・林外相が台湾海峡の平和と安定を強調 林外相が2月19日午後(日本時間20日未明)に、ミュンヘン安全保障会議のパネルディスカッションに参加し、「台湾問題及びハイテク分野では、米国などと民主主義や人権といった価値観に基づき中国と競い合わなければならない」と述べた。
林外相は台湾について、「日本にとって非常に重要なパートナーで友人であり、台湾海峡の平和と安定は、日本の安全保障だけではなく国際社会の安定にとっても重要だ」と強調した。 また対北朝鮮では中国とは協力しなければならないとも述べた。 (2203-022011)
6・1・3・3 安全保障関連法の存立危機事態
・台北事務所に防衛省の現役職員を派遣 政府が対台湾窓口機関の台北事務所に防衛省の現役職員を派遣する方針を固めた。
台湾には現在、退職した自衛官1名が駐在しているが、情報収集能力の強化のため「現役」を派遣すべきだとの意見が関係者から出ていた。
派遣するのは自衛官ではなく文官職員1名で当面は現在駐在する元自衛官1名と合わせた2名体制とする。 (2207-060403)・自民党政調会長の訪台?
8月20日に、自民党の萩生田政調会長が防衛問題を協議するために台湾を訪問することを検討していると報じられた。 (2209-082011)
6・1・3・4 日台間の摩擦
・存立危機事態を想定した演習 岸防衛相が8月8日の閣議後会見で、ハワイ沖で実施されていたRIMPAC演習で、自衛隊が「存立危機事態」を想定した実動訓練を初めて実施したと発表した。
2015年に成立した安全保障関連法に盛り込まれた存立危機事態は、日本と密接な関係にある他国が攻撃され、日本国民の生命や幸福追求の権利などが根底から覆される明白な危険がある場合に認定され、他に適当な手段がなく必要最小限にとどめる場合に限り、集団的自衛権による反撃を認めている。 (2209-080805)
・日本の排他的経済水域内で、台湾の海洋調査船が活動 第11管区海上保安本部(那覇)が23日06:00頃、石垣島南西115kmの日本の排他的経済水域 (EEZ) 内で、台湾の海洋調査船がワイヤのようなものを海中に下ろしているのを確認したと発表した。 台湾船は正午時点もEEZ内を航行していた。
11管は同じ船が22日にも島の南南東97kmの海域のEEZ内で作業しているのを確認していた。 同意のない海洋調査の疑いがあるとみて、改めて無線で中止を要求した。 (2208-072308)
6・1・4・1 防衛協力に関する協議6・1・5 近隣国への備え
6・1・4・1・1 首脳による協議6・1・4・2 共同行動
6・1・4・1・2 外務防衛担当閣僚会合 (2-plus-2)
・バイデン米大統領の来日、日米首脳会談 複数の日米政府関係者が、日米政府が5月22~24日のバイデン米大統領の来日に合わせ、宇宙分野や最先端半導体の供給網(サプライチェーン)構築に向けた協力の強化で合意する方針を固めたことを明らかにした。
23日の日米首脳会談後に発表する共同声明に盛り込む方向で調整している。
宇宙空間で高まるロシアや中国の脅威に対抗し、日米が主導権を握る狙いがあり、宇宙協力では海洋安全保障の確保に向け、衛星から得られる情報を共有して不審船探知などにつなげる海洋状況把握 (MDA) を推進する。
東/南シナ海では中国が海洋進出を強める一方、米国の衛星網だけでは広範囲の情報収集が難しく、日本の衛星に対する米側の期待感が強い。 (2206-051405)
6・1・4・1・3 国防相会談
・ 1月 7日: 林外相が1月7日午前に行われた日米外務防衛担当閣僚会合 (2-plus-2) で日本側がいわゆる敵基地攻撃能力の保有を検討している旨の説明をしたと明らかにした。
ブリンケン米国務長官は2-plus-2の冒頭で、極超音速兵器など新たな脅威に協力して対処するため、日米が研究開発の新たな協定に署名することを明らかにした。 (2202-010706)1月6日(日本時間7日)に行われた日米外務防衛担当閣僚会合 (2-plus-2) で、極超音速ミサイルと宇宙防衛分野での日米R&D協力に合意した。
また合わせて令和3年度予算で2,017億円である同盟強靱化予算(所謂「思いやり予算」)を4年度には2,110億円とし、今後毎年5%ずつ増額することでも合意した。 (2204-011911)
・ 5月04日: 岸/オースティン会談 オースチン米国防長官が5月4日に岸防衛相と対面会談し、ロシアのウクライナ侵攻後に新たに高まった日露間の緊張について協議する。
ロシアは最近、北方領土に>Bastion沿岸防衛ミサイルを配備したと報じられているがこれはその一部で、日米が今秋予定している4,000名を超える規模の合同演習への報復と見られる。 2206-050406>2206-050406)岸防衛相が5月4日に国防総省でオースティン国防長官と会談し、日米同盟の抑止力対処力強化を早期に具体化させる方針で一致した。
双方の安全保障戦略を緊密に擦り合わせると合意し、中国の威圧的行動を抑止して必要なら対処するため連携を強化すると申し合わせた。
日本防衛に関しオースティン長官は「核と通常兵器を含むあらゆる軍事能力による拡大抑止への決意を再確認する」と明言した。 (2206-050502)・ 9月14日: 浜田/オースティン会談
浜田防衛相が9月14日(日本時間15日未明)、訪問先の米国でオースティン国防長官と会談し、年末までの国家安全保障戦略など3文書の改定に合わせ、防衛力の抜本的強化と、その裏付けとなる防衛費の「相当な増額」に取り組む意向を伝えた。 (2210-091501)
浜田防衛相が9月14日に米国防総省でオースティン国防長官と会談し、中国が8月に日本の排他的経済水域 (EEZ) 内にBMを着弾させた行為を「日本の安全保障と国民の安全に関わる重大な問題だ」と強く非難した。
また中国などが開発する極超音速兵器に対抗する技術の共同研究を開始する方針で合意した。 (2210-091508)
6・1・4・3 共同訓練
・安全保障関連法に基づく外国軍隊の武器等防護 防衛省が1月28日、自衛隊が安全保障関連法に基づき実施した米軍などを守る武器等防護が2021年1年間で22件だったと発表した。
内訳は米艦艇が14件、米航空機が7件のほか、米軍以外で初となるオーストラリア艦の1件が含まれていた。
これまでは2017年2件、2018年16件、2019年14件、2020年25件であった。 (2202-012813)・北朝鮮が日本上空を通過するBMを発射したことへの対抗措置
防衛省が10月4日、航空自衛隊と米軍の戦闘機計12機が九州西方の空域で共同訓練を行ったと明らかにした。
訓練には、第5航空団のF-15 4機と第8航空団のF-2 4機、米軍からは第12海兵航空群F-35B 4機が加わり各種戦術訓練を行った。
北朝鮮が同日、日本上空を通過するBMを発射したことへの対抗措置とみられる。 (2211-100418)・日米共同情報分析組織の運用開始
自衛隊と米軍が、日米のUAVや艦艇が収集した情報や画像を共有して分析するための組織、日米共同情報分析組織を米軍横田基地に設置し運用を開始したと発表した。
防衛省によると、この組織では日米の隊員合わせて30名が任務に当たり、鹿屋航空基地で11月に運用が始まった米軍のUAVを含む日米の航空機や艦艇が収集した情報や画像を、一部はリアルタイムで共有して分析に当たるという。 (2212-113019)
6・1・4・3・1 共同訓練の増加傾向
6・1・4・3・2 陸上演習
自衛隊と米軍の共同訓練が増加傾向にある。
防衛省の公表に基づいて日米2国間の共同訓練の回数を日本経済新聞が集計した結果、2022年1~7月は統合幕僚監部、陸海空の3自衛隊あわせて51回と、2021年の同時期と比べて5割増え、2020年の同時期比では2倍実施した。
2021年の同時期は34回、2020年は23回だった。
そのうち最も回数が多かったのは海上自衛隊の29回で、2021年の同時期比で3割増えて全体の半数以上を占め台湾有事で最前線となる海上での訓練拡充が目立つ。 (2209-081213)
6・1・4・3・3 海上演習
・ 1月20日~: 水陸機動団と米海兵隊合わせて1,400名 陸上自衛隊の水陸機動団と米海兵隊合わせて1,400名による共同訓練が米西海岸で行われ、9日に射撃訓練の様子が報道陣に公開された。
訓練では日米それぞれの水陸両用車が演習場に同時に展開し、標的めがけて射撃した。
一方、訓練が始まった1月10日以降、日本側から参加している隊員200名のうち44名がCOVID-19に感染したため訓練内容の一部が変更された。 (2203-0210052203-021005)・ 3月 ~25日: 水陸機動団と第31米海兵機動展開隊の共同演習
陸上自衛隊が3月15日、水陸機動団と第31米海兵機動展開隊 (31MEU) の共同演習を東富士演習場で報道公開した。
占領された島嶼部奪還を想定した演習には木更津駐屯地に暫定配備中のV-22 Osprey 1機が初じめて米海兵隊MV-22とともに参加した。
演習は25日まで、日米両部隊による火器やAAV-7を用いた火力演習が行われ、米海兵隊のF-35Bも参加する。 (2204-031613)・ 8月14日~9月9日: 離島防衛を想定した共同訓練
陸上自衛隊が8月28日、離島防衛を想定した米陸軍との共同訓練を熊本県の大矢野原演習場で報道関係者に公開した。
日米が連携して作戦を進める手順を確認すると共に、米軍がJavelin ATGM、陸自がJavelinと同様の機能がある01式軽対戦車誘導弾による実弾射撃を展開した。 (2209-082803)・10月: 矢臼別演習場で海兵隊のHIMARSと陸自のMLRSの連携手順訓練
陸上自衛隊が10月10日、北海道の矢臼別演習場で米海兵隊との離島防衛作戦の共同訓練を報道関係者に公開した。
離島に見立てた演習場から敵部隊を退ける場面を展開し、海兵隊のHIMARSと陸自のMLRSの連携手順を確認した。
このうちMLRSは13km離れた標的に向け、ロケット弾24発を発射した。 (2211-101005)
6・1・4・3・4 航空演習
・ 2月4~7日: Noble Fusion演習参加 海上自衛隊が2月8日、護衛艦こんごうなどが4~7日に米海軍空母Abraham Lincolnなどと沖縄周辺海域を含む東シナ海、西太平洋で共同戦術訓練を実施したと発表した。
この訓練にはこんごうのほかP-3Cも参加し、米海軍からは強襲揚陸艦2隻を含む11隻が参加し、小規模部隊を分散展開させる海兵隊の構想遠征前方基地作戦 (EABO) に基づき行われ、6日には南西諸島への展開手順を確認する目的で陸上自衛隊の水陸機動団も加わり、ヘリコプターによる米強襲揚陸艦への着艦訓練も行った。
米軍は3~7日、宮古海峡周辺で海兵隊と海軍の合同訓練Noble Fusion演習を実施しており、海自の参加はその一環とみられる。
海自は1月17~22日にも空母2隻などと共同訓練を実施しており大規模な共同訓練を繰り返すことで中国などへの抑止力強化を図る狙いがあるとみられる。 (2203-0208172203-021005)・ 5月8~16日: 米空母Ronald Reaganと関東南方の太平洋で共同演習
海上自衛隊が5月18日、米空母Ronald Reaganと関東南方の太平洋で8~16日の間に共同演習を行ったと発表した。
演習には米海軍から巡洋艦Antietamも参加し、海自から護衛艦てるづき、P-3C、UP-3D訓練等電波妨害装置搭載機が入った。
Ronald Reaganは2021年10月から点検や整備のため、配備先の横須賀基地に滞在していたが、5月8日に基地を出港し訓練後の17日には再び戻った。
Ronald Reaganが活動しなかった2021年から2022年にかけて、米海軍は日本周辺に空母Carl VinsonやAbraham Lincolnを投入していた。 (2206-051809)・ 6月13日~: 共同訓練 IPD22
海上自衛隊は、6月13日からインド太平洋方面に護衛艦などを派遣し、各国の海軍との共同訓練IPD22を実施しているが、その一環として6月17日から19日まで、太平洋上で米海軍と防空戦や洋上補給などを念頭とした戦術訓練を行った。
海上自衛隊からは護衛艦いずもとたかなみ、米海軍からは駆逐艦Sampson、補給艦Rappahannockが参加した。 (2207-062011)・ 6月29~8月 4日: RIMPAC 2022
米海軍第3艦隊が6月5日までに、26ヵ国が参加する世界最大規模の多国間の海上演習「環太平洋合同演習 (RIMPAC)」を6月29日から8月4日までの日程でハワイやカリフォルニア州の周辺海域で実施すると発表した。
声明によると、水上艦38隻、潜水艦4隻に航空機170機が参加し、9ヵ国の地上部隊を含む25,000名が加わる。
2022年のRIMPACには、カナダ、チリ、コロンビア、デンマーク、エクアドル、フランス、ドイツ、イスラエル、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ペルー、韓国、スリランカ、タイ、トンガに英国も人員などを派遣する。 (2207-060509)真珠湾に空母Abraham Lincolnが入港した翌日の6月29日に、Rim Pac 2022演習が26ヵ国から水上艦38隻、潜水艦4隻、航空機170機以上、25,000名が参加して、8月4日までの日程で開始された。
演習にはオーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、コロンビア、デンマーク、エクアドル、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イスラエル、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ペルー、韓国、フィリピン、シンガポール、スリランカ、タイ、トンガ、英国、米国の各国が参加している。
日本からは護衛艦2隻が参加している。 (2207-063014)・ 9月12日~22日: 日本周辺で空母 Ronald Reagan、巡洋艦 Chancellorsville、護衛艦 あまぎり
海上自衛隊が9月23日に東シナ海など日本周辺の海空域で、米空母Ronald Reaganや巡洋艦Chancellorsville、護衛艦あまぎりなどが参加する共同訓練を実施したと発表した。
12日から22日にかけて、敵の水上艦や潜水艦に対応する手順を確認した。 (2210-092309)
6・1・4・3・5 統合演習
・ 6月 7日: 日本海上空で日米戦闘機が共同訓練 防衛省が6月7日、日本海上空で日米の戦闘機が共同訓練を実施したと発表した。
同省統合幕僚監部によると、訓練は航空自衛隊のF-15 4機と、米軍のF-16 2機の計6機が参加し同日に実施した。
北朝鮮による弾道ミサイルの発射などを受け、日米の緊密な連携を示す狙いがある。 (2207-060710)・ 7月14日: 日米で延べ52機を投入し、太平洋、東シナ海で3日間
航空自衛隊が14日、米軍と戦闘機など日米で延べ52機を投入した大規模な共同訓練を実施したと発表した。
日本海や太平洋、東シナ海の広範囲にわたり3日間展開し、中国を牽制する狙いとみられる。 (2208-071410)・ 8月4/9日: 日米10機、中国への牽制
航空自衛隊が8月11日に米空軍と沖縄周辺で9日に10機の戦闘機が参加した共同訓練を実施したと発表した。
空自によると、那覇基地からF-15 4機と南西航空警戒管制団、米空軍からは嘉手納基地のF-15 6機がそれぞれ訓練に参加した。
空自と米空軍は、中国軍が台湾周辺で大規模軍事演習を開始した4日にも戦闘機計5機による共同訓練をしていたが、今回は規模を拡大して中国への牽制を強く示す狙いとみられる。 (2209-081106)・11月 5日: B-1B を交えた日米9機
防衛省が11月5日、日米の戦闘機や戦略爆撃機計9機が共同訓練を行ったと発表した。
訓練は九州北西空域で行われ、日本側は第8航空団のF-2 5機が、米側はB-1B 2機、F-16 2機が加わり各種戦術訓練を行った。
B-1Bは米韓の大規模軍事演習に参加した後、日米共同訓練に臨んだ。 (2212-110510)
6・1・4・3・6 ミサイル防衛演習
・ 1月25、26日: Airborne 22 演習 第1空挺団の500名と米空軍の300名が参加したAirborne 22演習が1月25日と26日に富士演習場で行われた。
陸自の空挺隊員と投下貨物を搭載した米空軍のC-130J 13機は横田基地を離陸し、6ヶ所に120梱包の物資と降下隊員を投下した。
Airborne 22には横田基地の第36空輸飛行隊のほかテキサス州Dyess AFBの第39、第40空輸飛行隊も参加した。 (2202-012815)・11月10~19日: Keen Sword 23 演習
統合幕僚監部が10月21日、日米共同大規模統合演習Keen Sword 23を11月10日から19日まで実施すると発表した。
武力攻撃かどうか判別が困難な「グレーゾーン事態」から日本が直接攻撃される「武力攻撃事態」への発展を想定する。
沖縄県内で初めて、陸上自衛隊八重瀬分屯地で地対艦ミサイルの展開を行うほか、日米共同で後方補給の拠点を開設し、装備などの補給品を輸送集積する訓練も、統合演習としては初めて県内で実施し、米軍那覇軍港や米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)も使用する。 (2211-102208)自衛隊が台湾有事が懸念される中国を念頭に、日本の離島の防衛能力を強化する狙いで日米最大の隔年演習Keen Swordを実施している。
16回目となる今回は今月10日から行われ、自衛隊26,000名、米軍10,000名が参加している。
今回は、NATO軍もオブザーバーとして初めて参加した。
ロシアによるウクライナ侵攻を踏まえ、安全保障の分野でNATOと連携を強化することが狙いとみられる。 (2212-111812)
「6・6・1・2 ミサイル防衛演習」で記述
6・1・5・1 防衛白書の表現
6・1・5・2 中国への備え
岸防衛相が7月22日の閣議で、2022年版防衛白書を報告した。
白書ではウクライナ危機に関する章を新たに設け、ウクライナ侵攻緒戦の電撃戦に失敗したロシアは、通常戦力の損耗が回復するまでの間、核戦力を重視して戦略原潜の活動を、拠点となる極東のオホーツク海周辺で活発化させることがあり得るとした。
また戦闘が長引いたことでロシア自身が損害を受け、中長期的な国力の低下や周辺地域との軍事バランスの変化が生じる可能性があると指摘している。
更に中国とロシアが軍事面の連携を深化させる恐れがあるとして、覇権主義的な動きを強める中国については「安全保障上の強い懸念」とする従来の表現を踏襲し、同時に「こうした傾向は近年より一層強まっている」と強調した。
台湾に関する記述も令和3年版白書から大幅に拡充し、3年版で初めて明記した「台湾をめぐる情勢の安定」の重要性を改めて訴えた。
北朝鮮に関しては、2022年に入って再開したMRBM以上のBM発射について看過できるものではないと非難した。 (2208-072212)防衛省がロシアのウクライナ侵略を受け、こうした事態がインド太平洋地域でも起こりうるとした防衛白書を公表した。 (2210-080309)
6・1・5・3 北朝鮮への備え
「6・1・1 対中戦略」で記述
6・1・5・3・1 脅威認識6・1・5・4 韓国への備え
6・1・5・3・2 警戒態勢の強化
岸防衛相が衆議院予算委員会で1月24日、北朝鮮は我が国を射程に収めるBMを数百発保有していることを明らかにした。
これに先立ち、防衛省は2021年7月に発表した令和3年防衛白書で、北朝鮮のBM能力についての解説で、北朝鮮はわが国を射程に収めるNo DongやScud-ERといったBMについては実用化に必要な大気圏再突入技術を獲得しており、これらのBMに核兵器を搭載してわが国を攻撃する能力を既に保有しているとみられると分析している。 (2202-012508)
・4月 8日~: 米空母Abraham Lincoln CSG と日本海に展開 米海軍第7艦隊が4月13日、空母Abraham Lincoln CSGが日本海に展開、8日から海上自衛隊と共同訓練を行っていると明らかにした。
自衛隊によると、12日の訓練にはAegis護衛艦こんごう、護衛艦いなづまが参加し、航空自衛隊も築城基地の第8航空団からF-2 4機も参加している。
松野官房長官は13日の記者会見で自衛隊と米海軍の共同訓練について、特定の国を念頭において実施するものではないとも述べたが、日米両国は故金日成主席生誕110年の記念日となる15日に合わせ、北朝鮮が核実験やBM発射を行う可能性があるとみて警戒を強めている。 (2205-041314)日米艦隊が北朝鮮のミサイル発射に対抗して共同演習を行っているの対し、中国東海艦隊は中国東海岸で最新鋭のTypa 055駆逐艦4隻による演習を行っている。 (2205-041318)
ロシア国防省が4月14日、ロシアの潜水艦2隻が日本海でCMの発射に成功したと発表した。
ロシアに対する制裁を強める日本への牽制と見られる。
一方、松野官房長官は、「報道は承知しているが日本の情報収集能力を明らかにするおそれもあり、詳細について述べることは差し控えたい」と述べた上で、日本周辺におけるロシア軍の動向について、引き続き、情報収集や警戒監視に努める考えを示した。 (2205-041411)
6・1・5・4・1 竹島問題6・1・5・5 ロシアへの備え
6・1・5・4・2 反日戦略
・日本の EEZ 内で調査活動 海上保安庁の巡視船が、韓国国立海洋調査院に所属する調査船Hae Yang 2000が竹島北方90kmの日本のEEZ内でワイヤのようなものを海中に投入し活動しているのを確認した。
巡視船が5月28日から断続的に問い合わせたところ、韓国側は「調査を実施している」と29日夕までに回答したという。
海保は中止を求めたが、調査船はEEZ内にとどまったという。 5月9~12日にも竹島南方の日本のEEZ内で、韓国の別の調査船の航行が確認されていた。
日本政府は、事前の同意申請を受けていないとして、外交ルートを通じて強く抗議した。 (2206-052903)
6・1・5・4・3 わが国の対韓姿勢
・文政権下の「日航空機対応指針」 韓国与党「国民の力」の申議員が8月17日に明らかにしたところによると、文政権下の2019年2月に軍は「日哨戒機対応指針」を海軍に通達した。 これはその年1月に作成した「第三国航空機対応指針」とは別の指針である。
第三国航空機対応指針は公海で第三国の航空機が味方艦艇に接近した場合、段階的に対応するよう指示しており、第三国航空機が1,500ft以下に降りてきて近くに接近した場合には、通信で警告するなどの4段階の手続きに従って行動するよう定めている。
ところが日航空機対応指針は第三国航空機対応指針と比べると、1段階さらに追加された5段階となっており、日本機が2次警告通信にも応じず近距離を飛行した場合には、射撃統制レーダの照射で対抗するように規定した。
これが2018年12月~2019年1月に相次ぐ海上自衛隊哨戒機の低空接近に伴う措置だった。
この指針は韓国防空識別圏 (KADIZ) に絶えず無断進入する中国や領空侵犯したロシアには適用されないため、公海で唯一日本との交戦は辞さないという趣旨となる。 (2209-081805)・8月29日: 海保調査に韓国が中止要求
海上保安庁が8月29日、長崎県男女群島北西110kmの東シナ海で海洋調査をしていた海保の測量船平洋に対し、韓国海洋警察庁が中止要求をしてきたと発表した。
海保によると、29日15:00過ぎに韓国海洋警察庁を名乗り「調査をやめ、退去せよ」と平洋に無線連絡があった。
平洋は正当な調査だと応答した下がその後も29日深夜にかけて断続的に要求が繰り返した。
外務省は韓国側に、日本の排他的経済水域 (EZ) 内での調査だとして抗議した。
韓国は2020年8月と2021年1月にも、東シナ海の日本のEEZで海洋調査をしていた海保の測量船に対し中止要求し、いずれも日本側が抗議した。 (2209-083001)・9月09日: 海保調査に韓国が中止要求
長崎県の沖合の日本の排他的経済水域 (EEZ) 内で、海上保安庁の測量船が韓国海洋警察庁船から調査の中止を要求される行為が9月9日午前から断続的にあり、海上保安庁は外務省を通じて韓国に抗議した。
韓国海洋警察庁船から無線で「韓国の海域での調査は違法である。 調査をやめ、直ちに退去せよ」と要求された。 同様の中止要求は先月も行われている。 (2210-091004)
松野官房長官は8月23日の記者会見で、海上自衛隊創設70周年を記念して11月に開く国際観艦式に韓国を招待したことを明らかにした。
直近の2019年の観艦式の際は、同国との関係悪化を踏まえ招いていなかった。
西太平洋海軍シンポジウム (WPNS) に合わせて開催する国際観艦式は、政府はロシアを除外すると既に発表しており、官房長官は「ロシア以外の全加盟国を招待している」と説明した。 (2209-082305)酒井海上幕僚長が8月23日の記者会見で、海自創設70周年記念で11月に開く国際観艦式に韓国を招待したことについて、「多国間協調の観点で招待したが、日韓2国間ではまだ防衛交流を進める環境にない」と述べ、再開には自衛隊機へのレーダ照射問題などの整理解決が必要だとの認識を改めて示した。 (2209-082310)
ニューヨークを訪れている岸田総理と韓国の尹大統領の会談が終了した。
会談は日本政府の国連代表部の入る建物で行われ、日本政府関係者によると両首脳は着席して30分間ほど意見を交わし、関係改善に向け、双方で努力していくことを確認したということで、徴用工問題の解決策などについても話し合われた可能性がある。
日韓首脳の対面での会談は、2019年12月に当時の安倍総理と文大統領が日中韓サミットのため中国の成都を訪問した際に行って以来、2年10ヵ月ぶりである。 (2210-092203)
6・1・5・5・1 領土問題
6・1・5・5・2 北方領土での軍備増強
・米駐日大使、北方四島に日本の主権 1月23日に着任したエマニュエル駐日米大使が2月7日に自身のツイッターに動画を投稿し、北方四島に対する日本の主権を米国は1950年代から認めていると述べ、北方領土問題の解決へ日本を支持する姿勢を強調し、更に北方領土やウクライナ問題に関して「侵略者が誰なのかは明らかだ」とロシアを批判した。
米駐日大使が日本の領土に関わる主権に触れるのは珍しく、米国は尖閣諸島を巡って日本の施政権を認めたものの主権については特定の立場をとっていない。 (2203-020705)日本政府が令和4年版外交青書で、北方領土について19年ぶりに「ロシアに不法占拠されている」と明記したことについて、ロシアのペスコフ大統領報道官は「四島ともロシア固有の領土だ」と反発した。 (2205-042301)
・北方領土の不法占拠継続
TASS通信が、ロシアで極東開発を統括するトルトネフ副首相のハバロフスク地方での4月25日の発言として、北方領土について独自の開発や投資をさらに進め、「ロシアのものにする」との意向を示したと報じた。8月 日本が令和4年版の外交青書で、北方領土は「ロシアに不法占拠されている」との表現を復活させたことへの反発とみられる。
ロシアはこれまでに北方領土を経済特区に指定し、対露制裁を発動した日本への報復として日露平和条約交渉の中断も表明しており、日本との関係悪化を口実に北方領土問題に終止符を打とうとするロシアの思惑が改めて鮮明になった。 (2205-042509)・ウクライナが北方四島を日本領とした国会決議と大統領令
ウクライナ最高会議(国会)が10月7日、北方領土を「ロシアによって占領された日本の領土」と認める決議を採択した。
決議は「北方領土に関する日本の立場を支持する」と宣言した上で、日本に帰属するという法的地位を定めるため、あらゆる手段を講じるよう国際社会に呼び掛けた。
決議は、旧ソ連圏で一般的な「クリール諸島(北方領土と千島列島)」という表現は使っていない。
ロシアによる侵攻をめぐり日本からの支援を評価するとともに、対ロシアで共同戦線を張るよう日本に呼び掛ける狙いもありそうである。 (2211-100801)ウクライナのゼレンスキー大統領が10月7日夜のビデオ演説で、「ウクライナは、ロシア占領下にある北方領土を含む日本の主権と領土の一体性を尊重することを確認した」と述べ、国内の関連文書に署名したとし、各国にも同様の対応を求めた。
ウクライナ議会もこの日、同じ内容の決議をした。 (2211-100803)
6・1・5・5・3 北方領土での活動
2023年に特筆すべき記事なし
6・1・5・5・4 日本周辺での艦船の動き
・ 1月 8日: S-300 を使った演習 ロシア軍東部軍管区が1月8日に北方領土を含む地域で、S-300を使った演習を行ったと発表した。
東部軍管区によると、演習は領空に侵入した相手の軍用機を追跡してシミュレータで撃墜するというものであった。 (2202-010901)・ 1月11日~: 国後島周辺で射撃訓練
政府関係者への取材で1月13日、ロシアが北方領土の国後島周辺で11日以降、国後島周辺で月末まで断続的に射撃訓練を実施すると通告してきたことが分かった。
政府は外交ルートを通じて抗議した。
年明け以降に北方領土周辺でSAMの発射や大規模な射撃演習を行っており、軍事活動が活発化していることから、政府は実効支配を強める動きとみて警戒している。 (2202-011308)・ 2月 8日~: 国後島周辺で射撃訓練
松野官房長官が2月7日、ロシアが国後島南東の海域で8日から射撃訓練を実施するとして航行警報を発出したことに対し、日本政府が外交ルートを通じてロシアに抗議したと明らかにした。
松野長官によると、ロシア当局の訓練予告に伴う航行警報の発出は3日に行われ、政府は同日中にロシア側に抗議し、海上保安庁も航行警報を出した。
ロシア側の訓練実施の有無や意図については「答えを控える」とした。 (2203-020704)・ 2月14~15日: 択捉島周辺で射撃訓練
日本政府関係者への取材で2月16日、ロシアが北方領土周辺で新たにミサイル発射訓練を行うと通告したことが分かった。
ロシアは日本が「北方領土の日」に定める7日から北方四島を含む北海道沖や間宮海峡など広大な海域を指定してミサイル発射を実施し、国後島周辺でも射撃を行うと通告していたが、新たに14、15の両日に択捉島の東や北西の海域を指定し演習海域の拡大を予告してきた。
ロシアは2022年年頭以降、北方領土での演習を常態化させている。
ロシアは1~2月、地中海や北海、オホーツク海などで大規模な演習を予告しており、防衛省は2月1日以降、日本海やオホーツク海でロシア艦隊の航行を確認している。
ウクライナに対する軍事的圧力を強めつつ日本周辺でも軍事活動を活発化させているもので日本政府は動向を注視している。 (2203-021612)・ 3月10日: S-300 の訓練
ロシア国防省が3月10日、北方領土に配備されたS-300の訓練を行ったと発表した。 訓練では空中にある数十個の目標をすべて撃墜したとしている。
軍事侵攻後、厳しい制裁をロシアに科した日米を牽制するねらいがあると見られる。 (2204-031014)・ 3月25日: 3,000名以上と車両数百両が参加する演習を開始
InterFaxが、ロシア軍が3月25日に北方領土と千島列島のクリール諸島で3,000名以上と車両数百両が参加する演習を開始したと発表した。
演習では敵の上陸に反撃する訓練などが行われている。
演習はロシアが近年軍備を増強している北方領土を中心に実施されているとみられ、ロシア外務省が21日に北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉を中断すると発表した後、初めての演習となる。 (2204-032605)・ 4月01日: 国後島で1,000名規模の演習を開始
ロシア国防省が1日、北方領土国後島の演習場などで、1,000名規模の演習を開始したと発表した。
ロシア軍は3月25日にも3,000名が参加したクリール諸島(北方領土と千島列島の露側呼称)での演習実施を発表しており、ウクライナ侵攻で制裁を発動した日本に対して相次ぐ演習で日本に不満を伝える意図もあるとみられる。 (2205-040116)
6・1・5・5・5 航空機の動き
・ 2月16日: コルベット艦6隻など9隻が宗谷岬を日本海へ 防衛省が2月17日、ロシア海軍のミサイル護衛哨戒艇など9隻が16日に北海道の宗谷岬を日本海へ進むのを確認したと発表した。
16日22:00頃に宗谷岬の北北東60kmの海域でロシア海軍Tarantul-Ⅲ級コルベット艦6隻、航洋曳船2隻、油船1隻の9隻を確認した。
9隻は南西へ進み、宗谷海峡を抜けて日本海へ進んだ。 (2203-021720)・ 3月11日: 駆逐艦6隻など10隻が津軽海峡を日本海へ
防衛省が3月11日、ロシア艦10隻が津軽海峡を通過したと発表した。 防衛省によると、10日02:00頃襟裳岬の東北東180kmの太平洋上を進むロシア海軍のウダロイI級駆逐艦など10隻を海上自衛隊の哨戒機が発見した。
10隻は10日夜から11日未明にかけ津軽海峡を通過し、日本海に向かったが領海侵入はなかったという。
同海軍は2月にウクライナ周辺の露軍と呼応する形で、極東地域で大規模な海上演習を実施しており、この10隻はこの参加艦とみられる。 (2204-031108)・ 3月14日: 潜水艦や駆逐艦など6隻が宗谷海峡を通過
3月14日午00:00頃、ロシア海軍の潜水艦や駆逐艦など合わせて6隻が、北海道宗谷岬の南東およそ130kmの海域を航行しているのを海上自衛隊が確認した。
6隻はその後、宗谷海峡を西へ進んだ。 防衛省によると、ロシア海軍は2月以降にオホーツク海などで大規模な海上演習を実施しており、6隻はこの演習に参加していたとみられる。
先週には、ロシア海軍の艦艇10隻が津軽海峡を通過したばかりで、防衛省は警戒を強めている。 (2204-031408)・ 3月16日: 揚陸艦4隻が津軽海峡を通過
防衛省統合幕僚監部が3月16日、ロシアの揚陸艦4隻が津軽海峡を通過したと発表した。
4隻は同日、青森県の尻屋崎沖から津軽海峡を通って、日本海に航行したのが確認された。
日本政府はカムチャツカ半島などの極東に展開する部隊をウラジオストクに運び、シベリア鉄道や空路などでウクライナ方面に移動させる可能性があるとみている。
ロシアのウクライナ侵攻は計画より遅れているとされており、防衛省幹部は「極東の部隊まで投入するのであれば、ロシアの苦戦は明らかだ」と分析している。 (2204-031618)防衛省が3月16日、海上自衛隊が15日20:00頃に青森県尻屋崎の東北東70kmの海域を西へ進むロシア海軍戦車揚陸艦2隻を確認した。 さらに16日07:00頃には尻屋崎の東北東220kmの海域を南西へ進む別の戦車揚陸艦2隻を確認した。
このうちの1隻では甲板上には複数の車両を積載しているのも確認された。 これら4隻は津軽海峡から日本海へ抜けた。 (2204-031619)・ 3月20日: 情報収集艦1隻が対馬付近の海域を往復
防衛省統合幕僚監部が3月22日、ロシア海軍の情報収集艦1隻が20日に対馬付近の海域を往復したのを確認したと発表した。
防衛省によると、20日02:00頃、海上自衛隊が対馬の東北東40kmで南下しているのを発見した。 その後、収集艦は対馬の南西70kmで方向を北寄りに反転させて日本海へ向かった。
往復とも対馬と壱岐の間の対馬海峡を航行した。
同省は、ウクライナ侵攻と合わせ、日本周辺でもロシアの動向が活発になっているとみて警戒している。 (2204-032301)・ 3月24日: Udaloy Ⅰ級駆逐艦1隻が対馬海峡を南下
防衛省が3月25日、海上自衛隊が24日14:00頃に対馬の北東210kmの海域を南南西へ進むロシア海軍のUdaloy Ⅰ級駆逐艦1隻が対馬海峡を南下するのを確認したと発表した。
同艦は対馬海峡を南下して東シナ海へ抜けた。 (2204-032513)・ 3月30日: 情報収集艦1隻が対馬海峡を抜け東シナ海
防衛省が3月30日、ロシア海軍艦1隻が対馬海峡を抜けて東シナ海へ航行したと発表した。
海上自衛隊は29日14:00頃に対馬の東北東60kmの海域を南西へ進むロシア海軍の情報収集艦1隻を確認した。
同艦は対馬海峡を南下し東シナ海へ抜けた。 (2204-033021)・ 4月19日: 駆逐艦など6隻が対馬海峡を北上
防衛省が4月20日、ロシア艦など6隻が対馬海峡を北上したと発表した。
海上自衛隊は19日06:00頃に男女群島西方50kmの海域を北東へ進むロシア海軍Udaloy Ⅰ級駆逐艦1隻、アルタイ改級補給艦1隻、スリヴァ級救難曳船1隻、民間船舶3隻の計6隻を確認した。 その後6隻は対馬海峡を北上し、日本海へ抜けた。
このうちUdaloy Ⅰ級駆逐艦は3月24日に対馬沖で確認されたものと同一とみられる。 (2205-042011)・ 5月中旬~6月: 情報収集艦1隻
統合幕僚監部が6月9日、ロシア海軍の情報収集艦1隻が同日に津軽海峡を日本海側から太平洋側へ通過したと発表した。
防衛省によると、収集艦は9日05:00頃に奥尻島の南南西90kmを航行し、その後津軽海峡を東に向かった。
この艦は7日に宗谷海峡を抜けて日本海に入っていた。
5月中旬には宗谷海峡を日本海側からオホーツク海側に移動したのも確認しており、同省は行動の意図を詳しく分析している。 (2207-060913)・ 6月10日: 根室半島南東170kmで駆逐艦1隻とフリゲート艦4隻が活動
岸防衛相が6月10日の閣議後記者会見で、ロシア艦5隻を9日に北海道東方の太平洋で確認したと明らかにした。 ロシア軍太平洋艦隊による大規模演習の一環とみられる。
岸防衛相は、ロシア国防省が3日以降、艦艇40隻以上、航空機約20機で演習するとしていて、ミサイル発射に伴う航行警報が千島列島周辺や日本の排他的経済水域 (EEZ) を含む三陸沖に出していると警戒感を示した。 (2207-061005)防衛省がロシア海軍の艦艇5隻が6月9日に根室半島の南東170kmの海域で活動しているのを確認したと発表した。
確認されたのは、ロシア海軍の駆逐艦1隻とフリゲート艦4隻である。 (2207-061007)海上自衛隊が6月9日、根室半島の南東170kmの太平洋で、ミサイル発射演習の一環で活動中とみられるロシア艦5隻を確認し、岸防衛相は三陸沖でも演習を実施する可能性に警戒感を示した。
岸防衛相は会見で、「ウクライナ侵略の中で、極東でも同時に活動できる能力を誇示する狙いもある」との見方を示した。 (2207-061008)・ 6月9~22日:中国艦と呼応した可能性のある行動
統合幕僚監部が6月16日、9日に根室半島沖の太平洋で確認していたロシア艦が南下し、16日09:00頃には犬吠埼の南東180kmまで移動したと発表した。
当初の駆逐艦など5隻に加え15日には別の駆逐艦やミサイル観測支援艦も入り計7隻となり、襟裳岬の南東28kmを航行して千葉沖では南西に進んでいた。 (2207-061614)防衛省が6月16日、中国海軍の情報収集艦など2隻が津軽海峡を通過し、太平洋に向かったと発表した。
ロシア海軍の駆逐艦など7隻も近くの太平洋で展開していることから、共同訓練を行っている可能性がある。
同省によると、中国軍艦2隻は16日09:00頃に青森県の竜飛崎の南西130kmの海域で、ロシア軍艦7隻も同時刻に犬吠埼の南東180kmの海域で確認された。 (2207-061615)防衛省が6月17日、太平洋側を南下したロシア艦7隻が伊豆諸島付近を通過したのを確認したと発表した。
また、中国駆逐艦2隻が宗谷海峡を抜け、日本海側からオホーツク海側に入ったのを確認したことも明らかにした。 (2207-061802)ロシア艦7隻は太平洋を南下して伊豆諸島の周辺海域を航行している。
北海道沖から太平洋を南下していたロシア艦7隻は16日~17日に、伊豆諸島の須美寿島と鳥島との間を通過している。 (2207-061809)防衛省が6月19日、ロシアの駆逐艦など5隻が沖縄本島と宮古島の間の海域を北西方向に通過して東シナ海に向かったと発表した。
それによると、5隻は15日に襟裳岬沖で確認された後、太平洋を南下して16~17日に犬吠埼沖や伊豆諸島の須美寿島と鳥島の間を通過していた。
当初は7隻で航行していたが、伊豆諸島を通過後にフリゲート艦など2隻が離脱したという。 (2207-062001)日本列島に沿って太平洋、東シナ海を航行していたロシア艦が、対馬海峡を抜けて日本海に入った。 また中国艦も日本を周回するような航行を続けているため、防衛省は中露両国の艦艇の行動について関連を注視している。
