2021年以降の注目される軍事技術に関する報道

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2023.09.07 DARPA HP POWER program selects teams to design power beaming relays <2310-090713>
 米DARPAワイヤレス送電する
POWER計画Phase 1に入った。 この計画にはRTX社、Draper研究所、BEAM社の3社が参画している。
 計画の最終PhaseとなるPhase 3では空中に置かれた光学中継装置を介して200km先に10kWの送電を行うのを目標としている。
 20ヶ月間のPhase 1では電力中継に必要な構成品の検証が行われる。
2023.07.31 National Defense Government, industry explore nuclear, solar space engines <2308-073101>
 宇宙空間での軍民の活動が活発化するなか、国防総省と企業はより高速で長距離を効率よく飛行する技術に着目している。
 
NTP推進技術は比推力 (ISP) で見ると従来の化学推進が400秒程度であるのに対し700~900秒が実現できる。
【 ISP 関連記事:2302-012415 (DARPA 2023.01.24)】
 米DARPAは2021年にNTPの試験機DRACO開発のPhase 1にLockheed Martin、General Atomics、Blue Originの3社を選定した。
 2023年1月にはNASAが火星への有人飛行に不可欠として開発に参加し、FY27に宇宙空間での試験実施を計画目標とした。 計画は4月に、間もなく主にエンジンの非核コンポーネントの構築とテストを含むPhase 2へと進むとされたが、7月中旬にはまだ契約がされていなかった。
【関連記事:2308-072705 (DARPA 2023.07.27)】
2023.07.27 National Defense Quantum sensors have potential to replace GPS <2308-072730>
 量子センサGPSが使用できない環境で代替えとなるとみられ、その開発が進められている。
 量子センサを
IMUとして使用する研究は米海軍研究所 (NRL)、陸軍および空軍研究所、および民間企業の研究者が取り組んでいる。
【関連記事:2306-052613 (Janes 2023.05.26)】
2023.07.27
 05:58
Defense News Lockheed, BWXT to build nuclear-powered spacecraft, engine <2308-072705>
 米DARPAが7月26日、DARPAとNASAが将来の軌道機動火星への飛行船の技術を開発する核推進実験宇宙船
DRACOの設計試作にLockheed Martin社とBWXT社を指定したと発表した。 Lockheed Martin社は宇宙船BWXT社は核燃料の開発を担当する。
 DARPAは2027年に軌道上での実験を計画している。
2023.07.26 DARPA HP DARPA kicks off design, fabrication for DRACO experimental NTR vehicle <2308-072614>
 米DARPAが、世界初の軌道上試験実施に向け開発を進めている
DRACO熱核エンジン (NTP) 宇宙船の実験機 (X-NTP) の設計と試作を、Lockheed Martin社に発注した。 DARPAは1月にNASAと計画の協力文書に署名している。
 DRACOはHASLEUを燃料とした熱核炉で飛行する。
【関連記事:2107-050302 (AW&ST 2021.05.03)】
【註】
 DRACOは地球~月間宇宙であるCislunar宇宙の防衛用にDARPAが開発を目指していた宇宙船である。
2023.06.13
 07:19
産経新聞

(Yahoo)

小型レーダー衛星、米で打ち上げ 大きさ46センチの物体見分ける 九州の宇宙ベンチャー <2307-061303>
 福岡市の宇宙ベンチャー企業であるQPS研究所が開発した小型レーダ衛星アマテル-3が日本時間13日早朝にカリフォルニア州からSpace X社のFalcon 9で打ち上げられた。 同社の小型レーダ衛星は今回が3基目で、2022年10月にも2基を打ち上げる予定だったが、搭載したイプシロン6号機が失敗していた。 経費は打ち上げ費を含めて10億円未満とみられる。
 アマテル-3は機体の重さが百数十㌔㌘で高度500kmの周回軌道に投入され、直径3.6mの円形アンテナを展開する。 地上にある物体は46cm以上なら見分けられるという。  同社は2020年代後半までに、地上のどこでも10分に1回程度の頻度で観測できる36基体制の構築を目指す。
