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7. 対地攻撃兵器

7・1 航空機

7・1・1 戦闘機等

7・1・1・1 米 国

7・1・1・1・1 次期戦闘機 (NGAD) 計画

開発計画の流れ

 FY21予算要求で米空軍の次期戦闘機計画NGADには$1Bが計上され、FY25までの支出はFY18時点の見積額$4.5Bから増えて$7.4Bと見積もられた。 (2003-021404)

 米空軍の調達責任者が6月9日、次期戦闘機 (NGAD) 開発計画は予定通り2020年夏に大きく前進すると述べた。
 NGADを担当していた先進航空機計画室は6月末に先進戦闘機計画室に改称され、計画室長には2019年10月に計画室長に就任したWhite大佐が准将に昇進して就く。
 今年度$905MであったNGADの予算はFY21で$1Bが要求されている。
  (2007-060907)

 米議会下院歳出委員会国防小委員会が、FY21に空軍が要求している第六世代戦闘機NGAD関連予算を$506M削減する案を示している。 (2008-071412)

エンジンの選定

 米空軍が既に5年かけて2025年中頃に初飛行する次世代戦闘機NGADに関連した2大秘匿計画の1つである次世代適応制御エンジンNGAPの開発をGW社及びP&W社と進めており、2Q/2022年に設計の競争を終わってその3年後に試作品の評価を完了する。
 NGAPの予算はFY21にも2社にそれぞれ$427Mが計上されているが、詳細についてはF-35搭載候補になっているNGAPと関連するエンジンAETPの計画に覆い隠されている。 (2010-081703)

初飛行、飛行試験

 米空軍の調達責任者であるローパー氏が9月15日に米空軍協会で記者に対し、NGADの実大実証機が既に飛行しており、多くの記録を塗り替えていると述べた。
 ただローバー氏は飛行の詳細や航空機の能力、調達計画については語らなかった。 (2010-091513)

 米空軍省で調達や広報業務を主掌するローパー次官補が9月15日に空軍協会年次コンファレンスで、次世代戦闘機NGADの試作機が初飛行したことを明らかにした。
 ただ次官補は、製造したメーカー名をはじめ詳細の全てを明らかにしなかった (2010-091604)

 米空軍省のローパー次官補が米空軍協会 (AFA) のコンファレンスで9月15日に、次世代戦闘機NGADが初飛行したことを明らかにした。
 詳細は明らかにしなかったが、システムは期待したとおりに働いたと述べた。 (2011-092306)

7・1・1・1・2 F-35

AN/AAQ-37 DAS の換装

 英国防省が1月7日、F-35が搭載しているNorthrop Grumman社製AN/AAQ-37 DASを、他のF-35装備国と合わせてRaytheon社が開発している新型のDASに換装することを明らかにした。
 換装は2023年までに行われるという。 (2003-011506)

F-35I 改

 Lochhdeed Martin社が12月17日に、イスラエルの運用要求に応じてイスラエル仕様のF-35であるF-35Iの改良を進めていることを明らかにした。
 世界中のF-35はBlock 3Fソフトウェアにuploadされているが、F-35のソフトはBlock 3F+になる。 Block 3F+搭載のF-35Iは試験機となる1号機が2020年夏に引き渡されるという。
 同社はF-35の機内弾庫を改良して、現在4発しか搭載できないAAMの数を6発まで増やす検討を行っている。 また機内搭載武器を5,000-lbから19,300-lbに引き上げるという。 (2003-010109)

F-35A の調達数量を見直しか

 米空軍はF-35Aを1,763機装備する計画であったが、価格高騰により第四世代戦闘機や低価格のUAVに関心を持ち始めており、1,763機の目標が揺らいでいる。 (2005-032301)

米太平洋空軍に F-35A を初配備

 米空軍が4月21日、F-35Aをアラスカ州のEielson AFBに配備したと発表した。 太平洋空軍によると、同基地には2機が到着し今後も機数を増やし、2021年末までに54機を配備する。
 F-35Aが太平洋空軍に配備されるのは初めてである。 (2005-042204)

SEAD / DEAD 能力の強化

 米国防総省が、Lot 14とLot 15のF-35Aに完全なSEAD/DEAD能力を付与する契約を$36.78Mで行った。
 契約の対象は米空軍のほかF-35Aを採用している諸外国にも及び、2022年8月まで続く。
 F-35Aは2016年8月にIOCとなった時点で持っていたSEAD/DEAD能力は限定的で、GBU-31/32 1,000-lb/2,000-lb JDAMを搭載するだけであったが、その後Blick 3FソフトでGBU-39 SDBやAGM-154A/C JSOWを搭載できるようになっていた。
 今回の契約でF-35Aは、SiAW計画で開発中のAGM-88E AARGMを搭載できるようになる。 (2007-060204)

 米空軍がF-35AのSEAD/DEAD能力を完成させる計画で、6月1日にcontract notificationを発簡した。 契約額は$36.78Mで、Lot 14及びLot 15のF-35Aに反映させる。
 SEAD/DEADは元々DCA、CAS、AI、SCAR、NTISRと共にF-35Aの本来任務であったが、2016年8月にF-35AがIOCになった時点ではGBU-31/32 1,000-lb/2,000-lb JDAMの装備だけの限定的なものであった。
 その後Block 3Fソフトの搭載でGBU-39 SDBとAGM-154A/C JSOWの搭載が可能になっていた。
 完成型SEAD/DEAD能力ではSiAWが搭載されるが、SiAWは現在開発中のAGM-88E AARGM-ERになるとみられる。 AGM-88E Block 1 AARGMは射程が60nm以上でMach 2+で飛翔するが、AARGM-ERの詳細は公開されていない。 (2008-061003)

戦術核爆弾投下試験に成功

 VOAが11月23日、米核兵器開発研究所がF-35機内弾庫から戦術核爆弾を投下する試験に初めて成功したと報じた。
 米国3大核兵器開発機関のSandia国立研究所はこの日、F-35Aに搭載したB61-12改良型低威力戦術核爆弾の最初の適合性試験に成功したと明らかにした。 (2012-112502)
【註】F-35が2016年にoperational宣言をした時点でのソフトBlock 3Fに続く開発中のソフトBlock 4はBlock 4.1~4.4の四段階に分かれており、Block 4.1では日本も採用を決めた Kongsberg社製JSMの搭載などが可能になる。
 更にBlock 4.2では電子戦の帯域拡大と認識性能の向上のほか、B61-12核爆弾の搭載も可能になる。

米空軍がトルコ仕様の F-35A を買いとり

 トルコはF-35A 100を装備する計画であったが、ロシアからのS-400購入を譲らなかったことから2019年7月にF-35計画から排除されている。
 トルコ向けのF-35Aは既に最初の分が生産ラインを出てアリゾナ州のLuke AFBとフロリダ州のEglin AFBでトルコ要員の訓練に使用されており、トルコ向けの24機が生産のいずれかの段階にあった。
 このため米国務省は7月20日にトルコ向けのF-35Aを米空軍が買い取るとトルコに通知した。 空軍は$862MでF-35A 8機を買い取ると共に、更にトルコ仕様の6機を米空軍仕様に改造する。 (2008-072110)

英空軍 F-35B Block 4 化計画

 英政府が議会で、初期型F-35Bの全てを最新型のBlock 4にしないことを明らかにした。
 F-35関連予算の増大を防ぐためという。 (2009-070103)

7・1・1・1・3 F-15EX / F-15E

F-15EX

 米空軍が7月21日、F-15の今後に関するRfI F-15 Roadmap Candidate Collection RFIを発簡した。
 対象となるのは現有のF-15E及びF-15C/Dに代わる機体で、提案は8月14日に締め切られる。
 提案の焦点は以下の6項目とされている。 (2009-072904)

Prosecute: 戦闘能力、目標探知能力
Survuve
Persist
Interoperability
Maintain
Train
エンジンの選定

 米空軍は1月23日に、F-15EXのエンジンに、F-15C/Dが搭載しているP&W社製F100-PW-220ではなくGE社製F110-GE-129の搭載を決め、Boeing社に通知した。
 F110エンジンはサウジアラビア向けのF-15SAでも採用されるため480基の生産が見込まれ、5月に発注されると見られる。 (2004-020506)
【註】F100エンジンはF-14とF-16も採用していたが、F-16は途中からF110エンジンに切り替えていた。

 米空軍がF-15EX Advanced EagleのエンジンにGE社製F110を選定した決定に対し、F-15C/DのF-100-PW-220エンジンを生産してきたP&W社がこの決定を不服として米国の会計検査院GAOに対し5月18日までに異議申し立てを行う。 (2004-022607)

 F-15EX搭載エンジンの候補にGE社製F110-GE-129とP&W社製F100-PW-229が挙がっているが、それぞれ年産能力をGE社は90~100基、P&W社は96~120基としている。 (2011-093006)

一次生産分を発注

 米空軍が7月13日、F-15EXの一次生産分8機を$1.2BでBoeing社に発注したと発表した。
 サウジアラビアに輸出したF-15SA及びカタールに輸出したF-15QAを元にしたF-15EXはコックピットの大画面表示、フライバイワイヤ操縦系を採用し、レーダはRaytheon社製AN/APG-82(V)1 AESAレーダとし、エンジンをGE F-110-129としたほか、ディジタル電子戦装置やヘルメットサイトなどを搭載している。
 また機外の武器搭載箇所も2ヵ所増設されている。
 米空軍はF-15C/Dの後継として最終的に144機のF-15EXを装備する計画である。 (2009-072206)

7・1・1・1・4 F-16V

 特記すべき記事なし
7・1・1・1・5 F/A-18 シリーズ

 特記すべき記事なし
7・1・1・1・6 COIN 機

 米特殊作戦軍 (SOCOM) の武装偵察 (Armed Overwatch) 計画でLeidos社がBronco Ⅱ軽攻撃偵察機主契約社に指名されたことが5月4日に明らかになった。
 Bronco Ⅱは翼下に6ヵ所とオプションで胴体下に2ヵ所のハードポイントを持ち、6.5時間以上の滞空能力と、2,000nmの航続距離を持つ。 (2006-050502)
【註】Bronco Ⅱの前身となったOV-10 Bronco(ベトナム戦争で活躍したCOIN機である。
 OV-10 Broncoは両翼下にエンジンを配した双発機であったのに対しBronco Ⅱは胴体後部にエンジンを配したpush back方式になっている。
7・1・1・2 欧 州

7・1・1・2・1 Tempest

スウェーデンの計画参加

 スウェーデンが7月20日、英国が主導するTempest将来戦闘機 (FCAS) 計画に参加するMoUを結んだ。
 他の3ヵ国が公式表明しないなかでのMoU締結で、Saab社は£50M ($63M) を分担する。 (2008-072005)

 スウェーデンのSaab社が7月20日、BAE Systems社が主導する次世代戦闘機計画FCASへの参加を表明し£50M ($58M) の分担で合意した。
 Team TempestにはBAE Systems社のほか、Leonardo社、MBDA社、Rolls-Royce社の各社と、英政府からCombat Air Strategyが参画している。 (2009-072703)

 スウェーデンが将来戦闘機FCASの開発拠点FCASセンタを英国に設置するMoUを締結した。 但しFCASがTempestであるとは明言していない。
 FCASセンタの英国での設立についてSaab社は、ファーンボロー航空展が開かれる予定であった7月20日に明らかにしており、設立の経費は分担金£50M ($63M) の一部になっている。 (2009-072901)

英、伊、瑞の3ヵ国が協議開始

 英国が主導する将来戦闘機開発FCAS-TIに参加する3ヵ国が協議を開始した。
 参加各国で主導する企業、英国のBAE Systems社、イタリアのLeonardo社、スウェーデンのSaab社の3社は7月22日に会合を行い、共同声明を発表した。 (2008-072209)

日本にも計画参加の働きかけ

 Tempest計画で英国はスウェーデンとイタリアのほか、日本に対しても計画参加の希望を持っている。 (2009-071301)

開発の進展状況

 BAE Systems社が前部胴体の組み立てを開始している。
 Leonardo社がレーダ、電子戦装置、ESM装置などを統合したMFRFS装置を担当している。 (2012-102603)

7・1・1・2・2 FCAS / SCAF

 FCAS/SCAF計画を進めている独仏西は、初期型の概念をつめている。
 それによると次世代戦闘機 (NGF) として3案、UAV RCとして10案、ネットワーク化されたACCなどが検討されているという。 (2002-010003)

 独仏国防相がスペインの国防次官立ち会いの下で、次世代戦闘機FCAS開発の次の段階に入るImplementing Agreementに署名した。
 この合意では推進装置、同行UAV、データアーキテクチャ、シミュレーション環境等の開発推進で合意したが、搭載センサ及びステルス性については合意が延期された。 (2003-022105)

 独仏国防相がスペインの国防次官立ち会いの下で、次世代戦闘機FCAS開発の次の段階に入るImplementing Agreementに署名した。
 この合意では推進装置、同行UAV、データアーキテクチャ、シミュレーション環境等の開発推進で合意したが、搭載センサ及びステルス性については合意が延期された。 (2003-022105)

 ドイツ軍が5月26日に声明で、2040年代を目指して独仏西が共同開発する次世代戦闘機FCASの要求性能について、3ヵ国空軍が5月上旬に合意したと発表した。 (2006-052605)

 仏独西が進めている次世代戦闘機FCASの開発で、ドイツは大幅な自動化を取り入れようとしている。
 具体的には航空機同士を結ぶネットワークを高度化してcombat cloudを構成し、AIを用いた目標の分析を行って操縦士を支援するなどである。 (2009-060102)

 スペインIndra社が独仏の進める次世代戦闘機 (NGF) 開発計画FCASに参入した。
 独Airbus社と仏Dassault社は試作Phase 1Aに€155M ($175M) を拠出していが、スペインは数週間以内に€77Mを拠出するという。
 試作Phase 1AではNGFの寸法とRemote Carrierの寸法が決定される。 試作Phase 1Bでは1Aの結果に基づいて試作が行われ、Phase 2で2026年にRemote Carrierと共に飛行試験に入る。
 その後本試作であるPhase 3に入り2027年中頃に事前設計審査 (PDR) が行われ2030年から本試作と量産に入る。
 これら3段階の総経費は€8Bと見込まれている。 (2009-071302)

 仏独西が共同開発する次世代戦闘機FCAS/SCAF開発で仏DGAが11月23日、次世代戦闘機NGFやRC Loyal Wingmanからなる兵器システムNGWSのセンサ開発をスペインIndra社グループを指名した。
 Indra社は仏Thales社や独FCMS社などとチームを組んでいる。 (2012-112403)

7・1・1・2・3 既存機

Tranche 4 Eurofighter Typhoon

 ドイツ空軍がProject Quadrigeの名の下にTranche 4 Eurofighter 38機を調達することになり、11月11日にEurofighter社に発注した。
 独空軍は装備しているTranche 1との換装を行う。
 内訳は単座型30機と復座型8機で、従来報じられていた単座31機、複座7機と若干違っている。
 Tranche 4は今までTranche 3BまたはTranche 3+と呼ばれていた機種でレーダがE-Scan Radar 1 AESAレーダになっている。 (2101-111803)

7・1・1・3 中 国

「4・1・7・3・1 戦闘機」で記述
7・1・1・4 ロシア

MiG-31 を MiG-31BM 仕様に改良

 MiG社は2011年以来110機のMiG-31をMiG-31BM仕様に改良しており、現在も130機のMiG-31の改良作業中であるという。 (2009-071505)

Su-57の量産開始

 ロシアUAC社が間もなくSu-57の量産を極東の工場で開始する模様である。 ただ本格生産までには数年かかると見られる。 (2011-083104)

Su-57の配備開始

 ITAR-TASS通信や国営ロシア通信などが関係筋の話として12月25日、ロシアが開発していたSu-57が初めて軍に納入され、カフカス地方を管轄する南部軍管区の航空部隊に配備されたと報じた。
 軍への引き渡しは当初、2019年に予定されていたが、同年12月に墜落事故が発生したため引き渡しが延期されていた。
 2010年に初飛行したSu-57はシリア内戦にも試験投入された。
 ロシア通信によると、ロシアは最終的に76機のSu-57を調達する計画であるという。 (2101-122502)

Su-35の生産

 ロシアUAC社は当面、輸出用Su-35の生産が続けられており、Su-35の生産は2020年代中頃まで続けられる模様である。 (2011-083104)

7・1・1・5 韓 国

 韓国KAI社が2019年10月中旬に、KF-X第五世代戦闘機にMeteor BVRAAMを搭載することで、MBDA社と情報開示の契約を結んだ。 (2002-010004)
7・1・1・6 その他

トルコ

 トルコ国営TAI社がTF-X開発計画へのマレーシアの参加を働きかけている。 TAI社は2019年、TF-Xの共同生産でアジアのある国とMoUを結んだとしていた。
 TAI社はこの他に、インドネシア、パキスタン、バングラデッシュ、カザフスタンなどにも計画参加を呼びかけている。 (2002-011303)

イラン

 特記すべき記事なし

7・1・2 爆撃機等

7・1・2・1 米 国

7・1・2・1・1 次世代爆撃機 B-21

 米空軍のB-21計画責任者が8月13日、空軍は間もなく詳細設計と技術的困難の克服を完了すると述べた。
 B-21の飛行試験用1号機の組み立ては開始され、既に機体の全容が姿を現し始めているという。
 空軍は2020年代中頃の配備開始を計画している。 (2010-082606)

 米第8空軍司令官が8月31日、B-21の初飛行は当初計画の2021年後半からやや遅れて、2022年初めになると述べた。 (2011-090904)

7・1・2・1・2 既存爆撃機

B-52H のエンジン換装

 米空軍が5月19日、B-52 76機に8基ずつ搭載しているTF33エンジンを民航機用エンジンに換装するB-52 Commercial Engine Replacement ProgramのRfPを、GE、RR、P&Wの3社に向け発簡した。
 3社には今までにCGなどによる提案は行っているため7月22日までに最終提案を行う。 契約はFY21に行われる。 (2006-052008)