防衛省によると、東シナ海を航行していたロシアの駆逐艦など5隻が、21日07:00頃に対馬海峡を通過して日本海に入った。
これらの艦艇は15日に北海道沖で確認されて以降、日本列島を周回するように、千葉県沖、伊豆諸島周辺、沖縄周辺などを航行している。
一方、中国の駆逐艦など3隻が、03:00頃に伊豆諸島の須美寿島と鳥島の間を西の方向に通過した。
これらの艦艇も日本列島に沿う動きをしていて、九州の西の海域から日本海、北海道周辺を経て太平洋を南下していた。 (2207-062202)・ 6月17日:ロシア軍艦艇9隻が宗谷海峡を日本海に向けて通過
防衛省が6月17日、ロシア軍艦艇9隻が宗谷海峡を日本海に向けて通過したと発表した。
防衛省によると、17日06:00頃に宗谷岬の北40kmのオホーツク海で、ロシア海軍のフリゲート艦やミサイル護衛哨戒艇など計9隻を海上自衛隊が確認した。
ロシア艦艇は西に向け航行し、宗谷海峡を日本海へと通過した。 (2207-061809)・ 5月、6月:ロシア海軍の情報収集艦が北海道を周回
複数の政府関係者が6月20日、ロシア海軍の情報収集艦が5月から6月にかけて北海道を周回する形で航行していたことを明らかにした。
ロシア軍の動きとしては異例で、通信傍受などにより北海道、東北の自衛隊や米軍の動きを警戒監視したとみられる。
北海道を周回したのは、ロシア海軍のBalzam級情報収集艦1隻で、5月18日に宗谷海峡を東に向けて通過し、北方領土や三陸沖の海域を航行して引き返し、6月7日に宗谷海峡を西に向けて通過した。
同艦はさらに南下し、9日に津軽海峡を東に向けて航行し、再び北海道を周回した上で12日に宗谷海峡を西進した。
情報収集艦は一定の速度で航行しておらず、複数の箇所でエンジンを止めて活動し、航空自衛隊千歳基地や米空軍三沢基地などの通信を傍受するとともに、レーダの電子情報を収集していたとみられる。 また同艦に対する自衛隊と米軍の反応を探っていた可能性もある。 (2207-062013)・中国とロシア海軍の情報収集艦が類似行動
関係者の話で7月2日、日本列島を周回している中国海軍の東調級情報収集艦1隻が北海道沖と三陸沖を往復する動きを見せていたことが分かったが、同海域ではロシア海軍のBalzam級情報収集艦1隻も5月18日から6月7日まで同様の動きを見せており、防衛省関係者は「中国とロシアが別個に収集した情報を共有する可能性もある」と分析している。 (2208-070207)
・ 7月:駆逐艦やフリゲートなど3隻が初めて与那国島と西表島の間を東シナ海に
防衛省が7月2日、ロシア艦3隻が与那国島と西表島の間を北上し、東シナ海に入ったと発表した。
ここをロシア艦艇が通過したのを防衛省が公表したのは初めてである。 (2208-070206)防衛省によると、ロシア海軍の駆逐艦やフリゲートなど3隻が1日23:00頃、与那国島の南東70kmの太平洋で確認されたのち、与那国島と西表島の間を抜けて東シナ海に入った。
このうちの2隻は6月に他のロシア艦5隻と共に北海道沖の太平洋で確認されたあと、千葉県沖や伊豆諸島周辺などを航行していた。 (2208-070301)・ 7月 4日:中露海軍艦が相次いで接続水域進入に
木原官房副長官が7月4日の記者会見で、中国海軍艦が同日朝に尖閣諸島周辺の接続水域を航行したとして、中国側に抗議したことを明らかにした。
木原副長官によると、4日午前7時44分ごろ、海上自衛隊が監視中だった中国海軍のType 053H3フリゲート艦1隻が魚釣島南西の接続水域に入った。
中国海軍艦が尖閣周辺の接続水域を航行したのは、2018年6月以来で4回目で、同艦は約6分後に接続水域を出たという。
また、防衛省幹部によると、ロシア艦も同じ時間帯に付近の接続水域を航行した。 ロシア艦は07:00過ぎから08:00過ぎにかけて同海域を航行した。
日本政府は中露による同時挑発とみて警戒を強めている。 (2208-070407)松野官房長官が7月5日の記者会見で、中国艦とロシア艦が尖閣諸島周辺の日本の接続水域を同じ時間帯に航行したことについて、中国艦が同諸島の領有権を主張する建前上、同諸島に近づいたロシア艦への監視活動を行った可能性があるとの見方を示した。 (2208-070502)
海上自衛隊が7月4日19:00頃、尖閣諸島の久場島の南東50kmを北へ進む露駆逐艦など3隻を確認した。
3隻は久場島と大正島の間の接続水域を通過し東シナ海へ向かった。 うち1隻は4日に中国艦と尖閣の接続水域に進入した艦である。
また、これとは別に5日04:00頃、宮古島の北東120kmを北西へ進む中国の情報収集艦1隻が確認され、東シナ海へ抜けた。
情報収集艦は6月以降日本海から太平洋へ移動しており、日本列島を一周したことになる。 (2208-070509)・ 7月 6日:情報収集艦が沖ノ鳥島接続水域入り
統合幕僚監部が7月6日、日本最南端の沖ノ鳥島付近をロシア海軍の情報収集艦1隻が航行し、一時、日本領海外側にある接続水域に入ったと発表した。 ロシア艦の沖ノ鳥島付近での接続水域入りを公表するのは初めてである。 (2208-070611)
統合幕僚監部が7月11日、ロシア海軍の情報収集艦1隻が11日に対馬海峡を通過し、東シナ海から日本海へ北上したのを確認したと発表した。
この情報収集艦は6日に沖ノ鳥島の接続水域に入り、9日には沖縄本島と宮古島との間から東シナ海に移動しており、ロシアへの帰途とみられる。 (2208-071109)・ 7月 6日:駆逐艦、フリゲート艦、補給艦の各1隻が日本列島を周回
統合幕僚監部が7月6日、ロシア海軍の駆逐艦、フリゲート艦、補給艦の各1隻が対馬海峡を抜け、東シナ海から日本海へ北上したことも明らかにした。
3隻は6月以降太平洋側を南下して日本列島を周回し、尖閣諸島付近では接続水域に入っていた。 (2208-070611)・ 8月20~21日:フリゲート艦や補給艦等14隻が宗谷海峡を抜け日本海に
統合幕僚監部が8月22日、ロシア海軍のフリゲート艦など14隻が、20日から21日にかけて宗谷海峡をオホーツク海から日本海に抜けたと発表した。
統幕によると、20日13:00頃に宗谷岬の東北東260kmを駆逐艦とフリゲート艦の計4隻、21日21:00頃には宗谷岬の東北東80kmをフリゲート艦やミサイル護衛哨戒艇、補給艦、病院船など計10隻がそれぞれ航行し、いずれも宗谷海峡に向かった。
北方領土や千島列島周辺で訓練をしていた可能性があるとみている。 (2209-082211)・ 9月11日:ミサイル艇2隻が宗谷海峡を通過しオホーツク海に
防衛省が9月12日、ロシア海軍のミサイル艇2隻が宗谷海峡を通過したと発表した。
2隻は11日08:00頃、礼文島の北西50kmの日本海を東に向けて航行し、宗谷海峡を通過してオホーツク海に出た。 (2210-091303)・ 9月:フリゲート艦3隻と駆逐艦1隻が日本一周
防衛省統合幕僚監部が9月30日、ロシア海軍のフリゲート艦3隻と駆逐艦1隻が29日14:00頃に男女群島の南西90kmを北西に移動した後、対馬海峡を抜け、東シナ海から日本海へ北上したと発表した。
この4隻は、中国海軍艦と共に日本列島の太平洋側を航行していたが、大隅海峡を通過した後に中国艦と別れた。 (2210-093010)・10月:コルベット艦1隻と航洋曳船1隻が宗谷海峡通過
防衛省が10月14日、ロシア軍のGrisha 5級コルベット艦(950t)と航洋曳船の2隻が宗谷海峡を通過したと発表した。 領海侵入はなかった。
2隻は13日09:00頃、宗谷岬の東160kmの海域を西に進み、宗谷海峡を通って日本海に出た。 (2211-101423)・11月14日:巡洋艦、駆逐艦など5隻が与那国島と西表島の間を抜けて東シナ海へ
統合幕僚監部が11月14日、ロシア海軍艦5隻が13日に与那国島と西表島の間を抜けて東シナ海へ北上したと発表した。
このうち駆逐艦などの3隻は地中海に長期間滞在していたとみられる。
防衛省によると、3隻は2021年末に日本海から対馬海峡経由で南下したのを自衛隊が確認していた。
3隻は2月のウクライナ侵攻が始まる前に地中海で演習に参加し、11月に入って任務を終え、帰国することになったという。 (2212-111409)
【註】13日に統幕が公開した写真は、1986年に就役したSlava級巡洋艦のVaryagと見られる。
ロシアはSlava級を3隻保有していたが、Moskvaは4月に撃沈されている。・11月25日:Kilo級潜水艦が日本海で行った Kalibur CM の発射
ロシア国防省が11月25日、Kilo級潜水艦Magadanが日本海で行ったKalibur CMの発射演習映像を公開した。
ミサイルは敵艦に見立てた水上目標とハバロフスクの海岸に設置した標的に、それぞれ命中したという。 (2212-112509)
6・1・5・5・6 脅威対象としての認識
・ 3月 2日: ヘリ1機が領空侵犯 防衛省が3月2日、根室市の南東沖の領海上空で同日10:23頃に北方領土方面から飛来したヘリコプター1機が日本の領空内に侵入したと発表した。
航空自衛隊が緊急発進して領空外へ出るよう警告したところ、ヘリは北方領土方面へ戻っていった。
防衛省は飛行経路などからロシア機とみて調べている。
ロシア海軍はウクライナ侵攻前からオホーツク海を含め地中海や北海など周辺海域で艦艇140隻以上が参加する軍事演習を行うと発表しており、オホーツク海南部や日本海で多数の艦艇が確認されているが、今回の領空侵犯との関連は不明である。 (2204-030220)・ 5月24日: 中露爆撃機編隊の日本周辺飛行
日本政府関係者が、中国軍とロシア軍の爆撃機計6機が5月24日に日本列島に沿う形で編隊飛行したことを明らかにした。
編隊飛行を行ったのは、中国のH-6 2機とロシアのTu-95 2機の4機で、東シナ海から日本海に抜けた後、中国機が別の2機と交代して太平洋を往復した。
24日は日米豪印4ヵ国 (Quad) が首脳会合を日本で開催しており、これに対抗する形で中露が共同行動をとったとみられる。
中露の爆撃機が日本周辺で編隊飛行を行うのは2021年11月以来で、ロシアが今年2月にウクライナに侵攻して以降は初めてとなる。
2021年10月には中露艦合わせて10隻が日本列島を周回している。 (2206-052408)韓国軍合同参謀本部が5月24日、中国の軍用機2機とロシアの軍用機4機が同日、竹島付近の韓国防空識別圏 (KADIZ) に進入したと明らかにした。
合同参謀本部によると、07:56に中国の軍用機2機が済州島の南の離於島の北西126kmの地点からKADIZに進入し、09:33にKADIZの北に離脱した。
その後、日本海の北側地域でロシアの軍用機4機と合流し、日本海北側のKADIZに再び進入して、10:15に竹島東からKADIZを離脱した。
さらに15:40にもKADIZ周辺で中国機4機とロシア機2機を再び捕捉したが、領空侵犯はなかった。 (2206-052411)・ 6月 8日: 4機が北海道西方から直進接近
防衛省が6月8日、ロシア空軍籍とみられる軍用機4機が7日夜に北海道西方から直進した後、日本海上空を旋回飛行するなどしたと発表した。
4機は北海道西方から渡島半島方面へ直進し、うち2機は1機ずつ離れた空域を日本海上空で旋回飛行して西方へ戻り、残りの2機は樺太方面へ北進した。
北海道西方からロシア機が直進するルートで飛来するのは異例である。 (2207-060807)・ 8月23日: Tu-95 2機と護衛する Su-30
露国防省が8月23日、Tu-95 2機が日本海上空で哨戒飛行を実施したと発表した。 同省の発表によるとTu-95には護衛するSu-30も同行し、飛行は7時間にわたった。
飛行ルートの一部で韓国空軍のF-16に追尾されたことも明らかにした。
ロシア側は飛行は事前に予定された定期的なもので、国際法に違反せず実施したと主張しているが、日本周辺で戦略爆撃機を飛行させることで、ウクライナを支援する日米両国に圧力をかける思惑があるとみられる。 (2209-082312)・11月30日: H-6とTu-95、護衛する Su-35
ロシア国防省が11月30日、中国空軍とアジア太平洋地域で合同軍事演習を実施したと発表した。
ロシア国防省の声明によると、Tu-95とH-6が日本海や東シナ海を8時間にわたって飛行し、史上初めてロシア機が中国に着陸し、中国機がロシア領土に着陸したと説明した。
一方、韓国軍合同参謀本部は30日、中ロ両国の軍用機が韓国の防空識別圏(ADIZ)に一時進入したため、戦闘機を緊急発進させたと発表した。
同本部によると、中国のH-6 2機がADIZへの出入りを繰り返した後、ロシア軍のSu-35 2機とTu-95 4機を伴い、再びADIZに進入したが、韓国領空への侵犯はなかったという。 (2212-113023)・12月14日: Tu-95 2機と戦闘機
ロシア国防省が12月14日、ロシア軍のTu-95 2機が戦闘機を伴い、日本海上空を7時間にわたり哨戒飛行したと明らかにした。
国防省は、国際空域ルールを順守した飛行だとし、北極圏、北大西洋、黒海、バルト海、太平洋の公海と呼ぶ区域での定期的な飛行の一環と説明した。
ロシアは極東でも定期的に戦略爆撃機を飛行させていて、11月にも中国軍機と合同哨戒飛行を実施した。 (2301-121410)
6・1・5・5・7 対抗施策
・「パートナー国」から「国家安全保障上の課題」へ変更 政府は年末に予定している国家安全保障戦略の改定で、対露戦略を見直す方針を固めた。
現行の戦略が「パートナー」としているロシアの位置づけについて、北朝鮮や中国と同じ国家安全保障上の課題へと変更する方向で調整している。 (2204-030602)・「北方領土をロシアが不法占」と明確表現
ロシアがウクライナに侵攻したことを受け、日本政府は北方領土に関する表現を改めわが国固有の領土と明確に位置づけした。
林外相は、平和条約交渉の展望について話せる状況になく、北方領土は我が国固有の領土で、我が国が主権を有する島々をロシアが不法占拠しているという認識を示した。
北方領土を巡っては、プーチン大領と関係を構築した安倍政権では領土交渉への影響を懸念し、固有の領土という表現を避けてきた。 (2204-030910)・ロシアの大物議員が「北海道はロシアのもの」発言
ロシアのある大物議員の発言が波紋を広げている。
ロシアの有力政党である公正ロシアのホームページで、セルゲイ・ミロノフ議員が「専門家によれば、ロシアは北海道の権利を有している」表明している。
セルゲイ議員は、10年近く上院議長を務めるなどの実績があり、現在はプーチン氏に近い保守政党の党首を務めている。 (2205-040811)・日米訓練強化なら対抗措置と警告
ロシアのモルグロフ外務次官が4月26日にロシア通信とのインタビューで、ロシア国境付近での日米共同訓練がロシアの安全保障に脅威を与えていると述べ、訓練がこれ以上強化されれば対抗措置を取ると日本側に外交チャンネルを通じて警告したことを明らかにした。
モルグロフ次官の発言は、4月に米空母が日本海で海上自衛隊と実施した共同訓練などを念頭に置いているとみられる。 (2205-042616)
6・1・5・5・8 ウクライナ戦争の波及
・最恵国待遇の停止 ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの対応でバイデン米大統領は先に、関税などでほかの貿易相手国と同じ条件を保障する最恵国待遇を取り消す方針を示し、日本を含むG7首脳も取り消すよう努めるなどとした共同声明を発表した。
これを受けて岸田首相は、ロシアに対する追加の制裁措置として最恵国待遇を停止する方針を固め、3月16日にも発表する。
ロシアへの制裁措置として、日本政府はすでに先端技術を使った製品に加えて一般向けの半導体などの輸出を禁止している。 (2204-031603)・ロシア、北方領土交渉の中断発表
ロシア外務省が3月21日、北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉を中断すると発表した。
北方領土への旧島民の墓参などを目的とした日本とのビザなし交流の停止や、北方領土での日本側との共同経済活動から撤退する意向を表明した。
ウクライナ侵攻に伴う制裁に日本が加わったことへの反発が理由とみられる。 (2204-032203)・北部方面隊の総合戦闘力演習
陸上自衛隊北部方面隊の総合戦闘力演習が始まり、MLRSとSSMの発射準備訓練の様子が8月26日、北海道大演習場で報道各社に公開された。
2022年の演習は22日に始まり北海道内の演習場などで隊員12,000名、車両3,400両が参加し9月4日まで行われる。 (2209-082706)
6・1・5・5・9 日露の本格対立
・Sakhalin 2 運営会社 Sakhalin Energy Investment社の資産接収 プーチン露大統領が6月30日、サハリンの石油天然ガス事業Sakhalin 2の運営会社で、日本企業も出資するSakhalin Energy Investment社の資産を、新設するロシア企業に無償で引き渡すよう命ずる大統領令に署名した。
日本側が引き続き事業に参画できるか不透明な情勢となっている。
同社は、露国営ガス会社Gazpromが50%強の筆頭株主で、三井物産が12.5%、三菱商事が10%を出資する。
27.5%弱を出資するShell社は2月に米欧の対露経済制裁の強化に歩調を合わせ、撤退を発表していた。 (2208-070104)・Sakhalin 1 運営の国有化示唆
ロイタ通信が、極東の石油天然ガス開発事業Sakhalin 1について露下院エネルギー委員長が7月7日、「Sakhalin 2と同じくロシア政府の管轄下に置かれることになるだろう」と述べたと報じた。
Sakhalin 1はロシアの国営Rosneft社などが出資し、日本勢は権益の30%を保有しているが、この権益保有会社では米ExxonMobil社は3月に撤退を発表した。
プーチン露大統領は6月30日に、Sakhalin 2の運営をロシアが新たに設立する会社に移管する大統領令に署名した。
この結果Sakhalin 2に出資する三井物産や三菱商事は新会社に対する無償での資産譲渡が命じられ、事業の枠組みから排除される可能性がある。 (2208-070704)・ロシア領海全域で「船舶戦争保険」引き受け停止
東京海上日動火災保険と損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険の国内損害保険大手3社が、ロシア領海全域での船舶の航行について、戦争被害を補償する「船舶戦争保険」の引き受けを来年1月1日から停止する方針を固めた。
再保険を手がける海外保険会社が、ロシア領海での航行に関するリスクから引き受けを拒んだためで、サハリンなど極東地域も含まれ、石油・天然ガス事業「サハリン2」の液化天然ガス (LNG) 輸入などに影響が及ぶ可能性がある。 (2301-122408)・船舶戦争保険、年明けも当面継続
複数の関係筋が、国内損害保険各社がロシア海域で船舶の被害を補償する船舶戦争保険の提供を2023年1月以降も当面継続できる見通しとなったことを明らかにした。 損保各社が保険の提供を停止することで船の航行が困難となり、液化天然ガス (LNG) の輸入に影響が及ぶことが懸念されていた。 (2301-123006)
・日本人外交官をスパイ活動の疑いで拘束 ロシアの報道各社が連邦保安局 (FSB) の発表として、9月26日にウラジオストクに駐在する日本人外交官をスパイ活動の疑いで拘束し、ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)に指定し国外退去を通告したと発表したと報じた。
この外交官は在ウラジオストク日本総領事館の「モトキ・タツノリ」領事で、ロシアとアジア太平洋地域の他国との協力関係や、西側諸国が科した制裁のロシア極東・沿海地方への影響に関する機密情報を「金銭と引き換えに受け取っていた現場を押さえられ、拘束された」という。 (2210-092702)ロシアが在ウラジオストク日本総領事館の領事を拘束した問題で、日本外務省の森健良事務次官が9月27日午前に駐日ロシア大使を同省に呼び出し厳重に抗議し、正式な謝罪と再発防止を要求するとともに「日本政府として相応の措置を講じる必要があると考えている」と伝えた。
林外相は同日午前に、ロシア側が主張するような違法な活動を行ったという事実は全くないと述べた。
林外相はまた、領事館員は目隠しをされ、両手と頭を押さえつけられた身動きの取れない状態で連行されるなど「威圧的な取り調べ」を受けたとし、「極めて遺憾で決して受けいれられない」と批判し、ペルソナ・ノン・グラータの通告については「信じがたい行為であり、強く抗議する」と語った。 (2210-092704)
【註】日本政府は21日に対露追加制裁を発表している。・対抗措置として在札幌ロシア総領事館の領事1人に国外退去命令
政府が10月4日、ロシア政府が在ウラジオストク日本総領事館の領事を国外退去させたことへの対抗措置として、在札幌ロシア総領事館の領事1人に対し、外交上の「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましくない人物)」と通告し、10日までの国外退去を命じた。 (2211-100417)
・「ロシアはウクライナでなく日本攻撃を準備していた」報道
Newsweekが、ロシアはウクライナへの侵攻に着手する何ヵ月も前の2021年夏、日本を攻撃する準備を進めていたとする衝撃的な情報を入手した。
これはロシア連邦保安庁 (FSB) 内部告発者からのメールで明らかになった。
内部告発者は、日本を攻撃目標にした電子戦用ヘリの展開について詳しく語っている。 だが結局、この攻撃計画が実行されることはなかった。
告発者は「彼らは、戦争の相手を日本からウクライナに置き換えたようなものだ」と続け、「いずれにせよ彼らは正気ではない。 日本への攻撃を検討していたことも、ウクライナ侵攻を実行したことも、両方とも狂気の沙汰だ」としている。
3月17日付けのこのメールは、Wind of Changeと名乗るFSB職員が、ロシア人の人権擁護活動家オセチキンに定期的に送信しているメールのひとつで、オセチキンはロシアの腐敗を告発するサイトGulagu.netの運営者で、現在はフランスで亡命生活を送っている。 (2212-112510)
6・2・1 国防意識6・3 防衛諸計画
6・2・1・1 改憲論議6・2・2 制度、組織
6・2・1・2 世論の動向
2023年に特筆すべき記事なし
6・2・1・3 国民の国防意識
・ロシアのウクライナ侵攻による影響 読売新聞社が4月1~3日に実施した全国世論調査で、今後、日本が防衛力を強化することに賛成が64%で、反対の27%を大きく上回った。
一方、敵基地攻撃能力を日本が持つことについては、賛成と反対が各46%と二分した。 (2205-040308)・「専守防衛」を見直すべきが過半数に
5月7日(土)と8日(日)に実施したJNNの世論調査で、日本の防衛姿勢である「専守防衛」について「見直すべき」とする人が52%と過半数にのぼり「見直すべきではない」が28%であることが分かった。
また、日本の防衛費の増額については「賛成」が55%にのぼり、ウクライナ情勢などを受け、防衛力の強化を求める声の高まりを示す結果となった。
ウクライナ情勢についてこれまでの日本政府の対応を「評価する」が64%、「評価しない」が21%であった。
また、ロシアへの制裁については「欧米と歩調を合わせて強化すべき」が34%、「日本の事情に合わせて強化すべき」が53%、「これ以上強化すべきではない」が8%であった。
岸田内閣を支持できるという人は、先月の調査から3.0%上昇し62.1%で、支持できないという人は5.4%低下し31.8%であった。 (2206-050902)・日本が防衛力を強化に賛成が70%
讀賣新聞社が9月2~4日にかけて行った世論調査で、日本が防衛力を強化することについて聞くと、賛成70%が反対24%を大きく上回った。
賛成は性別や年代を問わず多数を占め、支持政党別でも与党支持層で78%、野党支持層で66%、無党派層で63%に上った。
中国が日本の安全保障上の脅威だと思うは81%に達し、思わないは15%にとどまった。
北朝鮮が脅威だと思うは72%、思わないは25%だった。 (2210-090410)読売新聞社が10月1~2日に実施した全国世論調査で、日本が防衛力を強化することに「賛成」が71%を占め、「反対」の21%を大きく上回った。
電話、郵送いずれの調査でも、2017年以降の同様の質問で、「賛成」が6~7割台の高い水準を維持している。 (2211-100207)・讀賣世論調査:反撃能力の保有、2/3が賛成
読売新聞社が11月4~6日に実施した全国世論調査で、反撃能力を日本が持つことに賛成が52%となり、反対の41%を上回った。
日本が防衛力を強化することに賛成は68%(前回10月調査71%)で反対は23%(同21%)だった。
中国で習政権が3期目に入ったことで、日本の安全保障にとって中国の脅威が高まると思う人は80%に達した。 (2212-110605)日本経済新聞社の世論調査で反撃能力を保有する是非について、「賛成だ」は65%で5月調査から5%上昇した。
「反対だ」は24%で、5月から6%低下した。 (2212-112801)・毎日世論調査:反撃能力の保有、57%が賛成
岸田首相が、今後5年間で防衛費と安全保障関連経費を合わせGDP比2%に増額するよう関係閣僚に指示したが、こうした防衛費などの増額について、「賛成」が53%と、「反対」の36%を大きく上回ることが最新のJNNの世論調査で分かった。
また、自衛目的で相手のミサイル発射拠点などを破壊する反撃能力保有については、「賛成」が57%、「反対」が30%であった。 (2301-120501)・財源論争による世論の変化
共同通信の世論調査によると、令和5年度から5年間の防衛費を現在の1.5倍の約43兆円に増額する岸田首相の方針に賛成39.0%、反対53.6%だった。 (2301-121804)
【註】12月上旬にJNNが行った世論調査では、防衛費などの増額について「賛成」が53%と、「反対」の36%を大きく上回っていた。朝日新聞社が12月17、18の両日に全国世論調査を実施した。
岸田文雄内閣の支持率は31%(前回11月調査は37%)で、昨年10月の内閣発足以降最低となり、不支持率は57%(同51%)となった。
防衛費の拡大については、「賛成」46%、「反対」48%と割れ、1兆円増税に「反対」は66%で、国債発行については「反対」67%、「賛成」27%だった。 (2301-121902)朝日新聞社が12月17、18の両日に全国世論調査を実施した。
岸田文雄内閣の支持率は31%(前回11月調査は37%)で、昨年10月の内閣発足以降最低となり、不支持率は57%(同51%)となった。
防衛費の拡大については、「賛成」46%、「反対」48%と割れ、1兆円増税に「反対」は66%で、国債発行については「反対」67%、「賛成」27%だった。 (2301-121902)
6・2・1・4 野党の変化
・世界で突出して低い国防意識 世界価値観調査 (WVS) が、「もし戦争が起きたらあなたは祖国のために戦いますか」という質問に対する各国の回答を公開した。
それによると、韓国の回答者のうち67.5%が「戦う」と答え、この割合は調査対象79ヵ国のうち40番目と真ん中あたりだった。
これに対し、「戦う」と答えた割合が最低だった国は日本で13.2%にすぎず、次に低いリトアニアの32.8%、スペインの33.5%、マケドニアの36.2%、イタリアの37.4%などと比較しても20%以上の差があった。
「戦う」と答えた割合ではベトナムが96.4%に達して最も高く、次いでヨルダンが93.8%、キルギスタンが92.7%、中国が88.6%、ノルウェーが87.6%の順だった。 (2208-070406)・安全保障の危機意識
公益財団法人新聞通信調査会の調査で11月12日、日本が他国から軍事攻撃される不安を感じている人が3/4に上ることが分かった。
調査は8月26日~9月13日に全国の18歳以上5,000人に選択肢形式の質問紙を配布し、2,993人が回答した。
同会担当者は「ウクライナ侵攻が長引いた影響もあってか、予想より非常に高い結果となった」と話している。
「日本が他国から軍事攻撃を受ける不安を感じるか」との質問に対し、「とても感じる」と「どちらかと言えば感じる」が合わせて76%で、「どちらかと言えば感じない」の19%、「まったく感じない」の2%を大きく上回った。
台湾有事に対する危機感も「非常に持っている」と「どちらかと言えば持っている」が合わせて79%だった。
一方、中国が台湾を軍事的に攻撃した場合、自衛隊が米軍とともに中国軍と戦うことについては、「賛成」「どちらかと言えば賛成」が合わせて22%だったのに対し、「反対」「どちらかと言えば反対」が74%だった。 米軍の後方支援や在日米軍基地の使用については賛否が割れた。 (2212-111302)
6・2・1・5 日本学術会議
・国民党が安保提言で素案、「自衛のための打撃力」明記 政府の国家安全保障戦略など3文書改定を前に、国民民主党がまとめた、専守防衛を堅持しつつ攻撃を受けた場合の自衛のための打撃力(反撃力)保持を明記した安保提言の素案が11月25日に判明した。
素案はまた、政府が配備を断念したAegis Ashoreの再検討を主張し、サイバ攻撃に備えるためのサイバー安全保障基本法(仮称)制定も掲げた。 (2212-112605)
6・2・1・6 公共投資と防衛へ予算配分
日本学術会議が7月25日に小林科学技術相に宛てた書面で、軍事と民生双方で活用できるデュアルユース(両用)の先端科学技術研究について、軍事に無関係な研究と単純に二分することはもはや困難とし、事実上容認する見解を示した。
学術会議は軍事目的の研究に一貫して反対する立場だが、安全保障に絡む研究の推進が重要視される中、踏み込んだ考え方を示した。 (2208-072701)
日米欧の2019年の予算では公共投資と防衛への配分の違いが大きく、公共投資は日本の3.3%に対し、米国は2.0%、英国も2.1%にとどまる。
装備品や弾薬、自衛隊員の移動には空港や港湾などのインフラが欠かせないが、いま国と地方をあわせた公共投資は国内総生産 (GDP) 比3.3%のおよそ15兆円にのぼる。
日本は長らく公共事業大国の性格が色濃かったが、1990年代をピークに公共事業費は減少傾向にあるものの、それでも2022年度の国の公共事業費は6兆575億円で、9割弱の5兆2,480億円分を国土交通省が所管する。
残りの内で明確に防衛用途を念頭に置く予算は基地改修などの防衛施設整備費1,900億円ほどにすぎず、国交予算の港湾関係費2,400億円より少ない。 空港の整備や維持を目的とした予算の空港整備勘定の歳出額は3,800億円ある。
安保目的のインフラ整備は後手にまわっているが、視点を変えればこれらのインフラが安保上の資産になり得る。 例えば南西諸島の離島に点在する空港は台湾有事の際に使える潜在力がある。 (2208-072702)
6・2・2・1 港湾や空港の利用6・2・3 経済安全保障
6・2・2・2 編成組織
政府は自衛隊が民間用の港湾や空港を平時から利用しやすくなる仕組みを導入し、台湾有事などへ平時から切れ目なく対応できるようにする。
港湾法などに基づく施設利用の「基本方針」に自衛隊の使用に関する規定を盛り込み、2024年3月までの開始をめざす。
現在は平時に自衛隊が民間用インフラ施設を優先的に利用する法的な規定がないため、自衛隊が訓練などで民間用の港湾や空港を使用する際、地元自治体に申請する手続きをとる必要があり、防衛省によると首長らの協力が得にくいと判断して訓練内容を変更する場合がある。 (2301-120612)
6・2・2・2・1 内部部局等
6・2・2・2・2 統幕、三幕共通部隊
・防衛装備庁に研究機関を新設 複数の政府関係者が、先端の民生技術を防衛分野で活用するため、令和4年度にも防衛装備庁に研究機関を新設する方針を固めたことを明らかにした。
AIやUAVなど、今後の戦い方を左右する軍事と民生双方で活用できる技術研究を発掘して財政支援し、装備品開発につなげる狙いである。
モデルとするのは、米国防総省傘下のDARPAや同省のDIUで、DARPAは民間で投資を集めづらいリスクの高い研究への支援を手がけ、インターネットやGPSなどを誕生させた。
DIUは同省と企業の橋渡し役を担い、サイバーやUAVなどに用いる民生技術の発掘に寄与してきた。 (2211-101903)
6・2・2・2・3 陸上自衛隊
・統合司令官と統合司令部の創設案の検討 防衛省関係者が9月18日までに、部隊運用に専念するポストや組織を設けることで即応力を高めるため、陸海空3自衛隊の部隊を一元的に指揮する「統合司令官」と、それを支える「統合司令部」を創設する案について本格的な可否の検討に入ったことを明らかにした。
年末までに予定する国家安全保障戦略など3文書の改定に合わせて組織形態や権限、人員、設置場所について議論し、方向性を打ち出す。
統合司令官と統合司令部の新設案は、自衛隊が大規模に活動した2011年の東日本大震災を受けて浮上した。
統幕長が部隊の指揮に加え、首相官邸への報告や米軍との調整に忙殺された経験から「首相・防衛相の補佐と命令執行を同一人物が担うのは負担が大き過ぎる」との声が制服組を中心に上がり、自民党の提言にも盛り込まれた。 (2210-091901)・「連合司令部」不在の日米
政府・与党が今秋、国家安全保障戦略の改定や防衛費の増額に向けた本格作業に入るが、8月25日の自民党安全保障調査会などの幹部会合で、令和5年度予算の概算要求の議論で防衛相経験者から日米同盟や自衛隊の構造、安全保障に関わる法制度を含めた総合的な点検が不可欠とし、沖縄に米軍と連携する自衛隊の統合司令部をもうけるべきだとする意見があがった。
台湾有事の抑止に必要なのは装備品の増強だけにとどまらず、日米同盟や自衛隊の構造、安全保障に関わる法制度を含めた総合的な点検が不可欠となる。 (2210-092813)・統合司令部の創設と統合司令官の配置
防衛省は、有事での迅速な部隊配備、米軍と運用面で意思疎通をより緊密に行う狙いから、陸海空3自衛隊を一元的に指揮する統合司令部を創設し、そのトップに幹部自衛官の統合司令官を配置する組織改編の検討に入った。
改定した安全保障関連3文書のうち、自衛隊の組織体制をまとめた「防衛力整備計画」で、「平素から有事まであらゆる段階においてシームレスに領域横断作戦を実現できる体制を構築するため、常設の統合司令部を創設する」との方針が明記されており、最終年度となる令和9年度までの発足を目指す。
現在、自衛隊制服組トップの統合幕僚長とこれを支える「統合幕僚監部」が首相や防衛相の補佐を行い、首相らの命令を受けて部隊運用の執行を担っているが、この体制を整理し統幕長が補佐機能に専念できるようにして部隊運用は統合司令部に集約する方向で議論が進む見通しである。 (2301-122604)
6・2・2・2・4 海上自衛隊
・第102高射特科隊の新編 陸上自衛隊竹松駐屯地に、新たな部隊となる第102高射特科隊が3月17日付けで編成され、隊旗授与式が18日に同駐屯地であった。
03式中SAMを装備し対空戦闘指揮装置のほか、対空レーダなども配備する同隊は、駐屯地司令の藤川2佐が隊長を務める。
同駐屯地からは令和元年度に第7高射特科群の本部や本部管理中隊などが宮古島駐屯地へ移駐し、第327高射中隊などが残っていた。 (2204-032307)
6・2・2・2・5 航空自衛隊
2023年に特筆すべき記事なし
・航空宇宙自衛隊への改称 政府が、航空自衛隊の名称を航空宇宙自衛隊に改称する方針を固めた。 12月中旬に正式に決定する安全保障関連3文書にも明記する。
安全保障では宇宙の重要性が増していることから、名称に盛り込むことで、対応を強化する意思を国内外に示すのがねらいである。 (2301-120714)・RQ-4B Global Hawk を装備する偵察航空隊の新編
防衛省が12月21日、航空自衛隊のRQ-4B Global Hawkの初飛行を実施した。
初飛行に先立つ15日に三沢基地で偵察航空隊が新編され、航空総隊司令官から偵察航空隊司令に隊旗が授与された。
RQ-4Bの初号機は、今年3月12日にカリフォルニア州からの18.7時間かけてフェリーフライトされ、三沢基地へ到着している。 空自は三沢基地に3機のRQ-4Bを配備する。 (2301-122208)・F-35Aは小松基地、F-35Bは新田原基地
航空自衛隊が令和4年度にF-15 70機の能力向上を実施するほか、1,300億円かけてF-35A 8機とF-35B 4機を購入する。
これらのF-35Aは2026年に小松基地に、F-35Bは新田原基地の第5航空団の恐らく第305飛行隊に配備される。
新田原基地はF-35Bの母艦として改造されたいずも型護衛艦いせの母港となっている佐世保基地に近い。 (2301-101208)
6・2・3・1 経済安全保障法6・2・4 諸情勢への対応
6・2・3・1・1 経済安全保障法案6・2・3・2 経済安全保障組織
6・2・3・1・2 国会審議と成立
岸田政権が目玉政策に掲げる「経済安全保障推進法案」の制定に向けた青木節子慶応大大学院教授を座長とする有識者会議が21日に提言をとりまとめた。
政府は2月中にも法案を国会に出し成立を目指すが、法案には事業者への罰則規定も検討されており、経済界には国の関与が強まることへの警戒感も根強くある。 (2203-020111)岸田政権が目玉政策に掲げる経済安全保障推進法案の原案が明らかになった。
サイバ攻撃への備えや先端技術の流出防止を徹底するため、民間企業や研究者らを対象に2年以下の懲役などの罰則が盛り込まれている。 経済界や与党の一部から国の関与が強まることを懸念する声もあり、今後の協議で内容が修正される可能性がある。
原案は7章、98条からなり、国民生活や経済に必要な重要物資を安定的に確保するサプライチェーンの強化、サイバ攻撃に備えた基幹インフラの事前審査、先端技術の官民協力、特許非公開の4本柱で構成され、それぞれに罰則が盛り込まれた。
基幹インフラでは、サイバ攻撃を受ける懸念のある外国製品が重要設備に使われていないか、国が事前審査をする。
対象として電気、ガス、石油、水道、電気通信、放送、郵便、金融、クレジットカード、鉄道、貨物自動車運送、外航貨物、航空、空港の14分野が明記された。 (2203-020601)政府が2月16日、今国会に提出する経済安全保障推進法案の最終案を与党に提示しおおむね了承された。 政府は25日にも法案を閣議決定する。
半導体をはじめとする重要物資のサプライチェーン強化など、4分野すべてで民間関係者の法令違反に対する罰則を盛り込んだが、経済界の懸念を踏まえ、政府の供給網調査を拒否した場合の罰則などは削除した。 (2203-021614)政府が2月25日、官民の経済安全保障対策を抜本的に強化する経済安保推進法案を閣議決定した。
半導体などの重要物資の供給や基幹インフラの安定性を確保し、機微技術の流出防止を図る国内体制を整える。
原子力や武器開発への利用が想定される技術については、政府が特許出願後に非公開に指定できる制度も創設する。
また、虚偽の届け出をした場合などに懲役2年以下などを科す罰則も盛り込んだ。 (2203-022528)
6・2・3・1・3 経済安全保障法の施行
岸田政権が看板政策に位置付ける経済安全保障推進法が5月11日の参院本会議で可決、成立した。 (2206-051108)
・施行を2023年以降3段階で実施 政府が今国会成立を目指す経済安全保障推進法案の施行を2023年以降、3段階に分けて実施する方針を固めたことが2月7日に分かった。
法案は「供給網強化」「基幹インフラの事前審査」「先端技術の官民協力」「軍事転用可能な機微技術の特許非公開」の4分野で構成され、政府は2月下旬に国会に提出する。
半導体など戦略物資をめぐる米中摩擦が激化するなか、「サプライチェーン強化」など早期に導入できる措置から先行する。
制度変更を伴う「特許非公開」は官民の調整に時間をかけ、施行が2024年になる公算が大きい。 (2203-020810)・特定重要物資として11分野を指定
政府が12月20日、5月に成立した経済安全保障推進法に基づき、国が安定供給を支援する「特定重要物資」として、半導体や蓄電池など11分野を指定する政令を閣議決定した。
欧米諸国とも連携して重要物資の「脱中国」「脱ロシア」を進める。
地政学リスクや感染症の世界的流行などで生活や産業に不可欠な物資の輸入が滞る事態に備え、1兆円超の補助金を投じて民間企業を支援し、重要物資11分野の供給網(サプライチェーン)の強化を図る。
