2021年の核拡散問題に関する報道

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2021.12.27 時事通信

(Yahoo)

ウラン濃縮度「引き上げず」 核協議不調でも イラン高官 <2201-122704>
 ロシア通信が、イランのエスラミ原子力庁長官が25日にイラン核合意の再建に向けウィーンで27日に再開予定の合意当事国との協議について、仮に不調に終わった場合でも、自国のウラン濃縮度を現在の60%から引き上げる計画はないと断言したと報じた。
 エスラミ長官はウラン濃縮の目的について、産業生産にとっての必要性および国民にとっての必要性と合致していると平和利用目的だと主張し、協議が決裂した場合は濃縮度を高める措置を取るかという質問には「それはない」と否定した。
2021.12.16 日経新聞 IAEA、イラン核施設に監視カメラを再設置 <2201-121603>
 国際原子力機関 (
IAEA) が15日、イランの首都テヘランの北西カラジにある核関連施設監視カメラ年内に再設置することでイランと合意したと発表した。 カラジの施設はウランを濃縮する遠心分離機の部品を製造しているが、イランは査察の対象外として再設置を拒んでいた。
 IAEAのグロッシ事務局長は声明で「イランでのIAEAの検証・監視活動にとって重要な進展だ」と述べた。 ただ、イランは録画した映像はIAEAには提供しない可能性が高く、核開発の全容把握が難しい状況は変わらなそうである。
2021.12.10 Bloomberg

(Yahoo)

米国、イランに対する新たな制裁を警告-核合意再建交渉が決裂なら <2201-121001>
 バイデン米政権が9日、イランの核開発計画を制限するための交渉が滞る中、イランに対する新たな制裁を準備しており、他国に対しても既存の制裁措置を順守するよう求める方針だと警告した。
 米大統領府のサキ報道官は現在行われているイランとの核合意再建協議が決裂した場合、イランの収入源を制限するために追加措置を講じざるを得なくなると述べた。 バイデン政権は対イラン制裁への順守について協議するため、財務省と国務省の当局者チームがUAEを訪問すると発表した。 UAEはイラン産原油を購入している。
2021.12.04 日テレ News24

(Yahoo)

イラン“核合意”協議 進展ないまま中断 <2201-120402
 核合意の立て直しに向けた協議イラン側が強硬姿勢を示すなか、3日に具体的な進展のないまま中断された。 今回の協議で、イランは当初これまでの合意内容を土台としていくことに応じていたが、具体的な話し合いに入った段階で大幅な修正を要求したため、会議に加わっている欧州各国は一旦交渉を中断し、本国でイラン案を検討することにした。
 核合意の立て直しに向けたイランと米国の間接交渉は今回が7回目で、8月にイランで強硬派のライシ政権が誕生してからは初めてになる。
2021.11.30 テレ朝 News

(Yahoo)

イランと米 核合意復活に向け5ヵ月ぶりに協議再開 <2112-113003>
 イランと米国の核合意復活へ向けた間接協議が5ヵ月ぶりに再開された。 29日にウィーンで始まった間接協議はイランとアメリカが直接対面することなく、欧州諸国やロシア、中国が仲介する形で進められた。
 8月に誕生した保守強硬派のライシ政権下では初めての協議となる。
2021.11.18 共同通信

(Yahoo)

イランの60%ウラン貯蔵量増加 IAEA報告書 <2112-111806>
 イラン核合意の履行状況を検証する国際原子力機関 (IAEA) は17日、6日時点のイランの濃縮ウラン推定貯蔵量が2,489.7kgで、このうち60%濃縮ウランが17.7kgに達するとの報告書をまとめた。 いずれも9月の報告書から増加している。
 2015年の核合意はイランによる濃縮度の上限を3.67%と定めており、60%は核兵器級の90%に接近する重大な核合意違反である。
 イランはIAEAの査察制限も継続していて、イラン核合意の再建に向けた米イラン間接協議が29日に再開される予定だが、欧米側が一層懸念を強めることになりそうである。
2021.09.21 ロイタ通信

(Yahoo)

北朝鮮の核開発プログラムが「本格的に進行」=IAEA 事務局長 <2110-092101>
 国際原子力機関 (IAEA) のグロッシ事務局長が20日の年次総会での講演で、北朝鮮プルトニウムの分離やウラン濃縮などの活動が行われており、北朝鮮の核開発プログラムが本格的に進行していると述べた。
 IAEAは8月27日の年次報告書で、北朝鮮は核開発用のプルトニウムを生産していたと考えられている寧辺の原子炉を再稼働させたもようとしていた。
2021.08.18 ロイタ通信

(Yahoo)

