2025年のシリア情勢に関する報道

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要             旨
2025.06.04
 09:59
Reuters 通信

(Yahoo)

イスラエル軍がシリア南部の武器庫攻撃、直前に飛翔体越境 <2507-060409>
 イスラエル軍が3日、シリア南部の武器庫を攻撃したと発表した。 シリアの国営通信や安全保障関係者によると、この攻撃で首都ダマスカスの郊外やクネイトラ、ダラアにある幾つかの武器庫が攻撃されたもようである。
 これに先立ちイスラエル軍は、シリアから2発の飛翔体イスラエル領空に侵入し、空き地に落下したと明らかにしていた。
 イスラエルのカッツ国防相は、この飛翔体発射の責任はシリアのシャラア暫定大統領にあると主張し、「イスラエルに対するいかなる脅威や発砲の責任はシリアの暫定大統領が直接的に負うと考えている」と述べた。  シリアの国営通信が伝えたところでは、同国外務省はイスラエルに向けて飛翔体が発射された情報の確認は取れていないと説明し、シリアは地域のいかなる関係国にも脅威を与えるつもりはないと繰り返した。  同省はその上で「自己の利益を達成するために地域の不安定化を狙おうとする多くの関係国があると信じている」と付け加えた。  アラブ系やパレスチナの複数のメディアは、2024年にイスラエルの攻撃で死亡したハマスのデイフ指導者の名を冠した武装組織飛翔体を発射したとの声明を出したと伝えている。
2025.06.04
 09:15
共同通信

(Yahoo)

シリアからロケット弾攻撃 イスラエル軍、南部空爆 <2507-060404>
 シリアから2発のロケット弾による占領地ゴラン高原への攻撃が3日にあり、 ゴラン高原へのロケット弾は空き地に着弾し、負傷者は出ていない。
 これを受けイスラエル軍が4日にシリア南部を空爆したと発表した。 イスラエルメディアによると、同国のカッツ国防相は「全力で対応する」と警告した。
 Reuters通信は、シリア外務省が「地域のいかなる当事者にも脅威を与えていない」と主張したと報じた。
 Reutersによると、シリア外務省はイスラエル軍の攻撃で南部ダルアー県に「深刻な人的、物的被害が出た」とした。 両国は緊張回避に向けた協議を進めているが、情勢が悪化する恐れがある。
2025.06.03
 18:49
AFP=時事

(Yahoo)

在シリア米軍基地削減、最終的に1か所へ 米特使 <2507-060307>
 米国のシリア特使が取材で、シリア駐留米軍の縮小に着手しており、最終的には1ヵ所を除き、すべての基地を閉鎖する方針だと語った。
 シリアでは2024年12月、イスラム主義組織タハリール・アルシャーム機構(
HTS)が主導した旧反体制派が、長年にわたって同国を強権支配したアサド前大統領を追放した。
 それから6か月が経ち、米国は2014年にISIS掃討のために開始された作戦の一環として展開してきた軍の駐留規模を段階的に縮小し始めている。
 駐トルコ米国大使でシリア特使も兼任するバラック氏は2日、トルコの民放NTVの取材で、「われわれは対ISIS作戦における軍事的関与を縮小している」と説明し、「基地の数は8ヵ所から5ヵ所、そして3ヵ所へと減らしてきており、最終的には1ヵ所まで減らす」と述べた。
 バラック特使は一方、シリアがアフメド・アル・シャラア暫定大統領の下、依然として重大な安全保障課題に直面していることを認め、「まだ非常に部族的で、それをまとめるのは非常に難しい」と発言し、ただし「それは実現すると思う」と述べ、シリアの民族および宗教勢力の「統合」を呼びかけた。
2025.05.21 Stars & Stripes

(Yahoo)