重要物資に指定したのは、半導体、蓄電池のほか、抗菌性物質製剤、肥料、永久磁石、重要鉱物、工作機械・産業用ロボット、航空機部品、クラウドプログラム、天然ガス、船舶部品の11分野で、中国への依存を念頭に「特定の少数国など外部に過度に依存している」「国民の生存に必要不可欠」など四つの要件を基に選定した。 (2301-122009)
6・2・3・2・1 中央組織6・2・3・3 政府クラウドの保全
6・2・3・2・2 地方での動き
・公安調査庁にサイバ対策特別調査室を新設 公安調査庁が3月8日、経済安全保障とサイバ対策の特別調査室をそれぞれ4月に設置すると発表した。 岸田政権が掲げる重要政策である経済安保では、サイバ対策の重要性も高まっており、情報収集や分析機能を強化するのが狙いで特別調査室を新設する。 経済安保対策では、企業や大学を対象に、先端技術やデータの意図しない流出を防ぐため、講演会などを開き、流出防止のノウハウを提供する。 (2204-030815)
・愛知県警が専門チームを設置 愛知県警関係者への取材で1月2日、県警が企業の先端技術や機密情報が海外に漏えいするのを防ごうと経済安全保障対策の専門チームを設置したことが分かった。
産業スパイの手口に関する情報を地元企業と共有し、被害防止につなげる。
県警は2007年に自動車部品メーカーデンソーから製品図面のデータをダウンロードしたパソコンを持ち出したなどとして、横領の疑いで中国人の社員を逮捕している。 (2202-010202)
6・2・3・4 防衛産業のサイバー基準強化
政府が、行政データをオンラインで共有するため整備を進めている政府クラウドで、国家機密にあたるデータに限り日本企業のサービスを採用し、機密情報の海外流出を防ぐとともに、米巨大IT企業に先行された日本企業の技術開発を後押しする方針を固めた。
政府は、NTTデータや富士通、NECのほか、新興企業の参画も念頭に置いて令和4年度に企業を選定し、5年度の運用開始を目指す。 (2203-020701)
防衛装備庁が4月1日、防衛産業に求めるサイバーセキュリティー基準を大幅に強化すると発表した。
同庁は今回の改定で、受注企業と契約する際に求めるサイバーセキュリティー基準を13項目から25項目へ拡充し、攻撃を受けた後の対策は従来は手薄だったため、ログや通信の常時監視や不具合の修正、バックアップによるシステム再構成などを米国並みに改定する。
周知期間を経て令和5年度以降の受注契約から新基準を適用する。 (2205-040117)
6・2・4・1 ロシアのウクライナ侵攻への対応6・2・5 気候変動対処戦略
6・2・4・1・1 対露姿勢の表明6・2・4・2 武装工作員侵入への備え
6・2・4・1・2 自国民保護
・ロシアへの非難 衆院が3月1日の本会議で、ロシア軍によるウクライナ侵略を非難する決議を採択した。
れいわ新選組は反対し、全会一致とはならなかった。 (2204-030116)・戦争の長期化はプーチンのせい
松野官房長官は6月6日午後の記者会見で、ロシアによるキーウへのミサイル攻撃が再開されたことや、プーチン大統領が欧米諸国によるウクライナへの長距離ミサイル供与が実行された場合に攻撃していない対象を標的にすると発言したことに対する日本政府の見解についての質問に対し、ロシアによるウクライナ侵略が仮に長期化の恐れがあるとすれば、その原因はプーチン大統領の意思にあるとの見解を示した。 (2207-060608)
6・2・4・1・3 経済制裁への協力
外務省が4段階ある危険情報を3月3日に、ロシアとベラルーシの一部地域を最高レベルの退避勧告に引き上げた。
対象はいずれもウクライナとの国境周辺の地域で、軍事衝突による大きな被害が発生する可能性があるとしている。
外務省は在留邦人に対し、商用機で直ちに退避するよう呼びかけている。 (2204-030327)外務省が7日、ロシアで航空機の運航停止が相次いで出国が困難になっているなどとして、ロシア全土の危険情報を4段階で上から2番目であるレベル3の渡航中止勧告に引き上げたと発表した。 (2204-030702)
6・2・4・1・4 その他対露制裁への協力
政府がロシアによるウクライナへの侵攻を想定し、半導体など先端技術の輸出を規制する経済制裁の調整に入った。
岸田首相は2月22日に主要7カ国 (G7) で連携して制裁を含む厳しい対応の調整をしていると述べた。
ロシア主要銀行との取引制限のほか、ロシア政府要人の資産凍結と渡航制限なども検討する。
軍需品からスマートフォンといった民生品まで幅広く網をかける可能性があるほか、金融取引の制限は複数のロシア大手銀行に照準を定める。
資産凍結では2014年のロシアのクリミア併合以降、凍結している政府要人ら82の個人と団体の範囲を広げる。 (2203-022306)岸田首相が2月23日、プーチン露大統領がウクライナ東部の親露派武装勢力を独立国家として承認したことなどに対して、3つの制裁を行うことを明らかにした。 (2203-022317)
・いわゆる2つの共和国の関係者の査証発給停止と資産凍結ウクライナ情勢をめぐる国連総会が2月23日に開かれ、ウクライナのクレバ外相は総会演説後に日本の制裁について報道陣の質問に答え、日本がより強固な反応を示してより強固な行動を取ることを期待していると述べ、現状では不十分だとの見方を示した。 (2203-022402)
・いわゆる2つの共和国との輸出入の禁止
・ロシア政府による新たなソブリン債の日本での発行流通の禁止
複数の政府関係者が、政府が2月26日にロシアのウクライナに対する侵攻を支援したとして、両国と国境を接するベラルーシに経済制裁を発動する方向で調整に入ったことを明らかにした。
米国は既に、ベラルーシの国有銀行や軍事関連企業を含む24の個人と法人に対する制裁を発表しており、日本政府は国際社会との協調が必要と判断した。 (2203-022612)林外相が2月27日にNHKのTV番組に出演し、米欧がウクライナに侵攻するロシアへの追加の制裁措置として、各国の主要金融機関が参加する国際銀行間通信協会 (SWIFT) からロシアの銀行を排除すると発表したことに関し「我々も金融市場への影響などを注視しながら、対応していかなければならない」と述べた。 (2203-022705)
岸田首相が2月27日夜に首相公邸で記者団の質問に答え、ロシアの金融機関を国際銀行間通信協会 (SWIFT) から排除する取り組みについて、日本も支持すると表明した。 (2203-022720)
政府が3月8日、閣議決定に基づきロシアに対する追加経済制裁として、ロシアとベラルーシの政府関係者32人と、12団体の資産凍結し外為法による措置を取ると発表した。
制裁対象のうちロシア関係者は20個人と2団体、ベラルーシは12個人と10団体を制裁対象とし、ロシア向け石油精製装置などの輸出を禁止する措置も行う。 (2204-030810)・サハリン2から撤退せず
衆院が3月31日の本会議で、ベルギーで開かれた先進7ヵ国 (G7) 首脳会合に出席した岸田文雄首相から帰国報告を受け質疑を行い、国民民主党の玉木代表への答弁で首相は、樺太沖の液化天然ガス (LNG) 事業サハリン2について、わが国として撤退はしない方針だと明言した。
三井物産、三菱商事が出資するサハリン2は、LNG生産量の6割が日本向けとなっていて、英シェル石油が撤退を表明したことで、日本の対応が焦点となっていた。 (2204-033113)・対露制裁関連2法が成立
ロシアへの最恵国待遇を撤回するための関税暫定措置法の改正案は、参議院本会議で採決され、与党などの賛成で可決成立した。
参議院本会議ではまた、制裁の抜け穴となっているとの指摘がある暗号資産の取引をめぐり、規制を強化する外為法改正案についても採決が行われ、可決成立した。 (2205-042005)・対露追加制裁
岸田首相が5月5日に訪問先のロンドンで記者会見し、ウクライナへの侵攻を続けるロシアに対して追加制裁措置を発表した。
追加制裁の内容は、・資産凍結の対象となる個人を140人追加の4項目となる。 (2206-050515)
・輸出禁止の対象となるロシア軍団体をさらに70団体拡大
・ロシア向けの量子コンピューターなど先端的な物品の輸出禁止
・ロシアの銀行の資産凍結の対象を追加・ロシア産の石油を原則禁輸
先進7ヵ国 (G7) 首脳のオンライン会合が5月9日00:00から70分間行われ、ロシアへのエネルギー依存脱却のためロシア産石油の禁輸などを盛り込んだ首脳声明を発表した。
岸田首相は会合後、ウクライナに侵攻したロシアに対する追加制裁として、ロシア産の石油を原則禁輸する方針を表明し、エネルギー資源を輸入に頼っているわが国としては大変厳しい決断だが、G7の結束が何よりも重要な時だと述べた。 (2206-050903)
6・2・4・1・5 国際刑事裁判所への協力
・外交官の追放 政府が、ウクライナ情勢をめぐるロシアへの対抗措置として、駐日露大使館の外交官と通商代表部の職員あわせて8人の国外退去を要請したと発表した。
岸田首相は8日の記者会見で、ロシアの外交官ら8人に対し国外退去を要請したことについて、「総合的に判断した」と述べた。 (2205-040814)ロシア外務省が4月27日、ロシアに駐在する日本人外交官8人を国外追放すると発表した。
ロシアのウクライナ侵攻に抗議して在日ロシア大使館の外交官らの国外追放を決めた日本側への報復措置という。 (2205-042720)・ロシア航空機の日本領空飛行禁止
ロシアへの制裁をめぐり政府は選択肢の一つである同国航空機の日本領空の通過禁止に慎重である。
ロシアが対抗して日本機のロシア上空飛行を拒否すれば、欧州直行便に多大な影響が出るためで、先に通過禁止措置を発動し対抗措置を受けた欧州各国に比べ、返り血の方が多い(政府関係者)という。
3月1日の自民党外交部会などの会合では、飛行禁止を求める意見が出たが、政府側は態度を保留している。 (2204-030125)・国内企業の撤退
西側諸国が制裁措置を強化し、国際社会がウクライナ軍事侵攻への非難を強める中、日本企業もロシア事業を続々と停止している。 以下各社の対応について。
富士通、ブリヂストン、花王、サントリーホールディングス、JT、ファーストリテイリング、日立製作所、三菱電機、任天堂、ソニーグループ、資生堂、コマツ、スズキ、マツダ、トヨタ自動車、ホンダ、三菱自動車工業、伊藤忠商事、石油資源開発、丸紅、INPEX、三井物産、三菱商事 (2204-031407)2022年2月時点でロシアへの進出が判明した国内上場企業168社のうち、3月15日までにロシア事業の停止や制限などを公開した企業は約2割にあたる37社で、完成車や建設重機メーカーなどの製造業が28社とほとんどだった。
事業の停止や中断となった内訳では、製品の出荷などを含む取引停止が22社で最も多く、次いで現地工場の稼働停止など生産停止が7社、店舗などの営業停止が4社などが続いたが、ロシア現地事業の完全撤退はなかった。 (2204-031605)・ウクライナ4州の併合を受け追加制裁
木原官房副長官が7日午前の閣議後会見で、ロシアがウクライナ4州の併合を宣言したことに対し、日本政府は7日に新たな追加制裁として併合に直接関与したと判断した4州と、ロシアの関係者に対する資産凍結を行うことを決めたと発表した。
追加制裁の対象はロシア政府関係者やウクライナ東部ドンバス地方の義勇兵連合関係者ら81人と9団体である。 (2211-100706)
6・2・4・1・6 ウクライナへの軍事支援
日本政府が4月13日、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、国際刑事裁判所 (ICC) に検察官を派遣する調整に入った。
ICCはロシア軍による「戦争犯罪」や「人道に対する罪」について捜査を開始しており、日本として捜査を全面支援する狙いがある。
日本はICCの分担金の最大拠出国で、岸田首相は8日の記者会見で、分担金を前倒しで支払う方針を示しており、検察官派遣を通じて追加支援の必要性を確認する。
ウクライナはICC非加盟国だが、2014年にロシアにクリミア半島を一方的に編入されたことを機に、ICCに戦争犯罪などの捜査権限を認めている。 (2205-041315)
6・2・4・1・7 人道支援
・装備品供与 政府がウクライナへの支援として実施する防弾チョッキなど自衛隊装備品の提供に向け、装備品輸出のルールを定めた防衛装備移転三原則の運用指針を改定すると決めたことを、3月8日の自民党国防部会などの合同会議で明らかにした。
改定手続き後、早ければ同日中にも物資を国内の基地で自衛隊機に積み込み、輸送を始める。
防衛装備移転三原則は、2014年に従来の武器輸出三原則に基づく禁輸政策を撤廃し、一定の条件の下に防衛装備品の輸出を認めたルールで、運用指針では輸出を認める具体的な条件を明記している。 (2204-030807)複数の政府関係者が3月8日、ウクライナ政府が日本政府に対戦車砲などの提供を求めていたことを明らかにした。
日本側は弾薬を含む武器に関しては無償提供する法的根拠がないことなどから支援を見送った。
政府関係者によると、ウクライナのレズニコフ国防相がロシアが侵攻を開始した後の2月末に大使館ルートを通じて岸防衛相に支援を求める物資のリストを書面で提出したが、この中には対戦車砲のほか、SAM、小銃弾も含まれていた。
ただ、装備品を無償提供する根拠となる自衛隊法116条の3では、航空機や艦艇などが提供の対象に含まれるが、弾薬を含む武器の除外が明記されているうえ、小銃弾に関しては、自衛隊が保有する小銃はNATO基準でウクライナのソ連仕様とは異なり、SAMについても事前訓練を行わなければ実戦での使用は難しいとの見方もある。 (2204-030817)ウクライナへの防弾チョッキなどの支援物資を載せた自衛隊機が3月8日23:00頃に、小牧基地からポーランドに向け出発した。
日本政府は、今後、テントなどの物資も提供する方針である。 (2204-030902)日本政府が3月からウクライナに対し、防弾チョッキやヘルメットなど「非殺傷」の装備品を提供してきたが、ウクライナ政府からの要請を受け新たに防護マスクや化学防護衣、UAVを提供すると発表した。
防護マスクと防護衣は「防衛装備品」にあたるが、3月改正された「防衛装備移転三原則」に基づき、ウクライナへの提供が可能となっている。
またUAVは市販品のため防衛装備品にはあたらないと説明している。 (2205-041909)・人工衛星データの提供要求
ウクライナが日本に人工衛星データの提供を求めていることが分かった。
日本が悪天候でも地表の鮮明な情報を取得できる合成開口レーダ (SAR) を搭載した衛星を官民それぞれで運用していることから、高精度の画像を集めてロシア軍の動向の把握に活用する狙いがあるとみられる。
提供の可否はウクライナの情勢を見極めた上で政治判断する。 (2204-031715)・財政支援、$600Mに倍増
岸田首相が5月19日にウクライナへの財政支援について、従来表明していた$300Mを倍増し、$600Mにするとの方針を示した。
首相は記者団に対し「我が国は祖国のために奮闘するウクライナとともにある」とし、今後も主要7ヵ国 (G7) や国際社会と連携しながらウクライナを強く支援していくとした。
さらに、こうした基本姿勢を、来週予定されている日米首脳会談やQuadの枠組みの中でも強調していきたいと語った。 (2206-051905)・民生用 UAV と車両の提供
防衛省が8月4日、ウクライナに対し同省が保有する民生用の小型UAV十数機を追加提供すると発表した。 8月中旬以降に発送する。
バンタイプの民生用車両数台も提供する予定で、いずれもウクライナ政府の要請を踏まえた措置で、民生用UAVはこれまでに約30機を提供している。
追加提供分も防衛省が試験用などで購入し既に不要となったもので、殺傷能力はないがカメラを内蔵、もしくは搭載可能だという。
バンタイプ車両は10人程度が乗れるもので、ウクライナで通常使われている左ハンドルではなく、日本仕様の右ハンドルの車両となる。 (2209-080416)
6・2・4・1・8 難民の受け入れ
岸田首相が、ウクライナの人々に対し$100Mの緊急人道支援を実施すると述べた。 (2203-022719) 政府関係者が、日本政府が3月3日にウクライナに対し、自衛隊が保有する医薬品や防弾チョッキなどの物資を提供する方向で調整に入ったことを明らかにした。
早ければ4日にも決定して発表するという。
政府はすでに$100Mの緊急人道支援を表明しているが、物品供与にも踏み切る。明らかにした。 (2204-030401)・モルドバへの医療支援
政府が4月4日、ウクライナの避難民支援に絡み、内閣府と外務省の職員計4人を4月5~11日の日程で隣国モルドバに派遣すると発表した。
避難民を多数受け入れている同国で、医療・保健分野での人的貢献策を検討する。 (2205-040411)複数の政府関係者が4月15日、日本政府がウクライナからの避難民が流入する隣国モルドバに対し、現地のニーズが高い人工透析やがん治療の医療機器を供与する方向で調整していることを明らかにした。 (2205-041512)
・ウクライナや周辺国に追加の$100Mの緊急人道支援
日本政府が5日、ウクライナや周辺国に対する$100Mの緊急人道支援を決定した。
国際機関や日本の非政府組織 (NGO) を通じウクライナやモルドバ、ポーランドなど周辺国を支援する。
保健、医療分野や食料支援のほか、ウクライナでのがれき除去や地雷、不発弾の処理に役立てるほか、農業生産の回復支援や避難民の安全な移動も手助けする。
岸田首相は3月24日、主要7ヵ国(G7)の首脳会議で$100M億の追加支援を表明しており、今回で支援は$200M規模になる。 (2205-040509)・輸送機の派遣
政府が、ウクライナ支援の一環として国際平和協力法いわゆるPKO法に基づき、自衛隊の輸送機をウクライナや周辺国に派遣する方向で最終調整している。
国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) の要請を受け、支援物資を輸送するために自衛隊機を派遣するという。
政府関係者によると、この枠組みで自衛隊機の派遣が行われるのは、2003年にイラク支援のために輸送機が派遣されて以来だという。 (2205-041317)政府関係者によると、政府がウクライナの避難民を支援するための自衛隊機による支援物資の輸送活動を来週にも閣議決定し、4月中に開始する。
PKO協力法に基づく「人道的な国際救援活動」として、ウクライナの避難民に支援物資を提供するため、ポーランドやルーマニアなど周辺国に自衛隊機を派遣する。
PKO協力法に基づく派遣は2003年にイラク支援のために行われた実績がある。
国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) がUAEのドバイに備蓄している毛布などをC-2などで周辺国に輸送する流れを想定している。 (2205-041509)日本政府が4月19日、ウクライナ避難民を支援するため、自衛隊機による支援物資の輸送計画を自民党外交部会などの合同会議で示した。
計画では自衛隊に被災民救援空輸隊を編成しC-2 1機を派遣して、国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) がUAEのドバイやインドのムンバイに備蓄している毛布などの人道支援物資を積載し、ポーランドやルーマニアへ輸送する。
間もなく閣議決定し、4月下旬にも輸送を開始して6月末まで週1回、計10回程度を想定している。 (2205-041912)・インドから自衛隊機の受け入れを拒否
政府が21日の自民党会合で、ウクライナ避難民支援のための自衛隊機派遣計画に関し、人道支援物資の積み込み拠点となるインドから自衛隊機の受け入れを拒否されたと明らかにした。
調整不足が原因としている。 (2205-042104)複数の政府関係者によると、政府はウクライナ避難民支援のため国連難民高等弁務官事務所 (UNHCR) がUAEに備蓄している支援物資を自衛隊機でポーランドとルーマニアに輸送する方針を固め、4月中にも閣議決定する。
政府は当初、インドとUAEに備蓄している物資を輸送する計画だったがインドから自衛隊機の着陸許可が得られず計画を見直していた。
政府関係者は「UAEの物資だけでも早く届けるためだ」と話している。 (2205-042507)
6・2・4・1・9 その他の活動
2023年に特筆すべき記事なし
・首都キエフの表記をキーウに変更 政府がウクライナの首都キエフの表記をウクライナ語の発音に近いキーウに変更する。
ロシア語の発音に由来する従来のキエフから変えて、ロシアが侵攻するウクライナに寄りそう姿勢を示す。
在外公館の名称はキエフと法律で定めており名称変更には法改正が必要になる。 (2204-033017)・首都キーウの日本大使館が5日に再開
ロシアによる侵攻をきっかけに、3月2日から閉鎖していたウクライナの首都キーウの日本大使館が10月5日に再開した。 (2211-100518)
6・2・4・2・16・2・4・3 国民保護法に基づく施策
6・2・4・2・2 警察との連携
2023年に特筆すべき記事なし
・香川県警と共同訓練 自衛隊と香川県警が治安維持に関する共同訓練を行い、装甲車など緊急車両の輸送手順を確認した。
訓練は殺傷能力の高い武器で武装した工作員が香川県に侵入し、総理大臣から自衛隊に治安出動命令が出されたという想定で行われ、県警の銃器対策の専門部隊と自衛隊が連携し、緊急車両の輸送手順を確認した。
自衛隊と警察は治安の維持に関する協定を結び、毎年共同訓練を続けている。 (2202-011307)・埼玉県警、千葉県警を交えた共同訓練
テロへの対処能力を高めようと、埼玉県警が12月1日に陸上自衛隊大宮駐屯地で陸上自衛隊や千葉県警と合同で訓練を行った。
両県警の機動隊や第32普通科連隊など計130人が治安出動時の連携を確認した。
訓練は殺傷力のある武器を所持した武装工作員が日本に上陸し、千葉県警が実施する県境の検問に現れたという想定で行われ、知事などによる自衛隊の派遣要請に基づき、迅速に現場に駆け付けるため、県警のパトカーが自衛隊の高機動車などを先導し10両が車列を組んで駐屯地付近の公道を走行した。
パトカーに自衛隊員が同乗し、自衛隊車両には県警機動隊員が乗ることで走行中も無線で連絡を取り合い目的地まで誘導した。 (2301-120308)
6・2・4・3・1 避難の措置6・2・4・4 テロ対策
6・2・4・3・2 自治体などとの訓練
・緊急一時避難施設の指定 東京都が5月27日、武力攻撃事態などに備える国民保護法に基づき、都営地下鉄や東京メトロの駅舎など109の地下施設を緊急一時避難施設に指定した。
今回、緊急一時避難施設に指定したのは、都営地下鉄新宿線や大江戸線などの55駅舎と東京メトロ銀座線や日比谷線などの50駅舎、都が管理する新宿区内の地下道など4施設で、事業者らとの調整を急ぐ。
これまで小中学校の校舎や自治会館の建物など、地上のコンクリート構造物を指定してきたが、地下鉄の駅舎などを指定するのは初めてである。 (2206-052709)・民間航空機や船舶を活用する仕組み
自民、公明両党が11月16日に国会内で開いたワーキングチームで協議し、有事での国民避難の際に民間の航空機や船舶を活用する仕組みを設ける方針を確認した。
政府が12月にまとめる国家安全保障戦略など防衛3文書の改定に反映し、法整備も検討する。
日本への武力攻撃への対処を定める国民保護法では「武力攻撃予測事態」と認定された場合などに、政府や地方自治体は国民を避難させるとしている。
またミサイル攻撃から住民を守るシェルターを整備するため調査・研究をするとも合意した。 (2212-111622)
・北部方面隊 陸上自衛隊北部方面隊が11月14日に札幌駐屯地で武力攻撃を想定した机上の国民保護訓練を実施した。
会場には内閣官房や防衛省、北海道、道内市町村など46団体・機関の73人が参加し、着上陸侵攻、BM攻撃、ゲリラや特殊部隊による攻撃の3つの状況で想定される避難行動など対応策を協議した。
この訓練は不定期で実施しており、2018年以来4年ぶり3度目で、参加者は3グループに分かれて武力攻撃ごとの対応策などを活発に協議し、グループ発表では着弾前を想定したミサイル攻撃への対応で「自治体間の連携を速やかに進め、住民に早期避難の情報を伝達する必要がある」などの意見が出た。 (2212-111406)
6・2・4・5 防衛衛生の強化
・陸自ヘリにレーザー照射 陸上自衛隊目達原駐屯地が7月18日、福岡県柳川市大和町付近の上空を17日20:03~20:05に夜間飛行訓練をしていたCH-47とUH-60の2機が、地上からレーザ照射を受けたと発表した。
機内には当時、計19人が乗っていたが、搭乗員や機体に被害はなかった。
駐屯地は「操縦士の目に当たれば、事故につながりかねない非常に危険な行為で、安全な飛行や乗員の生命を脅かす事案」として、柳川署に通報した。 (2208-071908)
6・2・4・5・1 輸血用血液製剤の備蓄
6・2・4・5・2 COVID-19 対応
複数の関係者が9月14日、防衛省が自衛隊員のための輸血用血液製剤を自前で作り長期保存する検討に入ったことを明らかにした。
日本周辺での有事への対応を想定し、外部調達しているこれまでの血液製剤とは別に、隊員らから採血して冷凍状態で保管しておくもので、令和5年度予算概算要求に関連経費1,700万円を計上した。
防衛省は現在、輸血用血液製剤を国内で唯一の製造元である日本赤十字社から調達しているが、将来はこれと並行しながら長期保存用として、自衛隊内で採血から製造、保存まで自己完結させたい考えである。 (2210-091503)
・医療支援の災害派遣 防衛省は1月11日、COVID-19の感染拡大で玉城県知事の要請に基づく災害派遣で、沖縄県の県立病院2ヵ所に看護官ら10名を派遣すると発表した。 派遣期間は11~17日の1週間である。 12日から本格的に活動する。
派遣される10名は看護官3名と准看護師7名で、いずれも3回目のワクチン接種済みである。 (2202-011107)・日米共同訓練参加隊員がCOVID-19に感染
陸上自衛隊が1月19日、米カリフォルニア州で実施中の日米共同訓練に参加した水陸機動団の隊員ら約40名がCOVID-19に感染したと明らかにした。 (2202-011911)
・防衛省気候変動対処戦略の策定 防衛省が8月29日、気候変動タスクフォースを開き、気候変動が安全保障に及ぼす影響や今後の取り組みをまとめた防衛省気候変動対処戦略を策定し、大雨や海面上昇などによる基地や自衛隊の運用への影響のほか、氷が解けた北極海へ中国が日本海を経由して進出することなど、安全保障上の懸念を指摘した。
同戦略では、こうした課題に対応するため、気候変動を考慮した防衛装備品購入や研究開発を検討するなどとした。 (2209-082907)・防衛計画の大綱に盛り込み
複数の政府筋が10月8日、2022年末までに策定する新たな防衛力整備の指針防衛計画の大綱に、気候変動対応を安全保障に重大な影響を及ぼす課題と位置付け、防衛省と自衛隊の取り組み強化を明記する検討に入ったことを明らかにした。
異常気象や災害の頻発をリスクと指摘した上で、脱炭素への対処や、救援活動増加をにらんだ自衛隊の能力の向上に言及し、大綱と同時に見直す国家安全保障戦略の関連記述を充実させる案も出ている。 (2211-100811)
6・3・1 国家安全保障戦略6・4 防衛予算
6・3・1・1 与党の方針6・3・2 国家防衛戦略(防衛計画大綱)
6・3・1・2 個別問題の議論
・自民党安全保障調査会の原案 複数の自民関係者が4月15日、自民党安全保障調査会(会長・小野寺元防衛相)が、政府が進める国家安保戦略 (NSS) など戦略3文書の改定に向けた提言で、防衛費についてGDP比2%以上とする目標額を明記する方針を固めたことを明らかにした。
政府が掲げる防衛力の抜本的強化を予算面で支えるもので、5年をめどに達成を求める案も浮上しており、同会は敵基地攻撃能力の保有など他の論点も含め、4月末までに岸田文雄首相に提言を提出する。
NATOの基準では恩給費やPKO関連経費、海上保安庁予算など安全確保に関わる経費を含めるため、この基準で単純計算すると令和3年度の当初予算と補正予算の合計で安保関連経費の対GDP比は概ね1.24%(岸信夫防衛相)とされる。 (2205-041517)国家安全保障戦略などいわゆる防衛3文書の改定に向けた、自民党の提言原案が判明した。
関係者によると、自民党の安全保障調査会による政府への提言の原案では、・敵基地攻撃能力は名称を変え、対象に相手国の指揮統制機能を含む。ことが盛り込まれている。
・防衛費は、GDP比2%以上を念頭に5年をめどに増額を目指す。
・安全保障上、中国を脅威、ロシアを脅威または非常に強い懸念に見直す。
核共有などについて、さらなる議論を行い原案を修正した上で、早ければ来週にも政府に提出する。 (2205-041602)・党安全保障調査会の幹部メンバーから慎重論
自民党は防衛費を5年後をめどにGDP比で2%以上に引き上げるなどの提言案について、石破氏や河野氏など防衛大臣の経験者を含む党安全保障調査会の幹部メンバーは3時間半にわたって議論を行ったがまとまらず、結論は持ち越しとなった。
出席者からは「防衛費は具体的に積み上げていくべきだ」として、数字ありきの議論に疑問が呈された。
また、いわゆる敵基地攻撃能力の保有については、原案では攻撃の対象をミサイル基地に限定せず「指揮統制機能なども含む」としているが、出席者からは「手の内を明かす必要はない」として明記することに反対する意見があったという。 (2205-041811)自民党安全保障調査会が4月20日に党本部で幹部会合を開き、現在はGDP比1%程度の防衛費について、5年以内をめどに2%以上への引き上げを目指すよう政府に求めることで一致した。
ただ、相手国のミサイル発射拠点などをたたく敵基地攻撃能力の名称変更案は固まらず、会長の小野寺氏に一任した。 (2205-042010)・中国の覇権主義的な動きを日本やアジア地域の安全保障への挑戦と位置づけ
複数の政府与党関係者が、年末までに改定する国家安全保障戦略で中国の覇権主義的な動きについて、日本やアジア地域の安全保障への挑戦と位置づける方向で調整に入ったことを明らかにした。 台湾問題にも言及するという。
国家安保戦略は今後10年間程度の外交安保政策の指針となるもので、2013年に決定された現行の戦略は、中国の動向を「我が国を含む国際社会の懸念事項」としている。
米国やNATOも中国の動向を「挑戦」としており、習政権下で周辺国への威圧を強める中国への認識をどのように表現するかが改定の大きな焦点となっている。 (2212-112102)・予算編成大綱の防衛分野案
自民党が令和5年度政府予算案策定に向けて党の基本方針を示す予算編成大綱の防衛分野案が11月24日に判明した。 公明党と協議し12月に与党方針を策定する。
従来の防衛力整備から完全に決別し、防衛力を5年以内に抜本的に強化すると強調した。
NATO加盟国の目標を踏まえ、GDP比2%以上を念頭に必要水準の達成を目指すとした。 (2212-112421)
6・3・1・2・1 反撃能力(敵基地攻撃能力)保有論6・3・1・3 有識者会議
6・3・1・2・2 ハイブリッド戦明記
・国家安全保障戦略改定で敵基地攻撃能力保有を検討 政府が2022年末までに国家安全保障戦略を改定するのに合わせ、敵基地攻撃能力の保有に関する検討を本格化させる。
背景には、中国や北朝鮮によるミサイル技術の高度化があり、Aegis艦とPAC-3が担っているBMDに加えてAegis Ashoreによる重層化を図ったが計画を断念したため、当時の安倍首相は、別の手段で抑止力を強化する必要があると考え、敵基地攻撃能力の保有を検討するよう指示した。
近年、ミサイル技術はさらに高度化し超高速や変則軌道で飛ぶミサイルの開発を進められていて、既存のBMDSでは迎撃が難しいことから、防衛省幹部は反撃能力を持つしかないと強調している。 (2202-010104)共同通信が4月4日、日本を攻撃すれば代価を支払うとの政策について、過去数ヶ月間政府が非公開で専門家による検討を続けてきたと報じた。
この問題について日本国際問題研究所の小谷哲夫上席研究員は、日本のBMDシステムは中国や北朝鮮のBM攻撃に対し第一撃には耐えられるが、それ以降についての攻撃は敵の滑走路などを破壊する必要があると述べた。
政府は米軍が新型の陸上発射BMやCMの日本国内配備を認めることになるであろうとも述べた。 (2205-040519)・「敵基地攻撃能力」の名称を「反撃能力」に変更
21日に開かれた自民党の安全保障調査会で、いわゆる「敵基地攻撃能力」について名称を「反撃能力」とする案が示された。
敵基地攻撃能力をめぐっては、自民党として名称を変えたうえで保有を求める提言案を近くとりまとめることにしていて、どのように名称を変更するかについては、小野寺安全保障調査会長に一任されていた。 (2205-042108)・反撃目標標定の情報収集能力強化
FNNの取材で、北朝鮮がBM発射を繰り返す中、日本の反撃能力保有をめぐる計画がわかった。
政府関係者によると、中期防衛力整備計画に敵のミサイル基地などを割り出す、反撃目標の標定に向けた情報収集能力の強化として、5年間で約4,000億円規模を盛り込む方針という。
政府関係者は「移動目標の捕捉にもつながり、反撃能力の核となる」としていて、敵基地などの画像データを地上に送信する技術の研究開発や、回線の増強などが含まれる見込みでも、2022年内に改定する安全保障の基本文書に、敵のミサイル基地など、反撃目標標定能力の強化を盛り込む方針である。 (2211-100609)・反撃能力の対象を軍事目標に限定する案
政府は、年末の安全保障関連3文書の改定に向けて保有を検討している相手のミサイル発射基地などを攻撃する「反撃能力」の対象を「軍事目標」に限定する案を検討していて、明後日にも開かれる与党協議のワーキングチームの場で案を提示す見通しである。
「反撃能力」をめぐっては、自民党は攻撃する対象をミサイル基地に限定せず、指揮統制機能なども含めるべきだと提言しているのに対し、公明党は必要最小限としたい考えで、与党協議の焦点になっている。 (2212-112310)・南西諸島、富士山、北海道に長射程ミサイルを配備
毎日新聞が11月25日、日本が2030年代半ばまでに、朝鮮半島と中国、ロシアまで射程圏とする長射程ミサイル配備計画を準備したと報じた。
同紙によると、日本政府は地上発射型長射程ミサイルを段階別に開発しており、第一段階では南西諸島に射程1,000km程度のミサイルを配備する。
第二段階は射程2,000km以上の島嶼防衛用高速滑空弾で、候補地には近隣に陸上自衛隊駐屯地がある富士付近が挙がっている。
第三段階では、北海道に射程3,000kmの極超音速ミサイルが配備される見通しで、三段階の配備まで終えれば朝鮮半島と中国、ロシアまでが射程圏に入る。 (2212-112505)・公明党も容認姿勢
関係者が11月25日に、反撃能力を巡る政府方針の全容を明らかにした。 保有の必要性を訴えた上で、攻撃を米軍と分担するなど日米共同対処を明記し、攻撃対象は「軍事目標」を前提としつつ、拡大解釈の余地を残した。
政府は同日の自民、公明両党の実務者会合で説明したが、能力保有を巡っては、公明の石井幹事長は記者会見で容認姿勢を示しており、支持母体の創価学会も受け入れに傾いている。 (2212-112604)公明党の佐藤外交安全保障調査会長が11月27日のNHK番組で反撃能力の行使に関し、安保関連法が定める存立危機事態でも可能との認識を示した。
「理論的にはそういう事態も含まれるのではないか」と指摘した。
反撃能力の保有自体については「抑止力として位置付ける意義は共有している」と前向きな姿勢を強調した。 (2212-112704)・反撃能力、自衛権の一環で行使判断
自民党と公明党が11月30日に反撃能力保有を巡り、小野寺元防衛相を座長とする実務者協議を国会内で開き、論点整理を行った。
今後、それぞれの党内手続きを経た上で、12月2日の次回協議で正式合意する。
政府は30日の協議で、反撃能力の行使に当たり武力攻撃事態法など現行の安全保障関連法制に基づき、自衛権の行使の一環として判断すると説明し、国会承認などの手続きを踏むことで、国際法で禁止されている先制攻撃は行わないとしている。
そのため、反撃能力に限った新たな歯止めは設けない考えである。 (2212-113021)・自民、公明両党が反撃能力保有容認で正式合意
自民、公明両党が12月2日に国会内で実務者による与党ワーキングチーム(WT)会合を開き、相手国のミサイル発射拠点などをたたく反撃能力の保有を容認することで正式に合意した。
政府はこれを国家安全保障戦略など安保関連3文書に反映させ、年内に閣議決定する。
相手国内を攻撃する能力を保有してこなかった従来の安全保障政策を転換することになる。 自公は、現在のミサイル防衛体制では相手国から攻撃された場合に十分対応できない恐れがあるとの認識で一致し、攻撃を思いとどまらせる抑止力を強化するため、反撃能力を保有してミサイル防衛体制を補完する必要があると判断した。
反撃能力を行使する際は2015年に成立した安保関連法に基づき、現行の「武力行使の要件」を適用し、日本に対してBMなどによる攻撃が発生した場合、防ぐのにやむを得ない必要最小限度の措置として行使するが、日本への攻撃が発生していない場合でも、集団的自衛権として行使する可能性もある。 (2301-120205)・能動的サイバー防御行使容認
政府が12月2日、反撃能力の保有や、重大なサイバ攻撃を未然に防ぐ能動的サイバー防御の行使に向けた体制整備などを柱とした国家安全保障戦略に盛り込む項目の骨格案を与党に示した。 自民、公明両党は同日、反撃能力の保有で正式合意した。
戦後一貫して政策判断として見送ってきた反撃能力の保有は、日本の安保政策の大転換となる。 (2301-120209)・反撃能力の米軍との共同運用
政府は反撃能力について米軍との共同運用計画を作成する協議を、国家安全保障戦略など防衛3文書を改定し反撃能力の保有を正式に決めた後に始める。
米軍が衛星などから得た標的情報を基に反撃の精度を高める。
米軍と反撃能力に関する共同計画を立てるのは初めてで、国際秩序を変えようとする勢力に同盟国と一丸になって対処する米国の「統合抑止」の具体例となる。 (2301-120715)
6・3・1・2・3 原子力潜水艦の保有
政府は年内に改定する国家安全保障戦略で、陸海空の軍事手段にサイバ攻撃や情報戦を組み合わせたハイブリッド戦への対処を盛り込む。
重要インフラへの通信妨害やSNSを使った偽情報の拡散などを防ぐ体制の構築をめざし司令塔の創設を検討する。 2013年に決定した現行の安保戦略は直接、言及していない。
ハイブリッド戦は軍事領域と非軍事の境界を意図的に曖昧にした戦術で、電力や金融などの重要インフラにサイバ攻撃を仕掛けて偽情報を流し相手の戦闘能力を奪う事例がある。 (2206-050908)
6・3・1・2・4 防衛生産能力の拡充
・首相は原潜保有に慎重 与野党9党の党首が6月19日にフジTV番組の討論会に臨んだ。
岸田自民党総裁は防衛力強化を巡り、原子力潜水艦の保有に慎重な姿勢を示した。 首相は防衛力強化の必要性を唱える一方、「いきなり原潜にいくのはどうかという思いだ」と指摘した。
保有が困難な理由として、原子力基本法で原子力の平和利用が定められている点や運用コストの高さを挙げた。 「相手の原潜に対して対応がしっかり用意されており、国民の命や暮らしを守るため、優先すべきものを考える」と語った。
日本維新の会の松井一郎代表は「ぜひ持つべきだ」と主張し、国民民主党の玉木雄一郎代表も保有を検討するよう訴えた。 (2207-061905)
6・3・1・2・5 防衛装備品の輸出推進
・国が火薬量産工場建設 政府は自衛隊の弾薬不足の懸念に対処するため、国主導で量産体制を整備する。
弾薬に使う火薬の生産工場を建設し、製造技術を持つ防衛産業に貸し出して生産委託する。
工場は2023年の稼働をめざし、必要量を示して全量を買い取る仕組みを考えている。
自衛隊は台湾有事に備え南西方面の防衛力を強化するため、射程の長いミサイルを1,000発超配備する予定で、ミサイルの弾薬不足にも対処する狙いがある。 (2210-091709)
・国主導での輸出推進を国家安全保障戦略に明記 複数の政府関係者が、年末までに改定する国家安全保障戦略に、防衛装備品の輸出を国主導で推進する方針を明記する調整に入ったことを明らかにした。
政府が外国との受注交渉に全面的に関与し、防衛関連企業への財政支援を導入する方向で、事実上の企業任せだった手法を転換し、輸出拡充を図る。 (2210-092501)
6・3・1・3・1 防衛力整備の「7つの柱」6・3・1・4 閣議決定
