2021年の中印国境情勢に関する報道

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2021.10.23 時事通信

(Yahoo)

ブータン、国境画定目指し中国と覚書 インドは接近に神経とがらす <2111-102302>
 ブータンが今月14日に中国と国境画定に向け覚書を交わした。 中国とブータンの国境は500kmで、中国は全体が未画定と主張しているため、両国は1984年以降24回にわたって国境画定に関する交渉を実施している。
 中国とブータンの間に外交関係がない現状は変わらないものの、インドでは軍事外交面でインドの強い影響下にあるブータンへの中国の接近に神経をとがらせている。
 インドの元駐中国大使は20日にネットを通じ開催された講演会で、中国が交渉を通じて中印ブータンの3ヵ国国境地帯の軍事的要衝をブータンから獲得し、インド領に肉薄しようと意図している可能性があると警鐘を鳴らした。
2021.10.12 テレ朝 News

(Yahoo)

中印両軍が係争地で再び衝突 <2111-101204>
 インドメディアが8日、インド北東部の国境地帯で先月末に中国兵士200名インド側に入り建物を破壊しようとしたため身柄を拘束したと報じた。 これに対し中国
PLAは、部隊は反撃を行いパトロールの任務を全うして帰還したと主張して、衝突があった事実を認めた。
 また中国側は、10月10日に両軍の司令官級の会談が行われたと明らかにしたうえで、「インド側が非現実的な要求をしている」と批判した。 一方のインド側も、建設的な提案に中国側が合意しなかったとの声明を出している。
2021.08.06 時事通信

(Yahoo)

中インド両軍、一部国境から撤収 <2109-080603>
 インド外務省が6日、北部ラダック地方の対中国国境沿いのゴグラ地区付近から中印両軍が撤退したと発表した。 両軍は今年2月にラダック地方のパンゴン湖周辺から撤退を開始している。
 中印両国は3,000km以上に上る未画定の国境線をめぐり争ってきた。 今回の一部地区からの撤収は対立をエスカレートさせたくない両国の姿勢の表れとみられる。
2021.08.03 Stars & Stripes China, India agree to pull troops near site of deadly clash <2109-080307>
 インドと中国の現地指揮官同士が8月1日、ヒマラヤの国境沿いの係争地から部隊を撤収させることで合意した。
2021.06.28 Stars & Stripes India shifts 50,000 troops to China border in historic move <2107-062806>
 インド中印国境に少なくとも50,000の兵力を投入した。 これはインドにとって歴史的な転換点と言える。
 インドはインド亜大陸から英国が撤退した後にパキスタンとの抗争を繰り返し、3度の戦争を行ってきたが、昨年の中国との紛争でインドは20,000の兵力を投入した。 この中にはパキスタンとの対テロ戦に従事していた部隊も含まれていた。
2021.03.03 Jane's Defence Weekly China reveals four PLA soldiers died in June 2020 border clash with India <2105-030308>
 中国国営メディアの環球時報が2月19日に解放軍報の記事を引用して、2020年7月15~16日の夜間にヒマラヤにあるインドとの
LoAC付近でのインド軍との衝突による死者数を4名と報じた。
 この衝突によるインド側の死者数は20名であった。
2021.03.03 Jane's Defence Weekly Indian Army begins to bolster its defences along northeastern borster with China <2105-030301>
 インドラダックからの撤退に同意した後、東北部で中国と国境を接する地域兵力増強と再編を行っている。
 印陸軍は2月18日、3ヶ月以内に1個機甲旅団を中国との実効支配線 (
LoAC) に近いシッキム州に増派すると発表した。 派遣される場所は2017年にインド陸軍と中国PLAが73日間にわたり対峙したDoklamの三叉路付近と見られる。
 派遣される機甲旅団はライセンス国産したT-72M1 MBTT-90S MBTの合わせて140両を装備している。
Sikkim州Doklamの位置 (Google Map)】
 また、現在武装戦力との戦闘やミャンマーとの国境警備に当たっている準軍46個大隊のうち20個大隊も転用するという。
2021.02.24 Jane's Defence Weekly India and China agree to withdraw their troops from parts of the LoAC <2104-022404>
 インド国防相が2月11日に議会で、ヒマラヤの実効支配線 (
LoAC) を挟んで2020年5月以来にらみ合いを続けてきた中印軍が撤退に合意したと述べた。
 現場は標高4,350mにあるPangong湖付近で、PLAはPangong湖北岸のFinger 8東側へ、インド軍はFinger 3まで撤退する。
2021.02.21 産経新聞

(Yahoo)

中印、カシミール地方の対峙解消 中国「日米豪印」を警戒か <2103-022104>
 中国国防省が10日、中印が合意に基づきカシミール地方ラダックの実効支配線 (
LAC) が通るパンゴン湖岸から同時に撤退すると発表し、翌日にはインドも同様の発表を行った。 インド外交筋によると、17日に両軍の撤退が完了したという。
 これまで撤退協議は複数回決裂していたが急遽進展したもので、中国にはインドが日米豪との連携強化に乗り出したことへの警戒感があったようである。 ただ、全面的な雪解けにつながるかは未知数で、緊張は継続する可能性がある。
 全方位外交を志向するインドは、日米豪との連携が対中包囲網となることに慎重だったが、姿勢を転換して昨年11月には2007年以来となる4ヵ国の海上合同軍事演習が実現し、今月18日には外相会合が行われた。
2021.02.21 テレ朝 News

