2009年のロシア情勢に関する資料

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2009.12.14 Aviation Week & ST Red shift <1001-121414>
 ロシア空軍機構改革を行うのに合わせて量より質に方針を転換し、搭乗員数も40%/削減す る。 現在33の航空基地と13個の航空宇宙防衛旅団に属する340個の部隊は180個に削減され、12,000名の搭乗員を7,000名に、65,000名の将校を38,000名にする。
 一方、航空機では Pak Fa の配備が2010年代後半に始まり、Su-27 の改良型である Su-35S の配備も2011年 に始まる。 更に Su-34 の追加取得が2010年に開始され、MiG-31B の改良も進められる。
 S-400 は2010年に更に5個大隊が配備されることになっているが、空軍司令官はこの目標達 成は難しいとしている。 更に同司令官は S-400 が依然として要求を完全には満足していないことを明らかにしている。
2009.12.02 Jane's Defence Weekly Russia aims for five more S-400 battalions <1001-120208>
 ロシアには現在2個の S-400 大隊があるが、空軍司令官が11月26日に、2010年末までに更 に5個大隊を配備することを明らかにした。
 S-400 は航空機に対し400kmの最大射程を持つ。
2009.11.21 Yahoo 毎日新聞記事

「ロシア 防衛産業発注、来年8.5%増…プーチン首相」

<0912-112102>
 ロシアのプーチン首相が21日、来年の防衛産業への発注を8.5%増やすと表明した。 首相は経済危機の影響にもかかわらず、防衛と関連産業の 近代化が最重要だと語り、軍の近代化を進める方針を強調した。
 ロシアは昨夏のグルジア紛争で実質的に勝利したものの、老朽化した兵器や装備が露呈したため、 軍の改革と近代化に取り組んでいる。
2009.10.16 Yahoo 毎日新聞記事

「親ロシア軍事同盟の新設部隊が初演習」

<0911-101602>
 旧ソ連の親ロシア7ヵ国で構成する軍事同盟『集団安保条約機構』が16日、今年2月に新設した合同緊急展開部隊の 初めての軍事演習をカザフスタン南部で行い、露大統領ら各国首脳が視察した。 同機構はロシア主導で1992年に発足したが、実戦に対応できる 合同部隊はこれまでなかった。
 機構加盟国はロシア、ベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンで、16日の演習にはロシアの空挺部隊など計7,000名の兵士、 約300両の戦闘車両や戦闘機が参加した。
 ロシアは同機構を NATO に対抗する組織と位置づけることで欧米に対する発言権の強化を狙っており、今回の演習もその一環と言えそうだ。
2009.10.07 Jane's Defence Weekly Russia deploys second-generation tactical PGMs <0911-100703>
 ロシア空軍が9月29日にベラルーシと行った合同演習で、新型の PGM を使用した。 ただし使用した弾種は明らかになっていない。  ロシア軍は今まで衛星誘導 PGM について、搭載できるように改良された機種が少ないことから整備が遅れていたが、 この演習には初めて SVP-24 照準装置を搭載した Tu-22M3Su-24M2 が参加した。 SVP-24 は元々 Su-24 用に開発されたが、その後 Tu-22M3 用の SVP-24-22 も開発された。
2009.08.19 Jane's Defence Weekly US 'threat' influences Russian air defence plans <0910-081910>
 ロシア軍は2020年までに、防空及び宇宙防衛を担当する新たな軍種(註:防空軍?)を空軍 の部隊を中心に編成する。 新たな軍種は S-400S-500 及び MiG-31 などを装備する。
 S-500 については殆ど明らかになっていないが、画期的な設計により弾道弾や超高速目標を迎撃できるという。 S-500 は1990年代に提案され 、Almaz-Antei社が開発にあたっている。
【註】
 ロシア連邦軍は、陸軍、海軍、空軍の3つの軍種と、戦略ロケット軍、宇宙軍、空挺軍の3つの独立兵科から成っている。
(Wikipedia)
2009.08.17 Aviation Week & ST Red-star struck <0909-081706>
 ロシア空軍司令官によると、空軍は2020年までに従来の師団に代わり、防空、宇宙防衛、長距離輸送などの任務別司令部に再 編される。 その最初のステップとして今週中にも二桁の機数の戦闘機が Sukhoi社に発注される。 Sukhoi社からは Su-35 48機のほか、2012年までに Su-34 36機も納入される。 また予算措置は不確かであるが MiG-35 の調達数も増加する。 更に、地上試験用を含め3機が試作されている T-50 PAK FA は11月か12月に初飛行する。
 防空分野では S-400 (SA-21) の配備が開始された一方で、弾道弾及び高速目標をより遠方で撃墜できる S-500 の開 発も開始されている。
 Tu-160、Tu-95、Kh-55 (AS-15) などの核戦力としての戦略爆撃機はいずれも1970年代に作られたものであるため、新たに PAK-DA の検討が開始 されている。 また Kh-55 に代わる Kh-102 は、既に2010年度予算に計上さ れている。
2009.08.05 Jane's Defence Weekly Russia pucshes ahead with airborne forces' equipment upgrade <0910-080503>
 昨年のグルジアにおける戦闘経験から、ロシア軍が空挺部隊装備の更新を行う。 ロシア空挺部隊司令官は装輪戦闘車の増強 を明らかにした。
 ロシア軍はグルジアに最新型の BMD-4 装軌空挺戦闘車や BMP-2 装軌歩兵戦闘車 (ICV) を投入したが機動性に問題があった。
2009.08 Jane's Missiles & Rockets More Iskanders due <0909-080025>
 ロシア語のウェブサイトによると、SS-26 Iskander 唯一の実働部隊である2個発射中隊 からなる1個大隊が、Kasputin Yar に配置されている。
 ロシア国防次官によると最初の Iskander 発射機は2008年に配備され、年内に2番目が配備される。
2009.06 Jane's Missiles & Rockets Russian brigade exercise includes PGM live firing <0907-060014>
 シベリア軍管区の第74自動車化狙撃旅団が、3月16日~24日に初めての実射演習を行った。 この旅団はロシア陸軍再編構想に基づき、従来の師団~連 隊に代わる新たに編成された混成旅団で、152mmレーザ誘導砲をはじめとする各種 PGM を装 備する。
【関連記事:0902-010703 (JDW 2009.01.07)】
2009.05.20 Jane' Defence Weekly Ruaaia re-evaluates strategic emphasis on nuclear weapons <0907-052002>
 メドべーエフ露大統領が5月12日に、1997年12月に発簡され2000年1月に改訂された 'Concept of National Security' に代わる、ロシアにとって最上位 の軍事ドクトリンとなる 'National Security Strategy of the Russian Federation untill 2020' を承認した。
 新しいドクトリンでは明らかに戦略核戦力の比重が下げられ、代わって通常戦力の強化が歌われている。
2009.04.16 Yahoo 産経新聞記事