6・3・1・3・2 有識者会議、報告書
防衛省が10月20日、年末までの安全保障関連3文書の改定に向けた防衛力の抜本的強化の具体策として防衛力整備の7つの柱をを公表し、首相官邸で開いた「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の第2回会合でなどを説明する資料を示した。
7つの柱では、ロシアのウクライナ侵攻で現実に起きたロシア側の行動も参考に必要な対応を挙げている。① スタンドオフ防衛能力核兵器による脅威については、米国との信頼性を高めて核の傘で対応するとし「核以外のあらゆる行動に対応する」としている。 (2211-102014)② 総合ミサイル防空能力
③ 無人アセット防衛能力
④ 領域横断作戦能力
⑤ 指揮統制・情報関連機能
⑥ 機動展開能力
⑦ 持続性・強靱性
1. 防衛力の抜本的強化について
(1)目的・理念、国民の理解
(2)防衛力の抜本的強化の必要性
2. 縦割りを打破した総合的な防衛体制の強化について
(1)総論
(2)研究開発
(3)公共インフラ
(4)サイバー安全保障、国際的協力
(5)具体的な仕組み
① 基本的考え方
② 研究開発
③ 公共インフラ
④ サイバー安全保障
⑤ 国際的協力
3. 経済財政の在り方について
(1)防衛力強化と経済財政
(2)財源の確保 (2212-112206)
政府が12月16日、防衛力強化に向けた新たな国家安全保障戦略など安保関連3文書を閣議決定した。
令和5年度から5年間の防衛費は約43兆円で、19~23年度の1.5倍を超える異例の増額で、反撃能力の保有を明記し、2026年度にTomahawkの配備を目指す。
集団的自衛権行使容認に続く戦後の安保政策の歴史的転換となり、軍拡競争への懸念は否めない。
9年度に防衛費と、それを補完する取り組みを合わせた予算水準を国内総生産(GDP)比2%とする。 (2301-121613)
6・3・2・1 「国家防衛戦略」に衣替え6・3・3 防衛力整備計画(中期防)
6・3・2・2 閣議決定
政府は防衛計画の大綱を、米国の戦略体系にあわせて基本戦略や部隊運用に主眼を置いた「国家防衛戦略」に衣替えする。
国家防衛戦略は、限度ではなく日本を守るために必要な方法を明示する文書として位置づける。
米国のように「目標、方法、手段」の3段階で戦略を考えで、例えば安保戦略に敵のミサイル攻撃から国土を守る「目標」を記し、迎撃網の強化や相手の発射拠点への反撃能力などを「方法」として国家防衛戦略に盛り込んで、迎撃ミサイルや相手の領域を攻撃できる長距離ミサイルの保有などを具体的な「手段」に掲げる。 (2206-050405)
政府が12月16日、防衛力強化に向けた新たな国家安全保障戦略など安保関連3文書を閣議決定した。
令和5年度から5年間の防衛費は約43兆円で、19~23年度の1.5倍を超える異例の増額で、反撃能力の保有を明記し、2026年度にTomahawkの配備を目指す。
集団的自衛権行使容認に続く戦後の安保政策の歴史的転換となり、軍拡競争への懸念は否めない。
9年度に防衛費と、それを補完する取り組みを合わせた予算水準を国内総生産(GDP)比2%とする。 (2301-121613)
6・3・3・1 計画規模
6・3・3・2 二段階での防衛力整備
・5年間の総額で40兆円超の見積もり 政府が、今後の防衛装備品などの経費額を示す次期中期防衛力整備計画(中期防)で、令和5年度から5年間の総額で40兆円超を視野に検討していることが分かった。
中期防単位では現行(元~5年度)の27兆4,700億円の1.5倍近くになる。 (2210-092502)複数の政府与党関係者が10月7日、政府が増額を検討している防衛費について、令和5年度から5年間の総額を43兆~45兆円程度とする検討に入ったことを明らかにした。
5年度の防衛費は6兆~7兆円程度とし、その後も年に1兆円程度の上乗せを続け、9年度に10兆円超を目指す。
この際、海上保安庁の予算や研究開発費など防衛省以外の省庁の予算も防衛費として計上する。 (2211-100713)自民党関係者が、政府自民党内で防衛費を令和5年度から5年間で総額43.1兆円とする案が11日に浮上したことを明らかにした。
防衛費の算定では、海上保安庁予算や各府省の安全保障関係費を幅広く組み入れるNATO基準を採用する。
政府自民党内で浮上した案では、NATO基準で算定して5年度に約6.5兆円へ引き上げ、その後毎年1兆円程度の上乗せを続けて、5年後の9年度には約10.8兆円まで増額し、5年総額43.1兆円とする。 (2211-101209)・財源論を押さえ必要論に軍配を上げた首相裁定
岸田首相が11月28日に鈴木財務相と浜田防衛相に対し、防衛費について補完する経費も合わせて対GDP比2%に達する予算措置を指示するとともに、防衛費の「真水」に当たる中期防衛力整備計画(中期防)の関連経費については「財源ありき」の削減論を否定し、今後5年間の所要防衛力整備を求める防衛省の「必要論」に軍配を上げた。
令和5年度から5年間の中期防経費に関し、防衛省は48兆円が必要としているが、財務省は財源不足を理由に当初は33兆円を主張し、その後も30兆円台半ばで譲らず、膠着状態が続いていた。 (2212-112812)
6・3・3・3 中期の予算規模
・次期防と次次期防の目標設定 10月20日に開かれた政府の防衛力強化を議論する有識者会議に浜田防衛相が、2027年までの5年間と2032年までのおおむね10年間の2段階で防衛力を強化する目標を提出した。
最初の5年間で日本への侵攻を阻止、排除できる防衛力を確保し、10年間でより早期に遠方で対応可能な防衛力を保有するとの方向性を明記した。 (2211-102203)・中期防を10年の計画に変え、名称は「中期」を削り「防衛力整備計画」に
政府与党が5年間の中期防衛力整備計画(中期防)を10年の計画に変える検討を始めた。
令和5年度から10年の計画にし名称は「中期」を削り「防衛力整備計画」にする。 台湾有事などに備え、抜本的な防衛力強化が必要なため長期の計画に改める。
新たな防衛力整備計画は前半5年と後半5年で重点分野を変える方針で、最初の5年で日本への侵攻を阻止し排除する能力、その後に遠方での対処能力や次世代の装備を獲得する。
前半の5年の柱は継戦能力ので、弾薬の数を増やし部品不足を解消して攻撃を受けて防戦した際に一定期間戦える基礎体力となる。
後半5年にはすぐ購入できない次世代の装備品を調達する。
12年度をめどに極超音速誘導弾の配備を目指し、5年度から開発に乗り出す。
複数のUAVを同時に制御して防衛に使う技術も構築する。
後半の初年度となる10年度にはイージス・システム搭載艦の2隻体制も整う。 1隻目は9年度末に就役させる。 (2212-112402)複数の政府関係者が11月29日、政府が防衛装備品の5年間の調達計画を定めた中期防衛力整備計画について、対象期間を10年間とし名称も防衛力整備計画と変更する方針を固めたことを明らかにした。
政府が2022年内の改定を予定する安保関連3文書は、外交・安保政策の長期指針「国家安全保障戦略と防衛大綱、中期防の三つで構成されているが、台湾有事などに備え、長期的視点で防衛力を強化する狙いで、米国の戦略文書の体系と合わせて基本指針「防衛計画の大綱」も「国家防衛戦略」とする。
一方、自民、公明両党は武器を含む装備品の輸出ルールの運用指針に関して結論を2023年春以降に先送りする方向となった。 (2212-112915)
6・3・3・4 財源問題
・40兆円超えの攻防 複数の政府与党関係者が、令和5年度から5年間の中期防衛力整備計画(中期防)における防衛費総額を40兆円超とする方向で調整に入ったことを明らかにした。
防衛省は次期中期防の総額を48兆円と提示したのに対し、財務省は35兆円が妥当と回答し、浜田防衛相と鈴木財務相が折衝している。
現中期防の総額は27兆4,700億円で、防衛力抜本強化に向け大幅に積み増す。
5年目の9年度には防衛に資する研究開発など安全保障関連の経費と合わせ、NATO加盟国が目標とする対国内総生産 (GDP) 比2%以上とする。 (2212-112701)岸田首相が12月5日に防衛費増額について鈴木財務相、浜田防衛相と会談し、令和5年度から5年間の総額を43兆円規模にするよう指示した。
年末に策定する来年度から9年度までの『中期防衛力整備計画』に盛り込む方針で、与党との協議を経て正式決定する。
また岸田首相は、防衛費増額に向けた今後5年間の財源について、歳出改革や剰余金、税外収入の活用、税制措置などを含め、年末に一体的に決定するよう鈴木財務相に指示した。 (2301-120513)・海上保安庁も1.4倍に
複数の政府・与党関係者が、尖閣諸島周辺で中国海警局艦の航行が常態化していることなどを踏まえ、海上保安庁と自衛隊の連携を強化し、海保予算を令和9年度に今年度の1.4倍に当たる3,200億円程度に増額することなどを柱とした「海上保安能力強化に関する方針」を16日にも国家安全保障戦略など3文書の閣議決定に合わせて、関係閣僚会議で決定することを明らかにした。 同様の文書の取りまとめは2016年以来となる。
また、4年度当初予算で2,231億円の海保予算を段階的に増額し、9年度に1,000億円程度増やすことも盛り込んだ。 (2301-121404)
6・3・3・5 重点項目
岸田首相が11月28日に令和9年度の防衛費と関連経費の合計を、GDP比で2%にするための財源確保措置を年内に決めるよう指示したのを受け、政府与党の議論が本格化するが、自民党内には財源論議の先送りを求める意見が根強い。
内閣支持率が低迷する中、指導力発揮をもくろむ首相の思惑通りに進むかは不透明である。 (2212-113005)政府は12月4日、防衛費増額の安定財源確保を令和9年度に向けて検討し、増税を当面先送りする方向で調整に入った。
年末に一定の方向性を示すものの、具体的な増税決定は見送る。 (2301-120408)複数の政府与党関係者が、岸田首相が防衛力の抜本的強化に必要な財源を確保するため、12月8日にも増税措置の検討を自民、公明両党に指示することを明らかにした。
令和9年度の時点で年間1兆円程度の税収増を目指す方針で、段階的な税率引き上げを視野に入れる。
増税の開始時期については来年度は見送り、経済情勢などを見極めて決定する。
自民党内には、増税に関する具体的な議論の先送りを求める声があるが、将来の財政に関し、年内に一定の見通しを示すべきだと判断した。 (2301-120806)複数の政府与党関係者によると、防衛費増額について岸田首相は令和5年度は増税を行わないものの9年度以降は毎年1兆円を超える財源を増税でまかなう考えで、財源としては法人税に加えて、たばこ税も検討している。
与党は、増税する税目や規模について年内に税制改正大綱の取りまとめを目指しているが、自民党内には増税自体に反対する声も強く、調整は難航も予想される。 (2301-121001)岸田首相が12月10日、臨時国会閉幕を受けて首相官邸で記者会見で、防衛力強化の内容、予算とともに、増税を含む安定財源を年内に決定する方針を強調し、この3点を三位一体で国家の意思として毅然として内外に示す強い決意を持って臨んでいくと述べた。
ただ、増税の開始時期については「柔軟に対応していく」と表明した。
政府は2027年度時点で1兆円強を増税により賄う方針で、それまで税率を段階的に引き上げることを検討するとしている。 (2301-121006)
6・3・3・5・1 反撃能力の保有6・3・3・6 閣議決定
6・3・3・5・2 部隊の改編等
・反撃能力部隊の展開 政府が12月3日に開かれた自民党の会議で、改定する安全保障関連3文書に反撃能力を担うスタンド・オフ・ミサイル部隊を明記することを明らかにした。
関係者によると、スタンド・オフ・ミサイル部隊は陸上自衛隊の基幹部隊として位置づけられ、地対艦ミサイル連隊7個、島嶼防衛用高速滑空弾大隊2個、長射程誘導弾部隊2個で構成される。
装備としては、Tomahawkや改良中の12式地対艦誘導弾(地上、艦艇、航空機発射型)、極超音速誘導弾などを盛り込んだ。
このほか、陸自と海自にそれぞれ情報戦部隊1個隊を新設する。 (2301-121309)・VLS を備えた潜水艦の保有
政府は、長射程ミサイルを海中から発射可能な垂直発射装置 (VLS) を備えた潜水艦を保有する方針を固め、近く閣議決定する「防衛力整備計画」など安全保障関連3文書に明記する。
搭載するミサイル式地対艦誘導弾の射程を1,000km超に伸ばした改良型やTomahawkを想定している。 (2301-121311)
6・3・3・5・3 継戦能力強化
・空自捜索機や陸自戦闘ヘリを廃止 複数の政府関係者が、航空自衛隊の救難捜索機や陸上自衛隊の戦闘ヘリなどを廃止し、UAVで代替えする方針を固めたことを明らかにした。
今月中旬に改定予定の国家安全保障戦略など3文書にこうした方針を盛り込む方向で調整している。
廃止するのは、空自の救難捜索機U-125Aで、全国の救難隊が現在26機を装備している。 ヘリだけでも捜索や救助が可能なことから廃止を決めたもので、海自の救難ヘリは、空自に移管する。
陸自は、AH-64D 12機とAH-1S 47機、OH-1 33機を廃止する。 (2301-120909)・地対艦ミサイル部隊を8個に増強
月内に改定する安保3文書の骨子案では中国や北朝鮮、ロシアを「挑戦」や「脅威」と位置づけ、防衛力の抜本的強化する方針を打ち出した。
反撃能力に関しては、射程を1,000km以上に延伸する12式地対艦ミサイル部隊を、現行の「防衛計画の大綱」で定めた5個から8個に増強し、航空自衛隊のみが保有していたUAV部隊を陸自と海自にもそれぞれ新設する。 (2301-120919)・常設統合司令部の創設
新たな領域での戦いを強化するため組織改編も進め、常設の統合司令部を創設する (2301-120919)
政府は平時から有事まであらゆる事態に対応するため、陸海空の自衛隊の運用を一元的に行う統合司令部を令和9年度までに創設する方針であることが分かった。 (2301-121205)
・サイバー防衛専門部隊を4,000名に拡充
サイバー防衛従事隊員を20,000名とし、専門部隊を4,000名に拡充する。 (2301-120919)
・陸自定員の2,000名を海空に振り向け
陸自の定員2,000名を海空に振り向け、総定員数は現行の247,000名を維持する。 (2301-120919)
・情報戦部隊、宇宙防衛部隊の強化
海自は護衛艦と機雷を除去する掃海艦を一元管理する「水上艦艇部隊」に集約、情報戦に関する能力を陸空自や海上保安庁と融合するため、既存部隊を見直し情報戦基幹部隊を創設して、隷下に作戦情報群、海洋情報群、サイバー群を置く。
空自は名称を航空宇宙自衛隊に改称し、宇宙作戦群を宇宙作戦集団に格上げして、隷下に宇宙作戦団、宇宙作戦指揮群、宇宙作戦情報隊を置く。
また敵のミサイル射程圏内で情報収集するためUAVを導入し、情報収集機能強化のための作戦情報団も設ける。 (2301-120919)・空中給油輸送機、早期警戒機の増強、SOJ機の整備
政府はまた、令和9年度までにKC-46Aなどを候補に空中給油輸送機を13機取得する計画も防衛力整備計画に盛り込む。
また早期警戒機E-2Dを5機、電波情報収集機RC-2を3機、SOJ機を1機整備することも盛り込んでいる。 (2301-121311)・第15旅団を増強、対空電子戦部隊の新編
陸自は沖縄防衛の第15旅団を増強するとともに、島嶼部の電子戦部隊を強化し、対空電子戦部隊を新編する。 (2301-120919)
・海上輸送総隊の創設
政府が国家安全保障戦略など防衛3文書の改定で、海上自衛隊に海上輸送総隊を創設すると明記する。
輸送艦といった艦艇を使って物資や人員などの輸送を専門に担い自衛隊の海上での輸送力を高める。
防衛省はまた、大規模な港湾がない島嶼部で緊急に桟橋を海上に浮かべて島とつなげる移動式の臨設桟橋の開発にも乗り出す。
中国に近い日本の南西諸島を防衛するために部隊を迅速に展開できるようにすると共に、離島の住民を退避させる国民保護の観点でも重要になる。
有事の際の自衛隊による民間船舶の活用も進める。 (2301-120921)
・弾薬庫を130棟整備 複数の政府与党関係者が、自衛隊の継戦能力を強化するため、2035年までに全国で新たに130棟の弾薬庫を整備する方向で調整に入ったことを明らかにした。
内訳は、陸上自衛隊が90棟、海上自衛隊が40棟で、まず5年間で60~70棟の整備を目指す。
従来の弾薬に加え、長射程ミサイル庫を主に想定し、沖縄県にある在日米軍の弾薬庫の活用も検討する。
政府は、12式地対艦誘導弾の改良型やTomahawkなどの装備を計画しているが、ミサイルの長射程化で大型になるため、保管施設の新設や拡張が必要となる。
不十分とされる弾薬の備蓄も大幅に増やす。
防衛省によると、弾薬庫は全国に1,400棟あるが、北海道など北部に偏っている。 全国に分散して保管する体制を整えるとともに、南西諸島での整備にも注力する。 (2301-120304)
政府が12月16日、防衛力強化に向けた新たな国家安全保障戦略など安保関連3文書を閣議決定した。
令和5年度から5年間の防衛費は約43兆円で、19~23年度の1.5倍を超える異例の増額で、反撃能力の保有を明記し、2026年度にTomahawkの配備を目指す。
集団的自衛権行使容認に続く戦後の安保政策の歴史的転換となり、軍拡競争への懸念は否めない。
9年度に防衛費と、それを補完する取り組みを合わせた予算水準を国内総生産(GDP)比2%とする。 (2301-121613)
6・4・1 防衛予算の水準6・5 周辺警備
6・4・1・1 防衛予算の現状6・4・2 令和4年度予算
6・4・1・2 世論の動向
・防衛予算の推移 日本の防衛費は1990年代まで増加し、1990年代後半から2000年代前半は横ばい、その後は減少傾向が続いた。 2013年(平成25年度)以降は再び増加を始め、4年度予算案は10年連続の増額となった。
防衛省は日本の防衛費をドル換算し海外と比較しているが、米国は日本の14倍超、中国は6倍超になっている。 韓国は購買力平価換算で既に日本を上回り、実額ベースでも肉薄している。 2001年以降の伸び率も日本は他国より低い。
令和4年度予算案の防衛費は一体編成した3年度補正予算とあわせて初めて6兆円台に乗せ、補正込みのGDP比が1.1%になった。
岸防衛相は厳しい安全保障環境を踏まえ、1%にとらわれず増額する考えを示し、5年度以降も年間6兆円超の防衛費確保をめざしている。 (2202-010902)・NATO の基準で見た水準
日本の令和3年度の防衛費の対GDP比を、本紙が欧米諸国と比較可能な基準などを用いて試算したところ、当初予算や補正予算などの合計で1.24%になることが判明した。
防衛省は独自の算出方法を使い、当初予算は1%以下で推移していると公表しているが、欧米基準の関連経費や増加傾向にある補正予算を除外しているため、実態は異なる。 (2202-010401)岸防衛相が1月14日、令和3年度の防衛費の国内総生産 (GDP) 比はNATOの基準で1.24%になると説明した。
NATOの計算方法では、日本の防衛費に含まれない恩給費や国連平和維持活動 (PKO) 経費、海上保安庁予算などが対象となる。
日本政府の基準では3年度当初予算のGDP比が0.95%、4年度予算案が0.96%で1%弱にとどまるが、NATO基準では2年度防衛費のGDP比は1.20%で、3年度は0.04%上昇したことになる。 (2202-011407)・対米債務の負担
自衛隊の装備品は2割弱を海外から調達しているが、その大半を米国製に頼っている。 これを米国の言い値による購入を進めた結果、実質的な債務残高が年間予算を上回るようになった。
調達額が高い装備品の費用は複数年の分割払いにするのが一般的で、調達額の大部分は次年度以降に予算計上する後年度負担になる。
令和4年度の新たな後年度負担は2兆9,022億円で過去最高になったが、3年度以前の契約を含む支払残高は5兆8,000億円ほどと、4年度当初の防衛費の額を超す。
初めて当初予算を上回ったのは令和元年度だった。 (2209-080104)・20年前は世界第2位、現在は9位に低下
ストックホルム国際平和研究所 (SIPRI) のデータをみると、冷戦終結後の1995年における世界の国防費で、日本の防衛費は$49.9Bで米国に次いで世界で2番目に多かったが、2020年は9位に下がり低下が続いている。
国際通貨基金 (IMF) によると1995年の日本の名目GDPは$5.5Tで世界の18%を占めていた。
GDP比1%の目安がある日本の防衛費が同2.5%だったフランスの$40.1Bや2.9%である英国の$38.2Bを上回っていた。
バブル崩壊後の経済低迷で「失われた20年」ともいわれた日本を他の主要国や新興国が相次ぎ追い抜いた。
経済力の停滞が続けば国を守る力を維持するのは難しい。 (2209-080202)・関連予算を防衛関係費に含める仕組みを検討
政府が10月20日、自衛隊の装備のあり方や予算規模、財源などを議論する「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の第2回会合を首相官邸で開いた。
岸田首相は、防衛力強化に資する研究開発や社会基盤整備を促進するため、関連予算を防衛関係費に含める仕組みを検討するように関係省庁に指示した。 (2211-102101)・令和9年度に防衛費と関連経費の合計を GDP 比 2%とする方針
岸田首相が12月16日に首相官邸で開かれた政府与党政策懇談会で、令和9年度の防衛費を8兆9,000億円程度とする考えを明らかにした。
防衛力の抜本的な強化に向け、首相は9年度に防衛費と関連経費の合計を現在の国内総生産(GDP)比2%とする方針を示している。
4年度のGDPを基準にすると2%は11兆円となる見通しだが、8兆9,000億円程度の防衛費と、海上保安庁などの予算を合算し、11兆円を確保する計算になる。 (2301-121611)
6・4・1・3 与党の動き
・ウクライナ戦争を見た世論の変化 日本経済新聞社の世論調査で防衛費の増額について聞いたところ、GDPの1%程度とした目安を2%以上へ引き上げるべきだとの自民党内の意見に関し、賛成が55%で反対の33%を上回った。
支持政党別に分析すると与野党それぞれで濃淡が見られ、自民党支持層の賛成が64%だった一方、公明党は6割弱だった。
立憲民主党は3割強、日本維新の会は7割弱だった。 特定の支持政党がない無党派層は43%だった。 (2205-042501)・6月の世論調査、防衛力強化に賛成が72%
NNNと読売新聞が6月3日から5日まで行った世論調査で、日本が防衛力を強化することに「賛成」と答えた人は72%で、同じ質問をした4月よりも8%上がった。
また、GDPの1%程度である日本の防衛費を今後どうするのがよいかたずねたところ、「今のままでよい」が35%、「GDPの1~2%の範囲で増額する」が34%で拮抗した。 「GDPの2%以上に増額する」は19%であった。 (2207-060516)
6・4・1・4 日米首脳会談
・茂木幹事長の6兆円台半ば発言 自民党の茂木幹事長が4月26日に開いた茂木派パーティーで挨拶し、令和5年度予算で6兆円台半ばの防衛費を確保し、防衛力を抜本的に強化できる水準の達成を目指すと表明した。
防衛費は4年度予算で5兆4,005億円であるため、6兆円台半ばだと1兆円程度の増額となり、GDP比1%を超える可能性が高い。
自民党が26日に了承した提言ではGDP比2%以上を念頭に、5年以内に防衛力の抜本的な強化を図ると明記しており、茂木幹事長の発言はこうした動きも踏まえたとみられる。 (2205-042617)・GDP 2% を参院選の公約
自由民主党が6月16日、7月10日に行われる参院選に向けて防衛力の画期的な増強を打ち出し、防衛費のGDP 2%への増額を求めた。
更に向こう5年間で研究開発に1兆円を支出することも求めた。 (2208-062907)
6・4・1・5 大幅増の財源
岸田首相が5月23日、都内でバイデン米大統領と首脳会談を行ったのち共同記者会見にのぞみ、岸田首相は「安全保障環境が一層厳しさを増す中、バイデン大統領と日米同盟の抑止力・対処力を早急に強化する必要があることを再確認した」と述べた上で「私から日本の防衛力を抜本的に強化し、防衛費の増額を確保する決意を表明し、日米で安全保障・防衛協力を拡大・進化させていくことで一致した」と述べた。 (2206-052304)
6・4・1・6 防衛関係費算定の見直し
政府関係者が5月26日、岸田首相が防衛費の相当な増額を表明したことを受け、政府は当面の増額分について将来の償還財源を明確にして発行する「つなぎ国債」で賄う検討に入ったことを明らかにした。
赤字国債を際限なく発行しかねないとの不安を考慮し、財政規律を維持している姿勢を示す狙いがある。
実際に実行に移す場合、増税を含め償還財源が焦点となる。 (2206-052702)与党関係者が9月16日、政府・与党が令和5年度予算編成の最大の焦点となっている防衛費増額の財源として、法人税を軸に金融所得課税、たばこ税の増税を検討することが明らかにした。
同日までに経済界の一部に財源案の大枠を伝え、11月から本格化する与党税制調査会の議論に向け、調整を進める。 (2210-091706)
・NATO の算定方式との整合 NATO加盟国はGDP比2%以上を目標としていることから政府は5年間で同水準を目指しているが、政府は海上保安庁などの安全保障に関連する予算を防衛関係費として一体的に位置付ける新基準に切り替え、防衛省以外の予算を計上するNATO基準を参考にした算定方法を導入する検討に入った。
この基準を令和4年度当初予算に適用すると、防衛費5.4兆円に、海保予算2,200億円や旧軍人遺族などへの恩給費1,100億円などが加わり、防衛関係費は6.1兆円となり、GDP比は1.08%になる。 補正予算を含む3年度予算でみると、海保予算2,600億円などを加えた防衛関係費は6.9兆円で、GDP比1.24%となる。 (2210-091002)・総合防衛費の創設
複数の政府関係者が、政府が防衛力の抜本的な強化を巡り、従来の防衛費とは別に海上保安庁の予算や科学技術関係予算、公共事業関係予算の一部などを合算するための新たな予算の枠組み「総合的な防衛体制の強化に資する経費」(総合防衛費、仮称)を創設する検討に入ったことを明らかにした。
防衛省以外の省庁の予算でも、安全保障に役立つと判断できれば防衛省の予算と合算して算出する。
政府は経済財政運営の指針「骨太の方針」で、NATO諸国が国防予算をGDP比2%以上にするとの目標を掲げていることに触れ、「防衛力を5年以内に抜本的に強化する」としており、他省庁の予算も合算することで「総合防衛費」のGDP比2%超えを目指し、防衛力強化に取り組む姿勢をアピールしたい考えだ。 (2212-110811)・「特別枠」として計上
政府は防衛力の強化に向けて安全保障に関する予算の枠組みを変更し、各府省庁から自衛隊などの活動に生かせる項目を集め「特別枠」として計上する。
縦割りを排し、政府全体の総合的な防衛予算として捉え直す。 特別枠には① 公共インフラの4項目で設ける。 (2212-112207)
② 科学技術研究
③ サイバー
④ 国際協力
6・4・3 令和5年度予算
・燃料価格の高騰を令和4年度予算の予備費で補填 浜田防衛相が記者会見で9月20日、自衛隊機などの燃料を確保するため令和4年度予算の予備費507億円を充てると発表した。
燃料価格の高騰で購入予算が足りなくなる恐れがあった。
4年度当初予算で自衛隊の燃料購入費は989億円を計上していた。 (2210-092015)・第2次補正予算案に4,464億円を計上
防衛省が自民党国防部会などの会合で11月2日、令和4年度第2次補正予算案に4,464億円を計上する方針を説明した。
米軍機訓練移転に伴う馬毛島での自衛隊基地建設計画に関し、滑走路の施設整備などで2,179億円、誘導弾購入など装備品の維持整備関係で324億円を盛り込んでいる。 (2212-110213)・補正後の総額は5兆8,469億円
政府が11月8日、令和4年度第2次補正予算案を閣議決定した。
エネルギー価格の負担軽減などを盛り込んだ総合経済対策の費用として29兆861億円を計上した。
当初予算で確保した経費の減額などを踏まえると一般会計の歳出は28兆9222億円となる。
財源の約8割にあたる22兆8,520億円の国債を発行し、財政は一段と悪化する。 (2212-110812)
【註】令和4年度第2次補正予算案での防衛費は4,464億円であることが、当初予算で5兆4,005億円あった令和4年度予算での防衛費は、補正予算を含めた総額は5兆8,469億円になる。・第2次補正予算が成立
令和4年度第2次補正予算案が29日の衆院本会議で、自民、公明両党と国民民主党などの賛成多数で可決され、衆院を通過した。
参院の審議を経て、週内にも成立する。
補正予算案は一般会計の歳出総額が28兆9,222億円で、財源確保のため22兆8,520億円の国債を追加発行する。 (2212-112912)物価高騰などに対応する総合経済対策の裏付けとなる、一般会計の歳出総額は28兆9,222億円の令和4年度の第2次補正予算案が、参議院で与党と国民民主党などの賛成多数で可決成立した。 (2301-120301)
6・4・3・1 予算編成の方針6・4・4 関係省庁の予算
6・4・3・1・1 予算編成の重点6・4・3・2 概算要求
6・4・3・1・2 経済財政運営の指針「骨太の方針」
・継戦能力の向上 政府関係者が6月4日、政府がロシア軍の侵攻に耐え続けるウクライナの現状も踏まえ、戦闘継続能力の向上は不可欠だと判断し、ミサイルや弾薬の備蓄を拡充する方向で検討に入ったことを明らかにした。
年末に策定する中期防衛力整備計画への反映や、令和5年度予算案での関連経費増額を調整する。
弾薬の備蓄拡充は、中国の軍備増強や台湾海峡情勢を念頭に南西諸島の防衛力を強化する狙いがある。 (2207-060502)・財源を議論する有識者会議
複数の政府与党関係者が8月24日、岸田首相が最重要課題に位置付ける防衛力の抜本的強化に向け、鍵を握る財源の在り方を含めて議論する有識者会議を政府が新設し、9月にも初会合を開く方向で調整していることを明らかにした。
令和5年度予算編成や国家安全保障戦略などの改定作業と並行して防衛費の相当な増額と財政規律維持の両立を図る。 (2209-082505)
・「防衛力を抜本的に強化」と明記 政府が6月に閣議決定する経済財政運営の指針「骨太の方針」の原案が5月26日に判明した。
防衛省関連では、安全保障環境が一層厳しさを増しているとの認識を示したうえで「国家安全保障の最終的な担保となる防衛力を抜本的に強化する」と明記し、スタンドオフ防衛能力の強化などを具体策として列挙した。 (2206-052612)・「5年以内」と目標時期明記
政府が6月3日の自民党政調全体会議で示した経済財政運営の指針「骨太の方針」原案で、盛り込まれていた防衛力の抜本的強化を5年以内という目標時期を書き加えた新たな案を自民党に示した。
政府が5月31日に示した原案では防衛費について、国家安全保障の最終的な担保となる防衛力を抜本的に強化するとしたが、目標時期には言及していなかった。
政府が3日の自民党政調全体会議で示した案では「防衛力を5年以内に抜本的に強化する」に修正したうえで、NATO諸国が国防予算を対GDP比2%以上にする目標を掲げているという記述も本文中に記載した。 (2207-060310)・「骨太の方針」閣議決定
政府が6月7日に閣議決定した経済財政運営の指針「骨太の方針」の要旨は以下の通りである。 (2207-060713)
・第1章 わが国を取り巻く環境変化と日本経済・第2章 新しい資本主義に向けた改革
・第3章 内外の環境変化への対応
ロシアのウクライナ侵略から、外交・安全保障双方の大幅な強化が求められている。・第4章 中長期の経済財政運営
またNATO諸国においては、国防予算を対GDP比2%以上とした基準を満たす努力を加速する合意がなされた。
新たな国家安全保障戦略等の検討を加速し、国家安全保障の最終的な担保となる防衛力を5年以内に抜本的に強化する。
年末に改定する「国家安全保障戦略」および「防衛計画の大綱」を踏まえて策定される新たな「中期防衛力整備計画」の初年度に当たる令和5年度予算については、同計画に関わる議論を経て予算編成過程において検討し、必要な措置を講ずる。・第5章 当面の経済財政運営と令和5年度予算編成に向けた考え方
6・4・3・2・1 令和5年度予算要求の基本方針6・4・3・3 政府原案
6・4・3・2・2 令和5年度予算概算要求
複数の政府与党関係者が8月3日、防衛省の令和5年度予算概算要求の基本方針を明らかにした。
防衛力を5年以内に抜本的に強化するとし、防衛費は概算要求としては過去最大の5.5兆円台で調整するが、新型装備など金額を明示しない事項要求を多数盛り込み、最終的に6兆円規模に膨らむ可能性がある。
宇宙やサイバー空間など新領域を含む領域横断作戦能力を強化すると明記し、スタンドオフ防衛能力やUAVなど無人化した装備品を充実させる。 (2209-080317)防衛省が令和5年度予算の概算要求に、長射程ミサイルの早期装備化や、UAVの早期取得などを盛り込む方針を固めた。
政府が掲げる「防衛力の5年以内の抜本的な強化策」の柱として、要求段階では金額を示さない事項要求とし、金額は年末の予算編成過程で決める。
スタンド・オフ・ミサイルについては、12式地対艦誘導弾改長射程CMや、研究中の高速滑空SSMなどの装備化が念頭にある。
いずれも、自衛目的で敵のミサイル発射基地などを攻撃する反撃能力として活用できる。
UAVは人的被害を極力減らす観点から、現代戦では不可欠となっており、無人の航空機や艦艇などの早期の運用開始を目指す。
ロシアのウクライナ侵略で継戦能力の重要性が浮き彫りになったことを踏まえ、弾薬や燃料、弾薬庫の確保を盛り込むと共に、部品不足の解消や施設の強靱化も進める。 (2209-080402)防衛省が、安全保障の領域に「認知領域」を加え、海外の偽情報の分析など新たな領域の防衛力を抜本的に強化する方針である。
SNSによる情報操作などを用いて人の認知を制する「認知領域」をめぐっては、ロシアがフェイクニュースを用いてウクライナを混乱させたこともあり、注目が集まっている。
こうした中、防衛省関係者によると、陸海空領域に加え、宇宙、サイバ、電磁波や、認知領域などの組み合わせにより非対称的に優勢を確保していくため、領域横断作戦能力の抜本的な強化をはかることを来年度の当初予算の概算要求に盛り込むという。 (2209-081709)政府関係者への取材で、防衛省が令和5年度予算案の概算要求で、今年度予算比で4,000億円増となる5兆5,000億円超とは別に、要求金額を示さない事項要求を100項目以上盛り込む方向で調整に入ったことがわかった。
岸田政権は防衛費の大幅増を目指しており、年末に決まる新たな防衛戦略の内容次第で巨額化する可能性がある。 (2209-082102)防衛省が、令和5年度の当初予算の概算要求額が、5兆5,947億円であることを発表した。
事項要求には、12式地対艦誘導弾能力向上型の量産前倒しや、高度なBM迎撃能力を有するイージス・システム搭載艦の2027年と2028年の就役に向けた設計やエンジンの取得などが盛り込まれている。 (2209-083107)
・概算要求の全容 複数の政府関係者が8月22日、防衛省の令和5年度予算概算要求の全容を明らかにした。
概算要求額は5兆5,947億円で、これに加えて具体的な金額を示さない「事項要求」を多数盛り込むため、さらなる増額が確実視される。 (2209-082207)防衛省が8月22日、5兆5,947億円にのぼる令和5年度予算概算要求案をまとめ与党幹部に伝えた。
概算要求案は防衛力を5年以内に抜本強化するための「必要な取組」を7本柱で列挙した。 7本柱は掲載順に① 長射程弾の量産などのスタンド・オフ防衛能力を提起した。② 多様なミサイルに対処する総合ミサイル防空能力
③ ドローン活用のような無人アセット防衛能力
④ 宇宙・サイバーといった分野の領域横断作戦能力
⑤ 指揮統制・情報関連機能
⑥ 部隊や補給品を前線に送る機動展開能力
⑦ 戦闘を続けるための持続性・強靱性
領域横断作戦能力では、警戒監視に特化した哨戒艦の導入も盛り込んだ。 哨戒艦は中国艦などの監視に使うもので、5年度に建造を始め8年度末の就役をめざす。
哨戒艦は同規模の護衛艦の1/4の30名ほどで運用でき、要員不足でも艦艇数を増やすための方策となる。
酒井海上幕僚長は中国艦などの警戒監視任務について、護衛艦では足りずずに補給艦などの補助艦を使う頻度が多くなってきたと艦艇不足に懸念を示している。 (2209-082209)防衛省の令和5年度予算概算要求の全容が8月22日に判明した。
極超音速兵器の迎撃能力の保有を目指し、改良型中SAMを建造計画中のイージス・システム搭載艦に搭載することを盛り込んだ。
Aegis Ashoreの配備断念を受けた代替案で2隻建造するイージス・システム搭載艦はSM-6も搭載する計画で、概算要求では、新たに極超音速兵器の迎撃能力を持たせるため、03式中SAM改良型の搭載を想定している。
改良型中SAMは敵ミサイルの軌道予測能力を向上させ、極超音速兵器の迎撃を目指す。
また極超音速兵器は地上レーダでは探知が難しいため、多数の小型衛星による観測網衛星コンステレーションで探知追随する研究も盛り込んでいる。 (2209-082303)
6・4・3・3・1 政府案の概要
6・4・3・3・2 政府原案の閣議決定
・政府原案での防衛費総額 政府与党が令和5年度の防衛費を6兆5,000億円に増やす方針を固めたことが12月12日に分かった。 (2301-121206)
・弾薬等に近年の3倍以上の8,283億円
令和5年度の予算案で防衛費は、令和4年度の当初予算に比べて25%増えて、過去最大のおよそ6兆8,000億円に拡大する見通しである。
特に長距離ミサイルを含む弾薬の経費は近年の3倍以上に達する8,283億円を計上する方向で、Tomahawkの購入だけで2,100億円あまりを計上する。 (2301-121912)・長射程ミサイルの開発と調達
令和5年度当初予算案で最大の焦点だった防衛費の概要が12月19日に自民党の会合で政府案が示された。
米軍再編経費などを含めて6.8兆円を充てて過去最大を更新する。 安全保障環境が厳しさを増す中で、防衛力の抜本的強化を目指してミサイルなどの装備品を充実させる。
12式地対艦誘導弾の射程を1,000km以上に伸ばす改良型の開発に338億円、量産には939億円を充てる。
島嶼防衛用高速滑空弾の能力向上型は開発費2,003億円、Mach 5以上で飛翔する極超音速誘導弾の研究費は585億円とした。
また、防衛装備の輸出推進のための基金の創設と関連企業への補助金支出に計400億円を計上し、UAVやAIの活用では情報収集や攻撃に使えるUAVの取得に69億円、部隊運用の支援にAIを用いる技術の研究に43億円を充てる。 (2301-121913)
政府が12月23日に閣議決定した令和5年度当初予算案は一般会計の総額が114兆3,812億円となり、22年度当初予算から6兆7,848億円増え、11年連続で過去最大を更新した。
米軍再編経費を含む防衛関係費は前年度当初予算比26.4%増の6兆7,880億円とした。
反撃能力の手段にもなるスタンドオフ防衛能力の強化には1兆4,207億円を充てる。
このうちTomahawk Block Ⅴの取得には、2,113億円を計上している。
国産ミサイルの開発と取得も進め、12式地対艦誘導弾の射程を1,000km超に伸ばす改良型の開発に338億円、量産に939億円、島嶼防衛用高速滑空弾の能力向上型の開発に2,003億円、極超音速誘導弾の研究に585億円を確保した。
継戦能力強化は弾薬取得費は前年度比3.3倍とし、弾薬を製造する企業の態勢拡充にも乗り出す。
航空機などの可動率を高めるため装備品の維持整備に同1.8倍の2兆355億円を充てるほか、老朽化した自衛隊施設の更新にも力を入れる。
長射程ミサイルや次期戦闘機の開発を含む研究開発費は3.1倍の8,968億円に拡充した。
国内防衛産業の基盤強化に向け、装備品の輸出促進のための基金創設と企業への補助金支給に400億円を計上した。
防衛装備庁に産業・技術保全課(仮称)を新設するなど、企業からの情報流出を防ぐ取り組みも強化する。 (2301-122312)
6・4・4・1 外務省:令和4年度第2次補正予算
6・4・4・1 国土交通省:令和4年度第2次補正予算
・ウクライナと周辺国支援に600億円 外務省が自民党の外交部会などの合同会議で2日、令和4年度第2次補正予算案の概要を示した。