B-1B の JASSM 機外搭載試験

 米空軍が11月24日、20日にEdwqard AFBで、B-1BにJASSMの擬製弾を機外搭載した飛行試験を行ったと発表した。 これによりB-1Bが超高速ミサイルを機外搭載することに一歩近づいたという。
 これについて空軍Global Strike Command司令官のレイ大将は、B-1のうち状態の良い一部の機体が超高速ミサイルを装備することになると述べている。
 B-1Bには近年、整備上の問題が生起し、2018年と2019年にそれぞれ飛行停止になっていて、2019年8月には統合参謀会議副議長のハイテン大将が、62機保有するB-1Bのうち飛行可能なのはたったの6機しかないと述べていた。
 また空軍は議会に対し、2021年にB-1 17機の退役を要求している。 (2012-112609)

7・1・2・1・3 Arsenel Plane

 米空軍がB-1B、B-2A、B-52H合わせて158機保有する爆撃機より遙かに多いC-130 248機、C-17 222機保有する輸送機からJASSM-ERを発射するArsenel Plane PMEC計画を進めており、Lockheed Martin社が10月28日にこの計画のPhase 4を$25Mで受注したと発表した。 (2101-111107)
7・1・2・1・4 ガンシップ

KC-130J Harvest HAWK

 米海兵隊がKC-130J Harvest HAWKガンシップに観目線外 (BLOS) 射撃能力を着ける計画で、5月19日にRfIを発簡した。 回答は5月30日までになっている。
 Harvest HAWKは左側燃料槽の下にAN/AAQ-30 Target Sight SensorとCDLデータリンク、左側空中給油パイロンにAGM-114P Hellfire Ⅱ 4発を搭載するほか、後部貨物扉に取り付けた通称Derringer DoorからGBU-44/E Viper Strike及びGriffin A ASMを10発発射する。 (2008-070002)

7・1・2・2 中 国

「4・1・7・4・2 爆撃機」で記述
7・1・2・3 ロシア

7・1・2・3・1 次世代爆撃機

 ロシア国営のTASS通信が防衛産業の情報筋の話として5月26日、ロシアが同国初のステルス戦略爆撃機PAK DAの試作を開始したと報じた。
 この情報筋は報道の中で、機体の最終組み立ては2021年に完了するとの見通しを示した。
 それによると統一航空機製造会社 (UAC) が製造計画の監督に当たり、操縦室部分の作業を開始した。 (2006-052702)
7・1・2・3・2 既存爆撃機

改良型 Tu-160 Blackjack

 ロシアUAC社が2月2日、改良型 Tu-160 Blackjackが初飛行したと発表した。 初飛行は34分間にわたり行われ、高度5,000ftまでを飛行した。
 Kh-555 (AS-15) 通常弾頭CMを12発搭載するTu-160の改良は二段階で行われ、最初のTu-160M1では航法装置とオートパイロットの換装が、続くTu-160M2ではレーダの換装とエンジンの改良が行われる。 (2003-020703)

Tu-95MSM

 ロシアUAC社がモスクワ近くのKubinkaで開かれたArmy 2020で8月23日、Tu-95の最新型Tu-95MSMが22日に初飛行したと発表した。
 Tu-95が初めて就役したのは1950年代で、その後改良が繰り返されて、Tu-95MSMでは最新のターボファンエンジンと新型プロペラが装備されて、航続距離が画期的に延伸すると共に振動が低減されたという。
 またレーダも新型のNovella-NV1.021フェーズドアレイレーダに換装され、恐らくMeteor-NM2と見られる自衛用ECM装置も装備された。
 公開された画像を見ると射程4,500kmのKh-101/Kh-102 CMを8発搭載できる翼下パイロンを装備している。 (2010-090221)

7・1・3 ヘリコプタ、VTOL機

7・1・3・1 米 国

7・1・3・1・1 JMR / FLV 計画

V-280 Valor が全自動飛行

 米陸軍のJMR-TD計画でSikorsky/BoeingグループのSB-1 Defiantと競っているBell社製V-280 Valorチルトロータ機が、2019年12月18日に初めての全自動飛行に成功した。
 試験でV-280は自動で離陸し、巡航姿勢に遷移したのち各種設定された中間地点を追加して自動で目標地点に至り、自動でVTOL姿勢に遷移したのち着陸した。 (2002-010912)

SB>1 Defiant が205ktを記録

 米陸軍のFLRAAでの採用を目指してSikorsky社とBoeing社で開発しているSB>1 Defiant同軸ロータヘリが、6月9日に205ktを記録した。 ただこれは50%以下の推進力での飛行という。
 SB>1 Defiantは230kt以上で設計されているが、テストパイロットによると2~3ヶ月以内に250ktの飛行を行うという。
 FLRAAにはBell社がV-280 Valorチルトロータ機、AVX社とL3社が共同で同軸ロータ型を提案している。 (2008-062406)

SB>1 Defiant が水平直線飛行で211ktを記録

 Sikorsky-Boeingチームが米陸軍協会 (AUSA) の年次展示会で10月14日、SB>1 Defiantが10月12日にエンジン出力2/3の状態で水平直線飛行で211kt、降下飛行で232ktを記録したと発表した。
 Defiantは6月9日に出力50%で205ktを記録し、6月16日に数ヶ月以内に205ktを超えると公言していた。 (2012-102802)

8月には結論

 米陸軍がUH-60 Black Hawkの後継となるFLRAAの前身として進めているJMRはSikorsky-BoeingグループのSB-1 DefiantとBell社のV-280 Valorで競っているが、FY20の8月には結論が出る。
 最高速度はV-280 Valorが300kt、SB-1 Defiantが250ktであるが、FVL計画責任者のルーゲン准将によると、SB-1 Defiantの方が積極的に各種飛行条件での試験を行っているという。 (2005-032303)

7・1・3・1・2 FARA 計画

Boeing社が自社案を公表

 米陸軍が偵察攻撃ヘリFARA計画で、3月中にも5社の候補から2社を選定しようという段階になって、Boeing社が漸く自社案を公表した。
 Boeing社案にはまだ名称はなく単にBoeing FARAと呼ばれている。
 Boeing FARAは6枚ブリードのリジットメインロータと4枚翼の従来型テールロータ、機体後部に前進用のプロペラを有している。 (2004-030305)

 10ヶ月に及ぶ沈黙を破ってBoeing社のPhantom Worksが遂に米陸軍が偵察攻撃ヘリFARA計画に提案するBoeing FARAを公表した。
 Boeing FARAはメインロータとテールロータのほかに、推進用プロペラと翼形状のスタビレータ(stabilator=stabilizer+elevator)を持つ。 (2004-030306)

 5機種が競い合っているAH-64E Apacheの後継となる米陸軍のFARAは3月末に候補の2機種が選定されるが、Boeing社がやっと提案を公表した。 (2005-030902)

候補機種をSikorsky社とBell社に絞り込み

 米陸軍OH-58 Kiowa及びAH-64 Apacheの後継となる次期攻撃偵察ヘリFARAの競争試作に進む機種をSikorsky社案とBell社案に絞った。
 これによりAVX社、Boeing社、Karen社は脱落した。
(2004-032505)

 米陸軍が3月25日、FARA計画の競争試作 (FARA-CP) へ進む企業にBell社とSikorsky社を選定した。 この結果AVX/L3社、Boeing社、Karem社は脱落した。
 陸軍は2028年配備に向け2023年中頃にこのうちの1社を選定する。 飛行試験は2022年末に開始されるとみられる。
 Bell社は民生用のBell 525を元にしたBell 360 Invictusを、Sikorsky社はS-97 Raiderを提案している。 (2005-040111)

 米陸軍の次期戦闘偵察ヘリ競争試作 (FARA-CP) にBell 360 InvictusとSikorsky Rader-Xが選定された。
 巡航速度180kt以上、ロータ径40ft以内としたFARAの要求に対し、並列復座のRader-Xは前身となったS-97 Raiderで207ktを実現しており、縦列復座のInvictusも達成可能という。 (2006-040608)

 Bell社が10月8日に米陸軍協会 (AUSA) の展示会で、陸軍の次期戦闘偵察ヘリの競争試作 (FARA-CP) に選定された360 Invictusは既に試作機の製造に入っており、ギヤボックス、ロータブレード、機体などの製造を開始していることを明らかにした。
 その上で3Q/2022年には組み立てを完了して地上走行試験を行い、4Q/2022年には初飛行する計画であると述べた。 (2012-102106)

7・1・3・1・3 FLRAA 計画

候補機種をSikorsky社とBell社の2社に絞り込み

 FARAの候補機種絞り込みの8日前に陸軍はUH-60 Black Hawkの後継となるFLRAAにSikorsky社、Bell社の2社とBoeing社を選定した。 (2004-032505)

 米陸軍がSikorsky-BoeingグループとBell社にFLRAAの競争開発CD&RRをそれぞれ$97Mと$84Mで発注した。 陸軍はFY22に最終的な機種決定を行う。
 一方JMR-TDでは選定されなかったAVX社もFLRAAを目指した自社開発を継続するという。
 陸軍はJMR-TDにSikorsky-BoeingグループとBell社を選定したが、選定に漏れたAVX社とKamen社にも更なる開発継続に少額ながら出資していた。
 ただKamen社はRfCに回答を行わなかった。 (2005-032505)

AVX Aircraft社が独自案を提案

 AVX Aircraft社が米陸軍のFLRAA計画に同軸反転ロータとダクテッドファン2基を装備した案を提案している。
 同社案ではコックピット上に固定翼を持ち、貨物の卸下積載や人員の出入りに便な後部ランプを持つ。 (2008-070305)
【註】米陸軍は3月に、UH-60 Black Hawkの後継となるFLRAAの競争開発CD&RRをSikorsky-BoeingグループとBell社に発注しており、FY22に最終的な機種決定を行うという。
 ただJMR-TDでは選定されなかったAVX社もFLRAAを目指した自社開発を継続すると報じられていた。

 AVX Aircraft社が米陸軍のFLRAA計画にチルトロータ技術を取り入れた同軸反転ロータの提案を行っている。
 同社が6月26日に明らかにしたところによると、コックピットの上に固定翼を持ち、高速時にはこれで揚力が得られるため回転翼の負荷を低減できる。 また2基のダクテッドファンを持つ。
 更に後部貨物扉を持つことで貨物や人員の乗り降りが便利になっている。 (2009-071504)

7・1・3・1・4 FARA / FLRAA Increament 2

 米陸軍が2030年代に装備するFARAとFLRAAの新型ヘリ計画2件を同時に進めている。
 FARAとFLRAAは共にIncreament 1が3Q/FY30での運用開始を目指しており、続いてIncreament 2の配備開始をFLRAAを2034年、FARAを2035年としている。 (2009-072701)
7・1・3・1・5 高速ヘリコプタ計画

CHITA

 米陸軍がFARAやFLRAAの開発におけるリスク低減活動として、NASAと共同で高速ヘリコプタの研究を進めている。
 陸軍は既にCHITAの縮尺模型を用いてNASAのLangleyで風洞試験を実施している。
 CHITAの研究は2017年に開始され (2006-042002) 【註】この記事には、同軸反転ロータでないCHITAが、どの様にしてテールロータなしで飛行するのかについての記述がない。

7・1・3・2 中 国

「4・1・7・4・3 ヘリコプタ/ VTOL機」で記述
7・1・3・3 ロシア

Ka-52M 偵察/攻撃ヘリ

 ロシア通商産業省が8月10日、Ka-52M偵察/攻撃ヘリが初飛行したと発表した。
 Ka-52を大幅改良したKa-52Mは戦車を45kmで発見できるV006 AESAレーダを搭載し、30mm砲を装備している。 (2010-081909)

Mi-171Sh-VN

 Russian Helicopters社が8月23~29日にモスクワ近くのKubinkaで開かれたArmy 2020でMi-171Shの改良型であるMi-171Sh-VNを初公開した。
 23日に報道陣に公開されたMi-171Sh-VNはMi-171特輸送ヘリを改良して攻撃能力を付与したもので、機体はチタニウムとケブラーにより耐弾性を高めるとともに、エンジンとロータも新型に更新されている。 (2010-090222)

Mi-35P

 Russian Helicopters社がArmy 2020で8月23日、改良型であるMi-35P攻撃ヘリの量産を開始したことを明らかにした。
 Mi-35Pでは照準装置や各種EO/TV装置が新型になっている。 (2010-090223)

7・1・3・4 韓 国

「4・3・3・3・6 攻撃ヘリの機種選定」で記述
7・1・3・5 欧 州

 特記すべき記事なし
7・1・4 その他の航空機

 特記すべき記事なし
7・2 ミサイル等

7・2・1 弾道弾

7・2・1・1 米 国

7・2・1・1・1 ICBM

 Aerojet Rocketdyne社が3月20日、将来ICBMに使用する大型固体燃料ロケットモータの地上燃焼試験を行った。
 胴径132cmのこのロケットモータは高エネルギー長寿命固体燃料、黒鉛複合材製のケース、高性能ノズルなど最先端の技術と素材を使用している。 (2008-070004)

 米国が長距離非核弾頭兵器の開発を進めているのに対し、8月7日付のロシア軍機関誌の「赤い星」にロシア軍高官が、飛来するミサイルが核弾頭か否かを判別するのは困難であるため、全て核弾頭と見なし報復すると述べた記事を掲載した。 (2009-080906)

 Northrop Grumman社が声明で、1970年に配備が開始されたLGM-30G Minuteman Ⅲ ICBMが2029年からGBSDに換装されることを明らかにした。
 Northrop Grumman社が固体燃料ロケットのメーカであるOrbital ATK社買収してNorthrop Grumman Inovation Systems社としたのに伴い、2019年7月に無競争でGBSDを受注していた。 (2010-090905)

 米空軍がICBM級の射程を持つHGVの検討を開始し、8月12日に7分野についてのRfIを発簡した。
 米国防総省は実用型HGVの試作について、空軍のAGM-183A ALRRW、陸軍のLRHW、海軍のIRCPSの3方式を進めている。
 空軍はMinuteman Ⅲの後継となるICBM GBSDについて、Minuteman Ⅲとは異なりモジュラー方式を考えている。 (2011-083103)

 米空軍が9月8日にNorthrop Grumman社に対し、Minuteman Ⅲ ICBMの後継となるGBSDのEMDを$13.3Bで発注した。 EMDは2029年2月までとなっている。
 EMDは3年間行われたTMRRに続くもので、システム設計、試験評価、核の保証などが含まれる。 (2011-091601)

7・2・1・1・2 SLBM

 特記すべき記事なし
7・2・1・1・3 OpFires

Lockheed Martin社が受注

 米DARPAが1月14日、陸軍と進めているIWSの構成要素であるOpFires開発の第3段階をLockheed Martin社に$31.9Mで発注した。
 最終設計審査 (CDR) は2021年後半、構成品の試験開始は2021年、システムとしての発射試験は2022年に計画されている。 (2005-030005)
【註】OpFiresは米DARPAと陸軍が進める、敵の防空システムや緊急目標を攻撃する移動型地上発射型BMで、各種HBGW弾を搭載する。

液体制御固体燃料ロケットエンジンの試験

 Exquadrum社がDyneticsと共同で6月上旬、米DARPAの超高速ミサイルOpFiresに使用する液体制御固体燃料ロケットの2度目にして最終となる地上燃焼試験を完了した。
 OpFiresはDARPAと陸軍が共同で進めている計画で陸上発射式中距離HBGWで、DARPAは別に進めているTBGの技術を共用する。
 開発は3段階で行われ、Phase 1/2では推進装置、Phase 3でシステムとしての開発を行う。
 DARPAは2019年に事前設計審査 (PDR) を完了したと発表しており、最終設計審査 (CDR) は2021年末に計画されている。  システムはM870 3軸トレーラに搭載される。 (2009-080011)

7・2・1・1・4 CD-ATACMS

 米国防総省はFY21要求に、陸軍が進めているATACMSを元に中距離の対艦能力を持たせるCD-ATACMS計画に$62.5Mを要求したが、議会は12月21日に公表されたFY21 NDAAでゼロ査定し計画は終了した。
 CD-ATACMSはATACMSの後継としてLockheed Martin社が受注したPrSMと陸上発射型超高速ミサイルLRPFのギャップを埋めるシステムであったが、既にLockheed Martin社が中距離用としてRaytheon社製のSM-6とTomahawkを陸上発射するシステムを$340Mで受注している。
 一方海兵隊でもGBASMとLRPFの予算が大幅に削減されている。 (2101-122404)
7・2・1・1・5 LRPF (PrSM)

Raytheon社と Lockheed Martin社の競争

 2019年12月11日に米議会が承認したFY20国防権限法では国防総省に対し、12月12日に発射試験を行った通常弾頭の陸上発射BMを含め、1987年に結んだINF条約で規制していた兵器の開発や調達については詳細な報告をしなければならないとの条項を盛り込んだ。 (2002-121804)

 Lockheed Martin社が3月10日、陸軍がATACMSの後継として2023年の装備化を目指しているPrSMの二度目の発射試験を行った。
 飛翔距離は2019年12月10日に行った一回目の250kmより短い180kmであったが、今回は飛翔中の上昇、下降なども実施した。
 一方、2019年11月に発射試験を計画していたRaytheon社のDeepStrikeは、技術的な問題が発生して発射試験を延期していたが、既に問題は解決したという。 (2004-031003)

 米陸軍が開発している精密打撃ミサイルPrSMでRaytheon社は技術的な問題から2019年末に計画されていた発射試験ができず、陸軍は同社に開発を継続させるか否かの決心を迫られている。 (2005-031804)

