2001年の米国の戦略、戦術、編成、配置に関する資料

  
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2001.12.26 毎日新聞

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対テロ戦 「多くの場所で進行」と米司令官 秘密作戦を示唆  米中東軍のフランクス司令官は25日、米軍のテロ組織との戦いがアフガニスタン以外の「多くの場所で進行してい る」と語り、具体的な国名は明らかにしなかったが、アフガン攻撃が峠を越えたことを踏まえ、ソマリアやイエメン などで米軍の秘密作戦が始まったことを示唆したものとみられる。
 「アルカイダ」掃討のために米当局者がソマリアを訪問しており、イエメンでは米側が軍事支援を申し出たとの報道もある。 また フィリピンのイスラム過激派「アブ・サヤフ」と同国政府の戦いに関して、米軍は約20人の軍事顧問団を派遣したとされる。   ▽
 
2001.12.22 共同通信
毎日新聞

インターネット

タリバンの地下倉庫からウラン押収  タス通信によると、アフガニスタン南部のカンダハル州の地元治安部隊は22日、カンダハル近郊にあるタリバンの 地下倉庫で放射性物質ウラン238やシアンなどの猛毒物質を発見し、米軍に引き渡したことを明らかにした。  米情報当局は、ビンラディンとテロ組織アルカイダが「汚い爆弾」に触手を伸ばしているとの見方を強めて いた。   ▽  
2001.12.17 Aviation Week & ST Bush sees long future for autonomous weapons  ブッシュ大統領はこのほどアフガニスタンでの対テロ作戦に関する談話の中で、Predator や Global Hawk UAV を 例にして21世紀の米軍は多くの場合無人精密兵器に頼ることとなるとの見解を示した。
 また、米陸軍大学でも将来の軍用システムにはより多くの自律的な精密兵器が要求されるとの分析がなされている。  ◇
 
2001.12.12 毎日新聞

インターネット

ABM 制限条約 国務長官がロシアに脱退通告  ワシントン発のタス通信は11日、信頼すべき筋の話として、モスクワを訪問したパウエル国務長官がロシア側に米 国の ABM 制限条約から脱退する決定を通告したと報じた。
 ABM 制限条約からいずれかが脱退するには、半年前に相手国へ通知しなければならないと規定されている。   ▽
 
2001.11.14 Jane's Defence Weekly Nuclear reactions  9月11日のテロにより、テロと核の問題が急浮上している。
 高濃縮ウラン25kgか、プルトニウム8kgがあれば、核爆弾を製造することができる。 これらの核爆発材料 を入手すれば、核爆弾は比較的容易に作れると見ている科学者もいる。
 2番目に問題なのは、各関連施設に対する従来とは違ったやり方での攻撃である。 現在世界には438基の発電用原 子炉、651基の研究用原子炉及び250ヶ所の核燃料施設がある。 これら施設に航空機で突入されると、重大な放射能汚染事故 が起こる。
 核施設に SAM を配備している国もある。   ▽
2001.11.14 読売新聞

インターネット

米、戦略核大幅削減を発表  ブッシュ米大統領とプーチン露大統領は13日、ホワイトハウスで会談後共同記者会見し、ブッシュ大統領は米国が 今後10年間で戦略核弾頭を現在の約7,000発から、1,700〜2,200発まで削減すると発表した。
 プーチン大統領は、「米国の提案に感謝し、同様の回答をしたい」と述べ、ロシアもやはり、核弾頭の大幅削減を行う意向を示した が、その前に「信頼できる、検証可能な合意が必要だ」との条件を付け、今回は発表を差し控えた。
 また米国のミサイル防衛構想についてプーチン大統領は、「我々の立場は変わらない」と述べ、ABM 制限条 約を維持したい考えを改めて示し、14日以降、会談場所をテキサス州のブッシュ氏の牧場に移して協議を続けると語った。   ▽
 