総額は同省の補正予算案として過去最大の2,673億円で、ウクライナやその周辺国に対する支援に600億円計上するなど、政府開発援助 (ODA) に848億円を積んだ。
岸田首相は冬季に入ることを踏まえ、避難施設の暖房整備や防寒具供与など追加支援を行う考えを示している。
政府はこれまで、ウクライナに対する$1.1B(,1620億円)の支援実施を表明している。 (2212-110216)
・海上保安庁装備の増強など「戦略的海上保安体制の強化」に760億円 国土交通省が11月4日、自民党の国交部会に同省分の令和4年度第2次補正予算案を示した。
他国の船舶などを監視する海上保安庁の巡視船や航空機の増強など「戦略的海上保安体制の強化に760億円ほどを計上した。
中国公船などが日本の排他的経済水域 (EEZ) などに頻繁に出入りする事態への対処力を高める。 予算案には「外交・安全保障環境の変化への対応」の項目を設け一層厳しさを増す国際情勢に的確に対応すると記した。
年末までの国家安全保障戦略の策定に向け防衛費の算定方法を議論する政府与党は、巡視船の増強などの予算を防衛費に含めるかどうかを協議する。 (2212-110419)令和4年度第2次補正予算案での海上保安庁費は760億円で、6,000t級ヘリ搭載巡視船1隻と3,500t級大型巡視船2隻などが含まれている。 (2212-110812)
6・5・1 周辺空域の警備6・6 将来戦への対応
6・5・1・1 警戒監視6・5・2 周辺海域の警備
6・5・1・2 緊急発進
・移動警戒隊の北大東島配置 防衛省は航空自衛隊の移動式警戒管制レーダを北大東島に配備する検討に入り、適地を調査する方針を3月中にも同村に説明する。
中国の空母遼寧や軍用機が太平洋への進出を活発化させているなか、太平洋側の島嶼部は固定式警戒管制レーダが置かれていないため、移動式の展開で監視態勢を強化する。
2018年策定の中期防では「太平洋側の広大な空域を含むわが国周辺空域における防空能力の総合的な向上を図る」と打ち出しており、防空態勢の空白地域となっている太平洋側の島嶼部について防衛省は、小笠原諸島への移動式レーダの展開基盤の整備を先行させることを念頭に置いていたが、地元の理解を得られていない。
一方、北大東村議会は昨年12月に自衛隊の誘致を求める意見書を全会一致で可決している。
このため防衛省は北大東島への移動式レーダの配備は地元の理解を得やすいと判断し、小笠原諸島より優先する方針に転換しつつある。 (2204-030613)
・令和3年度1Q~3Q、過去5年間で最多 防衛省が1月25日、航空自衛隊機が緊急発進した回数が2021年4~12月の間に785回に上り、各年度の同期比では過去5年間で最多で、前年度1年間を上回るペースで増加したと発表した。
中国機に対する発進回数は前年度の合計を100回以上も上回った。
全体では中国機が73%、ロシア機が25%で、中国機は571回で前年度1年間の458回より113回も増えた。 (2202-012516)・令和3年度前年度比279回増、過去2番目の多
防衛省か4月15日、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進した回数が令和3年度は1,004回と前年度比279回増となり、平成29年度の1,168回に次いで過去2番目に多かったと発表した。
そのうち中国機に対するものが722回、ロシア機が266回だった。 (2205-041508)防衛省が4月15日、航空自衛隊が令和3年度に実施した緊急発進の回数が1,004回と、前年度を38%上回ったと発表した。
これは過去最高であった平成29年度の1,168回に次ぐ多さである。
このうち72%の722回は中国に対するもので、これも平成29年度の851回に次ぐ多さである。 (2207-042701)・前年同期より56回増加の令和4年度上半期、中国増加ロシア減少
防衛省が10月14日、航空自衛隊戦闘機の緊急発進が、令和4年度上半期(4~9月)に、前年同期と比べ56回増加し446回あったと発表した。
中国機への対応が59回増の340回で全体の3/4を占め、ロシア機は7回減の95回だった。 UAVの単独飛行も初めて確認された。 (2211-101412)
6・5・2・1 日本海6・5・3 重要施設等の保全
6・5・2・2 太平洋岸
2023年に特筆すべき記事なし
6・5・2・3 海上保安部隊の強化
2023年に特筆すべき記事なし
6・5・2・4 海上保安部隊との連携
・MQ-9B Sea Guardian の運用開始 海上保安庁が10月19日、海上自衛隊八戸基地を拠点にUAV 1機の運用を開始した。
運用を開始したのはGA社製のSea Guardianで、海保がUAVを導入するのは初めてである。
海保はUAVの導入にあたり、2020年10~11月に計147時間の実証試験を実施し、安全性の確認などをしたという。 (2211-101913)・大型巡視船4隻を新造
岸田首相が海上保安庁の当初予算の規模について、令和9年度までに現在の水準の2,000億円から1,000億円程度増額すると表明した。
海保の体制強化策として、大型巡視船4隻を新規に建造するとも述べた。 (2301-121607)
・MQ-9B Sea Guardian の共同運用 複数の政府関係者が、海上保安庁と海上自衛隊が警戒監視用のUAVを令和5年度にも共同運用する方向で調整していることを明らかにした。
日本周辺海域で中国やロシア軍艦艇の活動が活発化しており、海保が運用を開始したUAVの情報を海自と共有し、警戒監視の効率化を図る海保と海自による新たな連携強化策の柱となる。
海保は10月19日から海自八戸航空基地を拠点に1機の運用を開始したが、早期に3機体制とし、南西地域にも配備したい考えである。 (2212-110702)・武力攻撃事態を想定した初の共同訓練
複数の政府関係者が、海上自衛隊と海上保安庁の連携を強化するため、日本が攻撃を受けた武力攻撃事態を想定した初の共同訓練を令和4年度内にも実施する方針を固めたことを明らかにした。
共同訓練の結果を検証したうえで、武力攻撃事態で、防衛相が海保を統制下に置く際の手順などを定めた「統制要領」の策定を進める考えだ。
海自と海保の共同訓練はこれまで、武力攻撃事態には至らない、自衛隊が治安維持などを担う海上警備行動の発令を想定したものにとどまっていた。
国土交通省の外局で法執行機関の海保と海自は、警戒監視の情報共有などは進めているが指揮命令系統は異なるため、有事を見据えた訓練を行う必要性が自民党などから指摘されていた。 (2212-110803)・武力攻撃事態を想定した統制要領を作成
政府は日本が攻撃を受けた武力攻撃事態を想定し、海上自衛隊と海上保安庁が協力して対処する統制要領を作成する検討に入った。
自衛隊法は有事に海上保安庁を防衛相の統制下に置けると定めるが、具体的な計画はなかった。
海自と海保による武力攻撃事態が発生したシナリオでの共同訓練の開催も調整する。
海上保安庁法は海保が軍隊としての機能を持たないと明示していることについて、斉藤国土交通相は、警察機関である海保が非軍事的性格を保つことを明確化した規定だと語っている。
海保は尖閣諸島周辺で中国海警局の船による領海侵入などへの対応を担っているが、中国海警局は軍と一体での武装が進んでいることから、海保が有事で防衛にあたる海自と切れ目なく交代して周辺海域の民間船の安全確保などに備えられるようにする。 (2212-110906)・海上保安庁の能力強化方針
政府が12月16日、安全保障関連3文書の改定に合わせ、自衛隊との連携強化を盛り込んだ新たな海上保安庁の能力強化方針を決定した。
自衛隊との関係は「それぞれの役割分担の下、あらゆる事態に適切に対応する」と明記し、有事の際に防衛相が海保を指揮下に置く統制要領の策定やこれに基づく共同訓練の充実を図るとしている。
岸田首相は首相官邸で開いた関係閣僚会議で「日本の海の安全を守り抜くため、関係省庁の持てる力を結集する」と表明し、海保は安保3文書改定に連動し、自衛隊との結びつきを強める形になるが、海上保安庁法25条は非軍事性を定めており、整合性を問われる可能性もある。 (2301-121610)
6・5・3・1 重要土地等調査規制法の特別注視区域6・5・4 インフラの保全
6・5・3・2 重要土地等調査法の基本方針
安全保障上重要な土地の利用を規制できる重要土地等調査規制法の9月施行に合わせ、政府が陸上自衛隊の与那国駐屯地や宮古島駐屯地の周辺など約200ヵ所を特別注視区域に指定する方向で調整していることがわかった。
尖閣諸島を含む南西諸島周辺では中国が軍事活動を活発化させており、両駐屯地周辺は規制の必要性が高いと判断したもので、特別注視区域はこのほか、警戒監視防空など特に重要な機能を持つ自衛隊基地や駐屯地周辺百数十ヵ所と、国有地ではない無人国境離島約40ヵ所となる見通しである。 (2203-020602)
6・5・3・3 重要な土地候補の選定
政府は9月16日の閣議で、自衛隊基地周辺や国境離島など安全保障上重要な土地の利用を規制する「重要土地等調査法」の基本方針を決定した。
規制対象の阻害行為として、自衛隊機の離着陸を妨げる工作物の設置や、施設への妨害電波の発射など7事例を示した。 年内から段階的に区域指定を始める見通しである。 (2210-091608)
・重要な土地の第1次候補58ヵ所選定 政府が10月11日に安全保障上重要な土地の利用を規制する重要土地利用規制法に基づく「土地等利用状況審議会」を開き、施行後初めて規制区域候補地の第1弾として、無人の国境離島など北海道、青森、東京、島根、長崎の5都道県の58ヵ所を示した。
地方自治体に意見を聞き2022年内の指定を目指す。
島根県の沖ノ島や長崎県の男島など無人の国境離島のほか、島根県の自衛隊出雲駐屯地といった場所を候補に選定した。 (2211-101126)・5回に分けて600ヵ所程度を指定
政府が12月16日に安全保障上重要な土地の利用を規制する重要土地利用規制法に基づく土地等利用状況審議会を開き、10月に候補地として示した5都道県の58ヵ所を注視区域・特別注視区域に指定する方針を了承した。
年内にも区域指定の告示を出し、1ヵ月間の周知期間を設け2023年2月にも施行する。
政府は2024年秋頃までに5回ほどに分けて600ヵ所程度を指定する計画である。 (2301-121615)
6・5・4・1 海底ケーブル拠点6・5・5 国境警備
政府がインターネットなどの国際通信の重要インフラである海底ケーブルの陸揚げ拠点の分散に令和4年度から本格的に乗り出す。
海底ケーブルは主に太平洋側に敷設され、陸揚げ拠点(陸揚げ局)も大半が北茨城、南房総、志摩など、東京圏で全体の5割以上を占めているため、経済安全保障上のリスクや地震をはじめとする大規模災害への強靱性を高めるため地方への分散を支援する。 (2202-010407)
6・5・6 防護シェルタ等の整備
・観光振興への支援 政府が、特定有人国境離島地域の観光がCOVID-19の影響による宿泊客の減少で特に離島の経済は大きな打撃を受けているため、国境離島の人口減少や無人島化を防ぎ、領海の保全につなげることも狙って、観光振興への支援を強化する方針を決めた。
早ければ令和3年度内にも支援事業を開始する。 (2202-010303)
・南西諸島住民の避難シェルター整備 複数の政府関係者が、住民避難のシェルタは、台湾に近い先島諸島を優先して整備することを明らかにした。 (2301-123104)
複数の政府関係者が9月15日、政府が台湾海峡や南西諸島での有事を想定し、先島諸島などで住民用の避難シェルターの整備を検討していることを明らかにした。
年末までに改定する国家安全保障戦略では、国民保護の対応策充実を明記する方向で調整する。
中国の軍備拡大を踏まえ、自衛隊は台湾に近い南西諸島への部隊配備を拡大させているが、日本最西端にある与那国島は台湾から110kmしか離れておらず、有事の際に戦闘に巻き込まれる懸念が根強いことが背景にあると見られる。 (2210-091602)・自衛隊司令部の地下化
複数の政府関係者が、防衛省は陸上自衛隊の那覇駐屯地、与那国駐屯地、健軍駐屯地と海上自衛隊の舞鶴地方総監部の4施設で司令部の地下化を令和10年度までに進め、航空自衛隊基地5ヵ所でEMP攻撃対策を11年度までに行う方向で調整に入ったことを明らかにした。 (2301-123104)
6・6・1 ミサイル防衛6・7 海外活動
6・6・1・1 ミサイル防衛体制の整備6・6・2 宇宙防衛、宇宙利用
6・6・1・1・1 SM-3 BlockⅡA6・6・1・2 ミサイル防衛演習
6・6・1・1・2 Aegis システム搭載艦 (ASEV)
海上自衛隊が11月21日、護衛艦まやとはぐろが今月、米ハワイ周辺の太平洋でSM-3 Block ⅡAによる迎撃試験を行い成功したと発表した。 試験は前方展開したレーダの情報で迎撃ミサイルを発射するEORで行われた。
今回の試験でまやは、これまでは開発段階の試験発射にとどまっていたSM-3 Block ⅡAを海自艦として初めて発射した。 一方はぐろも別の迎撃ミサイルを発射し、BMを模した標的1発ずつに大気圏外で命中させた。 (2212-112112)海上自衛隊と米MDAが2発のSM-3による迎撃試験JFTM-07を成功裏に完了した。
1回目は護衛艦まやがSM-3 Block ⅡAでT4-E MRBM標的を撃墜し、2回目ははぐろがSM-3 Block ⅠBとSM-2 Block ⅢBで、それぞれSRBM標的とBQM-177標的に対する射撃を行った。 (2212-112118)米MDAが11月21日、海上自衛隊の護衛艦はぐろとまやによる2週間に及ぶ迎撃試験JFTM-07を行ったと発表した。
まやはSM-3 Block ⅡAでT4-E MRBM標的を、はぐろはSM-3 Block ⅠBとSM-2 Block ⅢBでそれぞれSRBM標的とBQM-177を撃墜した。
両艦はCECを装備しており、日経新聞によるとはぐろはまやが捕捉追随した諸元で射撃を行った。 (2212-112305)
6・6・1・1・3 03式中距離地対空誘導弾の改良
・Aegis Baseline J7B 米MDAと海軍が、海上自衛隊のAegisシステム搭載艦 (ASEV) がSPY-7(V)1と共に装備するAegis Baseline J7Bの2度目の試験に成功した。
最初の試験は2021年8月に実施された。 (2202-011913)米MDAと米海軍Aegis技術代表部及び海上自衛隊が8月10日、海上自衛隊のAegis System搭載艦 (ASEV) に搭載するSPY-7 (V)1レーダに対応したソフトJ7.Bの検証に成功した。 (2210-091319)
・令和 5年度概算要求へ
防衛省が概算要求で、IAMD能力を強化するため、現在よりも高度なBMD能力を有し、極超音速滑空兵器などにも対応するイージス・システム搭載艦の整備を事項要求するという。
(2209-081709)政府は、Aegis Ashoreの代替案として2020年12月にイージス・システム搭載艦を2隻建造することを決めた。
今ある海上自衛隊のAegis艦8隻は尖閣諸島を含めた海域で活動するのに対し、イージス・システム搭載艦は、常時日本海で北朝鮮のミサイル警戒にあたることを想定している。
Aegis Ashore用に米企業から購入契約済みのSPY-7レーダのほか、CMを迎撃できるSM-6の搭載も決まっている。 (2209-081704)Aegis Ashoreに代えて装備するAegis System搭載艦(代替艦)の1隻目について、防衛省が令和6年度当初予算に本体の建造費を計上する方向で検討していることがわかった。
9年度末に就役させる方針で、2隻目も順次建造し、10年度末の就役を目指す。 (2210-090210)・長距離 CM も装備
イージス・システム搭載艦には反撃能力を想定した長射程ミサイルの搭載も検討するとみられる。 (2209-081709)
複数の政府関係者が8月16日、政府が建造を計画しているイージス・システム搭載艦に、地上の目標も攻撃可能な国産の長射程CMを搭載する方向であることを明らかにした。
BMDに加え反撃能力を想定した設計とする。 建造費抑制のため、通常の単胴船型とすることも固まった。
新たに搭載する方向となったのは、12式地対艦誘導弾を改良したCMで、改良後は射程を1,000kmまで伸ばし、艦艇にも搭載できるようになる。
(2209-081704)・イージス・システム搭載艦の主要要目
Aegis Ashoreの配備計画撤回から2年余りを経て、代替策となる2隻のイージス・システム搭載艦の建造計画が防衛省の2023年度予算概算要求で8月31日に明らかになった。
BMDだけでなく、政府が保有を検討する反撃能力に転用できる長距離ミサイルも搭載する。
構想では基準排水量は20,000tといずも型とほぼ同じで、まや型の2倍以上ある。 全長210m、幅40m程度を検討している。
細部が確定しない事項要求のため金額は明示されないが、建造費はAegis艦まや型を上回り、導入コストはAegis Ashoreの4,000億円(試算)を超える可能性がある。 (2210-090103)・既存の Aegis 艦を BMD 任務から解放
浜田防衛相が8月2日の記者会見で、防衛省が令和5年度予算概算要求に盛り込んだAegis System搭載艦建造について、同艦を配備することで、既存のAegis艦をBMD任務から解放し、南西諸島有事への対処能力強化に充てることが可能になるとの考えを示した。 (2210-090208)
・Aegis System搭載艦の主要目
防衛省が令和5年度概算要求の主要事項であるIAMD能力の一環として、Aegis System搭載艦の建造のための構成品取得費等を折り込んだ。
主要目は全長210m、幅40m、基準排水量22,000tで、主兵装はBMD用のSM-3 Block ⅡA、CMD用のSM-6のほか、12式対艦ミサイル能力向上型を装備する。
レーダーはAegis Ashore用に調達したSPY-7(V)1を搭載する。
基準排水量はまや型Aegis護衛艦の2.5倍だが、乗員数はほぼ1/3の110名で、居住性を重視して個室化が図られるという。
乗員の一部は陸上自衛隊員といわれ、維持・運用に一部民間委託を検討するなど、従来の護衛艦とはまったく異なる運用方法が検討されている。
艦がここまで大型化した最大の要因は、耐航性を確保しつつ、SPY-7(V)1を搭載化するためと推察される。
陸上用に設計されたSPY-7(V)1は艦載用のSPY-7(V)2より能力的に優れる反面、アンテナ直径が大きく、大出力の電源と大型冷却システムが必要となる。 (2210-092221)┏━━━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┳━━━━━┓
┃ ┃Aegis 専用┃DDH いずも┃DDG ま や┃
┣━━━━━━━╋━━━━━╋━━━━━╋━━━━━┫
┃全 長 (m)┃ 210 ┃ 197.0 ┃ 170.0 ┃
┃全 幅 (m)┃ 40 ┃ 33.0 ┃ 21.0 ┃
┃喫 水 (m)┃ -- ┃ 7.0 ┃ 6.2 ┃
┃基準排水量 (t)┃ 22,000 ┃ 13,950 ┃ 8,200 ┃
┃乗 員 数┃ 110 ┃ 470 ┃ 300 ┃
┃主 機(馬力)┃ -- ┃ 112,000 ┃ 69,000 ┃
┗━━━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┻━━━━━┛
・イージス搭載艦、小型化へ 複数の政府関係者が8日、イージス・システム搭載艦2隻について、当初案より小型化し機動力を高める方向で検討していることを明らかにした。
最大級となる巨艦のため、Aegis艦8隻など他の自衛艦との連携や共同運用がしにくいとの批判があった。
敵基地攻撃能力に転用可能なTomahawkの装備も視野に入れるなど多用途化する。 (2212-110902)・定員の増加をイージス・システム搭載艦要員に
酒井海幕長が12月20日の記者会見で、安全保障関連3文書の改定で決まった陸上自衛隊から海自と航空自衛隊への定員2,000名の振り分けは、海自では新たに建造するイージス・システム搭載艦要員に充てるとの方針を示した。 (2301-122012)
6・6・1・1・4 対極超音速迎撃弾日米共同開発の提案
・ソフトウエアを更新し、令和11年度までに量産開始 関係者が7日、中国やロシアが開発を進める極超音速滑空兵器に対処するため、政府が03式中距離地対空誘導弾を改修する方針を固めたことを明らかにした。
改修は極超音速兵器の飛翔経路の予測や、追尾する性能を向上させるのが目的で、早ければ令和5年度に着手し、誘導弾を発射するソフトウエアの更新を8年度までに実施する。 令和11年度までの量産開始を目指す。
防衛力強化の柱とする7分野のうち「総合ミサイル防空能力」向上の一環で、外交安全保障政策の長期指針「国家安全保障戦略」など3文書改定に反映させる。 (2212-110708)・14個 FU にミサイル迎撃能力を付与
日本を狙うBMを迎撃するBMDSに関し、政府が2031年度末までに目指す増強計画の概要が4日に判明した。
2022年末に策定する国家防衛戦略(現防衛計画の大綱)などに盛り込む。
地上の迎撃網を強化するため、新たに陸上自衛隊の対空部隊14個FUにミサイル迎撃能力を付与する。
特に中国に備える南西諸島を重視し、沖縄県の6個FU、奄美大島の1個FUに配備する。 既存の沖縄本島にある航空自衛隊の4個FUと合わせ、3倍近い11個FUの態勢となる。 (2301-120503)
【註】03式中SAM部隊は既に奄美大島に1個中隊、先島諸島に1個中隊、沖縄本島に4個中隊が配置されており、この記事の意味するのは03式中SAMにBMD能力を持たせると言うことで、SAM部隊を増強するという意味ではない。
6・6・1・1・5 迎撃弾定数の充足
米国防総省で宇宙政策を担当するプラム国防次官補が、MDAが開発中のGPIのような対極超音速迎撃弾を日米で共同開発する可能性を検討していると述べた。 (2212-110424) 日米両政府が中国やロシアが配備したとされる極超音速滑空兵器 (HGV) を迎撃する新たなミサイルの技術の共同研究を検討する。
既存の防衛網で対処できない高度を飛ぶHGVの迎撃手段を持ち、地上に向け突入し始める前の遠方を滑空する段階で迎え撃てるようにする。
実現すれば27年度以降に就役する2隻のイージス・システム搭載艦などへの配備を見込んでいて、令和5年度から高速で長い距離を飛翔できHGVの軌道の変化に対応して旋回したりする能力など持つ迎撃弾の大型ロケットモーターなどの設計に乗り出す。
最新型のPAC-3は落下直前にHGVにも対応できるとされるが、地上に近く守れる範囲は狭い。
防衛省は03式中距離地対空誘導弾も極超音速兵器に対応できるように追尾性能などを向上させて2020年代後半に配備する計画だが、HGVが飛来してくる20~100km程度の高度と遠方で対処するのは難しいため、新たな迎撃弾が不可欠だとみる。 (2301-120314)
6・6・1・1・6 UAV の活用
防衛省が21日、BMDで用いる迎撃ミサイルなどの保有数が、必要な数の6割程度にとどまるとの試算を明らかにした。
ミサイル開発を進める北朝鮮や中国を念頭に、攻撃を受けた場合に十分な迎撃態勢が取れない可能性があるとして早急に改善したいとしている。
同省が弾薬の充足率を公表するのは異例で、12月に予定する「国家安全保障戦略」など関連3文書の改定や2023年度予算案編成を前に、拡充の必要性を訴える狙いもありそうである。 (2211-102116)
・UAV 群によるミサイル警戒監視網の構築 防衛省が、現在のBMDSで対処が難しいとされる極超音速兵器などを探知追随するため、日本海や東シナ海などの上空に数十機の固定翼滞空型UAVを常時展開する構想を検討している。
同省は令和4年度当初予算に調査研究費1億円を計上し、人工衛星を低軌道に多数投入する米国の衛星コンステレーションと並行した探知追随態勢構築を目指す。
検討中の構想では、長時間飛行が可能UAV数機から数十機のチームを地域ごとに編成し、燃料補給で交代しながらチームで常時監視態勢を取り、搭載された小型IRセンサーで監視した低空域のデータを地上へ伝送する。 (2205-043008)
【註】UAVの上昇限度はHALE UAVでも60,000ft~65,000ft(20km前後)とHGVが滑空飛行すると見られる70km前後に比べて低すぎる。
この点からして、記事のUAVが捕捉追随するのは亜音速、超音速、極超音速のCMと思われる。防衛省が令和4年度にHGVの捕捉追随に衛星群と連携するUAVを活用する検討を行う。
産経新聞によると数十機の固定翼UAVを日本海や東シナ海で遊弋させる計画という。
このため令和4年度予算には米国と共同する衛星群計画の3億円のほかに、UAV用として1億円を計上している。 (2208-061509)政府関係者が3日、通常のBMより低い高度を飛行する極超音速ミサイルの探知を正確に行うため、滞空型UAVを配備する方針を固めたことを明らかにした。
年末に改定する安全保障関連3文書に明記し、令和9年度までの実用化を目指す。 防衛省は4年度予算に1億円を計上し、UAV活用の検討を進めている。
滞空型UAVにはIRセンサーを搭載して通常より低い高度で数十機がチームを組み、日本海などで24時間体制の警戒監視に当たり極超音速ミサイルなどを探知追尾する。 無人機の管制は地上で行う。
UAVとともに、多数の小型衛星を連携させ、情報収集能力を高める衛星コンステレーション構想も推進する。
防衛省は5年度から5年間で50基程度の小型衛星を打ち上げる方向で調整しており、民間が打ち上げた衛星との連携も検討してミサイル防衛を補強し、探知や迎撃能力の向上を目指す。 (2212-110408)
6・6・1・3 ミサイル防衛の住民参加型避難訓練
・ 6月 5日: 日米 BMD 演習 統合幕僚監部が6月5日、自衛隊と米軍が同日にBM対処訓練を実施したと発表した。
訓練では航空総隊の内倉司令官と米第5空軍のコルスンスキー副司令官が調整を実施した。
SM-3を装備したAegis護衛艦あしがらのほか、PAC-3部隊も参加したとみられる。
2022年に入り北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返している状況を踏まえ、自衛隊と米軍の即応態勢を確認し、「弾道ミサイル脅威に対処する日米の強い意思と緊密な連携を内外に示すとともに、同盟関係のさらなる強化を図った」と説明した。 (2207-060514)・ 8月1~14日: 日米韓 Pacific Dragon 演習
韓国軍関係者が31日、日本と米国が韓国と8月1~14日にハワイ沖で北朝鮮BMを探知追尾するPacific Dragon演習を実施することを明らかにした。
演習には3ヵ国のほかにオーストラリアとカナダも参加し、米軍が発射した北朝鮮のBMを模擬した標的を参加国が探知追尾し、情報を共有する形で行われる。
米軍は実際の迎撃も行う。
韓国は過去にもRim Pac演習に合わせ、日米などとBMの探知追尾訓練を実施したが、文前政権時代の2018年と2020年には訓練の内容を公開しなかった。 (2208-073104)MDA長官のヒル海軍中将が8月11日に中国が台湾近海でミサイル発射を含む演習を行っているなか、米海軍が太平洋で日韓及びその他の諸国とBMD演習を行い、BM標的の迎撃試験を行ったと述べた。 (2209-081302)
米海軍が日韓豪加と共にKauai島PMRFとその沖合で1週間にわたり実施したPacific Dragon BMD演習で、駆逐艦Fitzgeraldが8月14日に北朝鮮のSRBMを模した標的をSM-3 Block ⅠAで撃墜した。 (2209-081606)
・10月06日: 日米韓 BM迎撃演習
山崎統幕長が10月6日の記者会見で、BM迎撃を想定した日米韓3ヵ国艦による共同訓練を同日、日本周辺海域で行ったことを明らかにした。
共同訓練に参加したのは護衛艦あしがらと、米海軍、韓国海軍の艦艇数隻で、飛来するBMを迎撃するために必要な情報を3ヵ国で共有する段取りを確認した。 (2211-100612)・11月28日: 日本海側では初、若狭湾岸
航空自衛隊PAC-3部隊の機動展開演習が11月28日午前、福井県おおい町の若狭湾岸であり、報道陣に公開された。
演習には饗庭野分屯基地第12高射隊などの隊員40名が参加dし、大型車両9両で器材の展開、撤収までの手順を確認した。
福井県の原子力発電所には全国最多となる15基の原子炉があり、訓練会場の7km北には関西電力大飯原発がある。
空自によると、自衛隊施設や米軍施設以外での演習は全国で7回目で、日本海側では初めてである。 (2212-112808)
6・6・1・4 ミサイル防衛の実行動
北朝鮮によるたび重なるBM発射を受け、政府が4年ぶりに再開する住民参加型の避難訓練の実施計画がまとまった。
訓練は9月下旬から2023年1月下旬にかけて、北海道や沖縄県などの10ヵ所で行われる。 (2210-090402)内閣官房や沖縄県などが11月30日午前に与那国島で、BM飛来を想定した住民避難訓練を初めて実施した。
10:00過ぎに「ミサイル発射。 建物の中、または地下に避難してください」という防災行政無線の放送が流れると、島民20人が近くの公民館に逃げ込んだ。
参加者は「ミサイル通過」という安全を知らせる放送が流れるまでの5分間、しゃがみ込んで両手で頭を抱えて安全を確保した。
与那国島南方の日本の排他的経済水域 (EEZ) には、8月に大規模演習を実施していた中国軍のBMが落下している。
内閣官房によると、国と自治体は今年度に北海道や山形県、新潟県など9道県の11市町村でBM対処訓練を行う。 (2212-113012)
6・6・1・5 全国瞬時警報システム(J アラート)
2023年に特筆すべき記事なし
6・6・1・6 ミサイル防衛での技術的障害
・5年ぶりの発令 北朝鮮が発射したミサイルが日本上空を通過して太平洋へ落下したとみられた10月4日早朝に北海道や青森県で、国民に危険と避難を呼びかけるJアラート(全国瞬時警報システム)が鳴り響いた。
5年ぶりに鳴ったけたたましい警報音に驚きと戸惑いが広がった。 (2211-100411)・誤警報の発令
北朝鮮がBMを発射した際、注意が必要のない地域がJアラート(全国瞬時警報システム)の対象になったことについて、岸田首相は「必要な指示を出したい」と述べ、今後、検証を行う考えを示した。
誤作動をめぐっては松野官房長官が会見で、「注意が必要となる地域でない東京都の島嶼部9町村にミサイルが発射されたとの情報伝達が行われた」として、「関係省庁で原因を確認中」と説明していた。 (2211-100506)・11月3日の発令
先程のミサイルは07:48頃に太平洋へ通過したものとみられる。
不審な物を発見した場合には決して近寄らず直ちに警察や消防などに連絡するように。 (2212-110306)防衛省が11月3日、午前7時台に北朝鮮が発射したミサイルについて日本列島を「通過していないと判明した」と公表し、情報を訂正した。
政府は全国瞬時警報システム(Jアラート)で「07:48頃に太平洋へ通過したものとみられる」と発表していた。 (2212-110307>
・風力発電の風車がレーダに影響 全国で増加する風力発電の風車が航空自衛隊のレーダに影響を及ぼす懸念が浮上し、防衛省が対応に苦慮している。
敵の戦闘機やミサイルの探知が遅れるなど深刻な問題が起きる恐れもある。
現状では発電事業者に計画段階での事前相談を呼びかけているが、善意の協力には限界があり、安全保障上の脅威になりかねないとの指摘もある。 (2207-061106)
6・6・2・1 宇宙基本計画6・6・3 電子戦
6・6・2・2 宇宙防衛
・宇宙基本計画工程表 政府がまとめた宇宙基本計画工程表の中間報告案が明らかになり、日米豪印の4ヵ国の枠組みQuadで宇宙分野の協力を推進すると明記し、5月下旬に予定されているQuad首脳会合で宇宙分野の協力を推進することを確認する方向で調整を進めている。
中間報告の案によると、宇宙状況の監視衛星を令和8年度までに打ち上げるなどの状況を把握する体制の強化や、ミサイル防衛などのために、多数の小型衛星が互いに連携する衛星コンステレーションの検討を進めるとしている。 (2206-051709)
6・6・2・2・1 「宇宙安保構想」の策定6・6・2・3 宇宙利用
6・6・2・2・2 体制の構築
関係者への取材で12月20日、政府が宇宙領域に特化した安全保障構想を初めて文書化する方針を固めたことが分かった。
新構想は米国の「国防宇宙戦略」に相当する戦略文書になる見込みだが、名称は未定である。
政府が宇宙利用の促進や産業育成を主導し、宇宙領域の能力強化を目指すもので、岸田首相が近く方針を発表するが文書の公表は2023年夏になる見通しである。
宇宙領域が陸海空やサイバーに並ぶ「戦闘領域」になった現在、宇宙領域に特化した安全保障構想が不可欠との認識がある。
防衛省の宇宙関連予算は令和5~9年度に最高で過去5年間の5倍に当たる1兆5,000億円に増えるとみられる。
新構想の柱として、自衛隊と海上保安庁などによる宇宙空間の利用拡大、JAXAや民間企業との連携強化を盛り込む。
また、民間に対する投資拡大を明記し、宇宙産業の人材育成や技術革新を促してその技術力を国家の防衛に還元することで好循環を生み出す。
中国やロシアがASATの開発配備を進める中、宇宙領域把握 (SDA) 能力向上を図るとともに、多国間連携を通じて人工衛星を含む宇宙システムの防衛態勢も強化する。 (2301-122102)岸田首相が12月23日の宇宙開発戦略本部会合で、来年夏をめどに宇宙の安全保障構想を策定すると表明した。
首相は「最新の宇宙開発動向を踏まえ、3年ぶりに宇宙基本計画を改定する」とも述べた。
これらの計画づくりについて、高市早苗宇宙政策担当相や浜田靖一防衛相ら「関係大臣が連携し、具体的に進めてください」と指示した。
国家安全保障戦略の改定を受けた措置で、衛星通信など安全保障上の重要性が高まっている宇宙分野のてこ入れを目指す。 (2301-122308)
6・6・2・2・3 監視衛星
・宇宙作戦群の編成 自衛隊の宇宙領域での能力を強化するため編成した宇宙作戦群の編成行事が府中基地で開かれた。
宇宙作戦群は、70名の体制でスタートし、令和4年度には、宇宙状況を監視する第1宇宙作戦隊や、日本の人工衛星への妨害を監視する第2宇宙作戦隊を編成して120名体制になる。 (2204-031812)
・中露のキラー衛星に対抗 複数の政府関係者が、防衛省が日本上空の宇宙空間の警戒を強化するため、監視衛星を2基態勢で運用する方針を固めたことを明らかにした。
2基目の衛星には中国やロシアのキラー衛星の活動を妨害する機能の付与を検討している。
監視衛星の必要性は、中露がキラー衛星の開発を進めていることを受け、2018年の防衛大綱や中期防で初めて打ち出された。
監視衛星態勢の構築と拡充は、宇宙分野の防衛力強化策の柱の一つとして、年末までに改定する防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画に明記する。
衛星には、光学望遠鏡を搭載して静止軌道でキラー衛星の動きなどの情報を収集する。
令和5年度から地上のレーダでの警戒が始まる予定だが、宇宙空間ではより詳細なデータが得られる。
現在、令和4年度までに1基目を打ち上げることが固まっているが、1基ではセンサーの角度によって警戒範囲に限界があるため、日本上空を全てカバーするには複数の衛星が必要で、防衛省はまず1基目の運用を検証し、2基目の打ち上げ時期を調整する。 (2211-103001)
・ミサイル情報収集へ衛星50基 ミサイル防衛のため、多数の小型人工衛星を一体的に運用して情報収集する衛星コンステレーションについて、防衛省が約50基の打ち上げを検討していることがわかった。
極超音速ミサイルの探知や追尾の研究実証に生かし、敵基地攻撃能力を保有した際に攻撃対象の情報収集に利用することも視野に入れる。 (2211-103002)
6・6・4 サイバ戦 / 情報戦
・電子作戦隊の新編 陸上自衛隊の新たな部隊である電子作戦隊が3月17日に発足した。
電子作戦隊は陸上総隊隷下で本部を朝霞駐屯地に置き、ネットワーク電子戦システム (NEWS) を運用する。
防衛省は電磁波領域での対処能力強化のため、昨年以降、九州や沖縄を中心に全国の駐屯地に順次新設している電子戦の専門部隊を束ねる。
令和5年度末には沖縄県の与那国と長崎県の対馬の両駐屯地に配置する方針である。 (2204-032801)
6・6・4・1 サイバ戦の実際
6・6・4・2 サイバ戦体制の整備
・北朝鮮 Lazarus の資産の窃盗と対策 松野官房長官が12月7日午前の記者会見で、北朝鮮のサイバ攻撃グループLazarusについて、日本の暗号資産(仮想通貨)関連事業者を標的にしていることが「強く推察される状況」にあり、対策を含めてサイバーセキュリティーの強化に取り組む方針を示した。
日本政府は2日にLazarusを含む北朝鮮の3団体と1個人を資産凍結の対象に追加指定することを閣議了解した。
松野長官は、Lazarusの活動が北朝鮮の核やミサイル開発の資金源になっていると判断しているのかとの質問に対しては「事柄の性質上、回答を差し控える」とした上で、国連安保理北朝鮮制裁委員会の専門家報告では、北朝鮮当局の下部組織とされるLazarusも「暗号資産関連企業および取引所などを標的にしていると指摘されている」と言及した。 (2301-120710)
6・6・4・2・1 サイバ防衛の国家での国家体制6・6・4・3 サイバ戦訓練
6・6・4・2・2 防衛省の体制整備
複数の政府関係者が、サイバー攻撃に対する防御を指揮する司令塔機能を担う組織を、内閣官房に新設する方針を固めたことを明らかにした。
既存の内閣サイバーセキュリティセンター (NISC) の機能を吸収し、規模や権限を拡大して対処力の強化を図るもので、新組織には攻撃の兆候の探知や発信元の特定を行う積極的サイバー防御 (Active Cyber Defense) を指揮する役割も付与する。
政府は、2022年末までに改定する国家安全保障戦略に、積極的サイバー防御の体制を導入する方針を盛り込む。
政令に基づき設置されたNISCと異なり、権限が強い新組織は法律で設置を定める方針で、早ければ2023年秋の臨時国会への関連法案の提出を目指す。
新組織のトップは、官房副長官補級かそれ以上となる見通しで、関係省庁や企業に助言や情報提供をするNISCの既存の機能に加えて、積極的サイバー防御の行使が重要な任務となる。
実動部隊を持つ自衛隊や警察庁を指揮することを主に想定するが、自らもサイバー防御を担えるよう民間ハッカーの登用も検討する。
システムやネットワークに入り込んでサイバー空間を巡回監視し、安全保障上の脅威となり得る不審な動きを察知、対処する行為は法的に認められていないため、不正アクセス禁止法などの改正が必要となる。 (2212-110103)
6・6・4・2・3 他省庁の体制整備
・自衛隊サイバー防衛隊が発足 陸海空共同部隊である自衛隊サイバー防衛隊が3月17日に発足した。
540名が所属している。 (2204-031714)・積極的サイバ防衛導入を検討
複数の政府関係者が10月1日、政府がサイバ攻撃への探知力や攻撃元を特定する能力の向上を図るなど、サイバ攻撃への防衛態勢を抜本的に強化する方針を固めたことを明らかにした。
平時から監視し、自国のシステムを守る目的で先手を打って相手を攻撃することもある積極的サイバ防衛を導入する案もある。
2022年末に改定する「国家安全保障戦略」などにサイバ防衛強化の具体的な方向性を盛り込むが、積極的サイバ防御については、専守防衛や現行法令に抵触する可能性が指摘されており、慎重に検討する構えである (2211-100106)・サイバー部隊を5年で5倍超に
関係者が10月29日、防衛省が2022年3月に発足した自衛隊サイバー防衛隊などサイバー攻撃対処の専門部隊の要員を令和9年度までに、最大現体制から5倍超となる5,000名に拡充する方向で調整していることを明らかにした。
中国などがサイバ領域の能力強化を進めているのを踏まえた対応で、国家安全保障戦略など3文書に反映させる。 (2211-102916)複数の政府関係者が12月5日、自衛隊のサイバ防御抜本強化のための具体策を明らかにした。
令和9年度までにサイバ防衛要員を2万名規模に拡充し、サイバ防衛隊を中心とする専門要員を4,000名規模とする。