Militants kill 2 soldiers in attack on Russian air base in Syria <2506-052118>
 シリア政府高官と地元活動家が21日に、過激派がシリアのロシア空軍基地を攻撃し兵士2名を殺害したと語った。  彼らは、20日にシリア沿岸のフメイミム空軍基地に攻撃を仕掛けた2名の過激派も殺害されたと述べた。 2人とも、状況のデリケートさから匿名を条件に語った。
 シリア当局者は、基地で殺害された2名がロシア兵だったのか、それともシリアの請負業者だったのかは不明だと述べた。
 ロシア国防省はコメントの要請に応じなかった。 シリア政府は、この事件について公式声明を出していない。
 英国に本拠を置く戦争監視団体シリア人権監視団は、この攻撃で少なくとも3名が死亡したと報告したが、彼らが攻撃者なのかロシア軍なのかは判断できていないと発表とし、攻撃者は、新たなシリア国防軍に所属する外国人戦闘員と考えられていると述べた。
 政府高官は、殺害された2名の過激派は、新政府の軍人を訓練していた海軍大学で教官として働いていた外国人だったと述べた。 彼は、彼らは基地を攻撃する際に自分たちで行動し、公式にはどの派閥にも所属していないと述べた。
 外交関係を築こうとしているシリア新政権は、アサド元大統領に対する武装反政府勢力に加わり、シリアの対抗勢力よりも過激で原理主義的な見解を持つとしばしば見られる外国のイスラム戦士の隊列に対処するよう、米国や他の国々から圧力を受けている。
 地元の活動家は、基地周辺で銃撃と砲撃の両方を含む衝突を聞いたと述べた。 SNSで共有されたビデオには、銃声が聞こえる中、基地の建物の後ろから煙が立ち上っている様子が映っていた。
 ロシアの緊密な同盟国だったアサド元大統領を支援するためのロシアの焦土作戦介入は、かつてシリア内戦の流れを変え、彼が追放されて以来、彼はロシアへの亡命を認められている。
 しかし、アサド政権の崩壊以来、シリアの暫定政府を率いてきた元反政府勢力は、ロシアとの関係を維持しており、シリアの基地からロシア軍を完全に撤退させていない。
2025.05.21
 09:37
AFP=時事

(Yahoo)

シリアが「全面的な内戦」に突入する可能性、米国務長官 <2506-052110>
 ルビオ米国務長官が20日、シリアが数週間以内に新たな内戦に突入する可能性があると警告し、暫定政権への支援を呼び掛けた。
 ルビオ長官は米国上院の公聴会で、シリア暫定政権が直面している課題を考えると、「崩壊と全面的な内戦、つまり国が分裂するまで、おそらく数週間、長くても数ヵ月しか猶予がない」と述べた。
 シリアでは2024年12月に、イスラム主義勢力率いる戦闘員らが当時のアサド大統領を打倒し、2011年に始まった残忍な内戦に終止符を打ったが、その後少数派のアラウィー派とドルーズ派に対する血なまぐさい攻撃が相次いだ。
 ルビオ長官は、暫定政権の支配地域外やイランでの過激派組織ISISの復活を非難し、イランがアラウィー派出身のアサド前大統領の残党と協力しようとしていると述べた。
2025.05.08
 10:30
Reuters 通信

(Yahoo)

シリア・イスラエル間に非公式外交ルート、UAE仲介=関係筋 <2506-050805>
 UAEシリアとイスラエルの協議のために非公式な外交ルートを設けたことが関係者の話で明らかになった。 安全保障や情報関連の問題、国交のない両国間の信頼醸成に焦点を当てているという。  関係者の一人は、シリアのシャラア暫定大統領が4月13日にUAEを訪問した数日後にこの取り組みが始まったと説明した。 現在は「技術的な問題」に集中しているが、最終的に議論される内容に制限はないと語った。
 シャラア暫定大統領は訪問先のパリでの記者会見で、Reutersの報道に関する質問に対し、「事態を沈静化させるため、仲介者を通じた間接的な交渉が行われている」と答えた。  同暫定大統領がこうした動きを公に認めたのはこれが初めてである。
 また、「イスラエル側と接触のある全ての国々と協議し、シリア内政への干渉や領空侵犯、一部施設への攻撃をやめるようイスラエルに圧力をかけている」とも述べた。
 一方、UAE外務省高官のヌセイベ氏はReutersに、「UAEがシリアとイスラエルの『秘密協議を仲介している』との主張は完全に誤りで、UAEはそのような協議には一切関与していない」と否定した。
 シリアの治安当局高官はReutersに、UAEを介した非公式ルートは安全保障関連の問題に厳しく限定されており、複数のテロ対策案件に焦点が当てられていると語った。
 別の情報筋によると、UAEの治安当局者、シリアの情報機関職員、イスラエルの元情報機関員らが関与しているん゛、軍事問題、特にシリアにおけるイスラエル軍の活動に関する問題は、現在の協議の範囲外だという。
2025.04.30
 22:58
時事通信