イラン、ウラン濃縮を加速 兵器級に近い水準へ=IAEA <2109-081801>
 ロイタが17日に確認したIAEAの報告書から、イランがウラン濃縮度を兵器級に近い水準に引き上げていたことが分かった。
 イランは4月にウランの濃縮度を20%から60%に引き上げたが、IAEAは5月に加盟国向けの機密文書で、ナタンズの核施設でのウランの最大濃縮度が公表している60%を上回る63%に達していたと指摘し、IAEAのグロッシ事務局長も同月「商業用の濃縮は2~3%でこの水準はほぼ兵器級であり、達しているのは核爆弾を製造している国だけだ」と述べている。
2021.07.18 共同通信

(Yahoo)

イラン、核協議中断認める 穏健派政権の高官 <2108-071801>
 イラン外務次官が17日、イラン核合意の再建に向けた米国との間接協議の再開について「8月に発足する反米保守強硬派の次期政権を待たなければならない」とツイッターに投稿し、穏健派ロウハニ政権が間接協議を中断して任期中の交渉妥結を断念したことを初めて公に認めた。 次官は、4月にウィーンで始まった間接協議でのイラン交渉団トップだが、イランは7月14日に協議を仲介するEUに中断の方針を通告していた。
 核合意は、トランプ前米政権の一方的離脱と制裁強化、イランの合意破りによって深刻な機能不全に陥っている。
2021.07.07 ロイタ通信

(Yahoo)

イランが金属ウラン濃縮へ、IAEA に通告 米「交渉の窓口なお開放」 <2108-070702>
 国際原子力機関 (IAEA) が6日、イランから金属ウランの濃縮に関する計画の通告を受けたと明らかにした。 イランは今年に入り少量の金属ウラン生産を開始しているが、濃縮には至っていなかった。
 金属の生産は2015年の核合意に違反する。 今回の計画では、ウラン235を20%まで濃縮した酸化ウランを燃料製造工場に輸送し、そこで四フッ化ウラン、さらに金属ウランに転換した後、燃料の製造に使用するという。
2021.05.26 産経新聞

(Yahoo)

世界の核1万3000発超 中国など増強 「廃絶」へ新たな課題も <2106-052603>
 ストックホルム国際平和研究所 (
SIPRI) によると、核兵器を持つ国は核拡散防止条約 (NPT) で保有を認められた米露英仏中のほか、インドパキスタンイスラエル北朝鮮9ヵ国で、2019年末の核弾頭の総数は13,440発に上り、うち約3,720発が実戦配備されている。
 最大の保有国はロシアで6,375発、2位の米国が5,800発、3位は320発の中国で2015年末の260発から増強されている。
2021.04.14 産経新聞

(Yahoo)

米情報機関、イランの重水炉建設を警戒 <2105-041404>
 米情報機関を統括する国家情報長官室 (ODNI) が13日に公表した報告書で、バイデン政権が目指すイラン核合意修復の条件としてイランが主張している制裁緩和が進まない場合、イランプルトニウムを生産できる重水炉の建設に新たに乗り出す可能性があると指摘した。
 報告書は、現時点でイランが核兵器開発に向けた活動を行っているとは判断していないとしつつ、より高性能な遠心分離機の設置など核合意の内容から逸脱した措置を繰り返していることに警戒感を示している。
2021.04.14 NHK イラン 濃縮60%ウラン製造へ 米に制裁解除迫る思惑も <2105-041401>
 イランのアラグチ外務次官が訪問先のウィーンで13日、ナタンズにある核施設で14日から濃縮度を60%に引き上げてウランの製造を始めることを明らかにした。 国際原子力機関 (
IAEA) もイラン側から濃縮度を60%に引き上げる作業を行うという連絡を受けたとしている。 イランは1月に核合意を大幅に逸脱する濃縮度20%のウランの製造を始めたほか、ナタンズの核施設で合意で禁止されている高性能の遠心分離機によるウラン濃縮活動も始めている。
 濃縮度60%は核合意を大幅に逸脱したこれまでで最も高い濃縮度で、強硬な姿勢を示すことで米国に対し制裁の解除を迫る思惑もあるものとみられる。
2021.04.12 BBC News

(Yahoo)

イラン、核施設で「破壊工作」と発表 サイバー攻撃との報道も <2105-041204>
 イランの原子力庁 (AEOI) が11日、ナタンズの原子力開発施設破壊工作にあっていると発表した。 この前日には、新たなウラン濃縮施設の完成を発表したばかりだった。
 AEOI長官は、この施設が停電に見舞われたと述べた一方で、このテロ行為の実行者については語らなかった。 しかしイスラエルの公共放送は情報機関筋の話として、イスラエルによるサイバ攻撃の結果だと報じている。
 イスラエル政府はこの件について直接、見解を示していないものの、ここ数日、イランの原子力開発に対する警告を強めていた。
2021.04.12 AFP=時事

