2007年以前のロシア情勢に関する資料

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2007.11.21 Jane's Defence Weekly Russia considers missile export to Belarus in response to US BMD plans <0724-112102>
 ロシアのミサイル砲兵司令官が11月14日に、米国の BMD システム東欧配備に対抗して Iskander の 輸出仕様である射程280kmの Iskander-E をベラルーシに輸出すると発表した。 また、ポーランドとの国境 に近いロシア領のカリーニングラードも Iskander-E を配備する。
 ロシアは2016年までに射程400kmの Iskander-M を装備する旅団を5個以上配備す る計画であるが、同司令官は必要とあれば射程延伸も可能であるとしている。 INF 条約では射程500km~ 5,500kmの弾道弾及び CM の保有を禁じている。
 Iskander は480kgの弾頭を搭載する一段推進の SRBM であるが、今年5月に R-500 CM を 500km以上遠方の標的に対し発射している。 R-500 は2009年に実用化される。
2007.08.29 Jane's Defence Weekly Russia reaffirms bomber power <0718-082916>
 8月17日にロシアの Tu-95 に対し英空軍の Typhoon F.2 が緊急発進した。 一方 、プーチン大統領はロシアが長距離偵察機による哨戒飛行を再開したことを明らかにした。
 長距離飛行再開は、折から行われていた SCO (Shanghai Co-operation Organisation) の演習の最後に行われたため、 NATO は SCO を軍事機構として見なさざるを得なくなった。
2007.08.18 Yahoo 時事通信記事

「戦略爆撃機の常時飛行を再・・・」

<0717-081801>
 タス通信によると、ロシアのプーチン大統領は17日、ウラル地方で行われた上海協力機構(SCO)の合同軍事演習を中国の胡錦濤国家 主席らと共に視察した後に、戦略爆撃機による常時パトロール飛行の再開を決定したと述べた。
 戦略爆撃機の常時パトロール飛行の再開は15年ぶりとなる。
2007.08.17 朝鮮日報

インターネット

中露主導の SCO、NATO の東・・・ <0717-081701>
 16日、キルギス共和国の首都ビシケクで開かれた第7回上海協力機構 (SCO) 首脳会議には、胡錦濤国家主席 、プーチン大統領をはじめカザフスタン、ウズベキスタン、キルギス、タジキスタンの SCO 加盟6ヶ国の首脳 と、インド、パキスタン、イラン、モンゴルのオブザーバ4ヶ国や、トルクメニスタン、アフガニスタンの首脳 も出席した。 このうちイラン、パキスタン、モンゴルはすでに正式加盟を申請していて、ユーラシア大陸において韓 国、日本、東南アジアを除く広範囲な地域を一つにまとめるブロックが出来上がりつつある。
 ロシアをはじめとする加盟国はすべて、表向きは SCO は NATO に対抗する軍事同盟には発展しないだろう と声をそろえるが、本音は異なり、ラブロフ露外相は15日、NATO は約束を破り、規模を拡大し続けているとし、NATO への対抗姿勢を 示している。
2007.07.04 Jane's Defence Weekly Russian Navy set to receive first Steregushuchiy corvette <0715-070401>
 20隻の建造が計画されている Project 20830 コルベット艦の一番艦となる Steregushchiy が、8月に露海軍へ引き渡されると共に、更に3隻が目下建造中である。
 Steregushchiy2,200tの多目的艦で、A-190 100mm砲1門、Kashtan-M 近距離防衛システム1式、AK-630 CIWS 2基、Furke 3D 捜索レーダ、Monument active/passive ミサイル射統レーダ を装備している。
 艦尾には Ka-28 ヘリの離着艦デッキを持つほか、船体中央に 3M24 (SS-N-25) ASCM 8発を装備するスペー スを持っている。
 更に Paket 対潜/対魚雷魚雷も装備している。
2006.11.29 Jane's Defence Weekly Iskander-M SRBM to enter service in 2007 <0624-112904>
 ロシアで Isknder-M(註:=SS-26)を装備する旅団が2007年1月から実働態勢に なる。 当該部隊は沿ヴォルガ・ウラル軍管区の第92ミサイル旅団と、極東軍管区の第107ミサイル旅団である。
 Isknder-M の開発は1991年に開始され、2004年には完了した。 当初の計画では最初の部隊は2005年末に実働態勢になるはずであっ た。
 国防省は2007年に60基を調達し5個旅団に配備する計画である。
【註:】
 Isknder-M の旅団は、4基を装備する中隊が3個からなり、計12基を装備する模様である。
2006.06.12 Yahoo 時事通信記事