(Yahoo)

シリアで衝突、39人死亡 イスラエル、「少数派保護」で空爆 <2505-043018>
 在英のシリア人権監視団は30日、シリアの首都ダマスカス近郊にあるイスラム教少数派ドルーズ派が多い地域で武装集団と治安部隊が衝突するなどし、39人が死亡した と発表した。
 シリアでは宗派対立による混乱が続いている。
 ロイター通信によれば、ドルーズ派の住民がイスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したとされる音声の存在が明らかになった。これに激怒したスンニ派勢力が攻撃を仕掛け、交戦が拡大したとみられる。
 衝突を受け、隣国イスラエルのネタニヤフ首相は30日、「ドルーズ派保護」のためシリア領内の武装勢力に空爆を加えたと表明した。
 スンニ派が主導するシリア暫定政府に対し、「ドルーズ派への危害を阻止するよう望む」と牽制した。
2025.04.30
 22:06
毎日新聞

(Yahoo)

シリア首都でスンニ派とドルーズ派の武装集団が衝突 13人死亡 <2505-043016>
 シリアの首都ダマスカス郊外で29日、イスラム教多数派スンニ派と少数派ドルーズ派の武装集団による衝突があり、ロイター通信などによると、少なくとも13人が死亡した。
 スンニ派中心の暫定政権は少数派も含む包括的な政府の樹立を目指しているが、宗派対立が続けば、政情不安につながる恐れもある。
 衝突が起きたのはドルーズ派の住民が多いジャラマナ地区。ドルーズ派の信者がイスラム教の預言者ムハンマドを侮辱したとされる音声が、交流サイト(SNS)で拡散したのがきっかけだったという。
 暫定政権の司法省は30日の声明で、預言者の侮辱は許さないとしたうえで、衝突に関与した容疑者を司法で裁くことの重要性を強調した。ドルーズ派は独自の教義を持つ少数派で、イスラム教の宗派の中でも異端視されることもある。
 一方、ロイター通信によると、隣国イスラエルのネタニヤフ首相は30日の声明で、ダマスカス近郊でドルーズ派に対する攻撃を準備している「過激派」に対して「警告的な攻撃」を実施したと明らかにした。
 イスラエルは昨年12月にシリアのアサド政権が崩壊して以降、シリア領内へ侵攻しており、「ドルーズ派の保護」などを名目に軍事作戦を続けている。シリア国内で宗派対立が激化すれば、イスラエル軍が攻勢を強める可能性もある。
2025.04.24
 06:24
共同通信

(Yahoo)

ロシア、アサド氏引き渡し拒否 シリア大統領証言、米報道 <2505-042402>
 New York Times紙が同紙の取材で23日、シリアのシャラア暫定大統領はNew York Times紙に対し、ロシアに亡命したアサド前大統領の身柄引き渡しを求めたがロシアに拒否されたことを明らかにした。 身柄引き渡しを巡るロシア側の対応についてシャラア暫定大統領が語るのは初めてである。
 シャラア暫定大統領によると、シリア高官らが2025年1月にロシア軍のシリア駐留継続の条件として、身柄引き渡しを求めた。
 ロシアはアサド政権とシリア西部の海軍基地や北西部の空軍基地に2066年まで駐留できる合意を結んだが、政権崩壊で有効性が不透明になっている。
2025.04.09
 13:27
産経新聞

(Yahoo)

