2021年の宇宙防衛に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2021.12.08 Defense News Space Force launches experimental payloads into orbit <2201-120808>
 米宇宙軍が12月7日、NASAの衛星を含む9基の実験衛星Space Test Program-6 (STPSat-6) をCape CanaveralからAtras Vで打ち上げた。
 打ち上げた衛星にはエネルギー省と国家核安全保障局が開発した性能向上型の核爆発探知衛星や、NASAのレーザ通信中継試作機などが含まれている。
 また宇宙軍は長時間推進の
ESPA-1 (LDPE-1) も軌道に乗せた。 宇宙軍はLDPEを宇宙貨物列車と呼んでおり、LDPE-1は複数ある計画の一つである。
2021.09.27 Aviation Week & ST Small steps <2111-092704>
= 軍用の宇宙開発が米ソの独占でなくなったとする記事 =
 NATOは2019年に宇宙を第5の分野と定義した。 宇宙の軍事利用独仏伊日英で進められており2022年初めにはオーストラリアもこれに加わる。
 ドイツは15年間にわたりSAR-Lupeシステム(右図)を運用している。
2021.08.20 Breaking Defense Pentagon poised to unveil, demonstrate classified space weapon <2109-082007>
 米統合参謀本部副議長のハイテン空軍大将が、米国で秘密裏に進められている宇宙配備兵器公開しようとしている。
 この兵器は対衛星を狙った宇宙配備レーザ兵器で、来週開かれる今年のNational Spaceシンポジウムで公開されるはずであったが、アフガニスタン情勢の急変で保留になりそうである。
2021.07.08 Defense News Maneuver warfare in space: The strategic imperative for nuclear thermal propulsion <2108-070808>

= 中国のASATに対抗するために熱核推進ロケットが有効とする記事 =
 
2021.06.02 Jane's Defence Weekly Rules of behaviour <2108-060214>
= 宇宙戦争に関する6頁の記事 =
 ・Killer satellites
 ・Russia
 ・China
 ・Satekkite killers
2021.06 International Defence Review SDA opens door to expanded, space-based electronic warfare <2107-060001>
 米国防総省宇宙開発庁 (
SDA) が、軍に特化した通信及びネットワークの構成を目指しており、軍の戦術電子戦をも支援しようとしている。
 SDAが進めている地上及び宇宙空間の脅威を発見識別するNDSAでは、今までにないTitle 10に位置づけられたセンサを宇宙空間に配置しようとしている。 NDSAは次の6分野で構成されている。
 ・Tracking Layer
 ・Battle Management Layer
 ・Navigation Layer: 代替NPT (A-NPT) の提供
 ・Deterrence Layer: 静止軌道より外側での敵の動きを阻止
 ・Support Layer
 ・Custody Layer
2021.05.03 Aviation Week &ST Draco embarks on quest to review Nuclear space propulsion <2107-050302>
 米国ではDeterrence Layerと呼ばれる良く分からない計画の元に2025年には核を動力源とする衛星を打ち上げようとしている。 また国防総省は月ほどの遠方まで飛行する宇宙船
AMV計画も進めている。
 AMVには従来の化学推進を凌ぐ高い推進装置が求められている。 このためDARPAはDRACO宇宙船計画を進めていて、Lockheed Martin社とBlue Origin社を選定している。 また原子炉の開発にGA-EMSを選定している。
 DARPAはFRACOに低濃縮ウラン (HALER) を使用しようとしている。 通常の軍用には濃縮度80%の高濃縮ウランを使用するがHALEUは5%~20%の濃縮度という。
【註】
 米国は深宇宙における中国への優位を確立するため地球~月間 (cislunar) の開発に力を入れようとしており、そのため原子力推進ロケットの検討を進めている。
【関連記事:2105-041311 (C4ISR 2021.04.13)】
【関連記事:2009-082808 (BD 2020.08.28)】
2021.05.03 Aviation Week &ST Nuclear options <2107-050301>
 米NASAが2039年打ち上げを目標とした火星への有人飛行を見据えて原子力エンジンの研究を進めている。 火星までの往復には従来型のエンジンでは3.5年、ソーラーエンジンではそれ以上かかるが、原子力エンジンでは2年で往復できるという。
 原子力推進ロケットには原子炉の熱で水素ガスなどを加熱して噴射推進する核熱推進 (
NTP) 方式と、原子炉で発電しクセノンやクリプトンなどのガスをイオン化させて噴出させる核電子推進 (NEP) 方式があり、当面実現が可能なNTPでは比推力 (ISP) が900秒程度、将来実現が期待されるNEPでは4,000秒と見られている。
【関連記事:2003-021905 (BD 2020.02.19)】
【註】
 ISPとは総推力 (kg・sec) を推進剤(燃料と酸化剤)重量 (kg)で割った値で単位はsecになる。
 今日大型のSLVが一般的に使用している水素酸素エンジンのISPは450秒程度である。 因みに固体燃料ロケットのISPは200~300秒程度である。
2021.04.01 Breaking Defense Theater commands OK SDA's sat plans: EXCLUSIVE <2105-040105>
 米各軍、11個米統合軍、統合参謀本部の将官級代表国防総省部局や
NROの代表が会して3月31日に開かれた隔年開催のWargighter Councilで、SDAのWarfighter Integration班の班長が、JADC2の通信中枢となる最初の衛星150基は2024年末までに打ち上げられると述べた。
 昨年5月に当時のエスパー国防長官が命じた300~500基からなるSDAのTransport Layer衛星は、国防総省が所管する全てのC2システムで使用される。
 2022までのTranche 0に続くTranche 1ではTransport Layer衛星だけ150基打ち上げる。
2021.02.03 Jane's Defence Weekly First Space Prime effort to focus on 'smart' spacecraft <2104-020307>
 米空軍と宇宙軍が進めているSpace Prime計画は宇宙空間で活動し衛星の支援やデブリの回収など、高度に自動化された、スマート、ネットワーク化した官民両用として使える技術を追求する計画である。