(Yahoo)

核施設でテロ攻撃と発表 イラン原子力庁 <2105-041201>
 イラン国営TVが、原子力庁が11日にナタンズの核施設テロ攻撃を受けたと報じた。 原子力庁のサレヒ長官がこれを「無益な」行為と非難し、国際社会にこの対核テロ行為に立ち向かうよう求めた。
 原子力庁報道官は当初、ナタンズ施設の「濃縮施設の電気回路の一部で事故」が発生したと発表していた。
 Fars通信は同報道官の話として、この件による負傷者はなく放射性物質の放出もなかったと報じた。
2021.04.11 時事通信

(Yahoo)

イラン中部のウラン濃縮施設周辺で事故、国営テレビ「配電設備の故障」…昨年7月にも爆発火災 <2105-041103>
 イラン国営TVが11日、イランの核活動の中枢であるナタンツのウラン濃縮施設周辺で「事故」が起きたと報じた。 配電設備の故障だとしている。
 ナタンツ核施設では昨年7月に爆発を伴う不審な火災が起き、ウラン濃縮に使う遠心分離器が破壊され、イランは最終的に「イスラエルの関与」とした。
2021.04.10 AFP=時事

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イラン、新型遠心分離機を稼働 核合意を逸脱 <2105-041004>
 イランのロウハニ大統領が10日に国営TVで、ナタンズの核施設で新型遠心分離機IR-6 164基IR-5 30基を連結したカスケードの稼働を開始したと正式に発表した。 2015年の核合意で定められた義務を逸脱する行為となる。
 カスケードの映像は流されなかったが、ロウハニ大統領の命令を受けて六弗化ウラン (UF6) ガスの注入を開始した場面が中継された。
【関連記事:2103-020301 (ロイタ 2021.02.03)】
2021.03.09 ロイタ通信

(Yahoo)

イラン、ウラン濃縮へ高性能遠心分離機の稼働拡大= IAEA <2104-030901>
 国際原子力機関 (
IAEA) が8日、イランが中部ナタンツの地下核施設で、ウラン濃縮に使う新たな高性能遠心分離機の稼働をさらに進めたと報告した。
 イランは昨年11月、ナタンツのウラン濃縮施設で性能が高いIR2m型の遠心分離機を利用してウラン濃縮を開始し、IAEAによると現在は同型の分離機522基を稼働させている。 IAEAは報告書でナタンツのIR2m174基について、3月7日に六フッ化ウラン (UF6) の注入第3段階を開始したことを確認したとしている。
2021.03.01 時事通信

(Yahoo)

英仏独がイラン非難決議要請 IAEA理事会、核合意で緊張 <2104-030103>
 国際原子力機関 (
IAEA) が1日、オンラインで定例理事会を開いた。 日本を含む35ヵ国で構成する理事会は5日まで開催される。
 ロイタ通信によると、イランが核合意からの逸脱を強めていることを非難する決議採択を英仏独が要請し、米国も支持しているがロシアが反対しており、可決されるかは不透明である。
 報道によると決議案は、イランがIAEAの抜き打ち査察受け入れ停止を決めたことなどについて深刻な懸念を表明している。
 イランは理事会メンバーではないが、原子力庁のサレヒ長官は、決議が採択されれば適切に対応すると警告しており、緊張が高まっている。
2021.02.24 日経新聞 イラン、ウランの濃縮20%到達 貯蔵量は規定の15倍 <2103-022402>
 国際原子力機関 (
IAEA) が23日、イランが製造した一部のウランの濃縮度20%に到達したとする報告書をまとめた。 日経新聞が入手した報告書によると、2月16日時点で濃縮度20%のウランが17.6kgあった。 核合意で定められた濃縮度の上限は3.67%で、最高指導者ハメネイ師は22日に、必要ならば60%まで引き上げると警告していた。
 20%まで高めれば、兵器級とされる90%への到達は容易になるとされる。 イランは同日からIAEAの抜き打ち査察の受け入れも停止しており、国際社会は一段と懸念を強めている。
 濃縮ウランの貯蔵量は2,967.8kgで、こちらも上限である202.8kgの15倍近くに達した。
2021.02.22 産経新聞

(Yahoo)

イラン、23日に IAEA の抜き打ち査察受け入れ停止へ <2103-022201>
 イランが23日に、核合意の履行状況を検証してきた国際原子力機関 (
IAEA) の抜き打ち査察の受け入れを停止する。
 バイデン米政権に対し、トランプ前政権が科した経済制裁を21日までに解除するよう求めてきたが、応じなかったことへの対抗措置だとしており、査察の制限で核開発活動の完全な検証が困難になる恐れがある。
 ロイタ通信によると、事態を懸念したIAEAのグロッシ事務局長が21日にイランで同国高官らと会談した結果、IAEAは抜き打ち査察の受け入れが停止された後も3ヵ月間は、必要な検証活動を行うことで同国と合意した。
2021.02.19 日テレ News