トルコがシリアと軍事協定締結を模索か イスラエルは空爆で警告、中東の新たな火種に <2505-040916>
 シリアを巡るトルコとイスラエルの対立が深刻化してきた。
 イスラエル軍は4月初めにシリア国内の軍事基地を空爆したが、シリア暫定政府と軍事協定を結んで軍駐留を計画するトルコを牽制する狙いだったという見方が浮上した。 シリアを舞台とする地域の軍事大国同士の駆け引きは、中東の新たな火種となりつつある。
 イスラエル軍は2日、シリア中部ハマやホムスなどにある少なくとも3ヵ所の基地を空爆した。 Reuters通信によるとトルコはここ数週間、軍の視察チームをこれらの基地に派遣して滑走路や格納庫、インフラなどの状態を調べていた。 一部の基地は空爆により滑走路や管制塔が破壊され、使用不能になったもようである。
 シリア暫定政府は2024年末にアサド前政権の打倒に貢献したイスラム過激派のシリア解放機構(HTS)が主導しており、トルコのエルドアン政権も前政権とは敵対しており、暫定政府と親密な関係にあるとされる。
 イスラエルのカッツ国防相は、空爆はシリアの保護国化を図るトルコへの警告だと述べた。 イスラエルはトルコがシリアにロシア製SAMやUAVを配備し、制空権を握りかねないと警戒していたとの指摘もある。
 トルコ、イスラエルともシリアには軍事的に関与してきた。 トルコはシリア北東部の少数民族クルド人の民兵組織について、自国内のクルド人の非合法武装組織の分派とみなし、越境攻撃を行ってきた。
 1967年にシリアの要衝ゴラン高原を占領したイスラエルは前政権の崩壊後、残された軍事施設や兵器が暫定政府などに利用されるのを防ぐとして、シリアをたびたび空爆している。
 イスラエルのメディアによると、トランプ米大統領は7日、自身はエルドアン大統領と良好な関係にあると述べ、会談したイスラエルのネタニヤフ首相に「トルコとの間に問題があるなら私が解決できる」と調停を申し出た。
 一方のエルドアン大統領は8日も「拡張主義」などとしてイスラエル批判を続け、「シリアの安定に向けて責任を全うする」と関与を継続する姿勢を強調した。
2025.04.04
 05:02
Wedge

(Yahoo)

〈悪化し始めたシリア情勢〉内戦再燃の懸念、暫定政権とアサド派の衝突、くすぶり続ける宗派対立と新たな黒歴史の可能性も <2505-040402>
 Washington Post紙が、シリアではイスラム原理主義の暫定政権と旧アサド政権派との衝突が始まり、内戦の再燃が懸念されるという、National Review誌のジェラティ特派員による現地レポート‘The last good days in Syria before a new nightmare began’を掲載した。
 それによると、シリア情勢は3月6日に悪化し出し旧アサド政権派とイスラム原理主義の暫定政権の部隊との衝突が始まり、暫定政権の部隊は、明らかに宗派主義に基づく一般市民の虐殺も始めた。
 2024年の12月8日に、13年間の内戦を生き残ってきたアサド政権が突然崩壊し、シャーム開放機構 (
HTS) がシャラア氏を暫定大統領とする暫定政権を樹立した。
 シャラア氏はユニークな経歴の持ち主で、2003年にアルカイダに参加したが、捕虜になり米軍のキャンプ・ブッカに拘留され、その後2011年にシリア内戦が始まると彼は、シリアでヌスラ戦線を立ち上げてISISに参加した。 しかし、2013年に彼はISISの指導者バクダッディと衝突し、ヌスラ戦線はISISと袂を分かった。
 確かにシャラア氏は、西側のメディアに対して「少数派を弾圧するより内戦で疲弊したシリアを復興させようとしている」と発信している。 例えば1月にはEconomist誌に「これからの5年間で国家を再建し、正義と対話を推進し、国家運営に全ての勢力が参加するだろう」と述べた。
 他方、アサド一族は、アラウィ派と呼ばれるイスラム教の少数派に属しているが、アラウィ派、キリスト教徒、その他の少数派は、過激派の過去を持つスンニ派イスラム原理主義政権を恐れる十分な理由がある。
 シリアの様々な勢力が2月末に2日間の国民対話集会を開いたが、新政府を樹立するための具体的な指針には触れなかった。 3月上旬には、アサド政権崩壊後の緊張を孕みつつも相対的に安定した状況は崩壊し、アラウィ派の根拠地である沿岸のラタキアでイスラム原理主義政権の治安部隊はアサド派の勢力を壊滅させ、戦闘は近隣のホムスとハマに飛び火した。
2025.04.03
 01:30
RBC Ukraine Israel attacks air bases in Syria with missiles: Strategic targets destroyed <2505-040302>
 イスラエル国防軍とTimes of Israel紙によると、イスラエル軍は4月2日夜に、シリアの首都ダマスカス郊外の航空基地を攻撃し、民間人に対する脅威を排除した。
 攻撃は過去数時間にわたって行われ、軍はシリア空軍基地のハマとティヤス(T4)に残っている軍事施設や、ダマスカス地域の他の軍事インフラ施設を攻撃していた。 これらはイスラエルの民間人に脅威をもたらした。
 軍筋によると、言及された空軍基地への攻撃は、滑走路、燃料貯蔵、レーダーシステムを狙ったものだった。
 シリアのメディアによれば、ダマスカス郊外のバルゼ研究センターも攻撃された。
2025.03.30
 08:58
共同通信