兵器生産、来年から倍増へ・・・」

<0612-061202>
 今月2日に開かれたロシアの軍産委員会で、来年から2015年までに総額4兆9,400億ルーブル(約 20兆円)の兵器生産計画を策定、軍拡に着手したとロシアの週刊紙が伝えた。 海 空軍向けのハイテク兵器生産などが中心になるという。
 今年のロシア軍の兵器調達費は2,370億ルーブル(約9,500億円)で、年平均兵器生産額がほぼ倍増されること になる。
2006.06 Jane's Missiles & Rockets Russian exercise includes cruise missile firings <0615-060012>
 ロシアのバルチック、黒海、太平洋の各艦隊が、3月から4月に別々に大規模な演習を実施し海空から CM も発射された。 中でも4月3日 から一週間行われた太平洋艦隊の演習の規模が大きく、15機の Tu-95MS Bear-H が12機 の Il-78 空中給油機と共に参加した。
 太平洋艦隊はこの演習で Tu-160 Blackjack 及び Tu-22M Backfire から、計 8発の CM を発射した。 またアムール地区の Ukrainka 基地から離陸した2機の Tu-95MS が 日本を一周した。
2006.05.25 Yahoo 時事通信記事

来年の国防予算17%増、ロ・・・」

<0611-052504>
 ロシアのイワノフ国防相は24日、来年のロシアの国防予算が前年比約17%増の8000億ルーブル(約3兆20,00 億円)になるとの見通しを明らかにした。
 現在国防費の約40%を占める兵器開発調達の比率を50%まで増やし、兵器の更新を重視するという。
2006.05.03 Jane's Defence Weekly Austere deterrence <0610-050307>
= 再編されたロシア軍の現況に関する記事 =
 ロシアは近年、6~7%の GDP 成長率に支えられ国防費を増強している。 2004年度 RUR430B、2005年度RUR550Bであった国防費が、2006年度にはRUR667B ($24.6B) になっている。 これに伴い装備品調達も、2005年度の RUR188Bから2006年度はRUR236.7Bに増えている。
 1月にプーチン大統領が、2015年までの兵器調達計画を定めた秘密文書 GPV-2015 (State Weapons Programme 2015) を承認した。
= 以下、陸海空軍別の状況 =
・第五世代戦闘機 PAK FA は、Sukhoi社が最大離陸重量30~35tの T-50 を 開発しており、2007年初飛行を目指して順調に進んでいる。 一方インドロシアは同じく第五世代戦闘機の共同 開発で合意たが、こちらは20~25tの軽戦闘機で MiG が担当する模様である。
・空軍はまだ次世代 UAV への要求を明らかにしていないが、Tu-143 Reis UAV は Tu-243 Reis-D に改良され Reis-M と呼ばれる。  現在数百機の Tu-143 が保有されている。
( Tu-143 関連記事 AW&ST 2003.09.15)
S-400 Triumph は2006年中に最初の連隊が運用を開始する計画であったが、4月末に 運用開始が2007年に延期された。
2005.11.03 Yahoo 産経新聞記事

「中露、宇宙開発で連携 米・・・」

<0522-110302>
 中国政府は3日から北京で開かれるロシアとの定期首相会談で、2007年から10年間の宇宙開発長期計画でロシアとの連 携を協議する見通しである。
 中露は2012年までの間に、ミサイルやレーザーなど新技術領域の共同研究、軍教育分野の交流拡大などで合意しているとされ、8月の大 規模合同演習で協力を深めている。
 中国は、米国が繰り広げている宇宙と地上の技術を駆使した戦争を「新軍事革命」と呼び危機感を強めており 、ロシアとの宇宙開発連携の動きの背景に米国が念頭にあるとみられる。
2005.08.29 Yahoo 朝鮮日報記事