(Yahoo)

中国軍 高性能兵器を国境地帯に配備 インド牽制か <2103-022103>
 中国軍が、インドとの国境地帯に高性能兵器を配備したと明らかにした。 中国の国営メディアはインドと隣接する新疆ウイグル自治区の山岳地帯機動性とステルス性能を高めた戦車が投入されたと報じた。 また、チベット自治区の駐屯地ではインドとの国境地帯に新たに配備される砲を積んだ軍用車両が並んでいる。 夜間の実弾演習も行われている。
 インドへの牽制に加え、中国の国会である全人代が来月に迫るなか、愛国ムードを高めたい思惑もありそうである。
2021.02.19 FNN Prime

(Yahoo)

中国軍・インド軍衝突 中国側に5人の死傷者 <2103-021905>
 中国国防省が19日、2020年6月にインド軍と国境紛争地帯で衝突した際に中国軍側に4名が死亡し、1名が重傷を負っていたことを初めて明らかにした。
 インドメディアは、この衝突で中国側に数十名の死傷者が出ていると伝えていたが、中国軍はこれまで被害の規模を明らかにしていなかった。
2021.02.10 産経新聞

(Yahoo)

中印が係争地で撤退開始か 中国側が発表 <2103-021003>
 中国国防省が10日、インド北部ラダック地方の係争地域で同日に中印双方の軍隊が前線からの撤退を開始したと発表した。
 昨年から中印両軍が同地域で対峙していたため緊張緩和につながるか注目されるが、インド側は発表しておらず撤退が実現するのかは不透明である。
2021.01.26 BBC News

(Yahoo)

中国軍とインド軍、国境地帯で衝突か インドで報道 <2102-012601>
 インドのメディアが、中国軍とインド軍の部隊が国境地帯の係争地で衝突したと報じた。 報道によると、衝突はインド北東部シッキム州の北部ナクラで20日に発生した。 双方とも負傷者が出ているという。 一部報道は、その際に棒や石などが使われたが、銃器の使用はなかったと報じている。
 インド軍は声明で、1月20日にシッキム州北部ナクラ地域で小さな衝突が起こったが、確立されている手順に沿って地方の司令官らによって解決されたと説明し、大ごとではないとした。 当局によると、今回の衝突では中国のパトロール兵がインド領土に入り込もうとし、押し戻された。
シッキム州の位置 (Google Map)】
2021.01.25 ロイ通信

(Yahoo)

印中の国境地帯で「小競り合い」が発生=インド軍 <2102-012504>
 インド軍が25日、中国と国境を争うヒマラヤ山脈地帯の東部で20日に両軍間に小競り合いが発生したと発表した。
 一方中国は、双方が事態をエスカレートさせるような行動を慎むべきと述べた。
2021.01.25 時事通信

(Yahoo)

中国、インド領内に集落建設 係争地実効支配目的か <2102-012501>
 インドの民放NDTVが昨年11月の衛星写真を基に18日、インド政府が事実上の国境と見なす地点から4.5kmインド側で2019年8月の写真では何もなかった場所に、中国の住宅約100戸が建設されたと報じた。 同州は両国の係争地で、今回の集落建設には中国が実効支配地を作り、領有権の主張を正当化する狙いがあると受け止められている。
 インド外務省は報道を受け、安全保障に関する全ての進展を絶え間なく注視し、主権と領土の一体性を守るため必要な手段を取ると声明を出した。
【註】
 2020年11月にはブータン領内に中国が集落を建設したと報じられている。
【関連記事:2012-112302 (共同 2020.11.23)】
2021.01.19 日経新聞 インド、偵察船や軍用機増強 中国と対立長期化にらみ <2102-011902>
 インド中国と国境係争地域で対立が長期化することをにらみ、偵察艇や軍用機の増強に乗り出す。 兵器の備蓄も5日分積み増し、不測の事態に備える。 地元メディアによると、印軍は5月までに12隻の大型偵察艇を国境の係争地域に用意する。
 中印はヒマラヤ山脈などで約3,000kmの国境が画定していない。 2020年6月に印中両軍が衝突し、インド側は20人の死者を出した。
2021.01.11 CNN

(Yahoo)

インド軍、国境地帯で中国兵を拘束 <2102-011104>
 インド軍が8日、中国との事実上の国境に当たる実効支配線 (
LAC) のインド側で中国の兵士1名を拘束したと発表した。 発表によると、中国兵はパンゴン湖の南側でLACを越えてインドのラダック地域に入り、インドの部隊に拘束された。 中国兵がLACを越えた理由については調査中としている。
 パンゴン湖はインドと中国、パキスタンが国境を争うカシミール地方の海抜4,267mの地点にあり、インドのラダックと中国のチベット自治区にまたがっている。