(Yahoo)

シリアで新暫定政府が発足 外相ら残留、少数派起用 <2504-033003>
 シリアのシャラア暫定大統領が29日、新たな暫定政府を発足させた。
 自身に近く、これまでの暫定政府の主要閣僚だったシェイバニ外相とアブカスラ国防相が残留し、Reuters通信によると、国内少数派のイスラム教アラウィ派やキリスト教徒も閣僚に起用した。 少数派登用で国内融和や穏健な統治をアピールしたい考えと見られる。
 シャラア暫定大統領に対しては、イスラム教に基づく厳格な統治を懸念する声が強く、2024年12月のアサド政権崩壊以降、市民生活の困窮や宗教・宗派間の対立が続き、国内の安定が課題となっている。
2025.03.18
 08:43
Reuters 通信

(Yahoo)

レバノンとシリア、停戦に合意 国境地帯の衝突で10人死亡 <2504-031813>
 レバノンのメナッサ国防相シリア暫定政府のアブカスラ国防相が停戦に合意したと、両国の国防省が17日に発表した。 両国の国境地帯ではこの2日間の戦闘により10名が死亡している。
 シリア国防省とレバノン保健省によると、この2日間の国境を越えた衝突で、シリア軍の兵士3名人が死亡し、レバノン側は7名が死亡し52名が負傷したという。
 レバノンとシリアの国防相はまた、国境でのさらなる情勢悪化を防ぐため、軍情報機関間で連絡を維持することについても合意した。
 シリアで反体制派勢力がアサド政権を崩壊させ、暫定政権を樹立して以来3ヵ月間にレバノンとシリアの国境地帯は情勢が緊迫していた。
 シリア国防省は16日、レバノンの親イラン武装組織ヒズボラがシリア領内に侵入し、シリア軍の3名を誘拐、殺害したと非難した。 ヒズボラは関与を否定している。
 一方、レバノンの治安筋は、3名のシリア兵がレバノン領内に侵入し、自分たちの町が攻撃されるのを恐れたレバノン北東部の部族の武装メンバーによって殺害されたとしている。
 シリア国防省とレバノン軍によると、シリア軍はレバノン国境の町を砲撃して応戦した。
2025.03.11
 16:11
AP 通信

(Yahoo)

レバノンに逃れるシリア難民 旧政権崩壊後も混乱は続く <2504-031112>
 数千人のシリア人が、同国の沿岸地域から隣国のレバノンに逃れているが、そのほとんどは秘密のルートを通っている、と当局者は述べている。
 国連難民機関は声明で、地元当局によると、レバノン北部アッカール県の約12の村に、6,078人のシリア人が国内の戦闘を逃れてたどり着いているが、他の地域の到着者数はまだ確認中であるという。
 これは、サウジアラビアのアラビア語衛星放送が撮影した、シリア南部からアル・カビール川を越えてレバノン北部に渡るシリア人難民の映像である。
 レバノンは75万5,000人を超えるシリア難民を受け入れており、未登録の難民はさらに数十万人いるとみられている。
 アサド政権の崩壊以降、難民の流れはレバノンからシリアへと逆転し始めていた。 国連によれば、11月以降、約26万人のシリア難民が帰国し、その約半数はレバノンから帰国した。
2025.03.11
 06:00
朝日新聞

(Yahoo)

シリアのクルド人主体武装勢力、暫定政権へ統合に合意 国営通信 <2504-031102>
 シリア国営通信(SANA)が、暫定政権のシャラア大統領が10日、米国の支援を受け北東部一帯を支配するクルド人主体の武装勢力シリア民主軍(
SDF)の司令官と会談し、SDFが暫定政権軍に統合することで合意したと報じた。
 SANAによると、シャラア大統領はSDFのアブディ司令官と、シリア全土における停戦やクルド人の市民権・憲法上の権利の保障、北東部でSDFが管理する油田やガス田、空港、イラクとトルコとの国境検問所を含む地域インフラの統合、暫定政権が取り組む前アサド政権の支持勢力との戦いへの支援などでも合意し協定に署名した。 2025年末までにこれらの合意事項を履行すべく取り組むとした。
 2024年12月のアサド政権崩壊後に発足した暫定政権は内戦で分裂した領土の統一や国民融和を掲げ、国内に割拠する武装勢力の暫定政権軍への統合を進めてきた一方、SDFはクルド人の自治を認めない形での統合には消極的で、北部では暫定政権に近いトルコが支援する別の武装勢力との衝突も続いていた。
2025.03.10
 07:49
Reuters 通信