Raytheon社の撤退

 Raytheon社が3月25日にDefense Newsに送付してきた声明で、同社が米陸軍のPrSM計画から撤退することを明らかにした。
 米陸軍でATACMSの後継となるPrSM計画にDeepStrikeミサイルを提案していた同社は、2019年末に計画されていた発射試験を技術的な問題から中止し、次回の試験を4月30日に計画していたが、発射試験を行うことなく撤退することを決めた。 (2004-032503)

 米陸軍がATACMSの後継となるPrSMの開発について、3月に計画から離脱したRaytheon社などに受注競争参加の機会を与えるため、Lockheed Martin社が開発を進めている基本型の改良として少なくとも3件の追加要求を挙げた。 (2006-050808)

発射試験

 Lockheed Martin社が4月30日、3回目となるPrSMの発射試験を実施した。 米陸軍はFY21に、PrSM 2,422発の調達費として$1Bを要求している。 (2005-043003)

E-TMRR 段階

 米陸軍がMGM-140 ATACMS後継として499km以上の射程を目指しているPrSMについて4月1日、Raytheon社が3月に計画から撤退したのを受け、開発の次の段階となるE-TMRRがLockheed Martin社になると述べ、新たな契約に基づく試験がが10月から2021年6月の間に行われることを明らかにした。 同社は4月30日に3回目の発射試験を行う。
 E-TMRRによるEMDはQ2かQ3/FY21に開始され、Q3/FY23には30基が配備される。 (2006-041507)

改良型の Spiral One で対艦攻撃能力付与

 米陸軍が6月3日、2023年に配備するPrSMの改良型Spiral Oneに搭載するマルチモードシーカの試験を開始した。
 このシーカはレーダ等に対しホーミングし敵の防空組織破壊を目指すもので、対艦攻撃も目指している。 米陸軍は2015年から地上発射対艦ミサイル (LBASM) 計画を進めている。
 Spiral Oneは2025年の配備を目指している。 (2007-060406)

 米陸軍が6月3日、PrSMに搭載する新型シーカの初期試験を実施した。
 試験で供試品はポッドに収納されて航空機の翼下に搭載され、陸上目標のほか艦船を想定した水面目標の標定を行った。
 新型シーカはRFとIRの2モードを持ち、中期誘導をRFで行い、終末誘導をIRで行うという。
 今回の試験は性能の50%を確認するもので、全性能の確認試練は7月以降実施される。 (2007-060803)

 米陸軍が開発中のPrSMは2023年に配備されるが、新型の対艦シーカを搭載した対艦型PrSMは2021年に試験が開始され2025年には配備される。 (2012-102602)

配備開始をFY27からFY25に繰り上げ

 米議会が、陸軍がPrSM計画を次の段階に進め、マルチモードシーカの開発のため直ちに支出を2倍以上にすることを承認した。
 この結果PrSMの配備開始がFY27からFY25に早まる。
 国防総省は8月下旬に議会に対し、$9.9Mの追加支出を要求していた。 (2011-101515)

7・2・1・2 中 国

「4・1・7・2 長距離 BM」で記述
7・2・1・3 ロシア

7・2・1・3・1 ICBM

 TASS通信が2019年12月27日、露国防省が同日にAvanguard(Vanguard)HGV を搭載したICBMを装備した最初の連隊がoperationalになったと発表したと報じた。
 またショイグ国防相が、2020年内に戦略ミサイル軍 (RVSN) でYars及びVanguardの発射機22基が戦闘警戒態勢入ると共に、7隻建造されるBulava SLBMを装備するBorei-A級潜水艦の一番艦が露海軍へ引き渡されると述べた。
(2003-010802)

 ロシアのショイグ国防相が3月25日に連邦議会で、ICBMの生産設備がSarmat重ICBMの生産用に改良されたと述べた。
 また、核装備の近代化が90%達成されることも明らかにした。 ロシア軍の近代化は68.2%達成しており、年内に70%を越えるとも述べた。
(2005-040110)

7・2・1・3・2 SLBM

オホーツク海から Bulava 4発を発射

 ロシア国防省が12月12日、太平洋艦隊所属の原潜Vladimir Monomachがオホーツク海からSLBM Bulava 4発の発射試験を行い、北部アルハンゲリスク州の演習場に予定通りに着弾させたと発表した。 (2101-121301)

7・2・1・4 インド

 特記すべき記事なし
7・2・1・5 イラン

「2・1・5・2 BM の増強」で記述
7・2・1・6 その他諸国

7・2・1・6・1 パキスタン

 特記すべき記事なし
7・2・1・6・2 イスラエル

「2・3・2・3 打撃力の強化」で記述
7・2・2 超高速飛翔体

7・2・2・1 米 国

7・2・2・1・1 米国の超高速飛翔体計画

計画の全貌

 HGVを弾頭にしたロシアのAvangard ICBMが2019年末にoperationalとなるが、米国で最初のHGVが装備化されるのは2~3年後になる。
 最初に就役するのは空軍のHCSWとARRWで2022年になる。 その後陸軍のLRHW、海軍のIRCPSと続く。
 スクラムジェット推進で空中発射式のHAWCもHCSWとARRWと同じ頃に実用化すると見られるが、その時程は公表されていない。 (2002-122305)

 米各軍は攻撃型超高速兵器の開発を進めており、海軍は水上艦発射型を2023年、潜水艦発射型を2024年に装備化する計画で、空軍は空中発射型の2022年装備化を目指している。
 陸軍は移動式陸上発射の長距離超高速兵器をFY23に装備化する計画である。 (2003-020605)

 米国防総省がスクラムジェット推進吸気型超高速CM HAWC 計画の継承を模索しており、Lockheed Martin/Aerojet RocketdyneグループとRaytheon/Northrop Grummanグループが受注競争を行っている。
 米空軍研究所 (AFRL) は10年前にスクラムジェット推進であるX-51の飛翔試験に成功していたが、2017年に超高速飛翔体分野で中露に先を越された米国は推進滑空 (boost-glide) 技術の分野に予算を集中し超高速CMの優先度は最下位に下がっていた。
 その後AFRLは2019年9月にMach 4を越える風洞試験でNorthrop社製スクラムジェットエンジンによる13,000-lbを越える推力を実現し、Raytheon社が6月にHAWCの方が推進滑空より優れるとしている。
 2018年12月には国防総省で研究開発を所掌するグリフィン次官補が、推進滑空兵器より超高速CMの方が有用だと述べている。 (2004-021001)

 米陸軍はFY21予算で超高速ミサイルとその迎撃システム及び迎撃レーザシステムに$1B以上を要求している。 これは前年度に比して超高速ミサイルで86%増になっている。
 これらでは実験室段階から実用段階への移行が目指され、超高速兵器については2023年の車載が計画されている。 (2003-022811)

 米国が開発を進めている超高速ミサイルの装備数は、数百発~数千発になるとみられるが、まだその価格については分かっていない。
 米国では陸海空軍が、AGM-183A ARRW(空軍)、LRHW(陸軍)、CPS(海軍)と3種類のロケットブースタ加速のHGVを開発しているが、試験が行われたのはLRHWとCPSが共用するCHGBだけである。
 因みにPatriotの単価が$4Mであるのに対しAGM-158B JASSM-ERの単価は$1.2Mである。 (2007-050401)

Joint Hypersonic Transition Office の立ち上げ

 米国防総省で研究開発を所管するグリフィン次官が、Joint Hypersonic Transition Officeを立ち上げて超高速飛翔体の開発を一元的に行うことを明らかにした。 (2007-061907)

7・2・2・1・2 超高速飛翔体関連予算

 米国防総省はFY21予算で超高速飛翔体にFY20より14%多い$2.865Bを要求している。
 このうち陸海軍には前年度のほぼ2倍になる$859Mと$1.026Bを要求した一方、空軍は35%減の$554M、DARPAは40%減の$417Mになっている。 (2005-041405)

 米国防総省当局者が4月22日に、超高速兵器の開発がCOVID-19のパンデミックにより、3月上旬以降サプライチェーンに影響が出ていると述べた。 (2005-042211)

7・2・2・1・3 陸軍の計画

陸軍の計画

 マッカーシー米陸軍長官が3月3日に下院軍事委員会で、陸軍が2023年の配備を目指している2種類の地上発射超高速ミサイルの発射試験を2020年内に行う計画であると述べた。 (2004-030307)

 米DARPAが米陸軍向けに、地上発射型長距離超高速兵器を開発しているが、海兵隊もこのシステムに関心を持っていて、DARPAとの話し合いを行っている。 (2007-061813)

OpFires

 Aerojet Rocketdyne社がOpFires戦術超高速兵器開発Phase 2でのスクラムジェットエンジンの一連の試験を完了した。 縮小型エンジンを用いた試験Phase 1は2019年末に完了している。
 Phase 1/2は推進装置の開発で、Phase 3ではシステムとしての開発に移る。 DARPAは1月にPhase 3をLockheed Martin社に発注している。
 Phase 3の最終設計審査 (CDR) は2021年末に設定されている。
 OpFiresはDARPAと陸軍が計画している二段推進の移動型中距離HBGWで、DARPAは空軍とTBG計画も進めている。 (2010-090005)

 Lockheed Martin社がAerojet Rocketdyne社を$4.4Bで買収することに合意した。 Lockheed Martin社は既に、自社製品にAerojet Rocketdyne社の推進システムを採用している。 (2101-122106)

TMRR

 米陸軍が移動型中距離ミサイルMIRMの試作計画を進めている。
 MIRMはアジア太平洋への配備を目指したATACMSの後継となるPrSMと超高速兵器の間を埋める射程1,000kmの陸上発射型超高速CMで、FY20に計画されたがFY21予算ではTMRRの要求$90Mがカットされている。 (2010-090215)

 米陸軍は2023年までに装備化できる2種類の超高速ミサイル、射程数千kmの長距離型LRHWと射程1,800kmの中距離型MRCを計画している。
 両方のシステムではthrotteableロケットモータが採用される。
 このうちMRCがDARPAと陸軍が共同で進めているOpFiresであるが、その開発費はFY20に$19M、FY21要求で$28Mしかなく、陸軍はこれを大幅に引き上げる計画もない。
(2011-102306)

7・2・2・1・4 海軍の計画

超高速兵器試作計画 (HGB)

 モドリー米海軍長官代行が1月31日、海軍の超高速兵器試作計画 (HGB) の飛翔実験機Flight Experiment 2の飛翔試験が2Q/FY20に実施されると述べた。 (2004-021207)

 米国防総省が、長距離超高速滑空飛翔体の飛行試験を今週実施することを明らかにした。
 海軍のSSPの飛行試験FET-2では、ハワイから発射された供試体が2,000nm以上飛翔することになる。
 この試験に成功すれば陸軍が2023年、海軍が2025年に装備化を目指している弾みがつく。 (2004-031804)

 米国防総省が3月20日、共用超高速滑空体C-HGBの飛翔試験を行ったと発表した。 C-HGBは3月19日22:30にハワイ州Kauai島のPMRFから発射された。
 陸軍と海軍が開発している超高速兵器に搭載されるC-HGBは弾頭、誘導装置、配線、熱防護装置からなり、最初の飛翔試験は2017年10月に行われている。
 陸軍はC-HGBを搭載した陸上移動型超高速兵器を2023年、海軍はC-HGB搭載水上艦発射システムを2023年、潜水艦発射システムを2024年に装備化させる。
 一方空軍は空中発射超高速兵器を2022年に配備する計画である。 (2004-032004)

 米国防総省が3月20日22:30に、共用超高速滑空体C-HGBの飛翔試験をハワイ州Kauai島のPMRFから発射した。  C-HGBは陸軍と海軍が開発している超高速兵器の試作品であるが、ブースタにはPolaris A3を転用している。
 これとは別に空軍とDARPAは、ARRWとHSW-abの空中発射型超高速兵器2種類を開発している。 (2004-032005)

 米国防総省が20日、ハワイ州カウアイ島で超高速兵器の発射試験を行い、成功したと発表した。 声明によると、陸海軍が共同開発している超高速滑空体 (C-HGB) は着弾点までMach 5を超える速度で飛翔した。 C-HGBの試験は2017年10月にも実施されている。
 この試験にはMDAも参加し、超高速兵器迎撃システム開発のためにデータを収集した。 (2004-032101)
【註】2017年10月に行われた試験ではハワイから発射されたHGVが、約3,500km離れたマーシャル諸島まで飛翔したと報じられている。

陸海軍共用 C-HGB

 3月末に米陸海軍共用のC-HGBがハワイPMRFから発射される2度目の試験に成功した。
 この結果を受け陸軍は2023年に車載発射機4両からなる1個中隊を発足させるが、Virginia級潜水艦に装備する海軍型の装備化は陸軍より2~3年あとの2020年代中頃になる。 (2005-041003)

 マッカーシー米陸軍長官が10月13日に行われた米陸軍協会 (AUSA) コンファレンスの開会式で、陸軍と海軍が開発している共用超高速滑空飛行体 (C-HGB) が3月13日に行われた発射試験で照準点の6吋に着弾したことを明らかにした。
 C-HGBは弾頭、誘導装置、耐熱システムを備えたもので、陸軍は中隊規模の部隊が装備する地上発射型システムとして2023年装備化を目指しており、最初の発射試験を3Q/FY21、二度目の試験を1Q/FY22に実施する計画である。 (2011-101305)

超高速ミサイルの艦載計画

 米国家安全保障担当オブライエン補佐官が10月21日にメイン州のポーツマス海軍造船所で聴衆に対し、米海軍は全てのArleigh Burke級駆逐艦に超高速ミサイルを装備すると述べた。
 同補佐官は、これは海軍のConventional Prompt Strike計画によるもので、最初に装備するのはVirginia級攻撃型原潜、次いでZumwalt級駆逐艦、最後にArleigh Burke級駆逐艦になるとした。
 ただ駆逐艦の発射機Mk 41 VLSは胴径の大きな超高速ミサイルを搭載するには換装が必要で、それには膨大なコストがかかるだけでなく、造船所に何年間も入渠させる必要がある。
 このため駆逐艦搭載用には吸気式など別の小型超高速ミサイルも検討されている。 (2011-102106)

7・2・2・1・5 空軍の計画

HCSW の計画中止

 米空軍が2月10日、開発を進めている2件の超高速兵器のうちHCSWの計画中止を明らかにした。
 HCSWの開発を続けてきたLockheed Martin社は、同じく同社が開発を行っているARRWの開発に専念するという。
 空軍によるとHCSWよりもARRWの滑空機体の方がユニークな設計になっているという。 (2003-021112)

 米空軍Global Strike Commandが空中発射超高速ミサイルにDARPAが開発しているスクラムジェット方式ではなくARRWを選定した。 (2005-040907)

HAWC 吸気型超高速 CM

 米空軍がスクラムジェット技術の進歩により新たな吸気式超高速CMの開発計画を開始し、4月28日にQ4/FY21の事前設計審査 (PDR) に向けたRfIを発簡した。 (2005-042905)

 米空軍が吸気式超高速CMの開発計画を開始し、4月27日にQ4/FY21の事前設計審査 (PDR) に向けたRfIを発簡した。
 この>吸気式超高速CMは戦闘機または爆撃機から発射するもので、推進にはラムジェット、スクラムジェット、または2モードのエンジンが考えられている。
 国防総省が開発している超高速兵器は全て、大気圏上縁を飛翔するboost-glide方式で、スクラムジェットなどが動作する大気圏内では活用できない。
 空軍の計画と並行して行われているDARPAのHAWCではRaytheon-Northrop GrummanチームとLockheed Martin-AerojetRocketdyneチームがスクラムジェット推進を提案している。 (2005-043002)

 米空軍が空中発射型通常弾頭超高速CM計画を開始した。 将来超高速飛翔体計画の業者候補調査(Sources Sought)通知は4月28日に発簡された。
 検討対象となるのは現有の戦闘機や爆撃機から発射される固体燃料ロケットブースタで発射され吸気式エンジン(ラムジェット、スクラムジェット、またはその複合型)で推進するもので、4QFY21に事前設計審査 (PDR) が行われる。 (2008-060002)

 DARPAが9月1日、Lockheed Martin社とRaytheon社の開発している吸気式超高速飛翔体HAWCの航空機に吊り下げて飛行する試験CCTを終了し飛行試験に問題ないことが確認されたため、2020年末までに飛翔試験に入ると発表した。
 AW&STが6月に、HAWCのCCT中に機体の損傷が起きたと報じていたが、DARPAはそれについて明らかにしなかった。 (2010-090214)

 米DARPAが9月1日、Lockheed Martin社とRaytheon社が別々に開発している吸気式超高速飛翔体HAWCの航空機に吊り下げて飛行する試験CCTに成功したため、2020年末までに飛翔試験に入ると発表した。
 HAWCは水素を燃料としたスクラムジェットで推進する空中発射飛行体で、その技術は将来の超高速CMに使用される。 (2010-090710)

AGM-183 ARRW

 Lockheed Martin社が開発中の空中発射超高速飛翔体AGM-183 ARRWが2月27日に最終設計審査 (CDR) を通過した。
 同社が2018年4月に空軍から$928Mで受注したもう一方の計画HCSWが計画中止になったことから、支出はARRWに集中される。
 Lockheed Martin社の超高速飛翔体関連の受注額は$3.5Bにのぼっており、ARRWの元となったDARPAのTBG計画では2016年に$147.3Mを受注している。 この計画にはRaytheon社も$63.3Mを受注している。
 Lockheed Martin社は地上発射超高速飛翔体でも、Dynetics社が$351.6Mで受注した陸海軍共通のCHGBで、2019年8月にシステム取り纏めを$347Mで受注している。
 更に同社は1月に、移動型陸上発射超高速弾OpFires開発のPhase 3を$31.9Mで受注している、 (2003-022703)

 Lockheed Martin社が開発中の空中発射超高速飛翔体AGM-183 ARRWが2月27日に最終設計審査 (CDR) を通過した。
(2005-030009)