防衛省によると、自衛隊のサイバー対処要員は現在、3月に発足したサイバー防衛隊540名と、陸海空各自衛隊の専門要員合わせて890名であるが、5年度から5年で同隊などの専門要員を4,000名規模に拡充する。
また5年度に陸上自衛隊通信学校をシステム通信・サイバー学校に改編し、指導役を担うサイバー教育部を新設して、陸海空の各自衛隊から人材を受け入れ、専門知識を教育する。
同校では、サイバ防衛隊のような専門要員以外にも、陸海空の各自衛隊のネットワークシステムなどを使用する隊員らを対象に、サイバ対処の基礎知識の講習を行い、16,000名のサイバ攻撃対処要員を育成する。 (2301-120507)政府が12月5日の自民党国防部会と安全保障調査会の合同会議で、国家安全保障戦略など安保3文書の改定に伴う防衛力強化について説明した。
サイバー防衛能力に関し、現行の810名から4,000名態勢とし、将来は20,000名規模とする考えを示した。
南西諸島防衛を担当する陸上自衛隊の第15旅団を師団規模に格上げするほか、反撃能力保有を念頭に陸海空自衛隊を一元的に指揮するスタンドオフ部隊を設置するとも説明した。 (2301-120512)・自衛隊による民間企業サイバー防護
政府が2024年にも自衛隊が民間企業をサイバー防護できる制度をつくる検討に入った。
これまで原則、防衛省や自衛隊のシステムに限定していた対象を広げ、防衛産業や電力をはじめとした重要インフラ事業者の耐性を高め、安全保障上の機密情報の流出や社会活動の停止などを防ぐ。
自衛隊は2022年にサイバー防衛隊を新設したが、防護対象は防衛省や自衛隊の共通ネットワークなどに限ってきた。 自衛隊法にサイバー領域の防衛行動が明記されていないとの理由から民間の防護を原則見送っていた。
サイバー対策が不十分な民間企業への狙い撃ちで情報が漏れることへの危惧があり、米国との部隊運用や装備品の協力を進めるうえでも日本の官民の対応が欠かせない。 (2301-123101)
・警察庁にサイバー警察局を新設
深刻化するサイバー犯罪に対応するため、警察庁が組織を改編し、高度な専門技術を使うサイバ攻撃の捜査や海外の関係機関との連携を進める方針で、政府は28日に警察庁にサイバー警察局を新設する警察法改正案を閣議決定した。
国会に提出し、可決されれば4月1日に発足する。
警察庁によると、現在は生活安全局や警備局、情報通信局がそれぞれの業務内容に従ってサイバ関連の指導や解析をしているが、今後はサイバ警察局に一元化する。
また全国を管轄区域とし、国の機関として直接捜査する「サイバー特別捜査隊(仮称)も同日発足させ、重大事案への対処能力を強化する。 (2202-012802)・警察庁サイバー特捜隊がランサムウェアー暗号を解読解除
データを暗号化して身代金を要求するウイルスランサムウェアについて、警察庁が2022年に、暗号化された被害企業のデータの復元に成功し身代金の支払いを防いでいたことが関係者への取材でわかった。 こうした対策に力を注いでいるという。
関係者によると、復元に成功したのは、「ロックビット」と呼ばれるランサムウェアで凍結された複数の国内企業のデータで、警察庁が2022年4月に新設したサイバー警察局とサイバー特別捜査隊が、捜査の過程でデータの暗号を解除して元の状態に戻したという。
警察庁は「被害を回復した事例は複数あるが、具体的な内容は差し控える」としている。
同隊などは、国際的な共同捜査への参加を視野に創設されており、各国の捜査機関とも情報共有しているとみられる。 (2301-122814)・公安調査庁にサイバ対策特別調査室を新設
公安調査庁が3月8日、経済安全保障とサイバ対策の特別調査室をそれぞれ4月に設置すると発表した。 岸田政権が掲げる重要政策である経済安保では、サイバ対策の重要性も高まっており、情報収集や分析機能を強化するのが狙いで特別調査室を新設する。 経済安保対策では、企業や大学を対象に、先端技術やデータの意図しない流出を防ぐため、講演会などを開き、流出防止のノウハウを提供する。 (2204-030815)
6・6・4・4 情 報 戦
・サイバー防護競技会 陸上自衛隊が1日、米国など6ヵ国の軍の担当者らが参加するサイバー防護競技会を開いた。
攻撃を受けた状況を作り出し、参加者が対応の手順を競うもので、陸自がサイバー攻撃を巡る多国間演習を主催するのは初めてである。
競技会には、米国、オーストラリア、フランス、インドネシア、フィリピン、ベトナムの6ヵ国と、自衛隊のサイバー関連部隊などから22チームの66名が参加し、主催者側が演習用のサーバーに攻撃を仕掛け、3人組の各チームが被害状況を分析し、解決策をまとめるなどして対応力を競った。 (2204-030122)
・「グローバル戦略情報官」の新設 防衛省が4月から各国の発信やフェイクニュースを分析するグローバル戦略情報官(仮称)を新設する。
戦略情報官は、報道やツイッターなどのSNSを使った発信の真偽、意図を分析し、フェイクニュースによる世論誘導を防ぐ役割を担う役職で、4月1日にも同省調査課に新設する。
軍事行動と情報戦やサイバー攻撃を組み合わせた「ハイブリッド戦」への対処力を強化する狙いがある。 (2204-032815)
6・7・1 人道支援活動6・8 防衛協力
6・7・1・1 トンガ王国の火山噴火災害6・7・2 邦人の救出輸送
・緊急無償資金援助 磯崎官房副長官が1月19日、海底火山が噴火したトンガ政府に対し$1M以上の緊急無償資金援助を行うと発表した。
政府は国際緊急援助隊として自衛隊派遣も検討しており、岸防衛相は19日に自衛隊に対し派遣に備えるよう指示し、統合幕僚監部から連絡調整官3名をオーストラリアに派遣することを決めた。 (2202-011910)政府関係者が1月20日未明、政府はトンガ支援に対し20日にも自衛隊機で飲料水をオーストラリアに輸送する方向で調整に入ったことを明らかにした。
同国からトンガへの輸送は調整する。 (2202-012001)岸防衛相が1月20日、トンガに対する国際緊急援助活動として、自衛官300名と輸送機2機、輸送艦おおすみの派遣を命じたことを明らかにした。
航空自衛隊のC-130H 2機はできるだけ多くの飲料水を積み込み、小牧基地を20日夜までに出発してまず豪州へ向かい、空港の受け入れ準備などの調整次第で現地に入る。
おおすみは、国際協力機構 (JICA) を通じて準備ができ次第、高圧洗浄機や灰を運ぶためのリヤカーなど緊急支援物資を積んでトンガへ向けて出港する。
また、防衛省は豪州へ派遣する関係機関との連絡調整官を6名に増員することも決定した。
自衛隊による国際緊急援助活動は今回24回目である。 (2202-012006)・輸送機2機が出発
トンガを支援するため、飲料水などの支援物資を積んだ航空自衛隊の輸送機2機が1月20日22:00頃に小牧基地からオーストラリアに向け出発した。
また輸送艦おおすみも火山灰を取り除く高圧洗浄機や陸上自衛隊のヘリコプター2機などを搭載して、準備が整い次第出港する。 (2202-012107)・輸送艦 おおすみ が出港
トンガへの国際緊急援助活動の任務を担う海上自衛隊の輸送艦おおすみが1月24日に、母港呉基地を出港した。
早朝から国際協力機構 (JICA) が提供した飲料水や、火山灰を除去するための高圧洗浄機、ポリタンクなどの支援物資を積み込み、14:10に園田呉地方総監たちに見送られながら現地に向かった。 約2週間で到着する見通しという。 (2202-012408)
6・7・2・1 自衛隊法の改正6・7・3 自衛艦の海外派遣
6・7・2・2 邦人救出輸送の実施
防衛省が1月25日、海外で緊急事態があった際の邦人輸送について定めた自衛隊法の改正案を自民党国防部会などで示し了承された。
改正案では、在外邦人らの輸送は政府専用機を原則とする規定を見直し、機動性の高い自衛隊機の使用をすぐに決定できるようにする。
また「安全に実施できると認める時」とされる規定を「(危険を避けるための)方策を講ずることができる時」と改正し、柔軟な判断を可能にする。
さらに、輸送対象者に① 邦人の配偶者及び子の外国人を追加する。 (2202-012514)
② 在外公館の現地職員ら
③ 独立行政法人の現地スタッフ
政府が2月8日、外国で災害や騒乱などの緊急事態が起きた場合、自衛隊機による外国人だけの輸送を可能にする自衛隊法改正案を閣議決定した。
輸送の安全確保を求める実施要件も併せて見直す (2203-020811)海外で有事などが起きた際に自衛隊による在外邦人救出の要件を緩和する改正自衛隊法が4月13日、参院本会議で与党などの賛成多数により可決成立した。
改正法は、迅速な判断の支障となる安全に実施するとのこれまでの規定を見直し、外相と防衛相が協議し危険回避の対策を講じられれば、自衛隊派遣を可能にした。
邦人と定めていた輸送対象も拡大し、退避させる日本人がいない場合でも、日本大使館や国際協力機構 (JICA) などで働く現地職員、日本人と結婚した外国籍配偶者らの輸送に当たって自衛隊機を派遣できるようになる。 (2205-041311)
6・7・2・2・1 ウクライナ
・外務省が危険情報を渡航中止勧告に引き上げ 外務省が1月24日、ウクライナ全土の危険情報を、4段階のうち退避勧告に次ぐ2番目の渡航中止勧告(レベル3)に引き上げた。
在留邦人には「事態が急変する場合に備え、商用便などを利用して出国することを強く勧める」と促した。
政府は情勢を見極めながら大使館職員を含む在留邦人の国外退避の是非を検討する。
外務省の統計によるとウクライナには20日時点で250人ほどの在留邦人がいる。 (2202-012502)外務省が2月11日、ウクライナ情勢の緊迫化を受け、危険情報を最も高い「レベル4」に引き上げ、ウクライナに滞在する日本人に対し、直ちに退避するよう呼び掛けている。
また、これに引き上げたことに伴い、政府は総理官邸内の危機管理センターにウクライナ情勢に関する官邸連絡室を設置した。 (2203-021108)・ルーマニアに協力要請
先進7ヵ国 (G7) 緊急外相会合に出席するためドイツを訪問していた林外相が2月19日午後(日本時間20日午前)、ストルテンベルグNATO事務総長と会談し、ロシアの軍事圧力で緊迫化するウクライナ情勢の緊張緩和に向け、緊密に連携していくことを確認した。
これに先立ち林外相はルーマニアのアウレスク外相と会談し、ウクライナの在留邦人が退避する場合の協力を要請したのに対し、アウレスク外相は最大限の支援を提供すると応じた。
またエストニアのリーメッツ外相とも会談した。 (2203-022010)・チャーター機を手配
松野官房長官が2月21日、政府が在留邦人保護のため近隣国にチャーター機を手配したことを明らかにした。
松野長官によると、現地には19日時点で120人が残留している。
政府は、11日にウクライナ全土の危険情報を4段階のうち最も高いレベル4(退避勧告)に引き上げ、在留邦人に退避を呼びかけ続けている。 (2203-022103)
6・7・4 国連 PKO
・第1掃海隊のカンボジア寄港 海上自衛隊の掃海母艦うらがと掃海艦ひらどが3月15日朝、カンボジア南部のシアヌークビルに入港した。
シアヌークビルは近年、中国からの投資などを受け大きく発展している。
またシアヌークビルにあるカンボジア海軍のリアム基地をめぐって、米政府は中国軍が建物の建設をしているとして深刻な懸念を示している。
寄港中の隊員の一部は、16日にこの基地にも立ち寄る予定で、カンボジア側が隊員を招き入れた背景にはこうした懸念を拭いたい思惑があると見られる。 (2204-031507)・いずも など護衛艦と潜水艦、P-1 がインド太平洋巡航
政府が護衛艦いずもなどを6月13日から10月28日までインド太平洋地域に派遣する。 派遣されるのはいずものほか、護衛艦たかなみときりさめ、潜水艦、P-1などで、ソロモン諸島など太平洋の島嶼国のほか、米国やインド、豪州など12ヵ国と地域に寄港する予定で、寄港地にはトンガやフィジーなども含まれ、バヌアツには海自艦艇として初寄港する。
(2207-060120)海上自衛隊のインド太平洋地域を巡るIPDと呼ぶ長期の部隊派遣が13日に開始された。 期間や訪問国、参加人数ともに過去最大規模になる。
中国と安全保障協定を結んだソロモン諸島も訪問する。 2017年から毎年実施しているIPD枠組みでの派遣は今回が6回目になる。
派遣は護衛艦、潜水艦、航空機の各部隊が6月13日~10月28日の138日間かけてインド太平洋地域をまわる。 98日間だった2021年と比べ、期間を1ヵ月以上延ばす。
今回の派遣の訪問先は同じ枠組みで最も多い12ヵ国と地域で、Quad構成国や、日本と安保協力を深める東南アジアのフィリピンとベトナムに行く。
派遣人数はあわせて1,000名ほどで、護衛艦はいずもに加え、たかなみ、きりさめ、潜水艦やP-1、US-2も参加する。 (2207-061401)・きりさめ がガダルカナル島での慰霊祭に参加
太平洋戦争中、ソロモン諸島で日米が激しい戦闘を繰り広げたガダルカナルの戦いから80年の式典に合わせ、海上自衛隊の護衛艦きりさめがガダルカナル島の港に入港した。
きりさめの艦長らは、8月7日に行われる「ガダルカナルの戦い80周年」の式典に参列し、日米両国の高官らとともに、戦没者を追悼する。
今回訪問したソロモン諸島は2019年に台湾との外交関係を断絶し、2022年4月に中国と安全保障協定を結んだことから、日本や米国などから懸念の声が上がっている。 (2209-080703)・はるさめ がカンボジア南部のシアヌークビル港に寄港
護衛艦はるさめが11月18日朝、カンボジア南部のシアヌークビル港に寄港した。 港ではカンボジア海軍による歓迎式典が開かれ、カンボジア政府の担当者から花束が贈呈された。
この地域で影響力を強める中国を牽制する狙いもあるものとみられる。
シアヌークビルは中国が海洋進出を強める南シナ海近くに位置していて、米政府は近郊にあるカンボジア海軍の基地を中国軍が利用を進めているとの疑いを強めている。 (2212-111816)
・国連南スーダン派遣団司令部への要員派遣を1年間延長 政府が5月20日の閣議で、5月末に期限を迎える国連南スーダン派遣団 (UNMISS) 司令部への要員派遣を2023年の5月31日まで1年間延長することを閣議決定した。
防衛省が2011年から国連南スーダン派遣団 (UNMISS) の司令部への要員を派遣しPKO活動を展開しており、現在も陸上自衛官4人が現地で活動している。
UNMISSは、現在日本が要員を派遣する唯一のPKOとなっている。 (2206-052006)
6・8・1 多国間防衛協力6・9 装備行政
6・8・1・1 東アジアでの多国間防衛協力6・8・2 大洋州諸国との防衛協力
6・8・1・1・1 Quad6・8・1・2 多国間演習
6・8・1・1・2 日米豪の防衛協力
「6・1・1・3・2 日米豪印 Quad」で記述
6・8・1・1・3 AUKUS との関係
・日米豪3ヵ国国防相会談 浜田防衛相、オースティン米国防長官、マールス豪副首相兼国防相が9月1日(日本時間2日)にハワイで防衛相会談を開き、相互運用性を高めるため共同訓練を拡充すると共に、防衛装備や技術面の協力を強化し、情報共有を充実させると申し合わせた。
オースティン長官は会談後、記者団に「台湾海峡やその他の地域の緊張を高め、不安定にする中国の攻撃的な軍事活動を深く懸念している」と表明した。
中国への懸念を共有する3ヵ国で実務的な連携を深め、台湾有事への備えを進める。
3ヵ国の防衛相会談は6月にシンガポールで開いたばかりで、4ヵ月という短い間隔での開催は軍事威圧を強める中国の行動への危機感の強さを映している。 (2211-100201)・海自艦が米豪艦を防護
防衛省が11月21日、自衛隊が安全保障関連法に基づき他国の艦艇などを守る武器等防護を米豪両軍に対して実施したと発表した。
共同訓練には、護衛艦せとぎり、米海軍からは空母Ronald Reaganなど3隻、豪海軍は補給艦Stalwartが参加し、関東南方から四国南方の沖合で対空戦闘や対水上戦闘のほか、洋上補給などの各種訓練を行った。
米豪2ヵ国の艦艇に対する実施は初めてで、19~20日に行われた日米豪3ヵ国共同訓練に合わせて実施され、3ヵ国の相互運用性向上を図った。 (2212-112116)
6・8・1・1・4 日米比の防衛協力
複数の政府関係者が4月12日、米英豪3ヵ国がそれぞれ非公式に日本のAUKUS参加を打診してきていることを明らかにした。
極超音速兵器や電子戦能力のほか、サイバ、AI、量子技術などの先端技術分野で、日本の技術力との相乗効果に期待がある。
日本政府内ではAUKUS入りに積極的な意見がある一方、米英豪3ヵ国とは2国間の協力枠組みがあるため、参加の効果を慎重に見極める考えもある。 (2205-041209)
6・8・1・1・5 日韓豪 NZ の協力
吉田陸上幕僚長が12月11日に朝霞駐屯地で、米太平洋陸軍司令官のフリン大将やフィリピン陸軍司令官のブラウナー中将と会談し、定期的な会合開催など防衛協力を進めることで一致した。
陸自と米比陸軍のトップ級会談は初めてで、会談には米太平洋海兵隊と比海兵隊の司令官も参加した。
会談では、こうした3ヵ国会談を毎年開くことや、日米、米比などの2国間訓練に、残る1国もオブザーバーを派遣することなどを決めたという。 (2301-121103)
6・8・1・1・6 日韓豪加の協力
・日韓豪 NZ 首脳会談 日本の首相として初のNATO首脳会議出席を表明している岸田首相が、6月末にスペインで開かれるNATO首脳会議への出席に合わせて、現地で日韓豪とニュージーランドによる4ヵ国首脳会談を開催する検討に入った。
いずれもNATOの「アジア太平洋パートナー」である4ヵ国の首脳が連携を確認し、対中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」を推進する狙いがある。
NATO首脳会議には韓国の尹大統領、豪州のアルバニージー首相、ニュージーランドのアーダーン首相も招待されている。 (2207-062003)
・Keen Sword 合同演習 米海軍が11月16日、日米豪加海軍が日本領海と公海で隔年演習Keen Swordを2週間の予定で実施していると発表した。
演習には米海軍第7艦隊と日本から護衛艦3隻、カナダからフリゲート艦2隻、オーストラリアから駆逐艦1隻が参加している。
13日には米海軍駆逐艦Benfoldが5吋砲の実射も行った。 (2212-111705)
6・8・1・2・1 米主導の多国間演習
6・8・1・2・2 海上自衛隊が加わった多国間訓練の倍増
・IME 2022 / CE 2022 演習 米海軍と60ヶ国海軍が、艦艇50隻、無人艦艇80隻、人員9,000名が参加したInternational Maritime Eercise 2022 (IME 2022) とCutlass Express 2022 (CE 2022) の合同演習を、1月31日に2月17日までの日程で中東で実施している。 (2203-020208)
【註】IME/CE 22には海上自衛隊も掃海母艦うらがと掃海艦ひらどが参加している。・Cobra Gold 演習
2月22日にタイでアジア最大規模の軍事演習Cobra Goldが米軍とタイ軍が中心となり始まった。
今年は東南アジア諸国など主に7ヵ国が参加し、日本からも自衛隊員35名が派遣されている。
タイ軍によると、今年の演習は、COVID-19感染拡大を防ぐため参加人員を3,500名と当初予定の4割ほどにとどめた。 (2203-022522)・RIMPAC 2022
米海軍と26の同盟国や友好国が行う世界最大の海事演習の最終計画が、RIMPACハワイ州Pearl Harbor-Hickam基地に27ヵ国から1,000名が参集して纏められた。
それによるとRIMPAC 2022は7月に、米第3艦隊を中心に27ヵ国から艦艇41隻、航空機170機以上、人員25,000名が参加して行われる。 (2204-032601)・Southern Jackaroo 22
200名の米海兵隊と豪陸軍400名、陸上自衛隊100名が参加したSouthern Jackaroo 22演習が5月27日までの日程で10日にクイーンズランド州Shoalwater湾演習場で開始された。
2015年から毎年行われているこの演習にはダーウィンに巡回駐留している米海兵隊と豪陸軍第7旅団が参加している。 (2206-051214)・Garuda Shield
米国とインドネシア陸軍が8月に計画する合同演習Garuda Shieldは、オブザーバーを含め14ヵ国が参加する見通しで、南シナ海の実効支配を進める中国を牽制する。
演習拠点の一つになる見通しであるインドネシア領ナトゥナ諸島は、南シナ海で中国が事実上の主権を主張する九段線に近い。
ほかの2ヵ所の演習拠点のうち少なくとも1つに陸上自衛隊が初めて参加する。
2007年に始まったGaruda Shieldは、2022年は8月1日から2週間の予定で英国、オーストラリア、カナダのほか、シンガポール、マレーシアなども参加する。
参加人数は3,000名と見込まれ、2021年の同時期に実施した前回の同演習より5割多く、過去最大の規模になる。 (2206-052410)インドネシア軍と米軍が7月25日までに、Garuda Shield合同演習を8月1日から14日までの予定で行うと発表した。
米側は中国けん制の意図を明確にしている。 この演習にはオブザーバー参加を含め14ヵ国が参加し過去最大規模になる見通しで陸上自衛隊も初参加する。
インドネシア軍などによると、2007年から米国と合同演習を実施しているが、これまでは陸軍による演習だった。
2022年は空軍や海軍も加わり、参加規模は3,700名だった2021年を上回り4,000名超が参加して、シンガポールに近いシンケプ島のほか、スマトラ島、カリマンタン島で行う。 (2208-072508)
インド太平洋地域を舞台に、米欧と日本を含めたアジア各国による共同訓練が広がっており、中国の動きを念頭に有事に備えるための結びつきが強まっている。
海上自衛隊が加わった多国間訓練の回数は令和3年度には平成29年度の2倍以上に増加している。 (2207-062404)
6・8・2・1 オーストラリア6・8・3 インド、インド洋諸国との防衛協力
6・8・2・1・1 防衛協力協定等6・8・2・2 ニュージーランド
6・8・2・1・2 共同行動等
・円滑化協定に署名 岸田首相とモリソン豪首相が1月6日午後にTV電話形式の会談に先立ち、自衛隊と豪軍の相手国訪問時の法的地位を定めた円滑化協定に署名した。
円滑化協定は、日米安全保障条約に基づく在日米軍の地位協定に相当するもので、準同盟国と位置付ける豪州との締結が初のケースとなる。
インド太平洋地域での中国の覇権主義的な動向を念頭に、防衛協力を強化する狙いがあり、日本はこれを先例とし、同志国との協力を加速させたい考えである。 (2202-010608)1月6日には日豪首脳が防衛協力を拡大することで合意し、2020年10月に原則合意していた自衛隊と豪軍の相手国訪問時の法的地位を定めた円滑化協定 (RAA) に署名した。 (2204-011911)
・日豪外相会談
林外相が訪問先のオーストラリアで2月12日にペイン外相と会談し、インド太平洋地域で覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、安全保障協力を深化させることで一致した。
2007年に策定した安保共同宣言の更新に向けた作業を加速させることを確認すると共に、先に両国が署名した自衛隊と豪軍の相互訪問を容易にする円滑化協定 (RAA) についても、それぞれ国内手続きを進めることも申し合わせた。 (2203-021205)・フリゲート艦 Parramatta の寄港
オーストラリア海軍のフリゲート艦Parramatta 3,300tが29日08:00頃、佐世保湾入口の高後崎を通過し佐世保に入港した。
Parramattaが佐世保に寄港するのは昨年5月以来である。
日本の近海では前の週に、日米豪海軍による共同訓練が行われるなど、海洋進出を続ける中国に対抗する動きが強まっており、29日からは26ヵ国が参加する合同演習Rim Pacもハワイ沖で始まった。 (2207-062917)・首脳会談、新たな「安保共同宣言」に署名
岸田首相が10月22日、豪州西部パースでアルバニージー豪首相と2時間にわたり会談した。
会談の冒頭にアルバニージー首相は日本について、「安全保障のパートナーであり、重要なエネルギーパートナーでもある」と強調し、岸田首相は「日豪の特別な戦略的パートナーシップを新たな次元に引き上げたい」と意欲を示した。
両首相は会談後、新たな「安全保障協力に関する日豪共同宣言」に署名した。
共同宣言では、両政府で毎年の首脳会談や閣僚の協議を含め、あらゆるレベルでの意思疎通を強化し、法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて連携を深めることを打ち出した。
特に、台湾有事などを想定し、両国の安全保障に影響する緊急事態では、「相互に協議し、対応措置を検討する」と明記し、自衛隊と豪国防軍による協力の拡大や、経済安保、宇宙、サイバー分野での関係促進も盛り込まれた。
共同宣言は、今後10年間の日豪安保協力の指針となるもので、日本としては、東・南シナ海や太平洋などで覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、「準同盟国」と位置づける豪州との関係を深化させる狙いがある。 (2211-102207)・日豪 2-plus-2
日本とオーストラリアが12月9日、外務防衛閣僚会合 (2-plus-2) を東京都内で開いた。
10月に日豪首脳間で署名した新たな安全保障協力に関する共同宣言を踏まえ、海洋進出を強める中国を念頭に、自衛隊と豪州軍の共同訓練の拡大を含めた安全保障防衛協力を一層強化していくことを確認した。
また、日豪両政府は会合後、米国を含む3ヵ国間の軍事訓練の機会拡大など、防衛協力強化を盛り込んだ共同声明を発表した。 (2301-120917)
6・8・2・1・3 共同訓練
・3ヵ国合同演習での武器等防護 岸防衛相とオースティン米国防長官、マールス豪国防相が6月11日に訪問先のシンガポールで日米豪防衛相会談を開催し、インド太平洋地域の安定に向け防衛分野での3ヵ国協力を強化する方針で一致した。
会談後、3ヵ国合同演習などの際に自衛隊が武器等防護の任務を実施する方針を盛り込んだ共同声明を発表した。 (2207-061109)
6・8・2・1・4 オーストラリアへの部隊配置
・豪空軍の KC-30A が空自の F-2 に空中給油
オーストラリア空軍のKC-30A空中給油機が初めて航空自衛隊のF-2に空中給油を行った。
これはKC-50Aの試験の一環でKC-50Aは4月4日~27日に航空自衛隊のKC-767の基地である小牧基地に飛来していた。 (2206-050302)オーストラリア空軍のKC-30A MRTTによる航空自衛隊のF-2への初の空中給油試験が4月4~27日に、飛行開発実験団が所在する小松基地を拠点にして行われた。
KC-30 MRTTは19mまで伸張可能なARBSを装備している。
今回の試験は、豪空軍が8月に北部州で行うPitch Black 2022への航空自衛隊参加に向けた準備である。 (2208-051808)・Pitch Black 空軍合同演習に初参加
オーストラリア軍が主催し17ヵ国が参加するPitch Black空軍合同演習が豪北部のダーウィン空軍基地などで8月19日に始まった。
演習は9月8日までで、米国や英国、フランス、インド、インドネシアなどから100機以上の航空機と2,500名が参加し、日本からは隊員ら150名とF-2 6機が参加して、防空戦闘訓練や空中での給油訓練などを行う。
豪公共放送ABCによると、日本とドイツ、韓国は初参加となる。
インド太平洋地域で強権的な支配を強める中国を牽制する狙いがあるとみられる。
ピッチブラックは1981年に豪軍のみで始まり、原則として隔年で行われてきたが、2020年はコロナ禍で中止となったため、実施は4年ぶりとなる。
ドイツ軍はEurofighterなどを初めてインド太平洋地域に派遣し、Pitch Black参加後には9月末に日本で航空自衛隊と共同訓練を行う。 (2209-082010)
・オーストラリアにおける部隊配置の取り組みへの合流 オースティン米国防長官が米豪外務国防担当閣僚協議 (AUSMIN) 後の共同記者会見で12月6日、オーストラリアに巡回駐留する陸海空軍の部隊を増強する方針を示すと共に、日本に対し、「オーストラリアにおける部隊配置の取り組みへの合流」を要請することでも合意したと明らかにした。
マールズ豪国防相は日本との外務防衛担当閣僚協議を12月上旬に東京で開く際に、米豪の軍事演習への日本の参加を増やすよう要請する考えを示した。 (2301-120708)
6・8・2・3 太平洋島嶼国
・情報保護協定の締結交渉を開始 岸田首相が4月21日、ニュージーランドのアーダン首相と官邸で会談し、両国の安全保障・防衛分野での協力強化に向け、機密情報の交換を可能にする「情報保護協定」の締結交渉を開始することを確認した。
両首相はロシアのウクライナ侵攻を強く非難したうえで、経済制裁を含め毅然とした対応を続ける方針で一致した。
また海洋進出を強める中国の動向を念頭に、東/南シナ海を含むいかなる地域でも力による一方的な現状変更の試みに強く反対するとの認識を共有し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力も申し合わせた。 (2205-042114)
・キリバスに大使館を新設 政府は南太平洋のキリバスに大使館を新設するため、令和4年度予算案に関連経費を計上した。
日本の大使館は現時点で世界153ヵ国にあり、キリバスが154番目になる。
太平洋の島嶼国を巡っては米国も大使館の設置方針を決め、1993年に閉鎖したソロモン諸島で復活させる。
ソロモン諸島とキリバスには共通点があり、もともと台湾と外交関係を持ってきたが、2019年に断交して中国と国交を結び、2021年にキリバスの滑走路改修で中国側が調査費用を負担することが明らかになるなど中国の影が濃くなっている。 (2203-021603)外務省が12月28日、2023年1月1日付でキリバスに大使館、フランス特別自治体ニューカレドニアのヌメアに領事事務所をそれぞれ開設すると発表した。
中国が影響力を強める太平洋島嶼国・地域との関係強化を図る。 (2301-122810)・パラオに林外相、ソロモン諸島に三宅外務政務官を派遣
複数の日本政府筋が、中国がソロモン諸島と安全保障協定に署名したことから、政府が4月21日に中国の軍事拠点化が懸念されるソロモン諸島に、4月下旬に三宅外務政務官を派遣する方針を固めた。
また林外相は、台湾と外交関係を結ぶパラオを5月上旬に訪問する方向で調整に着手したことを明らかにした。 (2205-042112)・林外相がフィジーとパラオを訪問
フィジーとパラオを訪問している林外相が、南太平洋地域で影響力を強める中国について意見を交わし、地域の平和と安定のために緊密に連携していくことを確認した。
南太平洋地域をめぐっては、4月に中国がソロモン諸島と安全保障協定を締結したことが明らかになり、中国軍の常駐化が懸念されている。 (2206-050803)・自民党外交部会に太平洋島嶼国に関するプロジェクトチーム
自民党外交部会が6月1日に太平洋島嶼国に関するプロジェクトチームの初会合を開いた。
島嶼国との安保面での協力拡大を政府に求める提言を今秋にもまとめる。 (2207-060120)・岸防衛相がフィジーやオーストラリア、ニュージーランドの国防相と相次いで会談
岸防衛相が6月12日に訪問先のシンガポールで、フィジーやオーストラリア、ニュージーランドの国防相と相次いで会談し、中国が南太平洋のソロモン諸島と安全保障協力に関する協定を結ぶなど軍事的影響力を拡大していることを念頭に、防衛協力をさらに推進していくことをそれぞれ確認した。
岸防衛相はフィジーのセルイラトゥ国防相との会談で、防衛協力を一層推進し、法に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の維持強化のために、緊密に連携していくことで一致した。
マールズ豪国防相との会談では、太平洋島嶼国を含む地域のパートナーとの協力を一層強化していくことで一致した。
ニュージーランドのヘナレ国防相とは、東/南シナ海をめぐる情勢について意見交換し、共同訓練の実施を含め、防衛交流を活発に進めていくことを確認した。 (2207-061204)
6・8・3・1 インド6・8・4 欧州諸国との防衛協力
6・8・3・1・1 首脳会談6・8・3・2 その他諸国
6・8・3・1・2 防衛協力協定等
岸田首相が3月19日にニューデリーでモディ首相と会談し、ロシア軍の侵攻を受けているウクライナ情勢について意見交換した。
首脳共同声明では、ウクライナの紛争と人道危機に深刻な懸念を示し、戦闘の即時停止を求めたが、モディ首相は共同記者発表でウクライナ侵攻に関する言及はせず、共同声明でもロシアを名指しした表現はなかった。
岸田首相は、日本が今後5年間で官民合わせて5兆円をインドに投資する目標を掲げると表明した。 (2204-031908)
6・8・3・1・3 日印 2-plus-2
2023年に特筆すべき記事なし
6・8・3・1・4 日印共同演習
日印両政府が9月8日に東京都内で外務防衛担当閣僚協議 (2-plus-2) を開催し、東・南シナ海で力を背景とした一方的な現状変更に反対し、「自由で開かれたインド太平洋」実現へ海洋安全保障分野で協力を推進することで一致した。
地域で軍事的、経済的圧力を強める中国が念頭にある。
会合後に発表した共同声明は、初めての戦闘機による共同訓練や、より高度な訓練の実施に向け両国が調整する方針を明記した。 (2210-090816)
・Dharma Guardian 対テロ共同訓練 陸上自衛隊とインド陸軍の対テロ共同訓練Dharma Guardianが3月10日までの日程で、2月27日にインド西部ベラガビのインド軍訓練施設で始まった。
今回は初の市街地戦闘訓練などを実施する。
2018年に始まったDharma Guardianは、今回が3度目で、これまでジャングルでの合同訓練などを重ねてきたが、今回は日本にはない市街戦や室内での戦闘を想定した訓練施設を使用してヘリから降下した部隊の突入訓練を行う。 (2203-022709)・初の戦闘機共同訓練
航空自衛隊が12月22日、2023年1月にインド空軍と日本周辺空域で初めて戦闘機の共同訓練を開くと発表した。
今回は百里基地を拠点にして、戦闘機同士の戦闘訓練などで互いの戦術技量を高める。
日本に外国軍の戦闘機が来るのは米国や英国、オーストラリア、ドイツに次いで5ヵ国目になる。
戦闘機による共同訓練は2019年の日印の外務防衛担当閣僚協議で開催を申し合わせていた。
戦闘機の派遣には空中給油や長距離飛行などの高い運用能力が必要で、国内外に日印両国の連携を示す象徴的な事例になる。
インド空軍はSu-30MKI 4機などで150人ほどが参加する。 空自はF-2とF-15 の計8機や入間基地の中部航空警戒管制団が加わる。 (2301-122211)
2023年に特筆すべき記事なし
6・8・4・1 E U / NATO6・8・5 東南アジア諸国との防衛協力
6・8・4・2 英 国
・NATO 首脳会議に参加 ブリンケン米国務長官が4月26日に上院外交委員会の公聴会に出席し、6月下旬にスペインのマドリードで開催予定のNATO首脳会議に日本が参加すると明らかにした。
会議にはバイデン大統領も出席する。
ブリンケン長官は、日本はNATO加盟国ではないものの、協力を深めている友好国だと強調した。 (2205-042712)・ 5月12日: EU 首脳との定期首脳協議
岸田首相が5月12日にEUとの定期首脳協議を官邸で開催した。 EU側はミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長が出席した。
首脳協議ではウクライナ侵攻を続けるロシアへの経済制裁などで連携するとともに、アジア、アフリカ各国にもロシア対応での連携を働き掛ける方針で一致した。
また、中国の脅威増大を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」実現に向け、インド太平洋地域での協力を推進することも改めて確認した。
更に経済安全保障やエネルギー確保に向けた協力も確認した。 (2206-051204)岸田首相が5月12日のEUとの定期首脳協議で、中国に対する異例の強硬発言を引き出し、毅然と対処していく方針で一致した。
ミシェルEU大統領とフォンデアライエン欧州委員長は首相との会談や共同記者発表で、「攻撃的な姿勢を強める中国に注意が必要で、われわれの連携が必要だ。 プーチン大統領が習近平国家主席と交わした『限りない友情』を考えれば、世界秩序への挑戦を非常に深刻に受け止めるべきだ」と、中露への警戒感を口々に訴えた。
ウクライナ危機を受け、中国がロシアを制裁回避や軍事的な形で支援しかねないとのEUの懸念が背景にあるようで、首相は今回の協議で、欧州との連携強化へ手応えをつかんだ。 (2206-051303)・ 5月19日: NATO 参謀長会議に山崎統合幕僚長が出席
山崎統合幕僚長が5月16日に日本を出発し、ブリュッセルでNATO参謀長会議に出席する。
防衛省統合幕僚監部によると統幕長が同会議に出席するのは初めてで、アジア太平洋地域の安全保障環境に関する認識を共有する。
NATO軍事委員会によるとNATO加盟30ヵ国と日本とオーストラリア、ニュージーランド、韓国の4ヵ国が参加する会議を19日に複数の議題で開く。 (2206-051701)・ 6月 6日: NATOのバウアー軍事委員長が来日
統幕長の山崎陸将が2日の記者会見で、NATOのバウアー軍事委員長が6月6日から来日すると発表した。
ロシアによるウクライナ侵攻を踏まえ、安全保障環境の変化に関して認識を共有する。
山崎陸将は5月に統幕長として初めてNATO参謀長会議に出席して「力による一方的な現状変更はいかなる地域においても断じて許してはならない」と訴えた。
米欧30ヵ国からなるNATOは日本をパートナー国と位置づけており、東/南シナ海への海洋進出の動きを強める中国などへの対処を念頭に日本と協力する。 (2207-060208)山崎統合幕僚長が6月7日に日本を訪問しているNATOのバウアー軍事委員長と会談し、日本とNATOのさらなる連携強化などを確認した。
会談では、ロシアのウクライナ侵攻のほか、インド太平洋地域の重要性などについて意見を交わし、日本とNATOが連携を強化していくことで一致したという。
山崎統幕長は会談後の会見で、「今や欧州とインド太平洋地域の安全保障は不可分だ」と述べ、「日本とNATOの連携のさらなる強化が世界の平和と安定に必要不可欠だ」と強調した。 (2207-060709)・ 6月 6日: 海上自衛隊がNATOの常設海上部隊と地中海で共同訓練
海上自衛隊がNATOの常設海上部隊と地中海で6月6日に共同訓練を実施したと発表した。
海上自衛隊からは練習艦かしまと護衛艦しまかぜが、NATOからはイタリア海軍フリゲート艦Carlo Margottiniとトルコ海軍フリゲート艦Salihreisが参加したという。
また、NATOのバウアー軍事委員長が7日に来日し、岸防衛相や山崎統合幕僚長と会談を行った。 会談では、ロシアによるウクライナ侵攻を受け、「ヨーロッパとインド太平洋地域の安全保障は不可分である」と確認したという。
6月末には、岸田首相が日本の首相として初めてNATOの首脳会談に出席する方向で調整していて、外交と防衛の両方の分野で、日本とNATOの連携の強化を内外に示す狙いがあるとみられる。 (2207-060705)
【註】練習艦かしまとしまかぜは、今年幹部候補生学校を卒業した練習生を載せて遠洋航海中で、寄港する各国海軍と行う「共同訓練」は半ば儀礼的なもので、戦闘部隊の行う共同訓練とは全く別物である。
因みに練習艦かしまは実習に必要な装備は搭載してはいるが戦闘艦ではない。・ 5月18日: NATO首脳会議に日本の首相として初めて出席する調整
岸田首相がNATOとの連携強化に向けて、6月下旬にドイツで行われる主要7ヵ国 (G7) 首脳会議に続く日程でスペインのマドリードで行われるNATO首脳会議に、日本の首相として初めて出席する方向で調整に入った。
ロシアによるウクライナ侵攻への対応が議論される見通しである。 (2206-051806)・ 6月29日: 岸田首相がNATO首脳会議に出席
スペインを訪問中の岸田首相が6月29日にマドリードでストルテンベルグNATO事務総長と会談した。