2001.11 Jane's Missiles & Rockets US speeds up weapon development production and conversion programmes  9月11日事件の結果、空軍は CALCM (Conventonal Air-Launched Cruise Missile) 及び JASSM の調達計画の繰り上げ実施を検討している。
 CALCM は、イラク及びユーゴに対して大量に使用されたため、目下核弾頭型の AGM-86A を、HE 又は HDBTD (Hard and Deeply Buried Target Defeat) 弾頭型への改造を進めている。
 この他にも緊急支出により、JSOW, TLAM, EGBU-15 HDBTD の増産が図られる。 TLAM は、ア フガン戦争開始時点で海軍の在庫が2,000初を切っていたため、対艦型及び核弾頭型の Tomahawk を TLAM Block VC に改造するため、 $420M の支出が追加され、800発程度が追加されることになる。   ▽
 
2001.10.22 Aviation Week & ST Fighter CAPs settle into a routine  空軍と ANG (Air National Guard) は9月11日のテロリスト自爆攻撃以来、24時間態勢で実弾搭載の戦闘機による米 本土主要都市上空の CAP (Combat Air Patrol) を行っている。
 このうち、首都ワシントン及び Camp David 周辺空域は ANG の117飛行隊が F-16C 2機で常時 CAP を実施中。
 CAP に使用しているのは、Sidewinder 及び AMRAAM を搭載した F-15 と F-16 で、空中給油機 KC-10, KC-135 及び AWACS と共に、 北米防空司令部の統制下に運用されている。 ◇
 
2001.10.15 Aviation Week & ST Pentagon budgeteers marvel at unexpected funding  米国は 2001年度 QDR (Quadrennial Defense Review) を大幅に見直し、対テロ戦争に対 処するため来年度以降の関連防衛予算を増額する。
 本年度緊急予算で、既にジェット動力の Predator B の導入や空軍の UAV 改善等 を開始しているが、今後弾薬、予備役及び軍事作戦費をはじめ UAV 改善導入と特殊部隊の充実に国防予算を大幅に充実する模様。 ◇
 
2001.10.10 Jane's Defence Weekly US build-up highlight UAV shortage  米軍はアフガニスタンでの戦いと、最近3機の UAV を失った(8/27, 9/11にイランで Predator、9/23にアフガンでI-Gnat)ことにより UAV の不足が懸念され、追加支出により 調達計画の繰り上げを図ろうとしている。
 I-Gnat UAV (右図) は CIA が運用している GA社製(▽註:Predator と同じメーカ)の UAV で、12時間の滞空が可能である。
 現有の UAV 数は
 ・空軍 RQ-1A Predator × 13
 ・空軍 RQ-4A Global Hawk × 4
 ・陸軍 RQ-5A Hunter × 4
 現在計画中の UAV 及び調達予定数は、
 ・空軍 RQ-4A Global Hawk × 60
 ・空軍 RQ-1B Predator B
 ・陸軍 Shadow 200 × 44
 ・海軍 RQ-2 Pioneer
 ・海軍 RQ-8A Fire scout VTOL UAV   ▽

I-Gnat ( Sandia 国立研究所の HP から)
2001.10 Signal Defense intelligence curves a new niche
= 軍事作戦情報の取得配分に関する記事 =
 DoD は情報ネットワークの中央集権化を図っており、統合軍の作戦は今後情報の一元的再配分によって遂行される。
 現在、航空作戦において JSTARS (Joint Surveillance Targeting Radar System) の様な情報専門の 機種が使われるようになったが、今後数年以内には JSF 等先進航空機からの情報入手及び RC-135 の更なる近代化を含め、戦域情報を 広範囲に一元化したシステムの構築を目指している。 ◇
 
2001.10 Jane's Missiles & Rockets 'Rogue state' has fired shipboad ballistic missile  ラムズフェルド米国防長官が、'Rogue state' が船舶から弾道ミサイルを発射しようとし ている。
 それによると、ICBM 程の射程がないミサイルを船に積み、発射機を覆ったカバーを開いて化学兵器や生物兵器弾頭 付きの弾道弾を発射した後、再びカバーで発射機を隠して退避する。   ▽
 