 米空軍が計画中止になったHCSWの計画を整理して、ARRWの発射試験準備を進めている。
 空軍の計画担当者は5月11日、HCSWの開発を進めていたLockheed Martin社と$928Mの契約をQ4/FY20に終了することで合意したことを明らかにした。 (2006-051104)
【註】HCSW開発計画を中止して資源を集中することになったARRWの開発もLockheed Martin社が担当している。

 AGM-183A ARRWのキーワードはWeaponという名称であるが、EOCは2022年9月へと1年以上延期された。 これに伴い開発コストも増大するが、これは4月に空軍が開発中止を決めたHCSW経費の転用でまかなわれる。
 HCSW計画中止後もDARPAはTBGとして計画を続けているが、2019年に計画されていたTBGの飛行試験はまだ行われていない。 (2008-062904)

 米空軍が、2021年10月に行うB-52Hによる発射試験に使用するため、超高速ASM AGM-183A ARRWの当初生産分をFY20に調達する計画である。
 米国の会計検査院であるGAOが6月上旬に公開した報告書によると、調達するのは8発で4発は飛行試験用、残りの4発は予備になっている。 (2008-070008)
 米空軍がLockheed Martin社と、AGM-183A ARRWの2回目となるB-52Hの機外に搭載した状態での飛行試験 (CCFT) IMV-2を実施した。
 初めてのエンジンを噴射しての試験は年末に行われる。
 AGM-183A ARRWの最終設計審査 (CDR) は2021年11月30日までに完了させる計画である。 (2011-100001)

 米国防総省が12月11日にAdward AFBでAGM-183A ARRWをB-52に搭載する細部映像を初公開した。
 AGM-183AはMach 20以上に相当する24,695km/hに達することから、ソウルから190km離れた平壌に向けて発射した場合、30秒以内で攻撃が可能になる。 (2101-121401)

 米空軍がAGM-183A ARRW初の飛行試験を12月末に行う。
 Aerojet Rocketdyne社製で全長18ftのARRWは2010年に飛行したX-51 Waveriderの改良型である。 (2101-121509)

AX-60A 超高速飛翔体実験機

 Generation Orbit社が1月31日、米空軍研究所 (AFRL) と進めているX-60A超高速飛翔体実験機の地上試験を実施したと発表した。
 X-60AはAFRLの小規模企業との研究開発計画でUrsa Major Technologies社、Ganeration Orbit社と進められているジンバルエンジンによるTVCの空中発射方式の単段液体燃料推進ロケットである。
 計画は2019年4月に開始され、初めての飛行試験を2020年3月、2回目の飛行試験をその半年後に計画されている。 (2005-030009)

 米空軍研究所 (AFRL) がGeneration Orbit社と開発を進めてきたX-60A GoLauncher1 (GO1) 超高速飛翔試験機が行う初の飛行試験は、3月の予定が今年後半へ延期された。
 2回目の試験はその4~6ヶ月後になる。 (2005-040008)

7・2・2・1・6 DARPA の計画

OpFires 地対地 HGBW

 米DARPAと陸軍が地対地HGBW OpFires開発の第3段階をLockheed Martin社に発注した。
 OpFires開発は第1第2段階で推進装置の開発を行ってきたが、第3段階では発射機、電気装置、弾頭などとの組み合わせが行われ、最終的に全システムによる発射試験が行われる。 (2002-011409)

HyFly 2

 超高速兵器開発競争にBoeing社が再登板しようとしている。  米議会の出資で今年設立されたJoint Hypersonic Transition Officeが10月27日に、Boeing社チームがDCRの事前設計審査 (PDR) を通過したことを明らかにした。 また29日にはこの計画がHyFly 2と呼ばれることを明らかにした。
 HyFlyはDARPAと海軍が2007年~2010年に3回の飛翔試験を実施し、3回とも失敗した計画であったが、X-51A WaveriderがMach 4を目指していたのに対しHyFlyがMach 3.3付近を目指していた。
 HyFly 2が採用したDCRエンジンは第一段のラムジェットが亜音速ガスジェネレータとして働き、第二段のスクラムジェットでMach 6を目指すもので、計画にはLockheed Martin/AerojetチームとRaytheon/Northrop Grummanチームも参入しており、海軍はFY22に決定するという。 (2101-110901)

7・2・2・1・7 メーカーの対応

企業再編

 Leidos社が12月17日、Dynetics社を$1.65Bで買収することに合意したと発表した。
 Dynatics社は2019年8月に米陸軍からLRHWの試作を受注している。 (2003-010110)

Talon-A

 シアトルを拠点にするStratolaunch社が2022年のIOCを目指して空中発射式のTalon-A超高速無人試験機を自社開発している。
 Talon-Aは全長8.5m、翼端長3.4m、重量2,772kgでMach 6以上の性能を持ち、空気取り入れ方式の液体燃料ロケットエンジンで飛翔するため酸化剤は搭載していない。
 エンジンをロケット/スクラムジェットエンジンにすることもできる。
 空中で投下されてロケット推進し、滑空飛行で巡航する。 (2005-042407)

7・2・2・1・8 同盟国との共同研究

ノルウェーとの共同研究
 米国防総省が4月20日、超高速CM技術の共同研究を2019年にノルウェーと開始したことを明らかにした。 (2005-042007)

 米国防総省とノルウェー国防省が4月20日、米陸海軍の将来超高速ミサイルが装備するラムジェットエンジン技術で提携すると発表した。
 計画はTHOR-ERと呼ばれる固体燃料ラムジェットで、陸軍は超長距離砲ERCA砲弾への利用も検討している。 (2005-042008)

オーストラリアとの共同研究

 米国防総省が11月30日、オーストラリアと新たな超高速研究計画SCIFiREを進めていることを明らかにした。
 SCIFireは国防総省がFY20にRapid Prototyping Projectとして掲げた2件の超高速研究の第2弾と見られる。 (2012-113006)

7・2・2・1・9 飛翔試験環境

Stratolaunch 発射母機

 カリフォルニア州を拠点とするMojave社が、中距離ロケットの空中発射機として作られた搭載能力500,000-lbのStratolaunch機を、同社が提案する超高速飛翔体のテストベッドとして利用する案を公表している。
 同社が提案する超高速飛翔体は2年前に提案した全長28ft、翼端長11.3ftのHyper-Aを元にした、再利用可能、全自動、液体ロケット推進、Mach 6のTalon-Aや、Hyper-Zを元にした全長80ft、翼端長36ft、全備重量65,000-lb、Mach 10のTalon-Z、更にBlack Iceなどである。 (2006-042003)

7・2・2・2 中 国

「4・1・7・6・1 超高速弾頭 BM」及び「4・1・8・4 超高速飛翔体の研究開発」で記述
7・2・2・3 ロシア

Avangard ICBM

 特記すべき記事なし

3M22 Zircon 超高速 CM

 ロシア国営TASS通信が2月28日、北方艦隊のフリゲート艦が同日超高速ミサイル3M22 Zirconの発射試験に成功したと報じた。
【註】3M22 Zircon (SS-N-33) は2012年に生産が開始された全長8~10m、射程500kmの超高速ASCMで、弾頭重量300~400kgを搭載してスクラムジェットで推進しMach 8~9で飛翔する。 (2004-030205)

 ロシア国営TASS通信が2月28日、露海軍北方艦隊のProject 22350フリゲート艦Admiral Gorshkocが1月にバレンツ海で、超高速ミサイル3M22 Zircon (Tsirkon) を初めて発射し、北ウラルの地上標的まで500km以上を飛翔したと報じた。
 Zircon (Tsirkon) はスクラムジェットで推進する。 (2005-031103)
【註】Missile Defense Advocacy Alliance (MDAA) のHPによると3M22 Zircon / SS-N-33は以下の様なミサイルである。

・対艦超高速ミサイル
・地上、空中、潜水艦発射型
・射程1,000km
・アクティブ/パッシブレーダ誘導
 プーチン露大統領が7月26日、海軍艦に超高速兵器や原子力魚雷などの新型兵器を配備し、戦闘能力を大幅に強化すると表明した。
 大統領の発言は開発中の3M22 Zircon海上発射型超高速CMを念頭に置いたとみられる。 (2008-072604)

 ロシアが10月6日、超高速巡航ミサイル3M22 Zirconの発射試験をバレンツ海で成功させた。 ゲラシモフ軍参謀総長がプーチン大統領の68歳の誕生日に当たる7日に大統領に報告した。
 参謀総長によると、Zirconは白海でAdmiral Gorshkov級フリゲート艦から発射された。 (2011-100704)

 プーチン露大統領が10月8日、Zircon超高速CMの発射試験に成功したと述べた。
 ゲラシモフ露参謀総長によると試験は7日に行われ、白海でフリゲート艦Admiral Groshkovから発射されたZirconはバレンツ海の標的に命中したと言う。
 Zirconについてプーチン大統領は2019年に、射程は1,000km、速度はMach 9と述べている。 (2011-100705)

 ゲラシコフ露軍参謀総長が10月7日にプーチン大統領に、6日に白海でフリゲート艦Admiral Gorshkovで行われたTsirkon (Zircon) 超高速CMの最終段階となる性能確認試験が成功したと報告した。
 この試験でTsirkonは高度28km (91,000ft)、速度Mach 8以上で4.5分にわたり450kmを飛行したという。  Tsirkonはラムジェット推進のP-800 Onyxと異なりスクラムジェットで推進する。 ラムジェットでは亜音速で燃料燃焼させるのに対し、スクラムジェットでは超音速の衝撃波を利用して吸気と燃料の圧縮を行うため速度の制限を受けない。
 今回の試験成功を受け2020年中にProject 885M潜水艦Kazanが発射試験を行う。 Tsirkonは7月に二番艦が就役し2027年までに更に8隻が計画されているProject 22350フリゲート艦が24発ずつ装備するほか、Project 22350Mフリゲート艦も48発ずつ装備し、戦闘巡洋艦Admiral Nakhimov及びPyotr Velikyも80発ずつ発射機を備えている。
 更にP-800 Yakhontに地上発射型のBastionができたように地上発射型Tsirkonが登場する可能性もある。 (2011-100707)

Kh-47M2

 レーダの設計者にとってMach 5を超えるミサイル等の出現が大きな課題になっている。
 例えばロシア空軍のKh-47M2核/非核ASMは最大速度Mach 10で飛行する。
 その他にも3M22 ZirconやDF-ZFなどの超高速ミサイルも報告されている。 (2008-070001)

7・2・2・4 その他

7・2・2・4・1 英 国

THRESHER

 英DSTLと米空軍研究所 (AFRL) が共同で超高速飛翔体THRESHERの開発計画を進めている。
 THRESHERは全長3.6m、幅1.2m、先端径10mm、重量900kg、弾頭重量350kgで、最高速度Mach 5、着弾時の速度Mach 2+、射程2,500~3,000kmの空中発射超高速滑空弾 (HGV) である。 (2006-040601)

 MBDA社が4月9日に超高速飛翔体Twisterに関する米国の特許を取得した。 同社は2019年11月にフランスでの特許を取得している。
 MBDA社は迎撃弾のほか、2030年代中頃を目指しASMP-Aに代わるスクラムジェット推進CMであるASN4Gの開発も進めている。 (2007-050402)

7・2・2・4・2 インド

 インド国防省が9月7日、極高速飛行の実験に成功したと発表した。
 DRDOが東部オディシャ州沖の島にある発射施設から高度30,000mまでロケットで打ち上げ、切り離された実証機がMach 6で20秒以上飛行したとしている。
 地元メディアは、極高速飛行実験に成功したのは米国、ロシア、中国に次いで4ヵ国目だと報じた。 (2010-090709)

 インドDRDOが9月7日、超高速飛翔体HSTDVの飛行試験に成功した。
 Agni Ⅰ SRBMのロケットモータで高度30kmまで打ち上げられた全長5.6m、重量1.1tのHSTDVは、国内開発したスクラムジェットエンジンで20秒以上をMach 6で飛翔した。
 DRDOによると次回の試験では300~400kgを搭載して600秒にわたり1,500kmを飛翔する計画である。 (2011-091603)

7・2・3 巡航ミサイル

7・2・3・1 米 国

7・2・3・1・1 既存システム及び改良型

Tomahawk Block Ⅴ (Va/Vb)

 米海軍がTomahawk Block Ⅳ(Tactical Tomahawk)を全てBlock Ⅴに換装するという。
 Block Ⅴの当初型Block ⅤaはMaritime Strikeと呼ばれ移動目標を攻撃でき、続いて開発されるBlock ⅤbはJMEWS弾頭が搭載される。 (2002-012207)

 米海軍が2021年にオーバーホールと対艦型への改良を行ったTomahawk Block Ⅴaの配備を開始する。
 Block ⅤaにはMSTへの改造とNAV/COMMパッケージの搭載が行われ、海上の移動目標への終末誘導能力が付与される。
 更にその2年後には対地型のBlock Ⅴbが配備される。 Block ⅤbにはJMEWS弾頭が搭載される。 (2005-030007)

 米海軍Carl Vinson CSGの駆逐艦Chafeeが11月30日にTomahawk Block Ⅴ初の発射試験をChina Lake試験場で実施した。
 更に2発目の試験を10月1日に実施し、同射場にあるSan Nicols島の標的に命中した。 (2101-121404)
【註】Tomahawk Block ⅤはTomahawk Block Ⅳに対艦用シーカを取り付けたもので、かつてはTomahawk Block Ⅳ MSTと呼ばれていたが2019年初期にTomahawk Block Ⅴと命名され、米海軍は全てのTomahawk Block ⅣをTomahawk Block Ⅴに換装すると報じられている。

 米海軍が12月にTomahawk CMの最新型であるTomahawk Block Ⅴの駆逐艦Chafeeからの発射試験に成功した。 Block Ⅴは以下のような特長を持っている。 (2101-121506)

1. Increased capabilities
2. More survivable
3. Subsonic is a feature, not a bug
4. It's cheap
5. It's all in the mix
AGM-158B JASSM-ER

 Lockheed Martin社が4月1日、FMSで売却する分を含めて790発のAGM-158 JASSMを$818.2Mで受注したと発表した。
 受注したのはLot 17とLot 18生産分で、Lot 17では米軍用360発にFMS分40発、Lot 18の390発も輸出用になっている。
 同社は今までに、射程370kmのJASSMと1,000km近いJASSM-ERを併せて3,000発以上を受注している。 (2005-040205)

AGM-158C LRASM

 米海軍が2019年11月、F/A-18E/Fに搭載してのAGM-158C LRASMのEOCを宣言した。
 LRASMは対艦攻撃兵器 (OASuW) のIncreament 1要求により開発されたもので、B-1B搭載では2018年12月にEOCになっている。 (2004-020006)

AGM-154C-ER JSOW-ER

 米海軍がAGM-154C-1 JSOWの長射程型であるJSOW-ERの開発契約を23Q/2020にRaytheon社と行う。
 海軍はFY25装備を目指して$700Mを要求しており、4Q/2022には生産を開始する。 (2003-022804)

 米海軍がQ3/2020年に長射程型AGM-154C-1 JSOW (JSOW ER) の開発をRaytheon社に発注する。 JSOW ERの射程は200nm以上という。
 海軍はQ4/2024年のEOC、Q3/2020~Q3/2025年でのLot 1受領を計画しており、海軍は総経費をFY25までに$700M以上とみている。 (2005-040005)

AGM-154C JSOW-NEW

 F-35によるネットワーク型AGM-154C JSOWであるJSOW-NEWの投下試験が2月に行われ、海上移動目標 (MMT) に対する有効性が確認された。
 JSOW-NEWは、MIDSJTRSを利用したRockwellCollins社製TacNet 1.5 2波(UHF及びLink 16)SCWDLデータリンクを搭載している。 (2008-060003)

ROGUE Fire Vehicles

 米海兵隊がFY21予算要求に、既存の車両と既存のミサイルを組み合わせ、中国の艦船を陸上から攻撃する計画GBASMとROGUEを開始するため$64Mを計上した。
 ROGUE Fire Vehiclesは陸軍の軽装甲車JLTVを無人化してRaytheon/Kongsberg製NSMを搭載しようというもので、GBASMは陸海空軍が装備しているミサイルを陸上発射型にしようとする計画である。 (2003-021204)

AGM-84K SLAM-ER

 Boeing社が12年ぶりにAGM-84K SLAM-ERの生産を再開する。 生産するのはサウジアラビア空軍がF-15SAに搭載するもので、600発以上が$1.97BのFMSで売却される。
 SLAM-ERはAGM-84 Harpoon対艦ミサイルを精密誘導ミサイルにしたAGM-84H SLAMを大幅改良したもので250km以上の射程を有し、AWW-13 ADLを搭載して双方向データリンクによるman-in-the-loop制御を実現している。 (2008-070005)

陸上発射型 NSM

 米陸軍は2018年にRaytheon-Kogsberg製の陸上発射型NSMで、Kauai島北方63哩の標的船に命中させている。 (2012-102602)

7・2・3・1・2 MMRM

 米陸軍が2023年に編成されるPrSMとLRHWの中間として装備する中距離火力 (MRC) 中隊が装備するミサイルMMRMを、艦載のTomahawk及びSM-6の地上発射型にする方向で動いている。 (2011-102810)

 米陸軍が11月6日、中距離ミサイルシステムの試作にLockheed Martin社を選定したと発表した。 契約額は$340Mになる。
 Lockheed Martin社はTomahawkとSM-6を、発射機、中隊指揮所装置 (BOC) からなるMRCと組み合わせ、最初の実働中隊をFY23にoperationalにする。 (2012-110702)

7・2・3・1・3 新型システム

次世代空中発射核 CM LRSOW

 米空軍が4月17日、次世代空中発射核CMであるLRSOWの開発にRaytheon社を選定したと発表した。
 LRSOWの開発で空軍は2017年8月に、Raytheon社とLockheed Martin社にそれぞれ$900Mで基本設計を発注し、12月に設計審査を通過していた。 (2005-042006)