2023.05.12DARPA HP New sensors with the HOTS for extreme missions <2306-051215>
 米
DARPA極端な高温環境で使用可能な広帯域、高ダイナミックレンジのセンサHOTSの開発を進めている。  HOTSは次世代タービンエンジンの開発などで800゚Cと言つた高温や高圧環境での使用が考えられている。
2023.01.24 DARPA HP DARPA, NASA collaborate on nuclear thermal rocket engine <2302-012415>
 DARPAが
DRACO熱核ロケット (NTR) 推進宇宙戦計画でNASAと協力している。 、FY27に地球軌道NTR対応の宇宙船を試験することが計画の目標である。
 NTR推進は、電気推進の10,000倍高い推力重量比と、宇宙における化学推進の2〜5倍の効率を実現できる。
 DRACOは過去のNTR原子炉技術から学んだ教訓を活用して、高濃縮ウランの代わりに高純度低濃縮ウラン (HALEU) 燃料を使用している。 また安全対策として、DARPAはDRACOエンジンの核分裂反応宇宙に到達したときにのみオンになるようにシステムを設計することを計画しています。
【註】
 米中露は地球静止軌道から月までの宇宙空間であるCislunar宇宙の軍事利用競争を開始しており、このためDARPAは原子力推進宇宙船の開発を進めている。
 原子力推進ロケットには原子炉の熱で水素ガスなどを加熱して噴射推進する核熱推進 (NTP) 方式と、原子炉で発電しクセノンやクリプトンなどのガスをイオン化させて噴出させる核電子推進 (NEP) 方式があり、当面実現が可能なNTPでは比推力 (ISP) が900秒程度、将来実現が期待されるNEPでは4,000秒と見られている。
【関連記事:2107-050301 (AW&ST 2021.05.03)】
2022.06.10
 00:22
Defense News Pentagon chooses design for ‘Project Pele’ portable nuclear reactor prototype <2207-061001>
 米国防総省が移動型マイクロ原子炉試作BWXT社を選定したと、同社が6月9日に発表した。 契約額は$300Mで、BWXT社はFY24に実大のマイクロ原子炉納入し、アイダホ国立研究所が3年かけて試験を行う。
 Project Peleと呼ばれるこの計画は、2021年に国防総省がBWXT社の他にLynchburg社、X-energy社を指名して進めてきた。 BWXT社は主契約社としてNorthrop Grumman社、Aerojet Rocketdyne社、Rolls-Royce社及びTorch社の協力を得て試作を行う。
【関連記事:2205-041312 (BD 2022.04.13)】
2022.05.04 DARPA HP DARPA seeks proposals leading to in-space demonstration of Nuclear Thermal Rocket <2206-050420>
 米DARPAが進めている地球~月間宇宙Cislunar宇宙を飛行する熱核エンジン (
NTP) 宇宙船DRACO計画Phase 2/3のRfPを発簡した。 Phase 2/3ではFY26に試作機の飛行試験が行われる。
 Phase 1では事前設計を行うTrack Aと、概念設計を行うTrack Bが並行して実施された。
2022.04.13
 15:55
Breaking Defense Idaho National Labs to build Pentagon's mobile 'nuclear microreactor’ <2205-041312>
 米国防総省が4月13日、最初の移動型マイクロ原子力発電装置としてアイダホ研究所の案を採用したと発表した。
 これは国防総省の
SCOが進めているPele計画によるもので第五世代原子炉により5MWの電力供給を3年以上できることを目指している。 同様の原子炉は2021年に中国が完成させている。
【関連記事:2201-122004 (ロイタ 2021.12.20)】
 米国防総省は年間30TWHの電力を消費し、このため毎日1千万ガロン以上の石油を消費しているという。
【関連記事:2107-062810 (ND 2021.06.28)】
2022.03.23 Jane's Defence Weekly Seoul to develop hybrid rocket engines <2206-032309>
 韓国国防省がハイブリッドロケットの開発を開始した。
 ハイブリッドロケットとは固体燃料と液体の推進剤を混合して燃焼させるもので、国防省は各種低軌道衛星の打ち上げに活用し、搭載能力の増大やコスト削減を目指している。
【註】