具体的な連携内容を盛り込んだ日本NATO国別パートナーシップ協力計画 (IPCP) の改定が必要だとの考えで一致し、新計画の策定に向けて作業を急ぐことを確認した。 (2207-063001)・NATO 代表部と選任大使設置を概算要求
外務省が8月23日に自民党外交部会などの合同会議に、令和4年度当初比15.3%増の7,961億円5年度予算の概算要求を提示し了承された。
岸田首相が6月のNATO首脳会議に日本の首相として初出席し、連携強化の方針を打ち出しているのを受け、在ベルギー大使館が兼ねているNATO政府代表部を独立させ、専任の大使を置く。 (2209-082309)
6・8・4・3 フランス
・ 5月 5日: 日英首脳会談 岸田首相が5月5日午前にロンドンでジョンソン英首相と会談し、両首脳は自衛隊と英軍の相互訪問時の法的基盤となる円滑化協定 (RAA) 締結に向けた大枠合意を確認した。
RAAは、相手国に一時的に滞在する際の刑事手続きなどを定めて共同演習や災害救助活動の円滑な実施につながるので、両首脳は両国間の防衛協力を深化させるとともに、早期署名に向け作業を加速することで一致した。
また次期戦闘機開発をめぐり、2022年末までに協力の全体像で合意することも申し合わせた。 (2206-050514)・10月11日: 日英国防相電話会談
浜田防衛相が10月11日に英国のウォレス英国防相とTV会議方式で40分間会談した。
両国防相は日英両政府が共同開発する次期戦闘機について、年内の全体像合意に向け協議を加速させることで一致した。
日英両政府は共通機体を開発する方向で最終調整している。 (2211-101121)・11月 3日: 日英外相会談
林外相が11月3日、主要7ヵ国 (G7) 外相会合を開催するドイツでクレバリー英外相と会談し、両外相は自衛隊と英軍の往来をし易くする円滑化協定 (RAA) を早期に署名することで一致した。
日英は機密情報をやりとりする情報保護協定や軍事演習時に燃料や弾薬を融通しあう物品役務相互提供協定 (ACSA) をすでに結んでおり、5月にRAAの締結を大筋で合意している。 (2212-110407)・11月19日: 哨戒艦 Spey の寄港
海上自衛隊呉基地に11月19日、英海軍哨戒艦Spey (2,000t) が補給や休養のため寄港した。 23日ごろまで呉に滞在する。
英海軍艦の呉寄港は30年ぶりという。
Speyは、インド太平洋地域での英海軍のプレゼンス向上などを目的に昨年9月に僚艦とポーツマスを出港した。
任務は5年に及ぶ見込むという。 (2212-112003)・11月26日: 離島防衛を想定した共同演習を公開
陸上自衛隊が11月26日、相馬原演習場で英陸軍との離島防衛を想定し実施した共同演習を報道関係者に公開した。
演習場を敵に上陸された離島に見立て、日英の部隊が陸自のCH-47で降り立ち、作戦を展開していく手順を確認した。
自衛隊は中国を念頭に英国など欧州各国との安全保障協力の強化を進めており、2018年に始まった陸自と英陸軍の共同訓練は3回目で、陸自からは第1空挺団が参加した。 (2212-112612)
6・8・4・4 ドイツ
・外務防衛閣僚協議 (2-plus-2) 複数の政府関係者が1月14日、日仏政府が1月中旬にも外務防衛閣僚協議 (2-plus-2) をTV会議形式で開く方向で最終調整に入ったことを明らかにした。
日仏2-plus-2は2019年1月にフランスで開いて以来で、日本での開催に向けて調整していたがCOVID-19オミクロン株感染急拡大を受け、対面での実施は見送った。 (2202-011502)日仏政府が1月20日に外務防衛閣僚会議 (2-plus-2) をオンラインで開催し、共同声明を発表した。
覇権主義的な動きを強める中国を念頭に、防衛協力を強化することで一致し、自衛隊と仏軍の相互訪問の法的基盤となる円滑化協定 (RAA) の締結も視野に、事務レベルで議論を開始することを確認した。 (2202-012105)・日本をパートナー国
フランス外務省は2月22日に改定したインド太平洋戦略で、米英豪の安全保障枠組みAUKUS創設に伴う潜水艦開発計画の破棄を巡る問題で、オーストラリアをインド太平洋戦略上のパートナー国から、その他の2国間パートナー国に格下げした。
オーストラリアに代わり、日本をインドに次ぐ戦略上のパートナー国として明記した。 (2203-022320)
6・8・4・5 その他諸国
・独首相の来日 岸田首相が4月28日、ショルツ独首相と官邸で会談し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた安全保障協力の強化策として、両首脳が参加する政府間協議を新設し、2023年の開催を目指す方針で合意した。
また外務防衛閣僚会合 (2-plus-2) の次回会合を早期に開くと申し合わせた。
ショルツ氏は岸田首相との共同記者会見で、ウクライナに侵攻したロシアへの対抗措置を協議したとした上で、新たな制裁についても調整していくと述べた。 (2205-042816)・ドイツ空軍が日本に初めて戦闘機を派遣
ドイツ空軍総監のゲアハルツ中将が、読売新聞の電話会見に応じ、空軍が28日に日本に初めて戦闘機を派遣すると語った。
航空自衛隊との共同飛行などを通じ、防衛協力の強化を図る狙いで、「民主主義などの価値観を共有するパートナーであることを示したい」と語った。
訪日は、インド太平洋地域の安定に向けた貢献を掲げるドイツ政府の外交戦略「インド太平洋指針」の一環として昨年の海軍に続き、2022年8月から空軍を初めて同地域に派遣し、豪州での多国間合同訓練に参加した。
日本と同時期に韓国にも輸送機を派遣し、30日に経由地のシンガポールに戻る。 ドイツには10月初旬に帰還する。 (2210-092703)航空自衛隊が9月28日、空幕長の井筒空将がドイツ空軍総監ゲルハルツ中将が搭乗するEurofighter 2000(Eurofighter Typhoonの独空軍名)をはじめとする独軍機を自ら空中で出迎え、百里基地で歓迎したと発表した。
ドイツ空軍の戦闘機が日本を訪れるのは初めてである。
3機のEurofighterやA330 MRTTなどが飛来し、ゲルハルツ中将が搭乗したEurofighterは、消防車による放水アーチの歓迎を受けて到着した。
ドイツ空軍によると、Eurofighterはシンガポールから8時間以上のフライトで日本に到着したという。 (2210-092818)・外務防衛担当閣僚協議 (2-plus-2)、物品役務相互提供協定の締結交渉開始
日独政府が11月3日、ドイツ西部のミュンスターで外務防衛担当閣僚協議 (2-plus-2) を開き、自衛隊とドイツ軍が燃料などを融通し合い共同訓練しやすくする「物品役務相互提供協定」の締結を念頭に交渉を開始すると一致した。
また2-plus-2を原則年に1度、定期開催する方針も申し合わせた。
日独の2-plus-2は2021年4月のオンライン形式での初開催に続き、今回で2度目となった。
林芳正外相とベーアボック独外相が対面、浜田靖一防衛相とランブレヒト独国防相がオンラインで出席した。 (2212-110321)
6・8・4・5・1 フィンランド
6・8・4・5・2 スウェーデン
・マリン首相の来日 岸田首相が5月11日午後に来日中のフィンランドのマリン首相と会談し、ロシアのウクライナ侵攻に毅然とした対応を続けていくことで一致した。
マリン首相「ロシアのウクライナに対する戦争は、ヨーロッパの安全保障だけでなく、グローバルな環境に大きな変化をもたらした。
そんな中、中国は力をどのように使うかと画策しているのではないかと思う」と述べ、「力による一方的な現状変更は、世界のどこであれ認められない」との認識を共有した。
会談後の会見でマリン首相は、「ロシアの侵攻に対する日本のリーダーシップを高く評価する」などと述べた。 (2206-051110)岸田首相とフィンランドのマリン首相が5月11日に官邸で会談し、ロシアによるウクライナ侵攻を強く非難して、普遍的価値を共有する国々で結束して毅然とした対応を継続する方針で一致した。
マリン首相はNATO加盟を申請する可能性があると岸田首相に伝えた。
また中国の台頭を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」実現への連携も申し合わせた。 (2206-051115)
6・8・4・5・3 モルドバ
・防衛装備品・技術移転協定の締結 外務省が12月20日、スウェーデンとの間で日本の防衛装備品輸出を可能にする防衛装備品・技術移転協定に署名したと発表した。
署名は能化駐瑞大使とヨンソン国防相がストックホルムで19日に行った。 (2301-122014)
岸田首相が12月3日、「国際女性会議WAW!」に出席するため来日したモルドバのサンドゥ大統領と東京都内で会談した。
首相は同国がロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けていることを踏まえ、食料やエネルギーの分野などで$27Mの追加支援を実施すると伝えた。
首相はこの後、アイスランドのヨハネソン大統領とも会談し、ウクライナや東アジアの情勢について意見交換して、法の支配に基づく国際秩序の維持に向けて連携することを確認した。 (2301-120310)
6・8・5・1 東南アジア全体6・8・6 中東諸国との防衛協力
6・8・5・1・1 ASEAN6・8・5・2 東南アジア各国
6・8・5・1・2 アジア安全保障会議
2023年に特筆すべき記事なし
英国際戦略研究所 (IISS) が主催するアジアや米欧の国防関係者が地域の課題を議論するアジア安全保障会議が6月10日夜にシンガポールで開幕した。
岸田首相は基調講演で法に基づく国際秩序強化の重要性を訴え、日本が主導する「自由で開かれたインド太平洋」推進に向けた行動計画を来春までに策定すると表明した。
また、ASEANを含むインド太平洋諸国に対し、巡視船の供与など今後3年間で少なくとも$2Bの支援も打ち出した。
さらに台湾海峡の平和と安定の重要性を指摘したほか、日本の防衛力を5年以内に抜本的に強化し、防衛費の相当な増額を確保すると表明した。 (2207-061011)
6・8・5・2・1 フィリピン
6・8・5・2・2 ベトナム
・日比 2-plus-2 複数の政府関係者によると、日本とフィリピンで初めてとなる外務防衛閣僚会合 (2-plus-2) が4月に対面形式で東京で開かれる方向で最終調整されている。
日比2-plus-2は昨年11月に岸田首相とドゥテルテ大統領が電話会談した際に立ち上げに向け検討を進めることで一致していた。 (2204-033020)岸防衛相が4月7日に防衛省でロレンザーナ比国防相と会見し、中国の海洋進出を念頭にインド太平洋や東アジア、東南アジアで力による一方的な現状変更を許さないと確認した。 また両国が共同訓練などで協力すると一致した。
2020年と2021年にはTV会議形式で協議したが、両者が対面で会談するのは初めてである。
9日には初めての日本とフィリピンの外務防衛担当閣僚協議 (2-plus-2) を開く。 (2205-040709)日比政府が4月9日に都内で外務防衛担当閣僚協議 (2-plus-2) を初開催した。
ASEAN加盟国との2-plus-2はインドネシアに次いで2ヵ国目となる。
自衛隊とフィリピン軍の共同訓練の拡大に向けた協定を検討する。
フィリピンは共同訓練や防衛装備品の提供などで自衛隊との連携を深めており、協力を次の段階に上げる。 (2205-041003)・Kamandag 演習参加
南シナ海で海洋進出を強める中国を念頭に、米軍とフィリピン軍に陸上自衛隊と韓国軍が参加した初めての4ヵ国合同演習が行われた。 合同演習は、米比軍海兵隊が2016年から行っていて、2022年は初めて陸上自衛隊と韓国軍が参加した。
このうち、南シナ海に面しているルソン島西部のサンバレス州にある海軍基地内では、10月7日に米比軍海兵隊の合同部隊が水陸両用車で浜辺に上陸する手順などを確認した。
また、化学兵器が使用された場合を想定した訓練も行われ、陸上自衛隊が米軍海兵隊とともに、対処方法などをフィリピン軍の海兵隊に教え連携を深めた。 (2211-100710)・訪問軍地位協定締結に意欲
ファウスティーノ比国防相代行が11月14日、同国での自衛隊の活動を可能にする訪問軍地位協定 (VFA) の締結に意欲を示した。
自衛隊との協力を強め、南シナ海に進出する中国を牽制する狙いがありそうである。 ファウスティーノ国防相代行は、目標は日本との防衛協力を強化することだ語った。
地元紙によるとフィリピンの上院議長も日本との地位協定に意欲を示している。
ただ比国防省は、実際に日本側と協定を結ぶにはフィリピンの憲法上の手続きも必要だと指摘している。
フィリピンは米軍と同様の協定を結んでおり、日本と協定を結べば合同演習が実施しやすくなる。 (2212-111410)・F-15 2機がクラーク空軍基地訪問
フィリピン北部ルソン島のクラーク空軍基地に12月6日、日本の航空自衛隊のF-15 2機が着陸した。
フィリピン空軍と航空自衛隊が行っている部隊間交流の一環で、フィリピンに戦闘機が派遣されたのは初めてである。
今回の部隊間交流は11月27日~12月11日の日程で、航空自衛隊員約60名が参加している。 (2301-120615)
6・8・5・2・3 インドネシア
・岸田首相が訪問 東南アジアなどを歴訪中の岸田首相がベトナムとの首脳会談を行い、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの対応をめぐって国際法を順守する必要性などを確認した。
ベトナムはロシアと関係が深いが、岸田首相は、ファム・ミン・チン首相に対し「歴史の岐路に立っている状況だからこそ連携を強化してきたい」と訴え、双方は独立主権や領土の一体性を尊重する原則が守られなければならないことを確認した。
また、大量破壊兵器による威嚇や民間人への攻撃への反対、即時停戦の重要性などでも一致したが、ベトナムがロシアを名指しして非難することはなかった。 (2206-050103)
6・8・5・2・4 シンガポール
・岸田首相が訪問 岸田首相が4月29日にインドネシアのジョコ大統領との会談で、海上保安能力の向上を支援すると伝えた。
会談後の共同記者発表で「巡視船供与に向けた調査を開始する予定だ」と語った。
西ジャワ州のパティンバン港開発のため700億円の円借款を供与し、すでに実施している1,200億円程度に追加するとも表明した。 (2205-042911)岸田首相が4月29日、インドネシアの大統領宮殿でジョコ大統領と90分間会談し、ロシアによるウクライナへの軍事攻撃は容認できないと一致した。
会談後の共同記者発表で、首相は「力による一方的な現状変更は認められず、国際法に基づき紛争の平和的解決を求めることを確認した」と強調し、ジョコ大統領はロシアを名指しする批判は避けた一方で「戦争はすぐにやめなければならない」と言及した。 (2205-043012)・ジョコ大統領が訪日
岸田首相とインドネシアのジョコ大統領との会談が7月27日午前に官邸で始まった。
両首脳は中国の海洋進出を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」実現に向けた協力を確認すると共に、日本からの巡視船供与など海上保安能力の向上支援、インドネシアで8月に実施する多国間共同訓練への陸上自衛隊の参加といった安全保障協力の推進を図る。 (2208-072706)・Garuda Shield 演習に初参加
インドネシア軍と米軍の合同演習Garuda Shieldが8月3日にスマトラ島南部のバトゥラジャ演習場で本格化した。
演習は14日までの予定で、最終的にオブザーバーを含め計14ヵ国が参加し過去最大規模となる。
特定の国を想定した演習ではないとしているが、中国を念頭に連携を図る狙いとみられる。
この演習には自衛隊が初参加し、グアムで別の演習を行っていた第1空挺団の100名が米空軍機で移動した。 (2209-080315)陸上自衛隊も参加して8月1日から14日まで行われた米国とインドネシアの年次演習Super Garuda Shieldで、3日に3ヵ国陸軍の空挺隊員200名が米空軍のC-130J 5機とMC-130J 1機に搭乗してグアムからボルネオまで飛行し降下した。
16回目になるSuper Garuda Shieldは今年が最大規模で、米陸軍とインドネシア陸軍からそれぞれ2,000名が参加した。 (2209-081607)
6・8・5・2・5 タ イ
・シンガポールと協定締結交渉の促進 複数の政府関係者が6月9日、岸田首相が11日に訪問先のシンガポールで会談するリー首相と、防衛装備品の技術移転協定締結に向けた交渉入りで合意することを明らかにした。
政府は「防衛装備移転三原則」に基づき、米豪など12ヵ国と同様の協定を締結しており、対象国の拡大を通じ、安保協力の裾野を広げたい考えである。 (2207-060911)シンガポールを訪問中の岸田首相が6月11日にリー・シェンロン首相と会談して防衛装備品技術移転協定の締結に向けた交渉入りで合意し、安全保障協力を具体化させることで一致した。
日本は同様の協定をASEANの5ヵ国と締結している。 (2207-061104)林外相が10月8日、訪問先のシンガポールでバラクリシュナン外相と会談し、両外相は安全保障協力の強化で一致し、防衛装備品技術移転協定の早期締結に向けて作業を加速させることを申し合わせた。
北朝鮮の核やミサイル開発に対する連携を確認し、ロシアによるウクライナ4州の一方的な併合を強く非難した。 (2211-100810)
6・8・5・2・6 カンボジア
・防衛装備品・技術移転協定の締結 複数の政府関係者が4月27日、政府がタイと防衛装備品・技術移転協定を締結する調整に入ったことを明らかにした。
岸田首相は29日から東南アジアと欧州の歴訪でタイ訪問を予定しており、両政府はこれに合わせた協定署名を目指す。
2019月には河野防衛相とプラユット首相兼国防相との会談で防衛協力・交流に関する覚書に署名している。
タイ政府は自衛隊の哨戒機や救難飛行艇などに関心を持っているとされるが、どのような装備協力が可能かは協定締結後に当局間で協議する。 (2205-042721)・岸田首相が訪問
岸田首相が5月2日夕にタイのチャンオーチャー首相とバンコクの首相府で会談し、日本からの防衛装備品の輸出を可能とする「防衛装備品・技術移転協定」の締結で合意して、両首相の立ち会いのもとで署名式が行われた。
両政府は今後、具体的な装備品の輸出に向けて協議を進める。
日本はこれまで米英豪など11ヵ国と同様の協定を結んでいる。 (2206-050214)
・岸田首相が訪問 岸田首相が3月20日夕にカンボジアのフン・セン首相とプノンペンで会談した。
ロシアによるウクライナ侵攻について、世界中のどの場所においても力による一方的な現状変更を認めないとの認識で一致し、今後も国際会議の場で緊密に連携することを確認した。
また、カンボジアは中国と親密な関係にあるが中国を念頭に「南シナ海で緊張を高め、一方的な行動を取らないように関係国に求める」と明記し、法の支配に基づく「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた協力も確認した。 (2204-032003)
6・8・6・16・8・7 その他諸国との防衛協力
2023年に特筆すべき記事なし
6・8・7・1 韓 国6・8・8 海上保安庁の協力事業
6・8・7・2 中央アジア諸国
・日米韓の局長級電話協議 防衛省が2月4日、米韓の防衛当局と局長級の電話協議を行ったと発表した。 日本からは増田和夫防衛政策局長が参加し、北朝鮮の非核化に向けた連携を提起した。
協議では北朝鮮のミサイル開発や東アジア地域の安全保障などについて協議したとみられ、日米韓防衛相会談の開催でも一致した。
日米韓3ヵ国の防衛当局実務者による協議は1月13日にも行われた。 (2203-020501)・日米韓外相が5年ぶりに共同声明
日米韓3ヵ国が2月12日にハワイで開いた外相会談で5年ぶりに共同声明を公表し、北朝鮮の新型ミサイルの探知や防御能力の向上を念頭に「日米韓の安全保障協力の推進」を盛った。
米国が対立する日韓両国に安保協力を促した。 (2203-021305)・日米韓制服組トップがハワイで会談
防衛省が3月31日、ハワイを訪れた山崎統合幕僚長が米韓の制服組トップと30日(日本時間31日)に会談したと発表した。
会談は2021年4月以来で、米軍のミリー統合参謀本部議長と韓国軍の元合同参謀本部議長が参加した。
BM発射を繰り返す北朝鮮への対処などを念頭に、日米韓の緊密な協力で地域の安全保障を強化すると確認した。 (2204-033116)・日米韓3ヵ国が北朝鮮ミサイルへの対処訓練実施で合意
岸防衛相が6月11日にオースティン米国防長官、李韓国国防相と訪問先のシンガポールで会談した。
北朝鮮のミサイル開発の進展を踏まえ、3ヵ国で警戒活動と探知追尾訓練を実施することについて合意した。
また冷え込んだ日韓防衛当局間の信頼関係再構築に努めることでも一致した。 (2207-061105)・4年9ヵ月ぶりの日米韓3ヵ国首脳会談
岸田首相が6月29日午後、スペインのマドリードでバイデン米大統領、尹韓国大統領と会談し、BM発射を繰り返し核開発を続ける北朝鮮に対処するため、3ヵ国の連携を強化する方針で一致した。
3ヵ国の首脳会談は2017年9月以来の4年9ヵ月ぶりで、首相は「北朝鮮によるさらなる挑発行為の可能性が深刻に懸念されており、日米韓の連携強化が不可欠だ」と強調し、核実験が行われた場合は「共同訓練も含め、日米韓で対応したい」とも言及した。
6月11日の日米韓防衛相会談では共同訓練の再開などで合意している。
ただ政府内からは、いわゆる徴用工訴訟などで解決策を示さないまま関係改善に前のめりになる韓国側に不快感を示す声も出ており、首相は尹大統領との首脳会談は見送る。 (2207-062920)・在韓米陸軍主催日米韓初級将校交流シンポジウムへの参加
在韓米軍の陸軍第8軍司令部が10日、同司令部主催で日米韓3ヵ国の初級将校の交流シンポジウムを4~8日に開催し、韓国軍と米軍、日本の自衛隊から23名が参加したと発表した。 米陸軍第8軍はシンポジウムについて、アジア太平洋地域における役割について理解を深めるのに役立ち、3ヵ国の初級将校の関係促進にも寄与したと評価した。 (2208-071005)
・国際観艦式への参加
韓国政府高官が10月27日、11月6日に海上自衛隊が開催する国際観艦式に海軍を参加させることを決めたことを聯合ニュースに明らかにした。 同高官によると、27日午前に開かれた国家安全保障会議常任委員会で観艦式への参加を決めたという。 (2211-102707)
6・8・7・2・1 カザフスタン6・8・7・3 モンゴル
6・8・7・2・1 ウズベキスタン
林外相がカザフスタンを訪問し、外相会談でロシアのウクライナ侵略を巡り、緊密に連携していくことで一致した。
林外相はロシアによるウクライナ侵略は深刻な事態で国際社会が足並みをそろえて対処する必要があると強調したのに対し、ロシアが強い影響力を持つカザフスタン側からは、29日午後にプーチン大統領と話す予定があり、仲介努力をしているとの説明があったという。
旧ソ連の構成国であるカザフスタンはロシアとのつながりが深く、国連総会でのロシアを非難する決議には棄権や欠席といった対応を取ったなか、日本としては今回の訪問を通して国際社会が協調して対応する必要性や問題意識を共有する狙いがある。 (2205-043001)
林外相がウズベキスタンを訪れ、ミルジヨーエフ大統領と会談し、ロシアによるウクライナ侵略について日本の考えを伝え、先方からは国際法の原則と国連憲章に基づき、平和的解決が実現することへの期待が示されたという。
旧ソ連の構成国であるウズベキスタンはロシアとのつながりが深く、国連総会でのロシアを非難する決議には棄権や欠席といった対応を取ったなか、日本としては今回の訪問を通して国際社会が協調して対応する必要性や問題意識を共有する狙いがある。
林大臣はこの後モンゴルを訪問する予定である。 (2205-043001)
6・8・7・4 アフリカ諸国
・日蒙外相会談 林外相が5月1日に訪問先のモンゴルのウランバートルでバトツェツェグ外相と会談した。
林外相はロシアのウクライナ侵攻に言及し、対露非難を強める日米欧など国際社会と連帯するようモンゴルに促したが、ロシアと友好関係にあるモンゴルは対露非難に慎重な考えを伝えたとみられる。
林外相は、日本とも良好な関係にあるモンゴルと対話を積み重ね、双方の隔たりを縮めたい意向である。 (2206-050104)・日蒙首脳会談
岸田首相がモンゴルのフレルスフ大統領と会談し、ロシアや中国、北朝鮮を念頭に安全保障分野での協力を強化し、両国の関係を平和と繁栄のための特別な戦略的パートナーシップに引き上げることで一致した。
今後は安全保障の協議を定期的に行い、防衛装備や技術に関する協力を進める。
また、BM発射を繰り返す北朝鮮に対し、国連安保理決議の履行や拉致問題の即時解決を求めることでも一致した。
モンゴルはロシアと中国に挟まれ、経済的に深く依存している一方、民主主義国家を堅持するために日本などとの関係をより重視している。 (2212-112916)
日本政府が8月27日、チュニジアで開催された第8回アフリカ開発会議 (TICAD) で$30Bの支援を約束するとともに、ルールに基づく国際秩序を共有する形でアフリカ諸国とより緊密な関係を築きたい考えを示した。
オンライン形式で参加した岸田首相は世界的な食料不足を念頭に、アフリカへの穀物輸出の確保に日本としても取り組む姿勢を表明し、$30B支援は向こう3年で実施し、アフリカ開発銀行との協調融資にも言及した。 (2209-082901)
6・8・8・1 海上保安技術協力6・8・9 経済協力、武器輸出
6・8・8・2 個別事業
・岸田首相がアジア安全保障会議で行う基調講演 複数の日本政府関係者が6月8日、岸田首相が10日からシンガポールで開かれるアジア安全保障会議で行う基調講演の概要を明らかにした。
インド太平洋地域の海洋秩序維持に向け、20ヵ国以上で海上保安能力向上のための技術協力を進める方針を表明し、2023年春までに「自由で開かれたインド太平洋」を推進する計画案を策定する考えも示す。
ウクライナ情勢や海洋進出を強める中国が念頭にある。 (2207-060813)
2023年に特筆すべき記事なし
6・8・9・1 技術協力
6・8・9・2 武器輸出
・米国と原子力の高速炉や小型モジュール炉の連携 萩生田経済産業相とグランホルム米エネルギー省長官が6日にオンライン形式で会談し、米企業などが開発する原子力の高速炉や小型モジュール炉 (SMR) の国際連携による実証に、日本政府として取り組む方針を伝えた。
原発の再稼働が滞る中、政府は今後も原発を一定程度活用する方針で、高速炉やSMRなど次世代技術の開発に取り組む姿勢を強めている。 (2202-010606)・イスラエルとの防衛技術協力の強化
浜田防衛相が8月30日、10年ぶりにイスラエルのガンツ副首相兼国防相と防衛省で会談し、防衛協力を進める覚書に署名した。 会談後両相は防衛装備や技術協力や軍種間交流を含む両国の防衛協力の強化で合意し、11年前の覚書を改定する形で署名した。 両国防衛相の会談は、高い軍事技術を持つイスラエルとの連携を加速し、防衛力強化につなげる狙いがある。 (2209-083017)
6・8・9・2・1 防衛装備輸出要件の緩和6・8・9・3 友好国軍支援枠組み
6・8・9・2・2 防衛装備品・技術移転協定の締結
政府は令和4年度中にも防衛装備品の輸出に関する規制を緩和する。
戦闘機やミサイルなど大型装備品でも、個別に協定を結んだ国なら提供できる案を検討しており、6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」に緩和の方針を盛り込み、今年末に予定する国家安全保障戦略の策定後に移転三原則を改定する見通しである。
現時点でオーストラリアとインド、欧州、東南アジアの12ヵ国が対象で、日本製の装備品が周辺国に広がれば、各国と日本との安保面の協力関係が一層深まる効果が期待でき、対中国を念頭に関係国と協力して抑止力を高める。
政府は2014年に「防衛装備移転三原則」を定め、原則禁止していた輸出を一部緩和したが、共同開発国以外への輸出は救難や輸送、警戒、監視、掃海向けに限られているため、この規定を変えて攻撃型の装備も輸出できるようにする。 (2206-052711)政府が、自衛隊が持つ中古の防衛装備品の輸出条件を、いまは海外への提供を禁じる戦車やミサイルを対象に加え緩和する検討に入った。
アジアの国への無償提供も視野に入れ、中国の軍事力の拡大を踏まえて防衛当局間の協力強化につなげる。
2022年末に改定する国家安全保障戦略で防衛装備品の海外移転の緩和方針を明記する。
現行の「防衛装備移転三原則」の指針や自衛隊法の改正が必要になるが、2023年中の実現をめざす。
自衛隊の中古装備を巡っては2017年の法改正で他国への供与が条件付きで可能になったが、災害対応や情報収集を目的と定め、品目は戦場で使わない船舶や航空機に限っている。
日本はアジアではインドやベトナム、フィリピンなど6ヵ国と防衛装備品技術移転協定を結んでいて、こうした国への輸出や無償供与を想定し、三原則の指針などで譲渡できる品目を変更し、中古について戦車やミサイルを追加する。 (2212-110601)政府が11月18日に「安保三文書」改定に向けた自公のワーキングチーム (WT) の同日の会合で、防衛装備品の海外輸出に関する条件を定めた「防衛装備移転三原則」の運用指針を見直し条件を緩和する案を自民、公明両党に示した。
同盟国や同志国への装備移転を円滑にすることで、日本の抑止力を強化する狙いがある。
現行の運用指針は、輸出できる装備品を救難、輸送、警戒、監視、掃海の5類型に限定しているが、これに地雷処理や教育訓練の追加が必要だとの考えを示した。
自公は運用指針を見直す必要があるとの認識で一致し、具体的な内容については引き続き協議する。 (2212-111815)
6・8・9・2・3 海外出展
・UAE と協定の締結に向けた実質合意 外務省が9月26日、日本からの防衛装備品輸出を可能にする防衛装備品・技術移転協定の締結に向け、UAEと実質合意したと発表した。
初めて中東の国との間で協定締結への道筋を付けた。
移転協定は、輸出先の国に日本の秘密情報の保護を求める内容で、事前同意なしの第三国移転も禁じている。
防衛装備品の輸出拡大を目指す日本は、これまでに米国やタイなど12ヵ国と同様の協定を締結している。 (2210-092701)
6・8・9・2・4 武器輸出の引き合い
・ベトナム国際装備品展示会 ベトナム国防省が12月8日、世界各国との防衛協力の強化を目的とした、初の大規模な国際装備品展示会を首都ハノイで開いた。
米国やロシア、日本など約30ヵ国の防衛関連企業が自社製品をアピールしている。
展示会には、フィリピン向けに防空レーダの実績がある三菱電機など約10社の日本企業が参加した。
日本とベトナムは昨年9月、防衛装備品技術移転協定に署名している。 (2301-120816)
6・8・9・2・5 武器輸出の実績
・艦載通信アンテナ:インド 複数の政府関係者が10月15日、政府が新型護衛艦が搭載しているステルス性があるユニコーンと呼ばれる通信アンテナを「防衛装備品・技術移転協定」に基づきインドに初輸出する方向で調整していることを明らかにした。
実現すれば、2015年にインドと署名した協定で初で、安全保障協力を強化することで中国を牽制する狙いがあるが、インドの武器調達でのロシア依存から脱却するように促す意図もある。 (2211-101515)
6・8・9・2・6 殺傷能力を持つ武器輸出の検討
浜田防衛相が10月3日の記者会見で、フィリピンへ輸出する防空レーダの1基目が完成し、同国空軍の要員に対する教育を開始すると発表した。
2014年に防衛装備品の海外輸出拡大を目指して「防衛装備移転三原則」を決定して以来初の完成品輸出として、令和2年に三菱電機とフィリピン政府との間で防空レーダ4基を約1億ドルで輸出する契約が成立している。 (2211-100305)
政府筋が11月17日、政府は防衛装備移転三原則を改定し、殺傷能力を持つ武器を輸出する検討に入ったことを明らかにした。
相手国の抑止力が強化され、日本の安全保障環境に貢献する場合を条件とする案が出ている。 (2212-111718)
6・8・9・4 経済協力
政府が11月30日に国家安全保障戦略の改定に関する与党の実務者協議で友好国の軍などを支援する新枠組みをつくると説明した。
自民、公明両党が2022年内に運用指針を策定して予算措置すると確認した。
関係府省の会議を新たに設け、友好国の軍などへの支援事業を指定する。 防衛装備移転三原則など既存の規制の範囲内で資機材を供与する。
物資の無償供与やインフラ整備で協力する。 これまで非軍事に限定する政府開発援助 (ODA) で支援してきた方針を転換し、安全保障で協力しやすくする。 (2212-113020)
・G7 との協調投資 ロシアによるウクライナ侵攻や世界的なエネルギー・食料危機にどう対処するかを焦点とした先進7ヵ国 (G7) 首脳会議が6月26日昼にドイツ南部エルマウで3日間の日程で開幕した。
初日は、途上国などへのインフラ投資支援も議論し、バイデン米大統領はこの後の関連行事で、G7全体で2027年までに$600B(81兆円)の投資を目指す新たな枠組みを発表した。
岸田首相も今後5年間で$65B以上の投資を行うと表明した。 経済圏構想一帯一路で影響力拡大を図る中国に対抗する狙いがある。 (2207-062605)主要7ヵ国 (G7) 首脳会議出席のためドイツ南部エルマウを訪問中の岸田首相が26日に米独主催の関連イベントに参加し、途上国への質の高いインフラ投資を進めるため、今後5年間で民間資金も含め$65B(8兆7,800億円)以上を投資すると表明した。 (2207-062702)
・安全保障能力強化支援の枠組み新設
政府は途上国への無償支援を巡り、非軍事を原則としている政府開発援助 (ODA) に限ってきた政府方針を転換し、相手国の軍が使用するインフラの補修や沿岸監視レーダの供与を始める調整に入った。
一段と厳しくなる安全保障環境を踏まえ、軍が関わる分野での協力を含む安全保障能力強化支援の枠組みを新設し、対外支援に力を注ぐ中国を意識し、外交手段の幅を広げ、令和5年度予算案に20億円を盛り込んでいる。
5年度中に第1号案件をまとめ、数年かけて段階的に予算を増やす。 (2301-122708)
6・9・1 調達行政
6・9・2 防衛技術保全
・調達コスト見通しの甘さ 防衛省が重要な装備品として指定する航空機や護衛艦など26品目について、開発から管理、廃棄までの全体のコストを分析したところ、約5割に当たる14品目のコストが当初計画に比べて平均20%上昇していた。
契約後の仕様変更や国産開発計画の見通しの甘さが主な原因だった。
防衛省が、ライフサイクルコスト (LCC) を算出している重要装備品26品目(総額約23兆円)について、防衛省の直近の公表資料などを基に毎日新聞が分析したところ、LCCが当初計画に比べて上昇したのは26品目のうち14品目で、高い順にC-2が104%、P-1が68%、SH-60Kが53%で、14品目の上昇率は平均約20%だった。
コスト上昇の要因をみると、14品目のうち10品目は、補用品の調達コストが当初計画より増加していたことで、10品目の部品調達コストの上昇率は平均約38%に達し、最大はSH-60Kで当初計画の約3倍に膨らんでいた。 (2210-092907)
6・9・3 次期戦闘機の開発
・防衛装備の設計図、政府が買い取り 政府は防衛装備品を巡る機密情報の国外流出を防ぐ対策として、防衛産業からの撤退を検討する企業を対象に部品の設計図などを買い取り、技術力を持つ他の国内企業に無償で譲渡する。
工場などを閉鎖して装備品の製造をやめる企業を想定しており、経営不振に陥った場合も使える仕組みにする。
令和4年中に始める方針で、経済安全保障の強化策の一環として取り組む。 (2203-022108)
6・9・3・1 英国との共同6・9・4 その他新装備開発
6・9・3・2 イタリアとの共同
・エンジンの共同開発 英国防省が2021年12月22日、日英が別々に開発している第六世代戦闘機で使用するエンジンの試作機を共同で開発するすることで合意しMoUを結んだと発表した。
IHI社とRolls-Royce社は現在進めている耐久性の検討が終わり次第、来年初めには開発を開始する計画で、日本側は来年度予算に経費を計上する。
MoUではエンジンの他の技術での協力も盛り込まれているが、協力の内容は具体的には明らかにされていない。 (2201-122205)日英が次期戦闘機搭載エンジンの共同開発を進めている。
計画は£230M ($310M) で、英国からはRolls-Royce社がFCAS-TIとして、日本からはIHI社がXF9-1として参加している。
開発したエンジンは英国のTempestと日本のF-Xで採用する。
IHI社は既にXF-9エンジンを次期戦闘機用として試作し、2018年に地上試験を行っている。
このエンジンはアダプティブサイクル技術を採用した細身の高出力エンジンで、GE F110エンジン並みの容積で、F-22に搭載しているP&W F119並の性能を実現している。 (2205-020701)2021年12月22日にRolls-Royce社がIHI社と英TempestとF-Xに採用されるエンジンの共同開発で合意したことなどから、日本独自として開発が進められてきたF-Xが国際共同開発の様相を帯びてきた。 (2206-030206)
・BAE Systems社と三菱重工業を主軸とした共同開発
複数の政府関係者が、防衛省がF-2後継機開発をBAE Systems社と三菱重工業 (MHI) を主軸とした共同研究開発事業とする方向で調整に入ったことを、5月13日に明らかにした。
5日の日英首脳会談に基づき、年末までに正式合意する。
F-2後継機開発は米Lockheed Martin社から支援を受ける方向で検討されていたが、事実上の方針転換となる。
機体はMHIとBAE Systwmsが参加し、エンジンはIHIとRolls-Royceが協力、イタリア企業やLockheed Martin社も一部参加する可能性がある。
日英防衛当局は昨年12月に次期戦闘機のエンジン開発を共同研究することで合意し、主要部品についても共同開発の可能性を探っていた。 (2206-051406)・日英の共同開発で年内合意
事情を知る日英の関係者3人が、日英がそれぞれ進める次期戦闘機開発計画を統合し、新たに共同事業を立ち上げる方向で年内の合意を目指して調整していることを明らかにした。
2つの事業を統合する方が技術とコスト両面で相乗効果が見込めるとの判断に傾いている。
別の関係者は「仕様を少し変えつつも基本的には同じ戦闘機を調達することを検討している」と話した。 (2208-071414)・国内8社が FCAS との連携を模索
航空自衛隊のF-X開発と英国のFCAS計画が統合される動きから、計画統合は正式には年末に決まるものの、F-Xに関する国内8社がFCASとの連携を模索している。 (2210-081708)
・新英首相と共同開発を巡る協議を加速を確認
岸田首相が9月20日午後にニューヨークで英国、トルコの首脳と相次いで会談し、秋の外交シーズンのスタートを切った。
首相はニューヨークに到着直後、トラス英首相と昼食を取りながら1時間 初めて会談した。
両首相は中国を念頭に、東・南シナ海での力による現状変更に「深刻な懸念」を共有し、両首相は安全保障分野で協力を強化する方針を確認した。
会談では、次期戦闘機の共同開発を巡る協議を加速することも確認した。 (2210-092103)
6・9・3・3 日、英、伊3ヵ国開発
・レーダの共同開発 日英政府が2月15日、次期戦闘機用レーダを共同開発すると発表した。
英政府の発表によると、レーダの共同開発を4月に開始し、5年程度をかけて官民で設計製造を進める。 英国側からはイタリアLeonaldo社の英国法人が参画する。
両政府は次期戦闘機のエンジンでも共同開発を進めており、防衛分野の協力が一段と深まる。 (2203-021516)・三菱電機が Leonardo UK社と MoU を締結
Leonardo UK社と三菱電機が7月18日にFarnborough航空展会場で、将来航空機搭載レーダの技術協力に関するMoUを締結したと発表した。
