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2025.01.23
07:07時事通信
インド、中国の河川「武器化」警戒 チベットで巨大ダム建設計画
<2502-012303>
「アジアの給水塔」と呼ばれるチベット高原を流れる国際河川に中国が建設予定の巨大ダムを巡り、下流のインドが懸念を強めている。 貴重な水資源の生殺与奪の権を握られるのに加え、放水によって洪水を引き起こす河川の武器化(インドメディア)を警戒している。
インド外務省のジャイスワル報道官が3日の定例記者会見で「中国側には専門家レベルや外交ルートを通じ、巨大プロジェクトに対する見解や懸念を一貫して伝えてきた。 われわれの権益を守るため、引き続き監視し必要な措置を取る」とくぎを刺した。
新華社通信は2024年12月に、中国政府がチベット自治区を流れるヤルツァンポ川(中国名・雅魯蔵布江)下流での水力発電ダム建設計画を承認したと報じた。 別の報道によると、建設費用は推定$137B以上で、現在世界最大級とされる三峡ダムの約3倍の電力を生み出す巨大施設になる。
ヤルツァンポ川は源流の標高が世界で最も高い国際河川で、インドに入ってブラマプトラ川と名を変え、バングラデシュを通りベンガル湾に注ぐ。 中国はこれまでも開発を進めてきたが、流域国との情報共有に消極的で、特にインドが懸念を表明してきた。
中国は、同川が流れるインド北東部アルナチャルプラデシュ州を「南チベット」と呼び領有権を主張するなど、インドと国境対立を抱える。 インドには、紛争勃発時に中国がダムを操作して下流域で川を氾濫させたり、逆に干上がらせたりするのではとの疑念がある。
中国の計画には、チベット出身者からも反対の声が上がっており、チベット亡命政府議会のティカン副議長は時事通信に、1月7日にチベットを襲ったような大地震がダム付近で起きた場合、「被害は想像を絶するだろう」と危惧し、「破滅から救うため、全ての人が懸念を表明すべきだ」と訴えた。
2025.01.22
07:41産経新聞
中国が地震多発のヒマラヤ山脈に鉄道計画、実現目指すネパールは「地政学的問題にするな」 世界行動学
<2502-012205>
中国のチベット自治区で1月7日にM 6.8の大きな地震が起き、死者は120人以上で、その後も余震が続いている。 ヒマラヤ山脈を挟んで南側のネパールでは、今回それほどの被害はなかったものの、一帯は地震が多発する地域で、約10年前にはM 7.8の大地震がネパールを襲い周辺国を含め9,000人以上の死者を出した。
当時、現地取材した筆者が中国国境に近いコダリという町を訪れると、崩れ落ちた巨大な岩が建物を破壊していた。 カトマンズとの間の道路を車で移動すると、斜面の上から小石がパラパラと落ちてきた。
そんな地域に、ネパールと中国両政府が鉄道を開通させるという壮大な計画がある。
中国のチベット側には、世界で最も標高の高いところにあるといわれる鉄道があり、そこからヒマラヤの国境をまたいでカトマンズに至る鉄路を建設する。 大半はトンネルになるとの報道もある。
計画は毛沢東の時代からあるといい、ネパールは中国に建設の実現を要望してきた。 中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の事業にも位置づけられている。
ただし、ネパールに最も影響を与えてきたのはインドで、既に両国は鉄道で結ばれている。 ネパールは物流や経済でインドに依存しており、大国による力のバランスを取るため北の中国に接近してきた。