2001.10 International Defense Review Into the valley of death
= SEAD, DEAD の現状と将来の解説 =
 以下のシステムについての紹介
EA-6B Prowler ICAP-3 (Increased Capability)
HARM PNU (Precision Navigation Upgrade)
AT3 (Advanced Tactical Targeting Technology)
   AN-ASQ-213 HARM Targeting System
AARGM (Advanced Anti-Radiation Guided Missile)
High Speed ARM Demonstration
   HARM の射程、速度を倍増する計画
   機体形状を変更し、F-22 や JSF の機内弾庫への収納可
   Meteor AAM や MALD の機体を使用する案
MALD (Miniature Air-Launced Decoy)
MALJ (Miniature Air Launch Jammer)
MALD Rapid Targeting System   ▽
2001.10 International Defense Review Extended air defense of southern Europe tested  9月11日のテロを受け、南欧に対する中東及び北アフリカからの TBM 攻撃の脅威が高まつたのを受け、米、独、蘭 軍は、蘭軍主催の "Joint Project Optic Windmill Y" 演習という形で、EAD/TAMD (Extended Air Defense/Theater Air & Missile Defense) 体制を整えた。   ▽  
2001.10.02 日経新聞 国防計画見直し、本土防衛を最優先  国土防衛を最優先事項とし、
 ・防空体制の強化
 ・ミサイル防衛の推進
 ・大量破壊兵器への防御
をあげている。 また「2正面作戦」を修正
 @ 特定地域を想定せず、2つの紛争に対処する能力を確保
 A 両紛争とも敵を速やかに撃退   ▽
「国防計画見直し (QDR)」の要旨
 
2001.10.02 読売新聞

インターネット

米国防、本土防衛を最優先  ラムズフェルド米国防長官は1日、米国の国防指針となる「4年ごとの国防計画見直し (QDR) 」を連邦議会に提出した。
 同時テロを踏まえ、通常の軍事力では防御できないテロ攻撃などへの対応を急務と指摘し、米本土防衛と特殊部隊強化を最優先に掲 げ、反面、極東と中東で大規模紛争が同時発生する前提で戦力構築を定めた「2正面戦略」の見直しを明記している。
 また日本海からベンガル湾へ至る東アジア沿岸海域を「特に脅威が高まりうる地域」とし、名指しこそ避 けたが中国の軍事力をけん制し、アジア地域での戦力を強化する姿勢を鮮明にした 。   ▽
 
2001.07.30 Aviation Week & ST Navy probes battle concepts in‘Global 2001’wargame  海軍は長期戦略と主要な艦船による統合戦闘コンセプトを更に充実するため、現在‘Global 2001’図上演習を行 っている。
 海軍の Global ウオーゲームは5ヶ年計画の3年目にあたり、海軍大学で7月16日から27日の間行われる。
 図上演習のため実機等は使用しないが、10台以上のコンピュータを使用し、実環境を正確に模擬、約850人が参加する。  ◇
 
2001.06.27 Jane's Defence Weekly US studies alternatives to two-war strategy  DoD は4年ごとの防衛構想見直しに備えて、「2大戦域対処」(fight two Major Theatre Wars) 構想に代わる構 想を検討中である。
 ラムズフェルド国防長官は、米国に既にその力はないとしている。
 考えられる方策の一つは前方展開部隊の強化で、展開地域の特性に応じて部隊の編成装備を考えようとするものである。
今後の重視事項(抜粋)
  ・新編部隊による部隊実験
  ・情報
  ・ミサイル防衛
  ・pre-conflict management tools
  ・精密打撃
  ・急速展開統合部隊
  ・無人システム
  ・戦略機動能力
 
2001.06.21 Inside the Pentagon Army to examine integrated missile defence concept in war game  米陸軍の SMDC (Space and Missile Defence Command) は 9月に統合ミサイル防衛に関する模擬演習を陸軍大学 で行う。
 「Total Defender」と名づけられたこの演習では、世界的規模での各国のミサイル防衛能力を情報作戦と同様、如何に統合して運 用するかを検証する。 ◇
 
