2021年のペルシャ湾情勢に関する報道

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出   典
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要             旨
2021.11.10 Jane's Defence Weekly US rejects Iranian tanker seizure claim <2201-111013>
 イランメディアが11月3日、米海軍がイランの石油を輸送中のタンカーをハイジャックして積み荷を他のタンカーに移したため革命防衛軍 (
IRGC) が米海軍艦の動きを阻止し、10月25日にこのタンカーをBandar Abbasに連行したと報じた。 公開した映像では米海軍駆逐艦Michael MurphyThe SullivansとタンカーSothysの間にIRGCの双胴型高速艇Shahid Nazeriが入り、ヘリでIRGCの特殊部隊を降下させていた。 近くには米沿岸監視隊のSentinel級警備艦もいた。
 この報道直後に米国はこれを否定し、イランがオマーン湾の公海上国際法に反する積み荷の積み替えを行っていたとした。
 船舶自動識別システム (AIS) のデータによるとベトナム船籍Sothysは6月にペルシャ湾を離れ黄海に向かったが、数週間前に戻ってきていた。
2021.08.04 ロイタ通信

(Yahoo)

UAE 沖でタンカー拿捕、イランは関与否定 <2109-080401>
 複数の海上保安関係筋の話で、UAE沖イランが後ろ盾する勢力により石油タンカーが拿捕された可能性があることが明らかになった。
 関係筋によると、乗っ取られたとみられるのはパナマ船籍のアスファルト・ビチューメン運搬船アスファルト・プリンセスで、ホルムズ海峡に向かうアラビア海で乗っ取られたとしている。 英国海運貿易オペレーション (UKMTO) はサードパーティーの情報に基づき、乗っ取りが発生した恐れがあるとして、UAEのフジャイラ首長国の東方沖を航行中の船舶に厳重に警戒するよう呼び掛けていた。
 イラン革命防衛隊は、事件はイランに対する「敵対的な行動」の口実だとして、関与を否定している。
2021.05.26 Military Times Mysterious air base being built on volcanic island off Yemen <2106-052606>
 国際的にも極めて戦略的重要箇所である紅海の入り口Bab el-Mandeb海峡にある火山島のMayun島で不可解な滑走路の建設が行われている。
Mayyun 島の位置 (Google Map)】
 差し渡し5.6kmのこの島では、かつてUAEが全長3,000mの滑走路を建設しようとしていたが2016年末に放棄されている。
【関連記事:2105-033109 (JDW 2021.03.31)】
 AP通信が報じたPlanet Lab社の4月11日と5月18日に撮影した画像では、輸送機、偵察機、攻撃機の離着陸に十分な全長1,850mの滑走路がほぼ完成している。 国際承認されているイエメン政府はこの滑走路の建設は、2019年にフーシ派との戦いから手を引いたとしているもののUAEが背後にいると見ている。
2021.05.19 Jane's Defence Weekly IRGCN harasses US warships again <2107-051910>
 イラン革命防衛軍海軍 (IRGCN) による米艦艇への妨害活動は現場指揮官の独走ではなく、イランの政策変更の兆候と見られる。
 米第5艦隊によるとSSGN Georgiaが護衛艦艇を伴ってホルムズ海峡を通過しようとしたところ2隻のIRGCN艇が接近したため警告したが従わず300ヤードに接近したため、米沿岸警備隊Maui警告射撃を実施した。 それでもIRGCN艇は警告に従わずMauiから150ヤードまで接近したため再度警告射撃を実施した。
 第5艦隊によると4月2日にはIRGCNの高速双胴艇沿岸警備隊の警備艦Fireboltに64mまで接近したためFirebolt警告射撃を実施している。
2021.05.10 Stars & Stripes US ship fires warning shots at Iranian boats in Strait of Hormuz in second tense encounter in two weeks <2106-051011>
 米国防総省が5月10日、米沿岸警備隊 (USCGC) の警備艦ホルムズ海峡で、米艦に接近してきたイラン艇群に対し警告射撃を行ったと発表した。 射撃を行ったのは警備艦Mauiで、革命防衛軍艇13隻が接近してきたため30発の警告射撃を行った。
 ペルシャ湾では4月26日にもイランの高速艇3隻がUSCGCのBaranofに対し68ヤードまで接近したためFirebolt警告射撃を行っている。
2021.05.05 Jane's Defence Weekly IRGCN speedboats harassing US vessels despite warnings, USN says <2107-050501>
 イラン革命防衛軍海軍 (IRGCN) の高速艇 (
FIAC) 3隻が4月26日20:00にアラビア海北部で、米海軍哨戒艇Firebolt沿岸監視隊哨戒艦Bardnoff60mの距離まで異常接近したためFirebolt警告射撃を行ったところFIACは安全距離まで離れた。
 米第5艦隊によると4月2日にもペルシャ湾南部でIRGCNのFIAC 3隻とHarth 55が米沿岸監視隊の哨戒艦WrangellMonomoy70ヤードまで異常接近したという。 Harth 55とはHarth双胴船の全長55m型である。
2021.04.28 ロイタ通信

(Yahoo)

米海軍艦艇、ペルシャ湾で警告射撃 イラン船が接近 <2105-042802>
 米軍が27日に声明で、ペルシャ湾北部の国際水域で26日にイランの革命防衛軍海軍 (IRGCN) 高速沿岸戦闘艇3隻米艦に接近したため、警告射撃を行ったことを明らかにした。 米側が無線や拡声器で警告したもののIRGCN艇が60mの近距離距離まで接近したため、米哨戒艇Fireboltが警告射撃を行ったところIRGCN艇は安全な距離に移動したという。
 米当局者によると、詳細は現時点で不明だが、過去の同様の事案ではイラン指導部の指示ではなく、現場の指揮官の判断で行われたケースが多いという。
【註】
 Fireboltは25mm砲2門と12.7mm機銃、40mm擲弾重などを装備する満載排水量334tのCyclone級哨戒艇で、同型艇4隻と共にバーレーンに派遣されている。
2021.01.27 Stars & Stripes US B-52 bomber again flies over Mideast amid Iran tensions <2102-012707>
 米空軍のB-52 1機が1月27日、イランを牽制する目的で、バイデン大統領就任後初めて中東上空を飛行した。
 ルイジアナ州Barksdale AFBを離陸したB-52は、無着陸でペルシャ湾とサウジアラビアの上空を飛行し、途中でサウジ空軍のF-15と編隊飛行を行った。
2021.01.08 中央日報

(Yahoo)

韓国船舶を拿捕したイラン、艦船700隻動員する大規模海上訓練実施 <2102-010802>
 韓国タンカーを拿捕したイランペルシャ湾で数百隻の艦船を動員した大規模演習を実施した。 Bloomberg通信によると、イラン革命防衛軍が7日にAsaluyeh沖で700隻以上小中型艦艇が参加した演習を行った。
 これより先、イラン革命防衛軍は今月4日、海洋汚染を理由に韓国のケミ号を拿捕しているが、Asaluyeh海域は韓国ケミが抑留されているバンダルアバス港から西に450km離れたところにある。
Asaluyeh の位置 (Google Map)】