Leonardo UK社はTeam Tempestの一員で、日英両国は2021年12月に次期戦闘機開発の協力で合意しており、ロイタ通信は先週、日英が2022年内に次世代戦闘機の共同開発に合意すると報じている。 (2208-071903)・日伊防衛相協議
浜田防衛相が11月17日、クロゼット伊国防相と電話で約20分間協議し、次期戦闘機の開発に向けた日伊の協力について検討作業を加速させることで一致した。
次期戦闘機を巡っては、日英両国が共同開発の実現に向けて協議中で、イタリア側も参画に関心を示している。
両相は日伊の防衛当局間の意思疎通を継続することや、「自由で開かれたインド太平洋」の維持強化に向けた防衛協力を一層進めることも確認した。 (2212-111719)
6・9・3・4 防衛装備移転3原則の改定
・日本、英国、イタリアの3ヵ国が共通機体を共同開発すると発表 日本、英国、イタリアの3ヵ国が12月9日に次期戦闘機について、共通機体を共同開発すると発表した。
3ヵ国首脳は共同声明で「長年にわたる防衛協力関係を一層拡大する」と強調した。
防衛省は航空自衛隊F-2(約90機)の後継として、2035年ごろの配備を目指す。
米国防総省も防衛省と共同発表を出し、次期戦闘機を支援するUAVの開発を視野に、2023年から日米で研究に着手すると表明した。 (2301-120912)・イタリアの対等主張
クロゼット伊国防相が、日本、英国、イタリアによる戦闘機共同開発について、「技術、調査、そして最終的には結果において、日英両国と同等の権利を持てなければ計画は進められない」と主張した。
内訳は「33%:333%:333%だ」と強調し平等な扱いを求めた。 (2301-121915)
・防衛装備移転3原則の運用指針改定 日英両政府が航空自衛隊と英空軍の次期戦闘機について、双方の開発計画を統合し共通機体を共同開発する方向で最終調整に入った。
次期戦闘機に求める性能がほぼ一致していることに加え、開発費の抑制が図れると判断した。
日本政府は完成機の海外輸出を念頭に、防衛装備移転3原則の運用指針改定を本格検討する。 (2209-081401)
6・9・4・1 長距離打撃装備6・9・5 導入新装備
6・9・4・1・1 高速滑空弾の射程延伸6・9・4・2 対空ミサイル
6・9・4・1・2 予算規模
・高速滑空弾の射程を1,000km超に延伸 複数の政府関係者が10月30日、尖閣諸島など島嶼防衛用の新型ミサイルとして配備を目指す高速滑空弾について、射程を1,000km超に延伸する改良を検討していることを明らかにした。
実現すれば中国沿岸部や北朝鮮を射程に収め、別の国産ミサイルや取得を検討しているTomakawkなどの海外製ミサイルと合わせ、岸田政権が保有を検討する反撃能力の手段を多様化させる。 (2211-10306)読売新聞が11月16日、防衛省が射程3,000kmに達する極超音速ミサイルを開発し、2030年代初頭の配備を目指していると報じた。
防衛省は現在、ミサイルの目標物を正確に探索するシーカーも開発している。 (2212-111708)
6・9・4・1・3 長射程 CM
・予算規模は10年間で数兆円 政府が現在検討している反撃能力の中核装備として開発を進めるとしている極超音速ミサイルについて、予算規模が今後10年間で数兆円にのぼる見通しであることが、FNNの取材で新たにわかった。
政府は、極超音速ミサイルを2030年代には配備する計画で、射程3,000kmの極超音速ミサイルの北海道への配備を検討している。
配備されれば北朝鮮や中国本土が射程圏内となり、「反撃能力」の中核装備として大きな抑止力となることが期待されている。 (2212-112507)・5年間の予算規模は5兆円
政府が12月6日、月内に決定する防衛力整備計画で長射程ミサイルの関連経費に5兆円規模を計上する調整に入ったことを与党側に伝えた。
陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾を長射程に改良するほか、尖閣諸島など島嶼防衛用の高速滑空弾や極超音速ミサイルの研究にも充てる。
このほかにTomahawkの購入も目指す。 (2301-120701)
6・9・4・1・4 反撃ミサイルの同時並行開発
・システム 装備庁が2月9日、200kmと推定されている12式SSMの射程を1,000kmに延伸する改良型を明らかにした。
12式改SSMは陸上発射型の他、艦載型や空中発射型も合わせて開発され、陸上発射型は2025年、艦載型は2026年、空中発射型は2028年に開発を完了する。 (2206-022311)・形状寸法
防衛装備庁が2月9日にJanesに、12式SSMの射程を200kmから1,000kmに長射程化について、全長が伸び、形状も変わることを明らかにした。
長射程SSMは航空機及び艦艇からの発射も可能になるという。 (2203-021111)・更なる長射程化
防衛省が3月5日の自民党会合で、年末に予定する防衛大綱と中期防衛力整備計画(中期防)の改定に合わせ、スタンドオフミサイルを増強する方針を示した。
会合は党安全保障調査会が主催し、非公開で行われた。
出席者によると、陸海空の三幕僚監部の幹部が、開発している12式SSM改の早期実用化に向けた予算確保などを求めた。
現在は900km程度の射程をさらに延ばすことも想定しているとみられる。 (2205-040621)・1,500発の保有を検討
複数の政府関係者が、政府が導入を決めている長射程CMについて1,000発以上の保有を検討していることを明らかにした。
台湾有事も念頭に、南西諸島から九州に配備し、BMを多数配備する中国とのミサイル・ギャップを埋める狙いがある。
政府は12式地対艦誘導弾の射程を現在の百数十㌔から北朝鮮や中国沿岸部に届く1,000km程度に延伸し、艦艇や戦闘機からも発射できるよう改良を進めており、地上発射型は当初の予定を2年早めて2024年度にも配備する。
また地上目標を攻撃する対地用の開発も進める。 (2209-082103)複数の政府関係者が8月31日、防衛省がスタンド・オフ・ミサイルを1,500発以上整備する方向で検討していることを明らかにした。
防衛省は同日、5兆5,947億円の令和5年度当初予算概算要求を決定したが、この中で多数の事業について金額を決めない「事項要求」とした。
日本への攻撃を相手に躊躇させる反撃能力としての活用を念頭に、スタンド・オフ・ミサイルの量産化へ向けた関連費用を盛り込んだ。 (2209-08310)・12式地対艦誘導弾に潜水艦発射型も開発
複数の政府与党関係者が、射程延長などの改良を進めている12式地対艦誘導弾について、新たに潜水艦発射型を開発する方向で検討していることを明らかにした。
潜水艦は敵に見つかりにくい特徴があり、政府が検討している「敵基地攻撃能力」を保有した際の手段となる。 (2212-110303)
6・9・4・1・5 2,000km級、3,000km級ミサイルの開発
防衛省が反撃能力の保有に向け、検討している10種類以上を同時並行で開発することを柱とする長射程ミサイル開発計画の概要がわかった。
反撃能力の柱となる12式地対艦誘導弾は射程を伸ばし、地上、艦艇、航空機から発射できるように改良を進め、地上発射型は令和8年度以降の配備を見込む。
さらに、敵の艦艇を狙う対艦誘導弾についても複数のタイプの研究を始める。
極超音速ミサイルは地上発射型などで検討しており、配備の時期を当初の2030年代から前倒しした10年度以降を目標とする。
高速滑空弾は9年度に試作型を受領し、12年度以降の装備化を予定している。
射程を延伸すれば、反撃能力の行使にも活用でき、潜水艦発射型の開発案も浮上している。
政府は反撃能力の実効性を早期に確保するためTomahawkの購入も目指している。 (2301-120103)
関係者が12月31日、防衛省が反撃能力を巡り、2,000km程度、3,000km程度を飛行可能な長射程ミサイルをそれぞれ2030年代の配備を目標に開発する方向で調整に入ったことを明らかにした。
射程2,000kmは島嶼防衛用高速滑空弾の能力向上型で、数百㌔程度の早期装備型の射程を延ばす。
1,000km程度の射程を持つ12式地対艦誘導弾の能力向上型の配備は令和8年度で、これに続く第2弾、第3弾と位置付ける。 (2301-123113)
6・9・4・2・1 極超音速ミサイル迎撃サイル6・9・4・3 その他のミサイル
6・9・4・2・1 中距離 SAM
・極超音速ミサイル迎撃能力向上 政府関係者への取材で、防衛省が令和5年度予算案の概算要求で、変則的な軌道で迎撃を難しくする極超音速ミサイル迎撃能力向上に関連する予算を事項要求する方向で調整に入ったことがわかった。 (2209-082107)
6・9・4・2・2 短/近距離 SAM
「6・6・1・1・3 03式中距離地対空誘導弾の改良」で記述
・近 SAM 改 防衛省が、UAVによる攻撃に対処するため、近SAMと呼ばれる新しいSAMを2026年までに国産で開発し、2029年には部隊に配備する方針である。
これまでも、戦闘ヘリなどに対する近SAMはあったが、新しく開発するものは、中型のUAVやCMも迎撃することができるという。 (2212-112610)
6・9・4・3・1 JNAAM6・9・4・4 艦 船
・JNAAM 日英で平成30年度から進められている共同開発AAM JNAAMの発射試験が令和4年度に行われ、同年度で試作を完了する。 (2203-022216)
6・9・4・4・1 次世代艦6・9・4・5 航空機
6・9・4・4・2 進 水
・Aegis システム艦 「6・6・1・1・2 Aegis システム搭載艦 (ASEV)」で記述
・外洋哨戒艦 OPV
防衛装備庁が次世代外洋哨戒艦OPVにJMU社案の採用を決めた。
OPVは全長95m、排水量1,920tで速力20kt以上の性能を持ち、30mm艦載砲1門を装備する。 (2209-072006)・長射程ミサイル装備潜水艦
複数の政府関係者が、長射程ミサイルを発射可能な潜水艦の保有に向け技術的課題を検証する実験艦を新造する方向で調整に入ったことを明らかにした。
年末までに改定する防衛計画の大綱に開発方針を盛り込む見通しで、配備に進めばTomahawkの搭載も視野に入れる。
政府は、反撃能力の保有を目指しており、その手段となる地上目標を攻撃可能な長射程ミサイルは、12式地対艦誘導弾の改良型やTomahawkを主力に据える方向である。 (2211-102903)
6・9・4・4・3 就 役
・多機能護衛艦 やはぎ 海上自衛隊の新型FFMの命名進水式が23日に三菱重工業長崎造船所長崎工場であり、やはぎと命名された。
やはぎは同造船所で建造され4月に就役したもがみ型の5番艦で、令和5年度に引き渡される。
防衛省の中期防衛力整備計画では、令和5年度まで毎年2隻ずつ計10隻の建造が予定され、長崎造船所では、このうち6隻を受注している。 (2207-062407)・たいげい型潜水艦の3番艦 じんげい
海上自衛隊潜水艦の命名進水式が12日に三菱重工業神戸造船所で行われ、じんげいと命名された。
たいげい型の3番艦となるじんげいは艦内の整備や試験を経て2024年3月に引き渡される。 (2211-101220)
6・9・4・4・4 改 造
・新型潜水艦 たいげい 海上自衛隊の新型潜水艦たいげいが3月9日に就役した。 たいげいは横須賀基地に配備されて日本周辺の警戒監視に当たる。
たいげいの就役で政府が目標として掲げてきた潜水艦を16隻から22隻に増強する計画が完了した。 (2204-030918)・新型護衛艦 くまの
海上自衛隊の新型護衛艦くまのが3月22日に就役した。
くまのはFFMと呼ばれる新型多機能護衛艦で、対空戦や対水上戦など多様な任務と共に、掃海艇が担ってきた機雷掃海機能も備えた。
防衛省はFFMをモデルにした艦船の海外への輸出も視野に入れている。 (2204-032216)海上自衛隊のもがみ型多目的フリゲート艦最初のくまのが3月22日に玉野市のMHI造船所で就役した。 一番艦のもがみは2021年に進水している。
全長132mのもがみ型は1980年代末から1990年代初期に建造されたあぶくま型の後継でMAN社製12V28/33D STCディーゼルエンジンとRolls-Royce社製MT30ガスタービンエンジンで推進し30ktの速力を持つ。
主砲は127mm艦載砲で、03式中SAMを発射するVLS(後年装備)、4連装対艦ミサイル発射機2基、RIM-116C RAMを発射する11セルのSeaRAM CIWS、324mm魚雷発射管6本を装備する。 (2207-040607)・新型護衛艦 もがみ
三菱重工業長崎造船所で建造された新型多機能フリーゲート艦FFMの一番艦である護衛艦もがみ3,900tが28日に防衛省に引き渡され就役した。
海上自衛隊の護衛艦として初めて機雷掃討機能を導入した。
岡山県玉野市の三菱重工マリタイムシステムズで建造した二番艦くまのは3月22日に就役している。 (2205-042907)・新型護衛艦 のしろ
三菱重工業長崎造船所が12月15日、護衛艦のしろを防衛省に引き渡した。
のしろは全長133m、幅16.3m、基準排水量3,900t、速力30ktで、90名が乗り込む。 (2301-121507)・新型護衛艦 あがの
三菱重工長崎造船所で、海上自衛隊の新型護衛艦あがのの命名進水式があった。
あがのは艤装を行った後、令和5年度中に海上自衛隊に引き渡され、掃海艇の役割など幅広い任務に就く。
あがのはもがみ型護衛艦の6番艦で、長崎造船所では同型護衛艦を6隻を受注している。 (2301-122112)
・護衛艦 かが の改修工事開始 いずも型DDHの二番艦かがをF-35B搭載艦に改修する工事が開始された。 (2207-041306)
6・9・4・6 無人兵器
・UH-2 量産初号機が初飛行 スバル社が5月20日、宇都宮製作所で製造中の陸上自衛隊新多用途ヘリコプターUH-2量産初号機の初飛行を19日に行ったと発表した。
今後も社内飛行試験を重ね、令和4年度に6機、6年度に7機、7年度に13機を陸自に納入する。
UH-2は、Bell Textron社と共同開発した民間向け最新型ヘリSubaru Bell 412EPXをベースに、陸自向けの仕様が織り込まれた。 (2206-052008)
6・9・4・6・1 U A V6・9・4・7 電子戦装備
6・9・4・6・2 UUV / USV
・攻撃型小型 UAV 防衛省が、南西諸島など離島での防衛力を強化するため、攻撃型の小型UAVを配備する方針を決めた。
攻撃型UAVは、離島などに攻め込んできた敵の車両や艦艇に体当たりして損害を与える自爆方式の攻撃を想定している。 平時では、自衛隊施設の警戒監視にも活用する。
令和5年度に米国製などを試験導入し、配備に向けた準備を進め、早ければ7年度から数百機程度の配備を目指す。
防衛省は既に4年度予算に3,000万円の調査研究費を計上し、米国製とイスラエル製の攻撃型UAVを借りて研究を開始した。
今後、離島での運用を想定した機種選定を行う。 将来は国内生産も視野に入れる。 (2211-101704)
・南西防衛用の UUV 関係者が11月14日、尖閣諸島など南西防衛で課題となる海上や海中での優勢を確保するため、水中で機雷の敷設や除去を行うUUVを開発する方針を固めたことを明らかにした。
防衛力強化の7本柱のうち「無人アセット防衛能力」向上の一環で、導入の遅れが指摘されているUAV/USV/UUVについて、防衛省は戦闘支援型を導入するなど陸海空の全ての分野で活用を拡大する方針で、防衛力整備の指針「防衛計画の大綱」など年末に改定する安全保障関連3文書に盛り込む。 (2212-111408)・掃海用 USV を 17隻装備
防衛省が掃海用USVを17隻装備する計画であることを明らかにした。
このUSVはもがみ型護衛艦に装備され、無人掃海システムの構成品として三菱重工業が納品しているOZZ UUVと一緒に使用される。 (2301-101207)
・C-2 SOJ 防衛装備庁が、令和2年度にC-2を元にした航空自衛隊のSOJの開発を開始し、令和3年度に機体の開発を開始している。
開発は8年度に完了し、9年度に運用を開始する計画である。
川崎重工業は2020年12月に150億円で開発を受注し、3年度に100億円、4年度に185億円が割り当てられている。
C-2のMTOWは141,000kg、搭載能力36,000kgとEC-1の元になったMTOW 45,000kg、搭載能力11,900kgのC-1より大きくなっている。
同様にC-2を用いたELINT機のRC-2は2020年10月から使用している。 (2207-051106)
6・9・5・1 F-15J の改良6・9・6 将来技術の研究
6・9・5・2 Tomahawk Block Ⅴ
防衛省がFMS契約でBoeing社にF-15Jの改良を$470Mで発注した。 改良作業はセントルイスで行われ、2028年に完了するという。
米空軍では日本と異なり、F-15を改良するのではなくF-15EXを単価$87.7Mで新規調達する。 (2202-010710)防衛省が2月4日、F-15J 68機を6,465億円かけてF-15JSIに改修する。
航空自衛隊が保有するF-15J/DJ合わせて201機のうち102機(F-15J 68機、F-15DJ 34機)は過去に1回目の近代化改修を行っており、残りの99機はF-35 147機(F-35A 105機、F-35B 42機)に換装される。 (2203-020821)防衛省が2月4日、F-15J 68機をF-15JSI仕様に改良することを確認した。
航空自衛隊は201機のF-15JとF-15DJを装備しているが、そのうちのF-15J 68機とF-15DJ 34機の合わせて102機は戦闘能力向上の改造を行っている。
残りの99機はF-35A 105機とF-35B 42機合わせて147機と換装される。 (2206-021607)防衛装備庁が2月上旬にF-15近代化改修について文書で公表した。
改修の内容はレーダをRaytheon社製AN/APG-82(V)1に、電子戦装置をBAE Systems社製ALQ-239 DEWSに換装し、武器搭載能力を増やすと共にAGM-158 JASSMの発射が可能になる。
対象となるのは既にMSIP改修を終えているF-15J 66機とF-15DJ 34機で、残りの99機はF-35 157機と換装される。 (2203-021724)防衛装備庁が2月上旬にF-15近代化改修について文書で公表した。
改修の内容はレーダをRaytheon社製AN/APG-82(V)1に、電子戦装置をBAE Systems社製ALQ-239 DEWSに換装し、武器搭載能力を増やすと共にAGM-158 JASSMの発射が可能になる。
対象となるのは既にMSIP改修を終えているF-15J 66機とF-15DJ 34機で、残りの99機はF-35 157機と換装される。 (2203-021724)
6・9・5・3 Global Hawk
政府がTomahawk CMの購入を米政府に打診していることがわかった。 米側は売却に前向きな姿勢を示し交渉は最終局面に入っている。
政府は、保有を目指す反撃能力の手段して国産ミサイルの改良計画を進めているが、早期に配備できるTomahawkが抑止力強化に不可欠だと判断した。 (2211-102801)複数の政府関係者が、長射程ミサイルを発射可能な潜水艦の保有に向け技術的課題を検証する実験艦を新造する方向で調整に入ったことを明らかにした。
年末までに改定する防衛計画の大綱に開発方針を盛り込む見通しで、配備に進めばTomahawkの搭載も視野に入れる。
政府は、反撃能力の保有を目指しており、その手段となる地上目標を攻撃可能な長射程ミサイルは、12式地対艦誘導弾の改良型やTomahawkを主力に据える方向である。 (2211-102903)複数の日米両政府関係者が、防衛省がTomahawk CMを令和9年度までをメドに最大500発の購入を検討していることを明らかにした。
岸田首相は11月13日のバイデン米大統領との首脳会談で購入交渉を進展させる方針を確認し、反撃能力保有に向け、準備を加速させている。
反撃能力の具体的な手段として想定されているのは、陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾だが、射程を伸ばす改良が必要で、実戦配備は8年度以降とされている。 (2212-113003)酒井海幕長が12月20日の記者会見で、安全保障関連3文書の改定で導入が決まったTomahawkをAegis艦に搭載するため艦の改修を行うことを明らかにした。 (2301-122012)
複数の政府関係者が、防衛力強化のために取得するTomahawkについて、令和9年度までに四百数十発を配備する方針を固めたことを明らかにした。
12月23日に閣議決定された防衛省の5年度予算案には取得費として2,113億円を計上しており、1発当たりの価格は米軍向けよりも割高となる。 (2301-122315)
6・9・5・4 その他の導入装備
防衛省が航空自衛隊三沢基地での配備を計画していたGlobal Hawk 1機が3月12日朝に同基地に到着したのが確認された。
同機の自衛隊での配備は初めてである。 (2204-031209)
・SM-6 Block Ⅰの導入 米国防総省が10月20日、国務省が日本へのSM-6 Block Ⅰの$450Mでの売却を承認したと発表した。 国防総省は声明で、日本政府がSM-3最大32発を含む装備の売却を要請していたとした。 (2211-102104)
・BQM-177A亜音速標的機
米海軍が2021年12月23日、FMSで日本とサウジアラビアへ売却するBQM-177A亜音速標的機65機をKratos社に$50.9Mで発注した。
今回の発注は第3次本格量産 (FRP Lot 3) で、今までに50機を受注している。
BMQ-177AはBMQ-74Eの後継で10呎以下の高度をMach 0.95で飛行し-2g~9gでマヌーバできる。
米海軍がBMQ-177AのFOC宣言を行ったのは補給艦Alan Shepardが日本近海で2021年9月に行った試験結果を受けた2021年である。
補給艦Alan ShepardはPMRF(ハワイ州Kauai島)の極東派遣隊として任務に就いている。 (2204-011204)・JSM
政府関係者が5月3日、防衛省が航空自衛隊のF-35Aに搭載するため、令和3年度に予定したJSMの納入が米国製機材の不足が原因で遅れ、取得費149億円が未執行となっていることを明らかにした。 (2206-050311)
・STARE
軍用データの収集分析機能の要求に対しGeneral Atomics社が7月16日に、2種類のシステムを統合したSTAREが初めて販売先として10月に日本に納入されることを明らかにした。
STAREは市街地用ISRシステムMetisと、同社製MMCシステムを組み合わせたもので、Metisは対象地域での変化に対するピン打ち機能を持ち、更なるISR活動を必要とすることを示す機能を有する。 (2208-071803)・AMRAAM の追加購入
米国防総省が7月25日、国務省がAMRAAMおよびその関連機器を$293Mで日本に売却することを承認したと発表した。 (2208-072601)
・攻撃型 UAV の試験導入
防衛省が島嶼防衛の強化に向け、イスラエル製や米国製の攻撃型UAVを令和5年度に自衛隊へ試験導入する方向で調整している。
7年度以降に海外からの調達と国産を合わせ、数百機規模の攻撃型UAVを装備する方針である。
試験導入するのは、イスラエル製Haropや米国製Switchbladeなどで、Haropは全長2.5mで航続時間が9時間と長い。 Switchbladeは全長36cmと小型で持ち運びやすい一方、航続時間は15分にとどまる。
いずれも敵に体当たりして損害を与える自爆方式の攻撃を行う。
トルコ製のTB-2など、搭載したミサイルで攻撃を行うタイプのUAVも候補に挙がっている。 (2210-091402)・次期装輪装甲車にフィンランド製 AMV を選定
防衛装備庁が12月9日、陸上自衛隊が使う次期装輪装甲車に、フィンランドのパトリア社製AMVを選定したと発表した。 国内でライセンス生産される。 装輪装甲車は、現有の96式装輪装甲車の後継で、同庁は三菱重工業製の試作車両と比較した結果、価格や基本性能が優れるAMVに決めた。 (2301-120915)
・LTAMD の導入政府は、迎撃が困難な極超音速兵器に対処するため、航空自衛隊のPAC-3を改修する方向で調整に入った。
改修は探知能力の高いレーダLTAMDに換装するもので、16日にも閣議決定する防衛力整備計画(現・中期防衛力整備計画)に盛り込む。 (2301-121101)
【註】LTAMDとは米陸軍がIAMD用として装備しようとしているレーダで、PatriotのAN/MPQ-53/-65が一面固定で監視空域が限られる欠点を補うため補助アンテナを付加して全周監視能力を持たせている。
またPatriotではパッシブフェーズドアレイ方式のAN/MPQ-53/-65がGaN素子を用いたAESA方式のAN/MPQ-65Aに変わっており、LTAMDでもこの方式がとられている。
6・9・6・1 電磁砲(レールガン)6・9・7 防衛技術の育成
6・9・6・2 スクラムジェット飛翔体
・研究開発に本腰 防衛装備庁 (ATLA) が1月19日にEMGの開発を2022年に加速することを明らかにした。
ATLAは平成29年度からEMGの開発を行っており、2018年7月には小口径EMGを公開している。
公開した映像では2MAの電流で10kgの弾を2,000m/s以上で射出した。
ATLA報道官は1月19日に、2,297m/sを達成したと述べた。
今後は大口径弾で20MJの砲口エネルギーを目指すという。 (2205-020209)防衛省が電磁砲(レールガン)の研究開発に本腰を入れ、令和4年度当初予算案に65億円を計上した。
防衛省は平成29年度補正予算に「電磁加速システムの研究」として10億円を盛り込み、試作品の製造を進めてきた。
目標とする性能は、戦車砲の初速1,700m/sを上回る2,000m/s以上で、防衛装備庁によると、試作段階では2,297m/sを記録している。 (2202-010302)日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、先端技術の活用に力を入れる防衛省が流れを一変させるゲームチェンジャーと期待して開発を進めている最新技術を公開した。
重量8tのボディーに全長6mの砲身を持つ、レールガンの特徴はその弾丸で、小さな手持ちサイズの弾丸は発射直後に筒が開き、Mach 6.5で細長い弾心だけが飛んで行く。
1発あたりのコストも安く、実用化すれば極超音速ミサイルへの対処が期待されている。 防衛省は令和4年度65億円の予算をかけての本格開発を進める。 (2206-050415)
6・9・6・3 武装 UAV
・飛翔試験 防衛装備庁が7月23日にJAXAの内之浦宇宙センタから、開発中のスクラムジェットエンジンを打ち上げる。
装備庁によると今回の打ち上げはスクラムジェットエンジン技術の開発と極超音速滑空飛行体 (HVGP) など極超音速飛翔体技術の開発を行うものである。
防衛省は2019年に683億円でHVGPの開発を開始したが、その後2020年に250億円、2021年に150億円、2022年に145億円と減少してきている。
一方でスクラムジェットエンジンを含む極超音速ミサイルの開発に、2019年に64億円、2021年に93億円が当てられている。 (2209-071310)JAXAが7月24日05:00、防衛装備庁が研究してるスクラムジェット試験体を搭載した、全長約9m、胴径52cm、重量2.6tのS-520-RD小型観測ロケット1号機を内之浦宇宙空間観測所から打ち上げた。
S-520-RDはエンジンに点火し上昇した後、上空160kmで機体の上部に搭載した試験体を切り離し、試験体は落下中にMach 5~6以上に達する。
JAXAはロケットから受信したデータの解析などを行って、09:00頃から記者会見を開き、打ち上げの結果を報告することにしている。 (2208-072401)宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が7月24日05:00に内之浦宇宙空間観測所で、観測ロケットS-520 RD 1号機を打ち上げた。
RD 1号機はMach 5以上で飛ぶ極超音速旅客機の実現に必要なスクラムジェットエンジンの試験用機材を搭載し、開発に必要なデータ取得を目指す。
RD 1号機は高度150kmに到達後、最上段の試験用機材を分離し、試験用機材は降下しながら加速し高度30kmでMach 5.5に達し、6秒間エンジンの燃焼試験を行う。
スクラムジェットエンジンはミサイルの長射程化や弾頭の小型化につながる利点があり、各国が開発を進めており、今回の燃焼試験は防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度による受託研究の一環で、同庁が研究費約18億円を提供して、得られたデータを極超音速誘導弾などの開発に生かすことを期待している。 (2208-072403)
6・9・6・4 C-UAV HPM
・攻撃型 UAV 防衛省が令和4年度から攻撃型UAVの運用に向けた本格的な検討に乗り出すことが3月30日に分かった。
UAV戦は現実になりつつあるが、自衛隊への導入は偵察型などに限られ本格導入には程遠いのが現状になっている。
ロシアのウクライナ侵攻では、ウクライナ軍のトルコ製UAVのBaraktar TB2がロシア軍のSAMを攻撃するなど能力の高さを知らしめた。 (2204-033019)・Loyal Wingman UAV
政府が戦闘機を支援して飛ぶUAVを日米が技術協力した開発に乗り出す。
戦闘機に代わって接近する敵機やミサイルの早期探知に使い、警戒監視の効率を高める。
迎撃用のミサイル搭載も検討する。
令和7年度まで研究試作を行い、8年度以降に本試作に着手して17年度をめどに配備を目指す。 (2207-060309)防衛装備庁が2019年から、AIと先進飛行制御を採用したUCAVを開発している。
有無人連携により2035年に開発を完了する第六世代戦闘機F-Xと共同運用されるもので、FY24には亜音速の縮小型機を飛行させる計画である。 (2207-042710)
6・9・6・5 量子技術
防衛省が令和4年度から、敵のUAVを無力化できる高出力マイクロ波 (HPM) 兵器の研究開発に本格的に乗り出す。
中国やロシアが開発に力を入れるUAVは小型化が進み、多数で襲撃する飽和攻撃も想定されることから、瞬時に同時対処する能力が必要になる。 (2203-020505)
日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、先端技術の活用に力を入れる防衛省が流れを一変させるゲームチェンジャーと期待して開発を進めている最新技術を公開した。 防衛省が開発を進める「高出力マイクロ波照射装置」はTV初公開である。
目標に突入して自爆する「カミカゼドローン」と呼ばれるUAVに対処するため、防衛省が開発を進めているのが高出力マイクロ波照射装置で、マイクロ波がUAVにあたると、制御回路の中に一時的に強い電流が生じ、制御回路が誤動作を起こす。
範囲を広げれば複数のUAVを同時に打ち落とすことも可能ということで、令和4年度72億円をかけて実用化を進める。 (2206-050415)
政府がセンサーや暗号の飛躍的な機能向上が期待される量子技術活用に向けた戦略を策定し、令和3年度補正予算案に関連経費を計上していが、防衛省も軍事利用へ向けた戦略検討に乗り出しているものの防衛省関連の経費はゼロである。
量子技術は一部で実用化にこぎつけつつあり、NECなどは1月に株取引に量子暗号通信を利用する実証実験を成功させた。
政府の有識者会議は同月、「量子技術イノベーション戦略」の改定を決定し、政府は補正予算を含め量子関連で800億円を計上した。
米国はFY22予算で量子関連1,000億円を要求し、中国は1兆円規模をかけて研究拠点を整備している。 (2203-021916)
6・9・7・1 防衛産業の支援策6・9・8 防衛産業の育成
6・9・7・2 先端科学技術の防衛利用に向けた新たな会議の設置
防衛装備庁が2月16日、川崎重工業や三菱電機、富士通など防衛装備品の生産に携わる国内企業15社と意見交換し、鈴木長官が新設する防衛産業の支援策などを説明して企業側の要望を聴取した。
今後も複数回開催し、2022年末に予定する国家安全保障戦略などの改定に反映させる方針である。 (2203-021613)
政府筋が11月5日、先端科学技術の防衛利用に向け、国家安全保障局 (NSS) や関係省庁が連携する新たな会議を設置する方針を固めたことを明らかにした。
研究者らで構成する科学技術政策の司令塔である総合科学技術イノベーション会議 (CSTI) も加わる方向で、関係省庁横断で取り組む体制を構築する。
また港湾や空港といった公共インフラを巡る会議も創設し、二つの会議の関連予算は既存の防衛費に安保に関わる他省庁予算を算入する新枠組み「国防関連費」に計上する。 (2212-110511)
6・9・8・1 防衛産業の現状6・9・9 その他の装備行政
6・9・8・2 輸出規制の緩和
・相次ぐ防衛装備品生産からの撤退 日本で防衛装備品の生産から撤退する企業が相次ぐ。 技術が高度になった半面、防衛省の発注数が20年程で半分に減った。
最新の戦闘機などは日本企業だけで開発が難しく、米国依存も一段と強まり、中国や北朝鮮の脅威が増す状況で防衛産業は土俵際に立っている。
防衛省によると陸上自衛隊は1989~1998年に自走砲や装甲車、戦車を年平均68.6両調達していたが、2009~2018年は26.6両にしぼんだ。
海上自衛隊の掃海艦艇や護衛艦、航空自衛隊のヘリコプターや戦闘機も減った。 (2202-010903)油圧機器大手のカヤバが2月の取締役会で航空機器事業からの撤退方針を決定した。
同社は戦前、零式艦上戦闘機の油圧緩衝脚などを製造していた歴史ある企業で、航空自衛隊C-2のブレーキなどを生産しているため、C-2の運用面への影響が懸念され、防衛装備庁は撤退企業の協力を得て、速やかに事業の引受先を探すとしている。
背景には利益率が低く調達数も少ない防衛産業の厳しい現状があり、防衛産業衰退への危機感も指摘されている。 (2207-060302)防衛産業が1社あたりの防衛に占める売上比率は4%程度と低く、主要な事業となっていない。 利益率の低さから防衛事業からの撤退が相次いでいる。
国内の防衛産業は三菱重工業などの大企業から下請け企業まで含めると裾野が広いのが特徴で、戦闘機は1,100社、戦車は1,300社、護衛艦は8,300社に及ぶが、防衛関連企業151社による防衛部門の比率は4%程度で、Lockheed Martin社やBAE Systems社など9割ほどの海外勢に比べると差がある。 (2210-091409)分析機器大手の島津製作所が、防衛関連事業から撤退する方針を固めたことがわかった。
航空自衛隊向け部品の製造などをしているが、開発費に見合う利益を期待できないと判断した。
島津製作所は1936年に航空機事業に参入し、ディスプレーや、機内の温度や圧力を調整する機器の生産、メンテナンスなどを手がけており、2022年3月期の航空機事業の売上高は223億円で連結売上高に占める割合は5%程度であり、このうち8割が防衛省向けだが、営業利益率は0.5%にとどまっている。
防衛関連産業では、同様に撤退を決める国内企業が相次いでいて、小松製作所は自衛隊車両の新規開発を取りやめ、三井E&Sホールディングス(旧三井造船)も艦艇の建造から撤退しており、2月には輸送機用ブレーキなどを製造する油圧機器大手のカヤバ (KYB) も撤退の方針を公表ししている。 (2212-110107)・防衛産業が株価の下支え
世界的に株が大きく売られた2022年だったが、日本株の下げは限定的だった。
ハイテク銘柄が下落する一方で、防衛・経済再開関連株が買われたことが寄与した。
インターネット・半導体関連株を押し下げたのは、世界的なリセッション懸念と金融引き締め加速だが、地政学的緊張は防衛関連銘柄にプラスに働いた。 (2301-122904)
6・9・8・3 防衛生産基盤強化基金の設立
6・9・8・2 有識者会議が規制緩和要求 政府の防衛費増額に関する有識者会議が11月22日に公表した報告書は政府全体で防衛力強化に取り組む方策を挙げた。
防衛産業の基盤の維持もそのひとつで、投資を回収できるようにし、少なくとも産業を持続可能なものとしなければならないと明記した。 (2212-113007)
6・9・8・4 一部の装備品工場を国有化
防衛省が防衛装備品の国内生産基盤を強化するため、民間企業などを支援する基金を設立する方針で、令和5年度予算の概算要求に事項要求として盛り込む。
複数の政府関係者によると、防衛産業は市場が狭く、事業が長続きしないなどの問題が指摘されていることから、防衛省は防衛生産基盤強化基金(仮称)を設立し、事業者の事業承継支援や防衛装備移転支援など、契約では措置できない経費を国が負担することを検討している。 (2209-081711)政府が9月16日、経済安全保障で国が財政支援して育成する特定重要技術の対象に、海洋、宇宙・航空、サイバー空間、バイオの4分野で27技術を指定し、極超音速の技術やAIを使ったサイバーセキュリティー、UAV、自律型無人探査機などをあげた。
既に設定した2,500億円規模の基金から拠出し、年内に研究者を募集して今年度中にも研究を始め、原則5年以内、最大10年にわたって財政支援する。
政府はまた、「経済安全保障における課題と今後の方向性」と題した文書もまとめ、ロシアによるウクライナ侵攻後に世界的に安定供給に懸念が出たことから、サプライチェーンの強化に食料やエネルギーも重視する方針を掲げた。 (2210-091615)政府が防衛装備品を製造する国内企業向けの融資制度を令和5年度にも新設する。
融資は日本政策投資銀行を通じ1社あたり100億円程度を上限に貸し出すもので、ウクライナ侵攻後の国際情勢の変化や重要技術の流出懸念を踏まえ、防衛産業の保護や装備品の能力向上につなげる。
これまで防衛産業に特化した公的な融資制度はなかったが、新たな融資制度は民間の金融機関より低金利で、融資期間も長めに設定し、先端技術の研究開発や海外展開に必要な資金を調達しやすい仕組みを公的金融機関が整えて防衛産業を後押しする。 (2212-112611)
6・9・8・5 防衛関連銘柄の株価動向
政府は、衰退傾向にある防衛産業を包括的に財政支援し、それでも事業継続が困難な場合は工場などの製造施設を国有化できる仕組みを創設する方針を固め、必要な法案を来年の通常国会に提出する方針である。
法案は「防衛省が調達する装備品等の開発及び生産のための基盤の強化に関する法律案」(仮称)とする。
製造施設は国が保有したまま、生産は事業を受け継ぐ企業に委託する。 企業の固定経費を軽減し、重要な装備品の国内製造を維持する狙いがある。
法案概要によると、防衛産業に関わる企業を対象に、生産基盤の強化や海外輸出の助成など包括的な支援策を明記する。
特に「自衛隊の任務に不可欠な装備品を製造する企業」については、これらの支援でも事業を続けられず他に手段がない場合に限り、施設の国有化を認める。
具体的には、国が製造施設を買い取り、事業継承を希望する他の民間事業者に管理を委託できるとの規定を設ける。 (2301-123002)
6・9・8・6 新たな研究機関を創設
岸田首相が12月5日に防衛力整備計画について、令和5年度から5年間の総額を43兆円とするよう指示したことを材料視して、東京株式市場で防衛関連銘柄がしっかりとなっている。
三菱重工業が2.6%高、IHIが2.7%高、川崎重工が1.8%高で推移している。 (2301-120609)
防衛省が防衛装備品の国内生産基盤を強化し画期的な防衛装備品を生み出すため、新たな研究機関を令和6年度に創設したい考えである。 (2209-081711)
6・9・9・1 海外企業の攻勢
・BAE Systems社が日本子会社 BAE Systems Japan GK社を設立 航空宇宙防衛大手のBAE Systems社が4月6日、防衛省や自衛隊との関係強化を目指し日本子会社BAE Systems Japan GK社を設立したと発表した。
BAE Systems社はこれまで、陸上自衛隊に水陸両用車、航空自衛隊に電子戦システムやアビオニクスなどを提供して、F-35の主要パートナーとして後部胴体を英国で製造し、次世代電子戦システムは米国内で開発納入している。 (2205-040616)
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