2001.06.21 Space & Missile Defense Report Pentagon advocates 'Flexible' Missile-Defense deployment  DoD はNMD システムの展開にあたり、その改善を含めクリントン政権時代に増してより柔軟な対応を行う必要があ るとの見解を示した。
 これは、ラムズフェルド国防長官の特別顧問が上院のスタッフに対して行った「防衛戦略レビユー」で明らかにしたもので、近い将 来での脅威に迅速に対処するため、陸海空のセンサーによる広範囲の情報把握、及び新技術の導入により革新的なシステムを構築展開 する必要があるとしている。 ◇
 
2001.06.15 毎日新聞
インターネット
米戦略見直し、2正面作戦再検討で詰めの作業   ラムズフェルド米国防長官が進めている戦略見直しは、7月末までにまとまる見通しとなった。
 世界の2カ所でほぼ同時に起きる大規模な地域紛争に対処する「2正面作戦」を再検討することが中心テーマになっている戦略見直 しは、9月末に結論を出す「4年ごとの国防見直し計画 (QDR) 」の概要と位置づけて公表する予定だ。   ▽
 
2001.06 Military Technology Parallel Warfare
= 米軍の戦法;Parallel Warfare について =
   Parallel Warfare (同時併行戦) の概念は湾岸戦争で初めて実行されたが、これは敵を完全に破砕することよりはむしろ戦略的戦術 的に特定の効果を得ることに主体がおかれている。
 この戦法の目的は敵の指揮中枢、重要施設、輸送及び兵力等を同時に攻撃することによりその戦力と影響力を効果的に我が統制下に 置き、戦略・戦術的優勢を迅速に獲得することにある。
 湾岸戦争では時間、空間および戦闘レベルの3分野で高い成果を挙げた。
時 間:戦闘開始から 90分で 50以上、
      24時間以内に 150以上の目標を航空攻撃
空 間:イラク全域で航空優勢を獲得
戦闘レベル:多国籍軍はイラクの戦術、戦略拠点と指揮中枢を同時攻撃し、
      イラクに対応のいとまを与えず作戦遂行能力を無力にした。  ◇
 
2001.06 Military Technology Global reconnaissance-strike for the 21st century
= 21世紀の戦略長距離偵察/航空打撃作戦について =
 この論文は Hawley 退役空軍中将が本年2月に空軍主催の航空戦シンポジュームで発表したもので、21世紀に向かっての地球的規模 の戦略航空作戦の在り方と今後の展望について概要を記述している。
 GRS (Global Reconnaissance-Strike) は、直接的に統合作戦司令官が脅威となる敵の中枢に対し即時かつ同時に大規模な反攻打撃 が出来ることを狙いとし、概ね24時間以内にステルス爆撃機を主とする航空戦力の集中により地球上の如何なる戦域にも対処するも の。 ◇
 
2001.05.16 Jane's Defence Weekly QDR 2001 The battle begins  米国の 2001年度 QDR (Quadrennial Defence Review:4ヶ年国防概観) は近々承認され るはこびとなったが、ラムズフェルド国防長官は今後、4軍の規模と装備の見直しといった問題に直面する。
 前回の QDR 1997 と同様に軍の近代化と所要財源のギャップは著しく大きく、DoD はこれまで行ってきた「2正面 作戦」戦略の廃止は兵力及び装備の削減につながるとしているが、各軍制服組からは激しい抵抗が予想され、各軍毎或いは共 同して反論し要求を行う動きがある。
 = 各軍の主要な要求項目 =
陸 軍:近代化と軽量化部隊への転換に年間 $10B の予算増額
空 軍宇宙兵器の優勢保持と航空機更新に年間 $30B の予算増額
海 軍:海軍の戦略的役割 (TMD) の拡張に応ずる予算増額
海兵隊:5,000〜13,000 人規模の部隊を複数新編     ◇
 