「中露合同軍事演習は最先端・・・」

<0517-082902>
 今月19日から25日に行われた中露合同訓練では、両国の先端武器と最精鋭部隊が大挙動員された。
中国の最新鋭艦艇が揃い踏み
 訓練に参加した「広州」は昨年7月に就役した最新鋭 052B 型駆逐艦で、 「抗州」は1999年にロシアから購入したソブレメンヌイ級駆逐艦である。
 今回の訓練で SS-N-22(右図)を発射したロシアの「ブルーニ」も抗州と同じソブレメンヌイ級の駆 逐艦であるため、今回の訓練の狙いが米空母機動部隊があったのではという分析も出ている。
 また、C-801 対艦ミサイルを装備する中国が独自開発した「宋級 」潜水艦と、ロシアから購入した KILO 級潜水艦も今回の訓練に参加した。
TU-22M3 爆撃機の参加に注目
 専門家らは Tu-22M3、Tu-95MS の参加に注目している。 Tu-22M3 は3発の AS-4 (射程500km) または 10発の AS-16 LACM を搭載できる。 Tu-95MS は射程が3,000kmの AS-15 LACM 6発を搭載することができる。
 ロシアは中国にこれら爆撃機の売却を打診したと伝えられている。
2005.08.24 Jane's Defence Weekly Joint exercise strengthens China-Russia relations <0518-082403>
= 8月に行われた中露軍事演習に関する記事 =
 今回の演習はロシアにとって中国への武器輸出のための展示会の色彩が大きい。 1月にロシア空軍参謀総長 が、この演習で Tu-22M3 と Tu-95 のデモをすると発言していた。
2005.08.17 Yahoo 毎日新聞記事

「大統領が爆撃機に搭乗、新・・・」

<0516-081701>
 プーチン大統領が16日、Tu-160 に搭乗しロシア北部上空で新型巡航ミサイルの発射実験を行った。 飛行終 了後に、高精度の新型ミサイルの試射はよい結果を収めたと語った。
 プーチン大統領は、これまでスホイ戦闘機や原子力潜水艦に搭乗したことがあるが、爆撃機に乗り新型兵器の実験を行ったのは初めて である。
2005.08.14 Yahoo 読売新聞記事

「中露が合同軍事演習、台湾・・・」

<0516-081401>
 初の合同軍事演習を18~25日に予定するロシア、中国両軍が14日、リハーサルで中国東部で台湾進攻を連想さ せるような上陸作戦訓練を行った。
 インターファクス通信によると、この日の訓練は、ロシア側から駆逐艦2隻、揚陸艦1隻、海兵隊1個中隊などが参加した。 15日には陸 戦部隊が上陸するという訓練の本番部分が実施される予定だ。
 ロシアは台湾武力統一を支持する姿勢は示していないが、上陸作戦という筋書きなどから、少なくとも中国側は台湾を念頭に置いてい ると見られる。
2005.05.30 Aviation Week & ST Carrier plans <0512-053002>
 ロシア海軍が新型空母2隻2016年~2017年の就役を目標に建造する計画であること を明らかにした。 2隻はそれぞれ北洋艦隊と太平洋艦隊に配備を予定し、次世代艦載機を搭載する。
 事前設計審査は年末に開始される予定で、建造は 2010年以降開始される。
 現在、ロシアが保有する空母は Admiral Kuznetsov のみである。 ◇
2005.03 Jane's Missiles & Rockets Russia declared almost 100 SAM alert in 2004 <0507-030012>
 ロシア空軍司令官によると、2004年にロシアの領空に接近した航空機は、偵察機400機、戦闘用航空機700機であり、戦闘機部隊に900 回、SAM 部隊に100回のアラートがかかった。 しかし実際にスクランブルが行われたのは4回で、領空侵犯は 5機に留まった。
2005.01.27 Yahoo 時事通信記事

「04年の成長率6.9%、ロシア・・・」

<0503-012701>
 ロシア経済発展貿易省は26日、2004年のロシアの GDP 伸び率が、暫定値で前年比6.9%だったと発表した。  2003年は7.3%であった。
 この結果、プーチン大統領が就任した2000年以来、5年連続の高成長となった。
2004.08.14 Yahoo 産経新聞記事