 ハイブリッドロケットエンジンとは酸化剤を持たない固体燃料を燃焼室に置き、液体の酸化剤で燃焼させる方式で酸化剤の注入を制御することで燃焼の中断、再着火、推力の制御などか可能になる。
 また酸化剤と燃料が別なため、ロケット燃料が爆発する危険が少ない。
2021.12.15 Defense News US Navy fires laser weapon in Mideast amid drone boat threat <2201-121509>
 米海軍が12月15日、第5艦隊輸送揚陸艦Portlandが14日にアデン湾で、
LAWSを用いた水上目標の破壊に成功したと発表した。
 LAWSを用いたUAVの撃墜には今までも成功しているが、USVの破壊は初めてである。
2021.12.08 Jane's 360 Nammo readies SFRJ for initial THOR-ER test-firing in 2022 <2201-120806>
 ノルウェーNAMMO社が米海軍及びノルウェー国防省と進めている、米海軍の長距離高速ミサイル (
THOR-ER) に使用する固体燃料ラムジェット (SFRJ) の発射試験が2022年初期にノルウェーのAndøya試射場で行われる。
 THOR-ER開発は米国、ノルウェー、Nammo社が協同で2019年に開始している。
2021.11.03 Jane's Defence Weekly Iraqi militia 'finds' Iranian loitering SAM <2201-110318>
 イラクの親イラン民兵部隊 (
PMF) が10月21日に自身のウェブサイトで、PMFの第52旅団がSalah-al-Din県の東部でミサイルの集中攻撃を排除したと、遊弋型SAMの画像と共に報じた。 このSAMは2019年11月に米海軍がイラン製の武器をイエメンに運んでいたダウ船から押収したと同型であった。
 Al-Masdar Newsは24日、このミサイルについて米軍は2021年初めにイエメンで発見された時点で358 SAMと呼んでいると報じている。 同通信がイエメン国防省の話として、イエメンのフーシ派がイエメンのMarib近くのSirwah上空で米軍のMQ-9を撃墜したと報じた。 消息筋は射程が100km射高は8kmと見ている。
2021.10.21 Inside Defense Senate appropriators recommend cutting funding for Navy's LDUUV <2111-102110>
 米議会上院歳出委員会が10月18日に公開したFY22予算案の中で海軍に対し、$29Mが要求されている
LDUUV 計画のPhase 2移行を認めていない
2021.10.21 Military Times Eielson to receive Air Force’s first nuclear microreactor <2111-102108>
 アラスカ内陸のEielson AFBマイクロ原子炉初めて配備された。
 計画は2019年に
NDAAが2027年までにマイクロ原子炉の配備を開始するよう求めてことから開始されていた。
【註】
 米国防総省が空母や潜水艦が使用している原子炉を60年間使用するProject Peleと呼ばれる計画計画を進めており、陸軍や空軍や基地で1~5MWで3年間は連続使用できる原子炉を電力源とすることを検討している。
【 マイクロ原子炉関連記事:2107-062810 (ND 2021.06.28)】
【 Pele 計画関連記事:2001-112501 (AW&ST 2019.11.25)】
2021.10.18 National Defense Air Force to launch munitions from C-17s <2111-101806>
 輸送機からミサイルを投下して発射しようとする米空軍のRapid Dragon計画は年内に発射試験を実施する。
 ミサイルを投下発射するのはC-17A及びC-130で、パレット化された発射機
RO/RO方式で後部貨物扉から搭載する。
 発射されるのは2,000-lbのJASSM-ERで、箱状の発射機に最大32発装填してパラシュートで投下され、輸送機の安全距離まで離れてから点火し発射される。
 7月にはWSMRで特殊作戦軍 (SOC) のEC-130SJを用いた模擬試験が行われており、年内EC-130SJを用いたJASSM-ERの実射試験が行われる。
2021.10.11 Defense News Lockheed delivers laser for AC-130J gunship <2111-101104>
 Lockheed Martin社が10月6日、AC-130J Ghostriderガンシップに搭載するレーザ砲社内試験を完了空軍へ納入したことを明らかにした。 今後他のシステムと組み合わせた地上試験を行った後、飛行試験を行う。