 米空軍がB-52搭載核CMとして375発装備している1982年に就役したBoeing社製のAGM-86Bは2030年には退役するため、空軍はその後継としてB-52に搭載するLRSOを開発しているが、担当が実質的にRaytheon社一社に決まっている。
 次期ICBMの開発は2019年にBoeing社が降りたためNorthrop Grumman社に決まったし、LRSOも2017年8月に開始された54ヶ月間のRREがまだ2年残っているのに、空軍がRaytheon社一社をしていした。
 RREにはNorthrop Grummn社とBoeing/Lockheed Martinチームも参加していた。 (2007-050403)

 米空軍が4月17日に、核弾頭のAGM-86 ALCM後継として開発を進めているLRSOの担当をRaytheon社一社にしたと発表した。
 LRSOの開発は現在Raytheon社とLockheed Martin社による競争TMRR PDRの最中であるが、PDRはRaytheon社だけと行われることになる。
 LRSOはAGM-86Bだけでなく通常弾頭のAGM-86C/D後継としても考えられており、現段階は2022年1月まで続けられて、一社が選定されてEMD段階に移行して、2030年のIOCが計画されている。 (2008-060004)

 米議会下院歳出委員会国防小委員会が、FY21で次世代空中発射CMであるLRSOに空軍が要求している$474Mを$170M削減する案を示している。 (2008-071413)

Gray Wolf
 米空軍研究所 (AFRL) が3月19日、低価格のターボジェットを動力としたCM Gray Wolf計画を進めていると発表した。
 Gray Wolfの開発はNorthrop Grumman社がTDI-J85エンジンを開発しているTDI社と進めており、既に飛行間にエンジンを数回再起動する試験に成功している。
 Gray Wolfは250nm以上巡航できる設計で、ネットワーク化して群攻撃することを目指している。 (2007-050006)

潜水艦発射核搭載新型 CM 計画

 匿名の米国防総省高官が今週、同省がFY21予算要求に潜水艦発射核搭載新型CM計画開始を盛り込んでいることを明らかにした。 FY20では選択肢分析 (AOA) 段階として$5Mを要求し議会が認めているがFY21でもこれを引き継ぐが、FY22では計画を開始するという。
 潜水艦発射核搭載新型CMの配備により、核搭載艦の数は12隻から20~30隻に増えることになる。
 2018年始めにトランプ政権が発表したNuclear Posture Reviewでは低威力核弾頭と海上発射核CMの二点を打ち出したが、低威力核弾頭はW76-2として2019年末に配備されている。 (2003-022106)

 米国防総省の政策担当次官官房が3月に核弾頭搭載潜水艦発射CM (SLCM) SLCM-Nに関する白書で、2018年にトランプ政権が打ち出したNPR政策に基づき、SLCM-N開発が緊急の課題で、目下SLBM-N調達の準備が進められていることを明らかにした。
 米国は核弾頭TomahawkであるBlock Ⅰ Tomahawk TLAM-Nを装備していたが1992年に退役させている。 (2006-042201)

 米国防総省が核搭載SLCMであるSLCM-Nの開発はCOVID-19パンデミックの影響はあるもののたいした遅れにはなっておらず、近くAoAの結果が出るとの見通しを明らかにした。
 SLCM-Nの射程は1,250~2,500kmの非核Tomahawkより長くなりそうで、開発には7~10年かかり、経費は明らかになっていないが、核搭載ALCMであるLRSOには$8~9Bが見込まれている。 (2007-060102)

7・2・3・2 中 国

「4・1・7・6・4 長射程 CM」で記述
7・2・3・3 ロシア

Club の新型 Club-T

 ロシア国営Almaz-Antey社がクウェートで2月5~9日に開かれたDefexpo 2020で、Kalibur CMの輸出仕様であるClubに新たにClub-Tが加わったことを明らかにした。
 Clubファミリには今まで潜水艦発射のClub-S、水上艦発射のClub-N、空中発射のClub-Aがあったが、今回多目的CMのClub-Tが加わった。
 Club-Tは重量1,700kgで450kgの弾頭を搭載し240m/sで巡航する。 同社によると対地モードでの精度はCEP≦50mという。 (2003-020603)

 ロシア国営のAlmaz-Antey社がDefexpo 2020で、Club CMシリーズに能力向上型のClub-Tが加わったことを明らかにした。
 GDA 2017展で初公開されたClub-Tは3M-14E1 LACMと3M-54E2 ASCMが発射できる多用途型で、潜水艦発射のClub-S、水上艦発射のClub-N、空中発射のClub-Aに加えて4番目の機種になった。
 Club-Tが発射するミサイルは何れも1,700kgで450kgの弾頭を搭載して240m/sで飛翔する。 LACMの命中精度はCEP≦50mという。
 TELには発射可能弾が6発搭載されるほか、発射に必要な装置は全てTELに一車搭載されている。 (2004-021203)

7・2・3・4 欧 州

 特記すべき記事なし
7・2・4 S S M

7・2・4・1 米 国

 特記すべき記事なし
7・2・4・2 英 国

CF(L)35 構想

 英陸軍が2035年を目指した新構想CF(L)35で要求しているLJFにMBDA社がComplex Weaponを元にした提案を準備している。
 MBDA社はBrimstone、Spear、CAMMなどのASMか、Sea Venomなどを候補に考えている。
 LJFには60km以上の射程で移動目標を攻撃できる複数弾を搭載した、有人式で半自動/全自動、装軌または装輪のLPSが含まれている。
 英陸軍は現在LPSとして、Rafael社製Spike NLOS SSMをM113に搭載したExactorを装備している。 (2007-050002)

7・2・5 A S M

7・2・5・1 米 国

SPEAR

 米海軍NAWCWDがBoeing社に、発展型ラムジェット (SPEAR) ASMの共同開発を$30Mで発注した。
 SPEAR ASMはF/A-18 Soper HornetとCSGが装備するもので、Boeing社とNAWCWDは2022年末に発射試験を計画している。
(2101-120007)

THOR-ER

 米海軍NAWCWDが4月にノルウェーNammo社と米海軍用に、ラムジェット推進長射程高速兵器THOR-ERの共同開発を開始している。 (2101-120007)

7・2・5・2 中 国

「4・1・7・6・6 ASM / GB」で記述
7・2・5・3 ロシア

Orion UAV 搭載する20~100kgの各種武器

 ロシアKronshtadt社がArmy 2020で、Orion UAVに搭載する20~100kgの各種武器を公表した。 (2011-090907)

Kh-50 ASM
 全長1.8m、胴径180mm、重量50kgで10~20kgの破片効果HE (HE-FRAG) 弾頭を搭載

KB-20 GM
 全長1.7m、重量21kgで7kgのHE-FRAG弾頭

UPAB-50S、KAB-50S
 全長1.7m、重量50kg、弾頭重量37kgの衛星誘導爆弾
 弾頭はHE-FRAG、クラスタ、気体爆薬など

KAB-50TV
 KAB-50無誘導爆弾を元にしたTV/画像誘導爆弾で全長1.95m、重量50kg、弾頭重量37kg

KAB-50L
 KAB-50無誘導爆弾を元にしたレーザ誘導爆弾

7・2・5・4 その他

Brimstone(英 国)

 MBDA社が50kg級のBrimstone ASMを2022年初期に購入するMQ-9B Protector RG Mk1から発射する準備をしている。
 MQ-9B Protector RG Mk1はPredator Bの次世代多用途型であるMQ-9B SkyGuardianの武装型で、英空軍は16機装備する計画である。
 記事にはMQ-9B SkyGuardにPaveway ⅣとBrimstoneの擬製弾3発を搭載した画像が掲載されている。 (2009-080008)

7・2・6 A R M

7・2・6・1 米 国

SiAW 計画/ AARGM-ER

 米空軍が1月8日、F-35Aの機内弾庫に搭載するstand-in対地ミサイルSiAW計画におけるEMD段階のRfIを発簡した。
 SiAWは海軍がNorthrop Grumman社と開発を進めているAGM-88E AAGM ARMの長射程型AARGM-ERを強く意識した計画である。 (2002-010909)

 米空軍が7月以降に、海軍が対A2/AD用として開発したF-35への搭載が可能なAARGMの改良型であるAARGM-ERを念頭に入れたStand-in Attack WeaponのRfPを発簡する。 (2007-061006)

 米海軍がAGM-88E AARGMの長射程型であるAARGM-ERの発射試験をFY21に開始する。
 AARGM-ERは現有のAARGM Block 1と同じセンサや電子装置を搭載するが、新型のロケットモータで胴径が太くなりアクチュエータも新型となっている。 弾頭も再設計されている。
 EMDは2019年3月に$322.5Mでnorthrop Grumman社に発注され、2023年12月まで行われる。
 LRIP移行決定は2021年3月、IOCは2023年9月、FRP開始は2024年3月に計画されている。
 海軍はF/A-18E/F及びEA-18G Growlerへの搭載を計画しているが、F-35A/B/Cへの搭載も可能で、米空軍はSiAWとしてF-35Aへの搭載を検討している。 (2009-080007)

 Northrop Grumman社が11月4日、米海軍がAGM-88G AARGM-ERのLRIP開始の決定を行うと発表した。
 AARGM-ERはRaytheon社製AGM-88B/C HARMを元にしたARM-88E AARGMの長射程型で、AARGM-ERの性能は明らかにされていないが、AGM-88E Block 1は射程60nm以上で、交戦速度はMach 2+で、IOCはFY23に計画されている。 (2101-111807)

7・2・6・2 中 国

 特記すべき記事なし
7・2・6・3 欧 州

SPEAR-EW(英国)
 英空軍が、1991年のOperation Desert Stom時に運用開始になったALARMを2013年の退役までTornado GR1/GR4に搭載して行ってきたSEADを、30年経過してイラクとシリアにおけるISISとの戦いOperation Inherent ResolveやOperation Shaderなどが行われている今日、脅威の変化から見直している。
 2013年9月にロシアがシリアに進駐した今日では脅威がS-400やS-300VM、S-350Eに代わり、ロシアが使用しているシリアのTartus港にはPantsir-SIも配備されている。 英空軍でもTornadoに代わってTyphoonやF-35Bが使用されている。
 英空軍がF-35Bに搭載しようとしているSPEAR-EWはSPEAR ASMの弾頭を撤去してEWを装置を搭載すると共に、発射後には捕捉したデータをデータリンクで母機に送るELINTとしての機能も持たせている。 (2004-020009)
7・2・7 遊弋索敵弾

7・2・7・1 米 国

Coyote Block 3

 Raytheon社がCoyote UAVの最新型であるCoyote Block 3の開発を完了した。
 Block 1は既に米陸軍が採用している小型、安価、使い捨て型のUAVで、速力60~60kt、上昇限度1,200ft、対空能力90分以上の性能を持ち、C2の到達範囲は37kmである。
 全長79cm、胴径30.5cm、翼端長1.47mで、1.81kmのペイロードを含む重量は5.9kgである。
 Block 2は体当たり攻撃型のUAVキラーで、重量11.3kg以下、速力70kt以上のBlock 3は破壊弾頭、EW装置及びISR装置その他を搭載する多用途型である。 (2004-020004)

Switchblade 600

 今まで米陸軍向けにSwitchblade 300遊弋索敵弾を生産してきたAeroVironment社が、新たにより長射程で対装甲能力も持つSwitchblade 600を開発した。
 同社によると陸軍は、Switchblade 300と同じ人力可搬形状で打撃力や射程及び滞空能力の向上を要求している。
 その結果Switchblade 600は重量50-lb、滞空能力40分、滞空可能距離40kmで射撃準備時間10分以内を実現している。
 操作はタブレット端末で行い、同社が特許を持つ攻撃中止機能も持つという。 (2011-100108)

 AeroVironment社が中型の人力可搬発射筒発射式RSTA 及び多目的/対装甲精密打撃UAVであるSwitchblade 600を公表した。
 Switchblade 600は既に実戦使用されているSwitchblade 300遊弋索敵弾やBlackwing遊弋偵察UAVと一緒に運用される。
 発射筒と発射管制システムを含めた重量は54.5kgで、2軸ジンバルの4個センサとFGM-148 JavekinATGMと同じ弾頭を搭載し、巡航速度70mph、最大速度115mphで40km以上を40分以上飛行する。
 このためAES 256暗号化データリンクとSAASM GPSを搭載している。 (2012-110001)

7・2・7・2 イスラエル

7・2・7・2・1 Spike Firefly

micro UAV や遊弋索敵攻撃 UAV に力

 イスラエルでHermes 900やHeron TPなどPredator B級のMALE UAVを発売してから10年経つ今日、米国防総省は引き続きPredator C、RQ-170、MQ-25などの大型UAVの装備化を進めているがイスラエルは輸出市場で異なる方向を示しており、その現れが2019年10月6日に東南アジアの某国と交わした契約である。
 この契約にはSkylark TUAVやHermes 450 MALE UAVと共に数千機のTHOR mini-UAVが含まれている。 イスラエルはmicro UAVや遊弋索敵攻撃UAVに力を入れており、IAI社が2018年にRoBattle UGVから発射するBirdEye 650D遊弋索敵攻撃UAVと似た陸上部隊が装備するMAGNI車載遊弋索敵攻撃UAVをElbit社が2019年11月に公開している。
 またIAI社は2019年にHarpy ARMの小型版で重量45kgのMini Harpyを公表している。  一方イスラエル軍は、Rafael社が開発したFirefly遊弋索敵攻撃VTOL UAVを1990年代に装備している。 (2003-012701)

Spike Firefly

 Rafael社が1月23~24日にロンドで開かれたIAv 2020コンファレンスでSpike Firefly遊弋索敵弾と同弾を3発装填する車載発射機を公表した。
 2018年に初公開されたSpike Fireflyは回収可能なminiUAVでLOS外の偵察などに使用するとしていた。
 重量3kg以下のSpike Fireflyは風速10m/sec以下で使用可能で、最大速度60km/hで飛行し、70km/hで突入できる。 (2002-012404)

 イスラエルのRafael社がIAV 2020で、従来の下車兵が使用するのに加えて車載もできる、最も最新型のSpike Firefly遊弋索敵弾を公表した。
 試験は2019年中頃に完了しており、その際にはイスラエル軍の次世代AFVであるCarmelの試作車との整合性も確認されている。
 また同社はSpike Firefly複数発も装填できるSamson 30mm旋回砲塔のCGも公開した。 (2003-012901)

 イスラエル軍がRafael社にSpike Fireflyミニチュア遊弋索敵弾の品質評価試験は2019年末~2020年初期に実施した結果採用を決め発注した。
 Spike Fireflyは昼夜間能力を持つ人力可搬ので、450gの破片効果弾頭を搭載した重量は3kgの同軸反転ロータで垂直離陸する遊弋索敵弾で、重量1.5kgの双方向データリンクを搭載し、バックパックの総重量は14kgである。
 電池1個と弾頭を搭載した場合の滞空能力は15分、弾頭を搭載しないで電池を2個搭載すると30分滞空でき、風速10m/s以下の環境で速力60km/h(突入速度70km/h)で飛翔する。 (2007-051304)

 イスラエル国防省がRafael社に、Spike Firefly遊弋索敵弾を発注した。
 Spike Fireflyは直径60cmの同軸反転回転翼と80×80×400mmの複合材料性の機体を持ち、450gの破片効果弾頭と双方向データリンクを搭載する。
 滞空能力は監視用として弾頭なしの場合30分、弾頭搭載で15分で、実用上昇限度は60mだがそれ以上の上昇も可能である。
 システムはキャニスタ入りで各3kgの機体3発と重量1.5kgの軍標準データリンクを使用する制御用タブレットを背嚢に入れ総重量14kgになる。 (2008-060005)

7・2・7・2・2 Hero シリーズ

 特記すべき記事なし
7・2・7・3 欧 州

 特記すべき記事なし
7・2・8 誘導装置付きロケット弾

APKWS-Ⅱ

 BAE Systems社が6月1日、米海軍及びArnold社と共同でAPKWS-Ⅱ ASMをSSMとして使用する試験が完了したと発表した。
 発射試験は2018年暮れに米陸軍のYuma試験場で行われ、米政府のCROWS遠隔操作発射機と、Arnold社製Land-LGR4 Flectcher 2.75inch/70mm発射機から固定目標に対して行われた。 (2008-070006)

7・3 U A V

7・3・1 HAPS UAV

7・3・1・1 米 国

 特記すべき記事なし
7・3・1・2 欧 州

PHASA-35

 BAE Systems社が2月17日、太陽電池を電源とするPHASA-35 UAVが南オーストラリアのウーメラ試験場で飛行したと発表した。
 PHASA-35はのちに吸収したPrismatic社と共同で開発した高高度擬衛星太陽光動力 (PHASA) UAVで、1年間の滞空能力を持つ。
 Prismatic社はAirbus社のZephyr計画にも参画している。 (2003-021701)

 PHASAシリーズの太陽光利用高高度疑似衛星 (HAPS) UAVを開発しているBAE Systems社とPrismatic社は、PHASA-35の初飛行成功を受け、2020年後半に成層圏での飛行試験を計画している。
 Airbus社のZephtrに対抗するPHASAは地上での操作員操作もできるが、着陸まで全自動で飛行できる。 (2004-022402)

ベラルーシの ApusDuo

 UAVOS社が2019年11月5日、ベラルーシで10月に翼端長14mの改良型ApusDuo HAPS UAVの飛行試験を行ったと発表した。
 原型となる翼端長10mのApusDuoは2018年10月に初飛行している。
 試験飛行では1時間以内の飛行を数回実施し、その内の1回は電動ウインチで引いて草原から離陸し、それ以外は舗装された滑走路から自力で離陸した。
 次回の飛行試験は高度47,520ft以上の成層圏を飛行させる。
 同社は8kgの搭載能力を持つ翼端長28mの機体を目指している。 (2002-010011)