「露、軍備を近代化 原油・・・」

<0415-081401>
 ロシアのプーチン大統領が12日、来年度の軍備調達予算を一挙に四割増額することを明らかにし、増額分で兵 器の近代化を加速させる。
 石油大国ロシアは、原油価格の高騰による歳入増で軍備費の増額が可能となっており、軍事大国の地位を維持 するとの強い姿勢を内外に示す狙いがあるものとみられている。
 クドリン財務相によると、40%増額される来年度の軍備費は2,800億円規模となる。 また、軍備のほか、軍人 給与を50~120%増額し、不足する住宅建設なども図られるという。
2004.07.14 Yahoo 共同通信記事

ロシアも小型核開発重視 ・・・

<0413-071401>
 ロシアのイワノフ国防相が13日、米国が開発している小型核をロシアも軍事計画の中で考慮しなければならないと述べ、 小型核の開発を重視していく姿勢を示した。
 ロシアは昨年発表した『ロシア軍近代化の指針』で核兵器の限定的使用を検討すると明記している。
2004.02.02 Yahoo 共同通信記事

「ソ連崩壊後最大規模の演習・・・」

<0402-020201>
 ロシア軍が今月中旬にロシア全土で、ソ連崩壊後では最大規模の全面核戦争を想定した演習を行う。
 演習では ICBM、巡航ミサイル、SLBM の発射などのほか、軍事衛星も打ち上げるなど、全軍を挙げての大規模なものとなる。 また、 モスクワの早期警戒システム、ミサイル迎撃システムの演習も行う。
2003.04.16 Jane's Defence Weekly Russia deploys naval squadron to Indian Ocean  ロシア海軍とインド海軍の長期合同演習がインド洋で行われるため、Udaloy級フリゲート艦2隻、Slava 級巡洋艦1隻、Krivak級フリゲート艦1隻、Kashin級駆逐艦1隻、及び揚陸艦、補給艦、タグボートなどが、セバストポ ール軍港を出港した。 この演習は2000年代最大の外洋演習である。 
2003.01.15 Jane's Defence Weekly Russia to make more navy cuts  1996年以来ロシア海軍は、艦船維持のための予算が要求の10%程度を推移しているため、予算の効率的運用のため艦船 の除籍を進めている。
 その結果、戦闘艦艇は隻数にして20%程度削減される。
2001.07.11 Jane's Defence Weekly Russia boosts defence budget  ロシア政府は今年度 $7.93Bであった国防予算を、2002年度に $8.99Bに引き上げる (13.4% up ) ことになった。
 一方プーチン大統領は軍の士気高揚と威信の確保のため、軍人給与の引き上げを計画しており、これが議会で認められると2004年 までに軍人給与は50%上昇するため、$2.06Bの人件費が必要になる。
2001.03.05 Aviation Week & ST Russian Air Force faces deepening crisis
【ロシア空軍の悲惨な現状に関する記事】
 ロシア空軍は今後数年間で 36,000名の兵力削減を考えているが、それでは不十分であると言われている。
 また、2,000機の航空機を擁しているが、動くのはその内 46%以下であり、実際 には 500機程度に削減する必要があると見られている。
 その中で核抑止力は、Tu-160, Tu-22, Tu-95MS など100機程度が維持されており、去る 2月には Il-78の支援を受け、潜水艦からの 弾道弾発射を含む大規模演習を行っている。
2000.12.11 Aviation Week & ST Russian Defense Ministry restructuring imminent  ロシア国防省は、来年1月末頃機構改革を行う。 改革のモデルはアメリカ国防総省で、国防 相の文民化と、軍及び国境警備隊その他の制服部隊の作戦を担当する統合参謀本部が設置される。 統合参謀本部と結果国防 省の役割分担については、国防省が予算と行政だけを担当する案が考えられている。
 部隊の再編では、戦略ロケット軍の縮小には 6年間かかる計画になっている。 もっとも空軍に最近編入された防空軍を、再び独 立させるべきとの議論も起こっている。