「露軍機が MD 網偵察 北が発射時に情報収集機飛行」

<0905-041601>
 北朝鮮が Taepo Dong 2 を発射した際、ロシアの情報収集機が日米両国のミサイル防衛システムの偵察していた。 北 朝鮮からの発射事前通報をもとに日本海で待機し、日米のレーダが照射した周波数などに関する情報を集めたとみられる。
 偵察飛行を行っていたのはロシア空軍の電子情報収集機 Il-20 で、同機はこれまでにも日本周辺への飛来が確認され ている。 先月にも二度、日本海を偵察飛行しており、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進している。
2009.04.01 Jane's Defence Weekly Russia's military reform proposals face resistance <0905-040102>
 ロシア軍の近代化計画を巡り、軍上層部が反発している。 主たる原因は、現在2,000ある部隊数を200に減らすことに より、20万いる将校の削減が行われることで、将官200名、大佐、中佐15,000名、少佐70,000名が除隊させられることになる。
 また近代兵器の大量調達についても、在来兵器より戦略兵器に重点が置かれいるとの異論が出ている。 その典型が Bulava SLBM である。
2009.04 Jane's Missiles & Rockets Russia ramp up its Iskander production <0905-040003>
 ロシアの国防次官が2月11日に、Iskander (SS-26)量産ペースを上げていることを明らかにした。 また Iskander の発射機から 3M14 R-500 CM を発射する試験に2007年に成功したが、今年からその配備が行われる ことも明らかにした。
 3M14 は射程500km、巡航速度230~260m/sで、500kgの弾頭を搭載する。 Iskander の発射機には 9M732K1 弾道弾2発 に代えて6発が搭載できる。
【関連記事:0716-070005 (JMR 2007.07)】
2009.03.30 Aviation Week & ST Beating the bear market <0905-033014>
 世界的な経済危機による予算圧迫が、ロシア軍代化を阻害しようとしている。 ロシア空軍は今後3年間に Su-34 を48機調達し、2010年には24機で最初の飛行連隊を発足させる計画である。 このための生産ペースは年8~10になるが、今年調 達するのはわずか2機である。
2009.03.25 Jane's Defence Weekly Russian defence modernisation 'will stay on track' despite crisis <0905-032513>
 ロシアのメドべーエフ大統領が3月17日に、国際的な経済危機にかかわらず、2011年に開始するロシア軍の再建計画は予定通り実施することを明 らかにした。
 計画では2012年までに兵力を100万に削減する反面、現在10%である近代兵器の割合を2015年までに50%、2020年までに70% に高める。 このため2012年の国防費は現在の1.5倍である$40Bにする。
2009.03.17 Yahoo 毎日新聞記事

「露大統領 軍改革11年着手を表明、実戦能力強化へ」

<0904-031702>
 ロシアのメドベージェフ大統領が17日、装備の近代化を柱としたロシア軍の改革2011年に着手する方針を表明した 。 戦略核部隊の戦闘能力の増強を訴えるとともに、NATO の東方拡大の動きも批判した。 軍政改革案の主な内容は以下の通りである。
・最新鋭の多弾頭 ICBM RS-24 の配備など戦略部隊の強化
Bulava を搭載した次世代原潜の建造
攻撃能力を持つ UAV の開発
・兵力を113万から100万へ削減するなど、軍の効率化と部隊編成の見直し
2009.02 Jane's Missiles & Rockets Russian SRF plans structural changes <0903-020026>
 2008年11月~12月にかけてロシア軍の大規模な再編が相次いで公表されたが、11月28日に戦略ロケット軍も2016年まで に縮小再編されることが明らかにされた。 それによると、現在ある3個軍、12個師団を2個軍、9個師団に再編し、4個師団をサイロ発射型部隊、 5個師団を移動発射型部隊にする。 1個軍は2009年に廃止される。
 また併せて RS-24 ICBM が2009年12月に配備されることも公表された。 この時点で発射機3基からなる1個大隊の運用を開始 する。 当該師団は2009年1月1日に Topol-M (SS-27) 15基も受領する。
2009.01.07 Jane's Defence Weekly Russia outlines ambitious new military reforms <0902-010703>
 ロシアの参謀総長が12月10日に各国駐在武官に対し、軍の再編計画について説明した。 この再編で常備兵力は100万 に削減され、軍管区制は残るものの作戦基本部隊が師団から旅団に変わる。 ただし空挺部隊は従来の大隊、連隊制を 維持し、各軍管区には突撃旅団が配置される。