SPL社の HAPS

 広帯域を要する5G携帯電話では波長の短い帯域を使用するため、従来の4Gの10倍の基地局を必要とし、英国だけでも40万基地局が必要になる。
 このため英国のSPL社が高度60,000ft以上を9日間飛行する翼端長60m、重量3.5tの水素燃料電池で飛行するUAVを提案している。 この飛行端末は140kmをカバーする端末を700台搭載できる。
 端末のためには20kWを要し、機体の推進と合わせて70kWの電力を水素燃料電池で供給する。 (2101-110902)

7・3・1・3 その他

7・3・1・3・1 日 本

Sunglider 成層圏通信用 UAV

 ソフトバンク傘下のHAPSモバイル社(東京都港区)が、ニューメキシコ州で、太陽電池を搭載した成層圏通信用のSunglider UAVの4度目の飛行試験に成功した。
 今回の飛行試験は従来よりも高度を上げ、長時間、飛行高度を維持する実験を実施したほか、飛行速度の変更や制御装置との通信遮断を想定した自動制御による飛行など全ての試験に成功した。
 この試験で基本性能の確認を完了し、今後は成層圏での飛行に向けた準備を進める。 (2009-080202)

7・3・2 HALE/MALE/TUAV

7・3・2・1 米 国

MQ-9 Reaper 後継

 米空軍高官が3月10日、空軍がFY22での予算化を視野に2030年代に戦力化するためMQ-9 Reaper後継の検討を開始していることを明らかにした。 (2004-031107)

 米空軍省で調達等を担当しているローパー次官補が3月10日に開かれたFY22予算の検討会で、MQ-9 Reaper後継には民間の高性能UAVも検討対象とすることを明らかにした。 (2004-031205)

 米空軍が6月3日、MQ-9 Reaperの後継となるISR/Strike UAVのRfPを発簡した。 (2007-060802)

 米空軍が6月3日、MQ-9 Reaperの後継となるISR/Strike 中高度UAVについてのRfIを発簡した。 提案の締め切りは7月15日に設定されている。 (2008-061708)

AUAS 計画

 米陸軍では次期ヘリであるFLRAAとFARAが進めらているが、その陰でGA-ASI社製のMQ-1C ER (Gray Eagle ER/MP UAS) が候補になっているAUAS計画も進められている。
 AUASの基本設計段階は2019年始めに完了しているが、陸軍は余り多くを明らかにしていない。 (2006-040605)

Protector

 ウォーレス英国防相が7月15日、空軍がGA-ASI社にProtector RG1 MALE UAVの当初分3機を£65M ($82M) で発注したと発表した。 3機は2024年に配備されるという。
 英空軍は9機保有しているMQ-9 Reaperを当初は16機のProtectorと換装する計画である。 米DSCAは26機購入としているが、英国は最終装備数を20機としている。
 Protectorは上昇限度45,000ftとReaperの50,000ftより低く、最高速度も240ktより遅い200ktである代わりに滞空能力は40時間とReaperの27時間より長くなり、外部搭載箇所も5ヵ所から9ヵ所になっている。 (2009-072201)

GA-ASI社の ISR/攻撃用 UAV 構想
 MQ-9A Reaper MALE UAVで多くの実績を持つGA-ASI社が9月14日に米空軍協会の年次コンファレンスで、新型ISR/攻撃用UAVの完成予想図を配付した。
 超長期滞空性能を目指しているこのUAVは何らかの要求に基づいたものではないという。 (2010-091510)

 9月14日~16日に開かれた米空軍協会 (AFA) のコンファレンスでGA-ASI社がISR/打撃用UAVの完成想像図を公表した。
 同社は将来UAVの要件として、通信、情報共有、より緊密な人間との連携を挙げている。 (2011-092305)

Northrop Grumman社の SQ-2

 2030年に考えられるMQ-9の後継として提案するUAVにNorthrop Grumman社がSQ-2を公表した。
 SQ-2のMTOWは20,000-lbと同社製艦載UAVであるX-47Bの1/3で、航続距離は1,000nmという。
 Northrop Grumman社はSQ-2をhunter-killerのステルスUAVとしており、数十機で敵の防空網を突破して目標の捕捉追随を行い、要すればレーダサイトや移動式発射機の破壊も行うとしている。 (2011-091404)

FTUAS

 米陸軍が9月9日、将来TUAVであるFTUASのRfIを発簡した。
 FTUASの受注にはV-Batを提案しているMartin UAV-Northrop Grumman Technology Serviceグループのほか、Textron、L3Harris、Aecturus UAVの各社も名乗りを上げている。 (2011-092304)

 Martin UAV社が11月12日、V-Bat VTOL UAVの滞空能力と搭載量を向上させた改良型を開発していることを明らかにした。 試作機は既に初飛行しているという。
 V-Batは米陸軍が将来TUAV (FTUAV) として採用し、南方軍が2019年10月~2020年7月に中南米での麻薬監視に使用している。
 南方軍が使用したV-BatはTrillium社製HD55 EO/IR装置を搭載している。 (2101-112502)

7・3・2・2 中 国

「4・1・7・5 U A V」で記述
7・3・2・3 ロシア

大型 UAV

 ロシア初の大型UAVが就役した。 Kronstadt社製のGromはLoyal Wingmanとして、有人戦闘機に先行して相手の防空システムを目標とする。
 Grom UAVの主な仕様は以下の通りである。

・全  長: 13.8m
・翼 端 長: 10m
・MTOW   : 7,000kg
・搭載能力: 2,000kg
・最大速度: 1,000km/h
・巡航速度: 800km/h
・上昇限度: 40,000ft
・行動半径: 700km
 この他にSirius (Inokhodets-RU)、MTOW 2.5tのHelios、レーダピケット型で4tのHelios-RLD、20tのSukhoi S-20 Okhotnik、7tのAtlius-RUなどの大型UAVが報じられている。 (2011-091401)

ヘリ UAV

 ロシア空軍は2.5t~3tで航続距離20~30kmの攻撃ヘリUAVを開発してる。
 また海軍はオーストリアSchiebel社製Horizon Air S-100のライセンスを取得して国内生産している。 (2101-121705)

7・3・2・4 イスラエル

 特記すべき記事なし
7・3・2・5 欧 州

 特記すべき記事なし
7・3・3 UCAV

7・3・3・1 米 国

7・3・3・1・1 XQ-58A Valkyrie

4回目の飛行試験

 米空軍研究所 (AFRL) が1月24日、空軍が23日にXQ-58A Valkyrie長距離、高亜音速UAVの4回目となる飛行試験に成功したと発表した。
 4回目の飛行試験でXQ-58A Valkyrieは、より実戦に近い高高度で飛行した。 (2005-030011)

 米空軍は老朽化したF-15C/Dの後継にF-15EXとF-35Aの混合配備を計画しており、次世代戦闘機NGAD開発室も10月に活動を開始しているが、SpaceX社やTesla社の創始者であるイーロン・マスク氏がAir Warfareシンポジウムで2月28日、ジェット戦闘機の時代は終わったと述べた。  これに対し空軍研究所 (AFRL) は、新型低価格航空機XQ-58A Valkyrieの試験を開始しており、Kratos社は1Q/2021年までにXQ-58 12機の組み立てラインを構築する。 XQ-58A ValkyrieはF-16 Block 25/30の後継になる可能性もある。 (2005-030901)

F-22及びF-35と連携飛行

 米空軍が12月16日、アリゾナ州Yumaの米陸軍性能評価試験場で9日にXQ-58A ValkyrieがF-22及びF-35と連携飛行をしたことを明らかにした。
 9日の試験飛行の目的はXQ-58AがF-22とF-35の通信を中継するのを点検することで、F-22とF-35がデータリンク形式が異なり情報を交換できないため、XQ-58Aが中継機を搭載して両機の間で情報を交わせるようにした。
 この日の試験飛行でXQ-58は18件の性能を点検したがうち9件はまともに機能したものの、担当者は通信が途中で切れたため試験飛行が成功したとは言えないと評価した。 (2101-121603)

7・3・3・1・2 Predator C Avenger

Predator C Avenger に AAM を搭載する構想

 GA-ASI社はIRSTを装備したPredator C AvengerにAAMを搭載して、空中給油機や偵察機の護衛に当てる提案を行っている。 (2005-030901)

7・3・3・2 中 国

 特記すべき記事なし
7・3・3・3 ロシア

 特記すべき記事なし
7・3・3・4 その他

nEUROn(フランス)

 フランスがnEUROn UCAVの技術を開発中のFCAS/SCAFに取り入れようと、Dassault社と共同で飛行試験を行っている。 (2005-040012)

7・3・4 mini/micro/nano UAV

40mm擲弾発射筒発射 GLUAS

 米陸軍CCDCの陸軍研究所 (ARL) が4月下旬に、40mm擲弾発射筒から発射するISR UAV GLUAS構想を明らかにした。
 ARLは3月に特許を取っており、2020年末には開発を開始する。
 GLUASにはパラグライダ式と同軸反転ロータのヘリ方式があり、発射後高度2,000ftに達して、電動で2km以内を90分間滞空できる。 (2006-051903)

7・3・5 特殊用途 UAV

7・3・5・1 Jamming 用 UAV

MALD-N

 米海軍が3月10日にRaytheon社に対し、MALD-NのLRIPを発注した。
 契約額や時程は公表されていないが、かねてからMALD-N初のLRIPはFY21~FY22に行われ機数は250機とされていた。
 MALD-Nは空軍のECM UAVであるADM-160C MALD-Jを元にしており、MALD-JはHamilton社製TJ-150ターボジェットで推進し、発進後900kmを巡航速度Mach 0.6、最高速度Mach 0.9で飛翔する。
 海軍はMALD-NをF/A-18E/F Super HornetやF-35Cから発進させる。 (2004-031104)

 米海軍が5月20日、Raytheon社とMALD-NのEOCに向けた交渉を進めていると発表した。 海軍は2018年9月の$46.6MのTMRRに続いて2019年1月にMALD-NのEMDを$33Mで発注している。
 MALD-Nは空軍がAGM-160C MALDを元にして開発したjammerであるMALD-Jを海軍仕様にしたdecoy/jammerで、500nmの航続距離を有する。 (2008-070007)

BriteCloud EW 装置搭載 UAV 群

 英空軍RCOが行ったシミュレーションで、Leonald社製BriteCloud EW装置を搭載したUAV群が敵防空組織の制圧に成功した。
 BriteCloudは缶詰カン程度の小型smart jammer装置で、擬目標を発生させて敵のレーダを無力化する。 (2011-100806)

7・3・5・2 輸送用 UAV

Agility Prime eVTOL UAV

 米空軍参謀長のブラウン大将が10月21日、空軍が開発中の電動VTOL UAV (eVTOL) のAgility Primeは無人補給用であると述べた。
 空軍はISRや打撃用にUAVを活用しているが、補給用のUAVは持っていない。 (2011-102304)

 米空軍が進めているAgility Prime電動UAV (eVTOL) について空軍参謀長ブラウン大将が10月21日、主たる用途は補給にあると述べた。
 Agility Primeには (MTOW) 599kg以上、搭載能力227kg以上、航続距離322km以上、速力161km/h以上、滞空能力100分以上が求められ、12月17日までに初飛行するという。
 候補にはSabrew社製Rhaegal-B、Lift Aircraft社製Hexa 18ロータ機、Flyt Aerospace社製Red Hummingbird、Elroy Air社製Chaparralが挙がっている。 (2012-110411)

7・3・5・3 その他の特殊用途 UAV

監視、レーザ照準用係留式 UAV

 米陸軍が、遠方から地上目標の監視やレーザ照準を行う係留式UAVの調達を行うRfIを4月24日に発簡した。
 それによるとこのUAVは5-lbを搭載して200ftまで上昇でき、2kW以下の発電機で24時間飛行できる。
 AES 256暗号機を搭載して8km以内と非係留の通信ができることが求められている。 (2005-042704)

衛星を介した指揮統制用 UAV

 EUの欧州防衛庁 (EDA) と欧州宇宙庁 (ESA) が共同でCBRNe環境下での衛星を介した指揮統制に使うUAVと収納容器の試作と試験の契約を行う。
 この計画はAUDROS CBRNeとしても知られており、計画の第一段階は2018年12月に完了している。
 計画にはチェコのBizGarden社、GINA Software社、チェコ陸軍研究所、及びポーランドのCervi Robotics社の4社が参加し、EUR500,000で受注している。
 18ヶ月に及ぶ第二段階は6~9月に契約が行われる予定である。 (2008-060011)

7・3・6 UAV 活用技術

7・3・6・1 UAV の群制御

 特記すべき記事なし
7・3・6・2 Gremlins 計画

X-61A UAV が初飛行

 米DARPAのGremlins計画第3段階で、使用するX-61A UAVが2019年11月に初飛行した。
 X-61AはC-130Aから発進して1時間半にわたり飛行してパラシュートで回収された。
 Gremlins計画では本来、UAVをC-130Aで空中回収するが、パラシュート回収は試験だけの処置である。
 米空軍は8月にGremlins UAVをX-61Aと命名している。 (2002-011706)

 米DARPAがDynetics社と進めているGremlins計画は、2019年11月にX-61Aの飛行試験を完了したことから焦点は空中回収に移っている。  DARPAは2Q/2020年にC-130による空中回収試験を計画してる。 (2005-030010)

空中回収試験

 Dynetics社がGremlinsとして開発している重量544kgのX-61A UAVが7月に行われた試験で、母機であるC-130の後方38m、下方38mまで接近する飛行に成功し、次回計画されている空中回収 (Soft Docking) 試験に必要なデータ収集に成功した。
 同社によるとSoft Dockingのためにはセンチメートルの精度が要求されるという。 (2011-091607)

 米DARPAが進めているUAVを空中で発進させ空中で回収するGremlins計画は、10月28日からX-61 Gremlins Air Vehicle (GAV) の空中回収試験に入った。
 試験は9回行われたが回収に成功したのは3回だけであった。 残りは成功まで数吋であったが成功には至らなかった。
 試験結果についてDARPAは、3回以上が2時間以上の自動飛行に成功しており、能力が実証されたとしている。 (2101-121110)

GA-ASI社の Sparrowhawk小型 UAV

 GA-ASI社が9月25日、9月16日~17日にSparrowhawk小型UAV (sUAV) をMQ-9Aに搭載した状態での飛行試験 (CCT) を実施したと発表した。
 Sparrowhawkは空中発射で回収方式のUAVで、空軍のABMS上での使用を目指している。 (2012-100704)

 GA-ASI社が9月25日、9月16日~17日にSparrowhawk小型UAVをMQ-9Aに搭載した状態での飛行試験 (CCT) を実施したと発表した。
 Sparrowhawkは空中発射/空中回収方式のUAVで、空軍のABMS上での使用を目指している。
 SparrowhawkはMTOW 91kg、搭載能力13.6kg、航続距離322kmで、DARPAのGremlins計画でDynetic社と競争して負けている。 (2012-110007)

7・3・6・3 随伴戦闘 UAV

7・3・6・3・1 米 国

随伴戦闘 UAV 構想

 米空軍は過去20年にわたり陸上から操作する大型UAVに力を入れてきたが、新しい有無人連携 (MUM-T) 試験が2021年に開始されることで大きく変わろうとしている。
 米空軍研究所 (AFRL) は2017年頃にLCASD計画とLCAAT計画を開始した。 このLCASD計画により2019年3月からKratos社製XQ-58A Valkyrieの飛行試験が4回にわたり行われた。
 一方、LCAAT計画ではSkyborg計画などが進められている。 (2010-081702)

Skyborg

 米空軍が5月15日に、全自動、低価格でAI技術を採用したUAV Skyborg計画を開始し、$400Mで各社に別々の型を開発させる。 提案は6月15日に締め切られ、7月8日には発注される。
 Skyborgの運用構想はF-35やF-15EXとチームを組むもので、2023年の実用化を目指している。
 Skyborgはハードウェアとソフトウェアをモジュラー化したUAVファミリになる。
 既にKratos社は空軍のLCAAT 計画の元でXQ-58A Valkyrieを開発し、1月に4度目の試験飛行を行っている。

 一方Boeing社は5月、豪Boeing社でLoyal Wingman UAVをロールアウトしている。
 この計画にはその他にGeneral Atomics社やLockheed Martin社Skunk Worksも参入するとみられる。 (2006-052002)

 米空軍省で調達、技術、広報などを担当しているローパー次官補が6月9日、今日のAIは脆弱で強靱性に欠けるため、戦闘任務に堪えるAIアルゴリズムを開発して、最初の試験をSkyborg全自動UCAVに搭載して行うと述べた。 (2008-061707)

 米空軍が7月8日、Skyborg自動化実験機の最初の発注を来週行うことを明らかにした。 (2008-071012)

 米空軍が9月30日、Skyborg Loyal Wingman UCAV計画の第2段階を開始したことを明らかにした。
 初飛行は2023年に計画されている。 (2012-110008)

空中戦型 Skyborg

 米空軍がFY23に実用型Skyborg UAVの配備を開始するが、空軍研究所 (AFRL) は機内弾庫からAIM-120 AMRAAMを発射する空中戦型Skyborgなど各種ファミリを検討している。
 2019年3月に初飛行したKratos社が開発したXQ-58A ValkyrieもSkyborg UAVの候補の一つで、AFRLは5月18日に搭載するAIソフトをLeidos社に指定した。
 FY23にはF-22の4機編隊にSkyborgを組み入れた飛行を開始する。 (2009-071303)

有無人連携 (MUM-T) ソフト BATS

 米空軍が7月23日にBoeing、SA-ASI、Krotas、Northrop Grummanの4社に対して、Skyborg UAVのID/IQ契約を$400Mで発注した。 この契約で最初のSkyborgが製造される。
 開発の焦点は有無人連携 (MUM-T) ソフトになるが、Boeing社は7月23日、同社が開発した群制御システムBATSを採用することを明らかにした。
 BATSは豪空軍向けのLoyal Wingman向けに開発した。 (2010-080507)