(Yahoo)

シリア衝突、死者1000人超え 「責任追及」と暫定大統領 <2504-031007>
 シリア暫定政府を主導する旧反体制派のシャーム解放機構(HTS)指導者のシャラア(通称ジャウラニ)氏が9日、暫定政権側の治安部隊とアサド前政権支持者の間で発生した衝突を受け、加害者の責任を追及すると表明した。
 西部の湾岸都市で6日、アサド前大統領が属するイスラム教シーア派の一派「アラウィ派」が治安部隊に対し攻撃を開始し、衝突は4日目となる9日も続いた。
 英国を拠点とするシリア人権監視団は8日、過去2日間の衝突で民間人745人、治安部隊員125人、前政権支持派の戦闘員148人、合わせて1,000人以上が死亡したと発表した。
 ジャウラニ氏は、アサド前政権に忠誠を誓う者や外国勢力が不安をあおろうとしていると非難し、その上で「市民の流血に関与した者、市民を虐待した者、国家の権限を踏み越えた者、個人的利益のために権力を利用した者には断固とした態度で責任を問う。 誰一人として法の上に立つ者はいない」と述べた。 シリア暫定大統領府は、双方の衝突と殺害を調査する独立委員会を設立すると発表した。
 外交筋によると、ニューヨークの国連ではシリア情勢悪化を受け、米国とロシアが10日に安全保障理事会を非公開で開催するよう要請した。
2025.03.10
 06:09
時事通信

(Yahoo)

シリア衝突、死者1300人超 治安部隊、少数派標的に多数殺害か <2504-031001>
 シリア北西部で続く暫定政府の治安部隊とアサド旧政権残党の衝突で、在英のシリア人権監視団は9日、女性や子供ら市民830人が死亡したと明らかにした。 アサド前大統領と同じ少数派のイスラム教アラウィ派の住民らが主に目標とされたとみられる。
 交戦で治安部隊と旧政権を支持する武装勢力合わせて480人超が死亡しており、6日に始まった一連の衝突に伴う死者は1,300人を超えた。
 交戦が激しさを増している北西部ラタキア県タルトス県などの地中海沿い一帯にはアラウィ派の住民が多く、旧政権の支持者らが多数残っているとされる。 アラウィ派はアサド独裁体制下で優遇されたため、2024年12月の政権崩壊後は、国内の多様な民族や宗教・宗派からの報復が懸念されていた。
 同監視団は「市民が宗派や地域を基に虐殺された戦争犯罪だ」と指摘し、スンニ派主導の治安部隊を支援する勢力が北西部一帯に押し寄せ、迫害の動きを強めている可能性がある。
 人口の1割を占めるキリスト教徒も多く犠牲になったと伝えられ、宗教・宗派対立が激化する恐れがある。
2025.03.08
 05:41
時事通信

(Yahoo)

難民30万人以上が帰国 シリア・アサド政権崩壊以降 国連 <2504-030805>
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の広報担当者が7日に、ダマスカスからオンラインでジュネーブの記者団に、シリアで2024年12月にアサド政権が崩壊して以降30万人以上の難民が帰国したことを明らかにした。 シリア国内で避難を余儀なくされていた90万人も元の居住地域に戻ったという。
 同担当者は、シリアは今も「世界最大の難民危機」にあると指摘し、戦禍から逃れたほとんどの人が帰宅を望んでいると強調した。
2025.03.07
 12:58
AP 通信

(Yahoo)