(Yahoo)

米政策研究機関 北ミサイル基地現在も稼働 <2103-021904>
 米シンクタンク
CSISが18日、平壌近郊にあるユサンニ・ミサイル作戦基地の最新衛星写真を公開した。 この基地はICBMを格納している可能性も指摘されていて、現在も稼働中で小規模な開発が続いているという。
 この基地は2年前と比べて一部の建物が建て替えられているほか、車両の運転訓練を行うコースが新たに造られているという。 また、昨年10月の写真では地下施設に物資を運ぶ車両やコンテナのようなものも確認でき、基地は稼働中で小規模な開発が続いていると見ている。
2021.02.11 時事通信

(Yahoo)

イラン、「金属ウラン」生産開始 核弾頭に利用可能 <2103-021102>
 ロイタ通信などによると、国際原子力機関 (
IAEA) が10日、イランが核兵器の材料として利用可能な金属ウランの生産を開始したことを明らかにした。 IAEAは、中部イスファハンの施設で8日に、3.6gの金属ウランを確認したと述べている。
 2015年に締結されたイラン核合意は、15年間はイランによる金属ウランの生産や獲得を禁止しており、イランは合意逸脱を一段と強めた。
 イランの核開発制限順守を条件に合意復帰を検討する米国のバイデン政権は難しい対応を迫られる。
2021.02.03 ロイタ通信

(Yahoo)

イラン、遠心分離機新たに稼働 核合意離れ進む=IAEA <2103-020301>
 ロイタが2日に入手した国際原子力機関 (
IAEA) の報告書によると、イランは遠心分離機IR2mを174基連結したカスケードの設置を完了し、1月30日に六弗化ウラン (UF6) の注入を開始したことをIAEAが確認した。
 核合意では、旧式遠心分離機のIR1のみ使用が認められているが、イランは昨年、IR2mのカスケードの稼働を開始し、12月には新たにカスケード3基を設置すると表明していた。
 IAEAは、残り2基のカスケードのうち1基はすでに設置されており、もう1基の設置も完了間近としている。
2021.01.17 TBS News

(Yahoo)

イラン「金属ウラン」製造方針に英仏独が反発 核弾頭の部品にも <2102-011702>
 イランが核爆弾にも使われる金属ウラン製造に向けた研究開発を始めたことについて、英独仏は軍事的な使用を疑われる可能性があるとして強く反対した。
 イランは13日、国際原子力機関 (IAEA) に、金属ウラン製造のための研究開発施設の設置などをすでに開始していると通告した。 金属ウランは核兵器に使用できることから、イラン核合意では15年間に製造や取得が禁止されている。
2021.01.11 朝鮮日報

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「戦術核を開発せよ」…南に対して核で脅迫 <2102-011101>
 北朝鮮の複数の国営メディアが9日、金委員長が労働党第8次大会で「核兵器の小型化・軽量化、戦術兵器化をより発展させよ」として戦術核兵器の開発を指示したと報じた。 金委員長が戦術核の開発を公の場で指示したのはこれがはじめてである。
 戦術核の使用対象は韓国か日本程度に限定される。
2021.01.04 ロイタ通信

(Yahoo)

イラン、ウラン濃縮20%に引き上げ 核合意修復困難 <2102-010403>
 イラン政府報道官が4日、中部フォルドゥの地下施設でのウラン濃縮活動について、濃縮度を20%に引き上げ作業を数分前に再開したと述べた。
 2015年のイラン核合意から一段と逸脱するもので、国際原子力機関 (
IAEA) はイランが濃縮度を引き上げたことをこの日に加盟各国に報告した。
2021.01.03 TBS News

(Yahoo)

ウランの濃縮度20%目指す イランが IAEAに伝える <2102-010301>
 ロイタ通信によると、イランが新たに可決された法律をもとに1日、テヘラン南部にあるフォルド核施設でウランの濃縮度を20%まで高めるとIAEAに通告してきた。 20%に引き上げれば核合意の崩壊は必至となり、イランと欧米との対立激化は避けられない。
 米国の一方的な核合意の離脱以降、イランは段階的な合意違反を繰り返していて、ウランの濃縮度は当初定められた3.67%から4.5%まで上昇している。 一般的に濃縮度を20%まで引き上げるには時間がかかる一方で、そこから核兵器への転用が可能な90%まで高めるのは比較的短い時間でできるとされている。