7・3・6・3・2 オーストラリア

Loyal Wingman

 Boeing Australia社が5月5日、豪空軍からAUD40M ($25.7M) で3機受注していたLoyal Wingman UAVの1号機をロールアウトした。
 この開発はBoeing社にとって初の海外事業で、オーストラリアにとっても50年以上の歴史上発の航空機開発になる。
 ATSとして働くLoyal Wingmanは全長11.7mと戦闘機並のサイズで、実用航続距離が3,000km以上ある。 搭載装備はISR機器とEW機器で、FA-18E、EA-18G、E-7A、F-35A、P-8Aなどの有人機に同行して、有人機の生存性を高めることが期待されている。 (2006-050501)

 Boeing社が5月5日にLoyal Wingman UAVの1号機をロールアウトする。
 豪空軍が3機調達する計画のBoeing社がATSと呼んでいるLoyal Wingmanは一連の飛行試験で、同行する有人機の安全性などが検証される。
 ATSは半自動制御で、有人機の操縦手による操作なしで随伴飛行する。 (2006-050504)

 Boeing Australia社が5月5日、3機試作していたLoyal Wingman UAVの1号機をロールアウトした。 初飛行は2020年末になる。
 全長11.7m、翼端長8mで3,700km以上の戦闘航続距離を持つLoyal Wingmanは、2.5mの長い機首部に1.5㎥の搭載スペースを持つため各種センサ等を搭載できる。 (2007-051301)

 豪空軍のLoyal Wingman Advanced Development Programとして進められていた有人無人チーム (MUM-T) 計画ATSでUAVとなるLoyal Wingmanが5月4日にオーストラリアでロールアウトした。
 ATSでLoyal WingmanはF-35A、F/A-18F、EA-18Gばかりか、E-7A WedgetailやP-8A Poseidonともチームを組むことになる。 (2007-051803)

 Boeing Australia社が5月5日、豪空軍からAUD40M ($25.7M) で受注し3機試作するLoyal Wingman UAVの1号機がロールアウトしたと発表した。
 全長11.87mと戦闘機並みのサイズのLoyal Wingmanは戦闘航続距離3,000km以上で、豪空軍のF/A-18E、EA-18G、E-7A、P-8A及びF-35Aと共同で運用される構想である。
 Boeing Australia社によると70%は豪国内の35社以上で生産されるという。 (2008-060007)

 Boeing社が7月16日、200km/hで飛行する高性能試験機3機を用いた離陸から着陸までを自動で行う試験をオーストラリアのQueensland州Taraで実施したと発表した。
 この試験は同社のAutonomous Systems Platform計画によるもので、その成果は俗にLoyal Wingmanと呼ばれているATS計画にも反映される。 (2008-071604)

 Boeing Australia社が9月15日、同社がATS BATSとして豪国防省と開発しているLoyal Wintgman UAVが、初めてエンジンを始動しての試験に入ったと発表した。 (2010-091511)

Autonomous Systems Platform Technology Project

 Boeing社が7月16日、オーストラリアのoutbackであるクイーズランド州タラで、同社のAutonomous Systems Platform Technology Project計画で、高性能試験機3機によるend-to-endの自動飛行に成功したと発表した。 試験機は200km/hで飛行した。  この計画はBoeing社が勧めている俗にLoyal Wingmanと呼ばれているAirpower Teaming Systemを含む広範囲に適用する技術開発で、2020年末にかけてクイーズランドで試験が続けられる。 (2009-072909)

7・3・6・3・3 英 国

 英国防省が4月1日、LincolnshireにあるWaddington空軍基地で第216飛行隊が復役し、UAV群を装備すると共に開発を継続すると発表した。
 第216飛行隊は最低限の有人機を保有し、UAV群で敵の防空組織を混乱させると言う。 (2005-040107)

 英国防省が、空軍の第216飛行隊がUAV群の運用を試験する実験隊として4月1日に再発足することを明らかにした。
 2019年2月に当時のウイリアムソン国防相が、ネットワーク化されたUAV群の飛行隊を年内に空軍に編成すると述べていた。
 第216飛行隊には最小限の人員を配し、COVID-19のパンデミックから活動は先送りするという。 (2005-040807)

 英国防省が将来のUAV群集団について3件の計画を進めていると報じられた。

・Project Mosquite
  Phase 1/2の2段階からなり、Phase 1は既に完了している。

・Many Drones Make Light Work poject

 現在、最終段階であるPhase 3にあり、3月には最初の試験に成功している。
 試験成功を受けて4月1日に英空軍Wadington基地に第216大隊が再編成された。 (2009-080013)
7・3・6・3・4 欧 州

Remote Carriers (RC) UAV 計画(独、仏、西)

 独仏共同の将来戦闘機開発計画FCAS/SCAFを含む次世代ウェポンシステムNGWSに、スペインの3企業がUAVで参画することになり、2月17日にスペイン国防省と同意文書に署名した。
 参加するのはGMV、SENER、Oesiaグループで、現在Airbus社が主導している"loyal wingman"とも呼ばれているRemote Carriers (RC) UAV計画に参画する。 (2004-022608)

 Airbus社が7月30日、ドイツ空軍がドイツ北部と北海上空で行ったTimber Express演習でRemote Carrier (RC) UAVがEurofighterやTornadoとLoyal Wingmanとして働く試験を実施した。
 CANDLリンクを用いたRCは有人機のLink 16データリンクと接続に成功した。 (2010-090008)

7・3・6・4 有無人機連携 (MUM-T)

COMPACT Plicy Management System

 英QinetiQが6月19日に、初の有無人連携飛行 (MUM-T) 試験飛行にイングランド南部の試験場で実施し成功した。
 試験はAirbus社製H125ヘリとTurboAce社製Matrix多ロータUAVなどCOTS品が使われ、QinetiQのCOMPACT Plicy Management Systemが使われた。 (2010-090011)

Leonardod社の有無人機連携

 Leonardod社が10月20日、英軍のための有無人機連携 (MUM-T) 試験を実施した。
 英陸軍が実施したWarfighting Experiment 19ではLeonald社製AW 159 WildcatヘリとCallen-Lenz半自動TUAVが連携飛行をを行った。 (2101-120011)

A-Team 計画

 BAE Systems社が11月3日、米陸軍のA-Team計画に関する数件の契約を合わせて$9Mで受注したと発表した。
 A-Teamは陸軍が将来ヘリFVLで実現しようとしている有無人連携 (MUM-T) 技術で、有無人インターフェスや状況掌握などの技術が盛り込まれる。 (2012-110603)

7・3・6・5 米陸軍空中火力システム (ALE)

 米陸軍が8月24日、空中火力システム (ALE) の10件の計画を合計$29.8Mで進めることになった。
 ALE計画は飛行体、搭載品、ミッションシステムからなり、10件の計画は3分野からなっている。
 飛行体計画はNorthrop Grumman、Raytheon、Area-Iの3社、ミッションシステムはL3Harris、Collns、Auroraの3社、搭載品はLeonardo、TSC、Raytheon、Northrop Grummanの4社が指名されている。 (2011-100003)
7・4 D E W

7・4・1 殺傷型 DEW

7・4・1・1 航空機搭載自衛用レーザ兵器

7・4・1・1・1 米 国

SHiELD 計画

 米空軍がポッド搭載のレーザ装置で飛来するAAMやSAMを撃墜する自衛用高出力レーザ装置の試作計画SHiELD計画を進めていて、2021年までにF-15に搭載した試験を実施し、その後F-16やF-35の搭載も考えているが、国防総省の研究開発責任者であるグリフィン次官はこの計画に疑問を呈している。 (2006-052006)

 Lockheed Martin社が米空軍研究所 (AFRL) から航空機搭載自己防衛用レーザ兵器SHiELDの開発を受注しており、2025年までに飛行試験が行われる。
 SHiELDは開発中の第六世代戦闘機NGADに装備されるほか、現有のF-16などの第四世代戦闘機にもポッド搭載される。 (2010-091704)

Low Power Laser Demonstrator 計画

 米MDAがBoeing社と、2021年春までに100kW級レーザの最終試験を行う。
 Boeing社は2017年末に航空機搭載レーザLow Power Laser Demonstrator計画を公表している。 (2010-092806)

IFPC-HEL 計画

 これと並行して陸軍のIFPC用に高出力レーザ兵器IFPC-HELの開発も進められており、こちらは2024年operationalを目標にしている。
 IFPC-HELより技術的に困難なSHiELDはIFPC-HELの出力が300kWを目指しているのに対し出力は未定で、恐らく100kW以下になるとみられる。 (2010-091704)

Boeing社とGA-EMS社が100~250kW級HELの共同開発

 Boeing社とGA-EMS社が2020年のAUSAコンファレンスで、寸法可変の100~250kW級HELの共同開発で合意したと発表した。
 このHELは寸法可変の分散配置型レーザ装置でヘリウムイオン電池とBoeing社の熱管理アルゴリズムが採用される。
 またBoeing社のビーム指向装置は精密捕捉や追随ができ、陸上、海上、航空機など各種プラットフォームに搭載して、単独でも、統合システムの一部としても使用できるという。 (2012-102102)

7・4・1・1・2 中 国

 中国国営Global Timesが中国軍が航空機搭載レーザポッド調達の提案要求 (ITT) を行ったと報じた。 その名称を攻撃用レーザポッドとしている。
 中国は少なくとも15年前からレーザ兵器の開発を行っており、UAV、誘導砲弾、迫撃砲弾などを破壊する戦術用短距離防護装置としてCASIC社製車載レーザ兵器LW-30を開発している。
 2019年1月に米国防情報庁 (DIA) は報告書Challenges to Security in Spaceの中で、中国が既に衛星のセンサを幻惑または破壊するレーザ兵器を保有しているとしている。 (2003-011503)
7・4・1・1・3 イスラエル

 イスラエルの報道によると、Rafael社とElbit社が共同で、航空機搭載自衛用レーザを開発しており、国防省も2020年に地上発射型レーザ兵器の野外試験を開始しようとしている。
 自衛用レーザ兵器には50~100kWの出力が必要とされ、現在はダイオード励起式レーザが考えられている。
 そのためには現在1%程度である発振効率を35%程に上げる必要があるが、それでも50~100kWの発振には150~300kWの電源が必要で、同時に発生する100~200kWの熱処理が問題になる。 (2003-011301)
7・4・1・2 空対地レーザ兵器

AC-130J へのレーザ兵器搭載
 米空軍特殊作戦軍 (AFSOC) が2019年末までに航空機搭載レーザ兵器を要求しており、FY22にはその試験が行われることになっている。
 試験を行うのは60kW HELでAC-130J Ghostriderに搭載される。
 AC-130Jには30mm側方射撃機関砲、105mm加農砲各1門と、翼下にAGM-176A Griffin、GBU-39/B GPS誘導SDB、GBU-39B/Bレーザ誘導SDBが装備されている。 (2007-061004)
【註】米空軍はかつてBoeing社と、C-130などに搭載して地上を攻撃するレーザ兵器ATLの技術検証 (ACTD) 計画であるATL-ACTDを進めていた。
 ATL-ACTDでは2009年10月に空中からの移動目標破壊試験に成功していたが、ACTD計画終了後はATL計画は進められていなかった。
7・4・2 非殺傷型 DEW

7・4・2・1 米 国

THOR

 米空軍はDEWとしてのHPMに強い関心を持っていてHPM Program of Recordにしようとしている。
 空軍研究所 (AFRL) は固体発振技術によるHPM DEWであるTHORの開発をBAE Systems社及びVerus研究所と進めていて、7月にはUAVの撃墜に成功している。 (2002-010001)
【註】"Program of Record"とは年度予算要求時に提出される今後の計画FYDP文書に挙げられた項目を言う。

ODIN UAV 幻惑用艦載レーザ兵器

 米海軍が2月20日、FY21に駆逐艦やLCSにUAV幻惑用レーザ兵器ODINを後付け装備すると発表した。
 最初のODINは駆逐艦Dewey (DD 105) に入渠定期集中工事で取り付けられる。 (2003-022805)

7・4・2・2 その他

 特記すべき記事なし
7・5 爆弾,弾頭

7・5・1 在来型爆弾

 特記すべき記事なし
7・5・2 弾 頭

JMEWS 多効果弾頭

 Raytheon社が米海軍から、Tomahawk LACMに搭載する多効果新型弾頭JMEWSのEMDを$90.4Mで受注した。
 JEWSでは従来RGM-109E/UGM-109E Tomahawkが搭載してた破片効果弾頭に侵徹能力とミッションプランニング機能が付加される。 (2004-030206)

7・5・3 誘導爆弾

7・5・3・1 誘導爆弾

 特記すべき記事なし
7・5・3・2 有翼滑空型誘導爆弾

7・5・3・2・1 米 国

GBU-53/B StormBreaker (SDB-Ⅱ)

 米空軍がF-15EへのGBU-53/B StormBreaker搭載について、2~3週間以内にRAAとなるのに続いて今年前半でのIOCを計画している。
 GBU-53/B StormBreakerはかつてSDB-Ⅱと呼ばれていた滑空誘導爆弾で、MMW、IIR、SALの3モードシーカにより移動目標も攻撃できる。 (2003-020302)

 米空軍がF-15Eに搭載したGBU-53/B StormBreaker滑空誘導爆弾が2~3週間以内にIOCになる。 (2005-030006)

 米空軍ACCが10月13日、Raytheon社製SDB Ⅱ StormBreakerのF-15E搭載を138回に及ぶ飛行試験の結果を受けて9月23日にoperationalとしたと発表した。 (2011-101307)
【註】GBU-40/B SDB ⅡはGBU-39/B SDBにシーカとデータリンクが追加され、移動目標の攻撃が可能となった250-lbの有翼滑空誘導爆弾である。

 米空軍ACCが9月23日に、F-15Eに搭載してのBU-53/B SDB Ⅱにoperationalを宣言したことを、Raytheon社が10月13日に公表した。
 ACCは当初、2020年上半期でのIOCを計画していた。
 米海軍は6月にF/A-18E/Fに搭載してのGBU-53/BのIOCを4Q/2020年としていた。 (2101-120003)

7・5・3・2・2 中 国

「4・1・7・6・6 ASM / GB」で記述
7・5・3・2・3 ロシア

 特記すべき記事なし
7・5・3・3 小型誘導爆弾

 特記すべき記事なし
7・5・4 巨大爆弾

GBU-57 MOP

 米空軍が6月2日、B-2からのWSMRで大型侵徹爆弾であるGBU-57 MOP投下試験を行うこと明らかにした。
 重量14tで地下60mまで貫通するBunker Busterとも呼ばれるMOPは全土に6,000ヵ所以上の地下施設を設置している北朝鮮が恐れる武器である。
 黄海北道黄州郡サッカンモルのBM基地には7本の長いトンネルがあり、最大18両台のTELを格納することができるが、MOPはこのような地下施設を破壊するための爆弾である。
 米国は北朝鮮の核危機が最高潮に達していた2017年に、B-2とBunker Busterで北朝鮮を制圧しようとしたことがある。 同年10月にはB-2による夜間爆撃訓練を実施したが、当時の無線通信によると、北朝鮮の指導部があると推定される指揮所など北朝鮮爆撃訓練を暗示する部分が多かった。 (2007-060401)

7・5・5 特殊爆弾

FMU-167/B 空隙感知式深深度用信管 (HTVSF)

 米空軍が2月下旬、Northrop Grumman社に深深度目標 (HDBT) 攻撃用のFMU-167/B空隙感知式深深度用信管 (HTVSF) の2度目の発注を2019年9月に$110Mで行ったことを明らかにした。
 HTVSFは地中の空隙数を感知計測して作動する信管で、コンクリート貫通時の15,000psiにも耐えることができる。
 FMU-167/B HTVSFはその前身であるFMU-157/B堅固目標用信管 (HTSF) やFMU-143B/B信管、更にFMU-152A/B信管同様に遅延起爆機能を有する (2007-050003)

7・5・6 核爆弾/弾頭

7・5・6・1 核爆弾

B61-12

 米空軍核兵器センターの報道官が、F-15EやB-2に搭載するB61-12核爆弾に取り付けるBoeing社製新型誘導装置 (TKA) のIOT&Eを1Q/FY20に完了したことを明らかにした。 (2002-011407)

 米国で初めて公式にB61-12核爆弾を搭載することになるF-15Eによる模擬弾の投下試験が3月に行われ、試験に成功した。
 試験はネバダ州Tonopah試験場で2回にわたり行われ、一回目は高度1,000ftから、二回目は25,000ftから投下され設計通りに標的に命中した。
 B61-12は現有のB61-3、-4、-7、-10と逐次換装される。 (2007-060804)

7・5・6・2 核弾頭

W76-2

 戦術核を弾頭にした米海軍のOhio級潜水艦Tennesseeが2019年12月末にジョージア州のキングスベイ海軍潜水艦基地を出港した。
 全米科学者連盟(FAS)などによると、TennesseeにはTrident 2 SLBMが搭載されているが、米軍はこのTrident 2に90~475kTある核弾頭に代えて5~7kTの低威力核弾頭を搭載しているという。 (2002-013102)
【註】小型核弾頭と言っても広島型原爆が10~20kTと言われているのに比べ大きな差はない威力がある。