 米空軍で4代目のAC-130となる最新型のGhostriderは30mm及び105mm砲とAGM-176A Griffinを装備し、更にHellfire及びGBU-39
SDBの装備も可能であるが、レーザ砲は105mm砲に代わって取り付けられる模様である。
2021.07 International Defence Review The bleeding edge: Tactical AI reaches the digital battlefield <2108-070015>
= 戦場での AI に関する5頁の記事 =
 ・Integrated Tactical Network
 ・Adding a Digital Crew
 ・Keeping the algorithms apace
2021.04.13 C4ISR net DARPA chooses three firms to design nuclear-powered space vehicle <2105-041311>
 米DARPAが
DRACO宇宙船計画の第一段階にGA、Blue Origin、Lockheed Martinの3社を選定した。 DRACO計画は高い推力重量比が特長の熱核推進装置 (NTP) を用いて低高度軌道より上を飛行する計画で、2025年の初打ち上げを目指している。
 計画は2段階で行われ、18ヶ月間の第1段階ではGA社が原子炉及び推進装置の事前設計を担当し、Blue Origin社とLockeed Martin社が宇宙船を担当する。
【関連記事:2003-021905 (BD 2020.02.19)】
2021.04.12 DARPA HP DARPA selects performers for Phase 1 of demonstration Rocket for Agile Cislunar Operations (DRACO) program <2105-041211>
 米DARPAが
DRACO宇宙船計画の第一段階にGA、Blue Origin、Lockheed Martinの3社を選定した。 DRACO計画は熱核推進装置 (NTP) を用いて低高度軌道より上を飛行する計画で、2025年の初打ち上げを目指している。
 高い推力重量比のNTPを用いたDARPAは、米国防総省の目指す地球-月間 (cislunar) 空間の飛行に適している。
【関連記事:2003-021905 (BD 2020.02.19)】
2021.04.05 Defense News Valkyrie drone launches even smaller drone from inside payload bay <2105-040507>
 米空軍がKratos社製XQ-58 Valkyrie UAVの6回目の飛行試験で、機内弾庫からALTIUS-600小型UAVを発進させる試験に成功した。 Valkyrieは再使用可能な安価UAVで、空軍はF-22とF-35の通信ノードとして使用しようとしている。
 ALTIUS-600はジョージア州のArea-I社が開発したUAVで、
EWSIGINTC-UAVISRなどに使用するほか、弾頭を搭載することもできる。
2021.03 International Defence Review Ghost Fleet Overlord USV paticipated in 'Dawn Blitz' exercise <2105-030011>
 Ghost Fleet Overlord
USV4,700nmを越える航海を経て、太平洋岸で行われたDawn Blitz水陸戦演習に参加した。 Ghost Fleetは4,700nmに及ぶ航海の97%以上を自動モードで行った。
 米海軍が計画しているLUSVの資を得るため2017年に開始されたGhost Fleet Overlordでは「海上における衝突の予防のための国際規則に関する条約 (COLREGS)」に準拠した既存の商船2隻が使われた。
2021.02.15 National Defense Navy to fully integrate laser into Aegis Combat System (updated) <2103-021507>
 米海軍が年内にレーザ兵器
HELIOSFlight ⅡA駆逐艦1隻に搭載し、Aegisシステムに組み込む
 HELIOSは60kWソリッドステートレーザで、ミサイル等を幻惑させるほか、高出力での鑽孔も期待できる。
2021.01.11 Aviation Week & ST AI co-pilot demo on U-2 poits to future applications <2103-011102>
 米空軍が2020年12月16日にAIをU-2Sの副操縦手として活用したことは、AIの新たな活躍の場として注目されている。
 U-2Sには副操縦手用の座席はないが、地ににはARTUμというコールサインが付与され、Raytheon社製のASARS
SARレーダを操縦手と共用しながら任務を遂行した。