2001.05.16 Jane's Defence Weekly US Air Force gets greater weight in space  ラムズフェルド米国防長官はこのほど、空軍を DoD の宇宙部門担当に指定した。
 これにより空軍は、宇宙での軍事関連開発の企画、計画及びシステムの導入について、より大きな責任と権限を持つこととなる。 ◇
 
2001.05 Military Technology Cooperation on building global defence  5月上旬、ブッシュ米大統領は主要各国に大臣級の代表団を派遣し、米国のミサイル防衛は連合友好国にも効果大 であり早期に開発展開するすることについて理解をもとめた。
 代表団はまた、WMD の拡散による脅威の増加に対処するには、自由諸国のグローバルな防衛システムの構築が不可欠であり、これが WMD の拡散と使用を効果的に抑止し得ることを強調した。 ◇
2001.05 Jane's Missiles & Rockets Russia reacts to US missile-defence plans  米国の ABM 制限条約破棄に伴いロシアは START T,U の継続を再検討している。
 START では大型 ICBM の生産停止と、既存の ICBM, SLBM からの複数弾頭の取り外しを求めているが、ロシアはこの種のミサイルの 生産再開を準備している。   ▽
 
2001.05.09 Jane's Defence Weekly Wary Europeans welcome USA's missile defence consultations  5月 1日にブッシュ大統領が行った新しい戦略の発表の中で、ミサイル防衛についてヨーロッパ諸国と協議すると 述べたことについて、欧州各国は警戒と希望を表明している。
 ブッシュ大統領の新戦略では、米露の核均衡を前提とした冷戦時代の戦略に代わる戦略を提唱し、米国の核削減とミサイル防衛を 同時に行うとしている。   ▽
 
2001.05.08 時事通信

インターネット

米国防長官、宇宙利用の軍事戦略を提案  8日付の米紙ニューヨーク・タイムズは米軍事当局者の話として、ラムズフェルド米国防長官が同日、国防総省 の宇宙計画の大幅な見直しに関する提案を行うと伝えた。
 提案は、軍事戦略計画における宇宙空間の重要性を大幅に高めるとともに、宇宙空間向けの兵器システムの開発 を米政府が重視していることを強調するものになるという。   ▽
 
2001.05.07 毎日新聞

インターネット

米軍新戦略、「2正面作戦廃止へ」  7日付ワシントン・ポスト紙は、ラムズフェルド米国防長官が「2正面作戦」の廃止を含めた米軍戦略を週内に もブッシュ大統領に報告、最終承認を得ると報じた。 新たな戦略は、台湾の防衛措置も含めて東アジアに力点を 置くものになるという。
 冷戦終結に伴って駐留米軍が世界的に削減され、紛争同時発生の可能性も薄れたことから、国防総省幹部は2正面作戦の維持を疑 問視する見方を強めていた。
 同紙によると、長官は新たな米軍配置に当たって、欧州における比重を減らし、中国軍による 台湾海峡封鎖やペルシャ湾のホルムズ海峡封鎖といった事態への警戒態勢を強化する。
 全体として海外駐留米軍の規模を縮小する代わりに、必要な兵器や装備を購入する方針だという。   ▽
 
2001.04.23 Inside the Army Analyst warns of increasing foreign interest in cruise missiles  米国の民間研究所「Institude for Foreign Policy Analysis」の分析専門家は諸外国の巡航ミ サイルに関する現状について、対艦用から対地攻撃用への転換が進んでいるが、米国はこれに対し 全く無防備に近く、早急な対応が必要であると警告した。
 巡航ミサイルは現在、少なくとも 81ヶ国が75種類 80,000発を保有し、90% が対艦用であるが、近い将来 少なくともロシア、中国、インド及びイラクを含む 9〜10ヶ国が射程 100〜1,000km の対地攻撃用への変換 を行うと分析している。◇
 