 全米科学者連盟(FAS)が1月29日、低威力化したW76-2核弾頭を搭載したTrident SLBMを装備した潜水艦Tennesseeが2019年末にも母港ジョージア州Kings Bay潜水艦基地を出港したことを明らかにした。
 W76-1を元にしたW76-2は2018年にトランプ政権が行ったNuclear Posture Reviewに基づき低威力化された2種類の核兵器の一つで、広島に投下された核爆弾より低威力であるという。 (2003-020405)
【註】Trident Ⅱの弾頭であるW76は、同じくTrident Ⅱ弾頭のW88がMk 5 MIRV搭載用に小型化されているのに対し単弾頭のMk 4 RVに搭載されている。
 原型となるMod 0は100kTで1978年に装備化され、その後90kTのW76 Mod 1に改修されている。 2018年のNPRにより開発されたW76-2は5~7kTと言われている。

 ルード米国防次官が2月4日、海軍がW76-2低威力核弾頭を搭載したSLBMを配備したと発表した。 これは2018 Nuclear Posture ReviewでSLBM弾頭の一部を改造するとしたことによるもので、同次官はロシアが低威力核兵器の配備を進めこの分野で米国に対して優位を占めているためと説明している。
 W76-2の実配備が最初に明らかになったのは、FASが12月最後の週に米海軍潜水艦Tennesseeがジョージア州のKings Bay潜水艦基地を出航したと報じたことによる。 (2004-021201)

 米国の核兵器を管理する国家核安全保障局 (NNSA) が12月28日に議会に提出した年次報告書で、FY20にW76-2の製造を完了し全量を海軍に引き渡したことを明らかにした。
 W76-2はSLBM用核弾頭であるW76の威力を90kTから5kTに抑えるよう改造したもので、戦闘機や爆撃機に搭載する戦術核爆弾B61 (170kT) より弱く、北朝鮮の地下施設を破壊するのに最も適した武器に挙げられる。
 報告書ではW76-2の生産量については明らかにしていないが、NNSAは2019年2月に初めてW76-2を製造したと発表し、同年12月にはW76-2を装備したTennesseeが哨戒任務のため出航している。 (2101-123001)

W80-4

 米空軍と国家核安全保障局 (NNSA) がLRSOWに搭載する小型核弾頭の評価を行っている。
 LRSOWは核弾頭搭載AGM-86B ALCMの後継となる核弾頭CMで、弾頭にはALCMが搭載していた核弾頭の再生型であるW80-4が考えられている。 (2004-031710)

W87-1

 米FY21予算要求で、国家核安全保障局 (NNSA) が次期ICBM GBSD搭載核弾頭W87-1改良計画にFY20より$180M多い$540Mを計上しているが、これは当初の要求額を満たすものではなくなっている。 (2004-032003)

SLBM 搭載用新型核弾頭 W93 の開発

 米議会下院Energy and Water Development, and Related Agencies小委員会が7月6日、SLBM搭載用新型核弾頭W93開発予算$53Mを認めない決議案を30対21で可決した。
 W93開発費については下院軍事委員会がFY21で$32Mを認めていることから議長裁断になる。
 W93はTrident Ⅱに搭載されているW88とTrident Ⅰに搭載されているW76の中間サイズで、2040年までに装備する計画である。 (2008-071305)

7・6 電 子 戦

7・6・1 電子戦全般

 特記すべき記事なし
7・6・2 電子戦装備

7・6・2・1 電子戦機

 特記すべき記事なし
7・6・2・2 電子戦装置

7・6・2・2・1 航空機搭載

EU 常設軍事協力枠組み (PESCO) が航空機搭載電子攻撃 (AEA) 装置を開発

 EUの常設軍事協力枠組み (PESCO) が2019年11月12日に、航空機搭載電子攻撃 (AEA) 装置の開発に出資することを明らかにした。
 システムはSEAD、EJ、SPJなどに使用されるもので、スペインのIndra社主導でSaab社もThales社を始めイタリアのElerronicca社やドイツのHensoldt社も参加して2020年初期に契約が行われる。 (2002-010002)

Next Generation Jammer (NGJ)-MB
 米海軍が中波長領域用のNGJであるNGJ-MBの開発試験を完了し、6月下旬か7月上旬に飛行試験を開始する。
 2023年operationalを目指し、量産開始決定となるMilestone CはFY20末(2020年8月末)に計画されている。
 NGJ-MBはポッド2基で構成される。
 次の段階はNGJ-LBで、EA-18G Growlerが搭載している昔からのALQ-99 TJSと換装される。 (2006-052005)
【註】EA-18G Growlerが装備しているALQ-99は、ベトナム戦争当時海兵隊がEA-6B用に開発したSOJ用として開発されたECM装置で、1971年に配備が開始されて以来空軍のEF-111にも搭載され、米軍のSOJ装置の定番として今日まで使用されている。

NGJ-LB

 米海軍が、L3 Harris社とNorthrop Grumman社が受注競争を繰り広げている航空機搭載妨害装置NGJの低周波域 (LB) 用であるNGJ-LB開発の数百万㌦規模である新段階の試験をPatuxent River海軍航空基地で開始したと発表した。 (2006-052204)

 米海軍が8月10日、中帯域用次世代妨害装置NGJ-MBのEA-18G Growlerに搭載した飛行試験を、8月7日にメリーランド州Patuxent Riverで実施したと発表した。
 NGJはALQ-99に代わるECM装置で、低帯域、中帯域、広帯域の3つのポッドで構成される。
(2009-081205)

 米海軍が12月11日、EA-18G Growlerがポッドで搭載するNGJの低周波領域装置NGJ-LBにL3 Harris社を選定し$496Mの契約を行ったと発表した。 (2101-122112)

NGJ-HB

 NGJ-MBは2016年にRaytheon社に発注され、NGJ-LBはNorthrop Grumman社に発注されているが、NGJ-HBはまだ明らかにされていない。 (2009-081205)

7・6・2・2・2 艦 載

AN/ALQ-32(V)7 SEWIP Block 3

 Northrop Grumman社が米海軍から受注したSEWIP Block 3の画像を初公開した。 同社は2015年2月に事前設計を、同年10月にEMDを受注していた。
 SEWIP Block 3はAN/SLQ-32(V)のファミリでAN/ALQ-32(V)7と呼ばれ、AN/SLQ-32(V)6のSEWIP Block 2を改良した電子戦装置で、GaN素子を使用したAESAアンテナ送信機を採用している。 (2005-040019)

中国の艦載対艦ミサイルデコイ

 中国海軍がパキスタンと9日間にわたり行ったSea Guardian 2020演習の写真に写っていたType 052D駆逐艦の艦尾に、対艦ミサイルデコイの発射管と見られる一対が映っていた。
 この装置は米海軍のMk 59対艦ミサイルデコイと良く似たもので、胴径500mm、全長2mと見られる。 (2003-012908)

Vigile D ESM 装置 (UK)

 Thales UK社がVigile D ESM用コンパクトアンテナの量産を開始した。
 Vigile D ESMはオランダやポルトガルが艦船に装備している艦載ESM装置で、新型コンパクトアンテナの取り付けは2020年末に計画されている。 (2009-080004)

7・6・2・2・3 地上型

米陸軍の EWPMT

 米国防総省のDOT&E室が1月30日に出した陸軍のEWPMTについての報告で陸軍に対し、電子戦システムと情報システムの連携や味方との競合回避などで更なる検討を要するとした。
  (2003-020704)

米陸軍の TLS-Large SIGINT/サイバ戦装置

 Lockheed Martin社が米陸軍からの$6Mの契約で、Stryker搭載のSIGINT/サイバ戦装置TLS-Largeの開発の16ヶ月間に及ぶPhase 1を進めている。
 TLS-Large Phase 1はBoeing社の子会社であるDigital Reciever社も$7.6Mで受注している。 (2009-081705)

7・6・3 GPS 電子戦

 特記すべき記事なし
7・7 情報取得,偵察等

7・7・1 偵察衛星

海軍の SBRSAR 衛星
 Capella Space社が5月13日、米海軍からSARを受注したことを明らかにした。 但しSARを搭載する衛星はまだ打ち上げられていない。
 Capella社は36基打ち上げ予定の衛星に1基ずつのSARを搭載するが、最初の衛星を2019年末に打ち上げ、2020年中に6基を打ち上げるはずであった。
 SAR衛星は光学衛星と異なり昼夜間使用可能であるのに加え、目標の材質、湿度、3D測定能力を持つことから精密な動きや高度も判別でき、分解能は0.5m以上という。 (2006-051303)
【註】米軍のレーダ偵察衛星計画はDARPAのSTARLITE 計画に端を発し、1997年にDARPA、空軍、NROのDiscoverer Ⅱ 計画に発展したものの2000年に中止され、2002年にSBR計画として復活した。
 SBRは2012年に一部運用を開始したものの衛星数が20基以上で経費がと巨大化したため、 Space Radarとして再出発していた。

 サンフランシスコを拠点とするCapella Space社が解像度50cm×50cmの高解像度SAR衛星の画像を公表した。 今までの解像度は1m×25cmであった。
 同社は8月に初の実用型衛星を打ち上げ、更に2基を打ち上げのためにCape Canaveralに向け出荷した。
 現在5基が組み立て段階にあり、2020年中には衛星編隊を構築する計画であったが、COVID-19の影響で半年遅れている。 (2101-121706)

7・7・2 偵察機,哨戒機

7・7・2・1 米 国

U-2

 米空軍がCollins社及びLockheed Martin社Skunk Worksと最近、U-2が搭載しているSYERS EO/IR装置の最新型であるSYERS-2Cの飛行試験を完了した。
 Lockheed Martin社によるとSYERS-2Cは10波長のEO/IRセンサで、従来品より高精細な画像で、固定及び移動目標の発見、追随、分析が可能になる。
 米空軍は訓練用の復座機5機とNASAが使用しているER-2 2機を含めて33機のU-2を保有している。 (2004-022606)

新固定翼電子偵察機計画

 米陸軍は2006年1月に$879Mの電子偵察機ACS計画を中止したが、FY28頃の装備を目指して固定翼電子偵察機計画を進めようとしている。
 装備するのは10機にも満たない少数機であることから機体には、民間機の転用型であるBoeing 737 (P-8)、Gulfstream G550 (C-37)、Bombardier Global 6000 (E-11) などが考えられる。 (2006-040604)

OSTAR 計画の停止

 米政府が5月にOpen Skies条約から11月に単独で離脱するとしたのを受け、米空軍が公式にOpen Skies条約履行のための航空機増強計画 (OSTAR) を停止した。
 OSTARは現有のOC-135B 2機に代わる2機を$648Mで調達する計画で、2019年12月にRfIが発簡されていた。 (2009-072905)

C-135S Cobra Ball が南シナ海戦略状況監視 (SCSPI)

 ロイタ通信が8月26日、中国が大規模演習の一環として同日に海南島とパラセル諸島に挟まれた海域にMRBMを4発撃ち込んだと報じた。
 同海域では南シナ海戦略状況監視 (SCSPI) に当たるRC-135S Cobra Ballなどが任務に就いていた。
 Cobra Ballには測定/波形分析 (MASINT) 装置も搭載されている。 (2011-090913)

7・7・2・2 中 国

「4・1・7・4・4 偵察機/電子戦機」で記述
7・7・2・3 ロシア

 特記すべき記事なし
7・7・2・4 欧 州

AGS (Alliance Ground Surveillance)

 計画開始から25年経って、NATOのAGS計画が漸く現実のものとなった。 NATO AGS計画は当初Airbus A321で開始されたが、その後RQ-4 Block 40に計画が変更された。
 MP-RTIPレーダを搭載したRQ-4D Phoenixは、高度50,000~60,000ftを飛行してSARモードで200kmを監視できる。
 シシリー島のSigonellaを基地にするNATO AGS Force (NAGSF) はRQ-4D 5機を装備する。 (2003-011305)

Gulfstream G550 C4ISTAR特殊任務機

 イタリアがDDP2020-2022計画で、C4ISTAR特殊任務機に使用するGulfstream G550を1機購入する。
 C4ISTARには2032年までに€1.2B ($1.45B) が支出される。
 C4ISTARには戦略情報取得のためと電磁優勢獲得のための最新式センサが搭載される。 (2012-110413)

7・7・3 その他の情報取得システム

7・7・3・1 係留気球

PSS-T 計画

 米陸軍はJLENS計画が2018年に終わったが、依然として係留気球に関心を持っている。
 その一つとして国防総省は9月下旬にTCOM社に各種サイズからなるPSS-T係留気球計画を$979Mで発注している。 PSS-TはISRや通信用の戦術係留気球である。 (2002-010013)

7・7・3・2 ネットワークシステム

7・7・3・2・1 米 国

ABMS 計画

 米空軍が2019年12月にABMS初の野外試験を実施し、ABMSの28機能中26機能を検証した。 ただ軍は今回の試練に満足しておらず、4月に更に厳しい試験を行うという。
 試験には空軍からF-35とF-22、海軍から駆逐艦、陸軍からHIMARS部隊が参加し、米国がCM攻撃を受けたとの想定でCMを模したQF-16標的機を飛行させた。
 F-22とF-35はそれぞれ異なるデータリンクのIFDLとMADLを装備しているが、両者をLink 16を介して接続した。 (2002-012206)

 米空軍が1月21日に、2年前に作成した指揮統制システムABMSの概念を、28個アイテムを6個の主要構成に組み直すなど、大きく変更した概念を発表した。
 今後5年間の経費は$9Bと見積もられている。 (2004-021002)

 米空軍が今後5年間に$3.2B以上をかけて全ドメイン統合の指揮統制装置ABMSの開発を行う。
 このため空軍はABMSに、2019年の計画時点に比べ、FY21~FY24に4倍の支出を見込んでいる。 (2003-021113)

 フロリダ州オーランドで2月27日に開かれたAir Warfare Symposiumでメディアに対し、米空軍におけるABMSの計画者でもある太平洋空軍司令官のブラウン大将が、現在接続されていない友好国との連接の必要性を述べた。 (2003-022810)

 米空軍が4月から6月までの実施を予定していた2回目のABMS試験は新型コロナウルスの感染拡大から延期された。 2019年12月に行われた1回目の試験ではF-35とF-22、更に駆逐艦Thomas Hudnerも参加していた。
 空軍はFY21予算要求でABMSに、FY20の二倍以上となる$302Mを要求している。 (2004-031803)

 米太平洋空軍司令官ブラウン大将が2月27日に開かれた空軍協会 (AFA) のシンポジウムで、ABMSの3回目の試験は太平洋地域で実施してほしいと述べた。
 空軍のIoTであるABMSについて空軍参謀長のゴールドフェイン大将は、将来戦は人間のなし得るよりより速い速度で進展すると述べた。 (2005-040003)

 米国の会計検査院に相当するGAOが4月16日に、計画が遅延しコストが増大している空軍のABMSについて、空軍の要求が確定しておらず、使用する技術を確定する計画もないとした上で、従来型の要求を詰める過程を飛ばすとした空軍の決定に対し警鐘を鳴らす報告を行った。 (2005-041607)

 米空軍参謀総長が4月22日、米国で会計検査院に相当するGAOが4月16日に空軍が目玉として進めているABMS計画について開発の進め方について疑問を呈したのに対し、GAOは情報不足と述べた。 (2005-042212)

 米議会下院歳出委員会国防小委員会が、FY21で空軍がABMSに要求している$302.3Mを$50M削減しようとしている。
 空軍がFY21要求と合わせて提出した将来計画FYDPでは、FY24におけるABMSの予算は$1.1Bになるという。 (2008-071414)

 米国防総省が7月1日~2日に行ったOFEと呼ばれる評価試験で、U-2がF-35の取得したデータを受信することに成功した。
 OFEは陸軍と空軍が参加して行われ、F-35が取得したISR追随データを陸軍のIBCSを模擬した装置に伝送した。
 IBCSは航空機から複数の経路を経て送られてくるデータを空中センサ接続キットA-Kitで取り込む。 試験では実目標に対しPAC-3の模擬射撃を実施した。 (2010-082607)

 米軍が最近太平洋で行ったValiant Shield 2020 (VS20) 演習で、米軍の目指すAll Domainの初めてとなる検証が行われた。 この演習は空軍ABMS OnRampの3回目の試験でもあった。
 また陸軍のMulti-Domain Task Forceの能力も確認された。
 VS20には陸海空軍と海兵隊合わせて11,000名以上が参加してTLAMの実射も行われ、9月19日には2013年1月に退役したOliver-Hazard-Perry級フリゲート艦Curtsの撃沈も行った。
 ABMS OnRamp #3の設計ではMulti-Domain作戦センタ (MDOC) が装備して低軌道 (LEO) 衛星とも連接することになっている。 (2011-100708)

 米インド太平洋軍が9月15日~25日に行ったValiant Shield演習で、米空軍が3回目となるABMSの試験を行った。
 これについて太平洋空軍司令官のフィルスバッハ大将は10月28日、ABMSには各種の機能があるが、最も感動したのは空軍施設の状況を鳥瞰することができたことで、疑似攻撃を受けた滑走路の状況などを掌握できたという。 (2011-103007)

 米議会上院歳出委員会軍事小委員会が、空軍から出されていたABMSのFY21予算要求$302Mを$93M以上削減した$209Mとした。 (2012-111006)

MARS

 米DARPAがAI技術を導入した戦場管理システムMARS開発計画のPhase 1担当企業にBAE Systems社グループを選定した。 Phase 1はカーネギー・メロン大学の協力で$3.1Mかけて12ヶ月間行われる。
 MARSはマルチドメインにわたる武器等を連接してAI技術を用いて自動的に一つの戦場状況画像に纏めるツールである。 (2004-020001)

7・7・3・2・2 イスラエル

Fire Weaver

 Rafael社が2月3日、イスラエル軍からFire Weaverシステムを受注したと発表した。
 Fire Weaverは機甲旅団に配備され年内にoperationalになるという。
 Fire Weaverはセンサと火器をIPで結ぶ射撃統制ネットワークシステムで、Rafael社とイスラエルDDRDが陸軍と共同で開発した。
 更にシステムはElbit社のTORC2Hを元に開発されたイスラエル軍のTsayad C2システムと連接できる。 (2004-021210)





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