2001.04.04 Jane's Defence Weekly Force for change  ブッシュ大統領の積極防衛重視政策は一転して厳しいものとなり、2001年版 QDR の発表を控え、海軍の主要な計 画の削除が予想され、その推進に翳りが生じており、軍内部に失望感が漂っている。
 2月19日、大統領は主要な艦船、航空機及び兵器システム等の開発装備計画のうちいくつかを削除することを示唆した。
 海軍は前回の QDR (1997年版) 並みの $28〜34B の年間調達で艦船 10隻、航空機210機を要望しているが、極めて厳しい状況にあり 、艦船については現状の315隻保有から 2025年には 240隻に落ち込むと予測し、1970年代の艦隊空洞化の再来を危惧している。  ◇
 
2001.04 軍事研究 IT 軍事革命と将来戦場  ( IT 革命と、自衛隊における IT について、防衛庁が2000年 9月
           に出した文書「情報 RMA について」を元に解説した記事)

                                            ▽

「情報 RMA について」防衛庁
2001.03.05 Inside the Army Shinseki says more money will be added for transformation efforts  米陸軍参謀長の Shinseki 大将は 1日、軍及び軍需産業関係者の合同シンポジュームで、この 10年以内に陸軍の 軽量機動化した破壊力、生存性の高い実戦的部隊への変換を目指し関連予算を増加していくと述べた。
 関係者の間には 10年以内の実現は困難との見方が強いが、同大将は強い意志で取り組む姿勢を示した。
変換の中核となるのは、FCS (Future Combat System) で、2003〜2008年の開発予算の増額を予定してい る。 ◇
 
2001.03.05 Aviation Week & ST X-31 returns to demonstrate extremely short landings  米海軍とドイツは、1995年以来飛行していない X-31 を、ESTOL (Extremely Short TakeOff and Landing) の実験用に再度使用する。
 ESTOL は、米独共同の VECTOR (Vectoring ESTOL Control Tailless Operation Research) 計画が目指 すもので、空母への着艦を従来機より遅い速度で行おうとするものである。
 実験は最終的に、X-31 を高度 1,00ft, 距離 2miで、40゚の高仰角を取らせ、滑走路上 2ftまで来たときに Thrust Vectoring によ り、高度 2ft を維持しながら機種の向かい角を12.5゚にし、着艦する。   ▽
2001.02.26 Aviation Week & ST USAF plans rapid, all-stealth task force  米空軍は、B-2 爆撃機と F-22 戦闘機によるステルス戦略航空部隊の編成を計画している。
 この‘global strike task force’は、12機の B-2 と F-22 2個飛行隊(48機)からなり、作戦開始 24 時間以 内に 500lb JDAMs 及び小型精密誘導爆弾を用い、400目標以上の戦略目標を攻撃可能としている。 ◇
 
2001.02.23 インターネット毎日新聞 イラク空爆、標的への命中率は半分以下  米国防総省当局者は21日、米英軍のイラク空爆について、標的とした対空防衛施設への命中 率は半分以下だったことを明らかにした。
 米軍が使った約25発の高性能誘導爆弾のうち8発が標的破壊に成功、別の8発程度は外れ、残りの爆弾による破壊状況は確認でき ない。 先進兵器の思わぬ「欠陥」に、国防総省幹部はショックを受けているという。
 GPS を使った誘導爆弾の大半は、標的から数十米、時には100m近く離れた場所に着弾 した。 このため国防総省は、機械類の故障と運用上のミスの両面で原因究明を進めている。   ▽
 
2001.02.05 Defense News Precision-Guided Munitions Shortfall  米海軍の太平洋艦隊司令官は精密誘導兵器 (PGM) の不足が危機的状況にあること を声明した。
 同司令官は、海軍は 10年前に比べ PGM による航空攻撃が4〜5回できる能力を持つと言われて いるが、実際はわずか2個飛行隊に搭載する程度しか保有していないと述べた。
 海軍は任務遂行に必要な PGM を少なくとも $1B 以上調達したいと要求している。 ◇

  (◇:波多野MS  ▽:藤 岡MS)