アラウィー派が治安部隊襲撃 シリア東部で宗教間対立鮮明に <2504-030713>
 シリア東部ラタキア県で3月6日、現政府の治安部隊旧政府支持派の待ち伏せ攻撃で13人が死亡、多数が負傷した事件を受けて、政府は首都ダマスカスと主要都市に治安部隊を増員して警戒を強化した。
 今回の待ち伏せ攻撃は、国外逃亡したアサド前大統が属したイスラム教アラウィー派と、現政権のイスラム教グループ間の緊張が高まる中で起きた。
 ロンドンを拠点とするシリア人権監視団によれば、待ち伏せ攻撃は地中海に面したラタキア県のジャブラで発生、少なくとも治安部隊要員13人を含む16人が死亡したという。 同監視団は、治安部隊を急襲した武装グループはアラウィー派だと指摘した。
 シリア国営通信社によれば、現地情勢の安定化のため、増援部隊がジャブラに派遣され、シリア監視団によると、ヘリコプターがジャブラとその近辺のアラウィー派武装集団の攻撃に参加したという。
 さらに監視団は、「タイガー大佐」と呼ばれる元シリア陸軍のハッサン将軍に忠誠を誓う戦闘員が、治安部隊に対する攻撃に参加したと付け加えた。
2025.03.07
 12:14
青山弘之

(東京外国語大学教授)

シリアでシャルア暫定政権の支配に対するマイノリティ宗派の反抗が高揚:「血のラマダーン」再来の懸念も <2504-030711>
 シリアでは、2月28日からイスラーム暦のラマダーン月が始まるなか、ジャウラーニーが指導するシリアの暫定政権に対する少数宗派の反抗が高揚している。
 地中海沿岸のラタキア市ダアトゥール地区で3月4日に地元武装グループが暫定政権の国防省部隊(新生シリア軍部隊)を要撃し、兵士2名を殺害したのが直接のきっかけだった。 ラタキア県は、タルトゥース県や、ハマー県とヒムス県の農村地帯とともに、多くのアラウィー派宗徒が暮らしているが、ダアトゥール地区はアラウィー派が多い街区である。
 事件を受けて、国防省部隊と内務省総合治安局(シャーム解放機構の総合治安機関を前身とする新政権の治安部隊)が同地に増援部隊を派遣し、「旧体制の残党」の捜索活動を開始したが、その際、総合治安局は、住宅複数棟を強襲し、無差別発砲を行うなどして損害を与え、学校の守衛2人を含む4人を殺害し、4人を逮捕した。 また、地区内で、総合治安局の一部隊員が、住民に対して信仰を侮辱するような暴言をはくなどといった行為を行った。
 国防省部隊と総合治安局の介入によって、3月5日には、兵士2人を殺害したとされる容疑者が摘発され、事態は収拾するかに思えたが、戦闘はジャブラ市一帯へと拡大した。
だが、3月6日、ラタキア県南部のジャブラ市や周辺農村地帯の各所で激しい戦闘が発生した。
 戦闘が始まったのは、ロシア軍の支援を受けていたシリア軍精鋭部隊の第25特殊任務師団の司令官だったハサン准将の出生地であるバイト・アーナー村だった。
 地元武装グループが村で総合治安局のパトロール部隊を襲撃すると、総合治安局は武装した車輛や装甲車20輌あまりを現地に派遣し、襲撃犯を拘束しようとしたが、住民は正式な文書がないかたちでの身柄拘束を拒否した結果、撃ち合いに発展していった。
2025.03.03
 09:49
Reuters 通信

(Yahoo)

シリア弱体化狙うイスラエル、米にロシア基地存続働きかけ <2504-030319>
 Reutersの複数の関係者への取材で、イスラエルが2月にトランプ米政権へシリア暫定政権の弱体化と中央集権化の阻止を働きかけていたことが分かった。 シリア暫定政権の後ろ盾がイスラム主義色の強いトルコ与党を率いるエルドアン大統領のためで、イスラエルはトルコの影響力拡大を防いで国境の脅威を排除したい考えである。
 関係者らによるとイスラエルはこの一環として、トルコに対抗するためロシア軍がシリア領内に持つ2ヵ所の基地の存続を米国側に求めた。 一連の要望のうち主要な論点はWhite Paper(政策提言書)として複数の高官に配布された。
 イスラエルは、アサド政権打倒を牽引した過激派のシリア解放機構 (
HTS) への不信感を公然と表明しており、ネタニヤフ首相は2月23日にシリア南部におけるHTSや暫定政権に関係したいかなる勢力の存在も容認しないと言明し、同地域の非武装化を訴えた。
 この発言に先立つ2月上旬にはサール外相が、イランによるヒズボラの再建活動をトルコが支援していると懸念を表明し、さらにシリア領内のイスラム主義グループがイスラエルに対する新たな戦線を構築していると指摘していた。
 一方、エルドアン大統領は2024年に、イスラム諸国はイスラエルについて「拡張主義の脅威が高まっている」と指摘し、連携するべきだと表明していた。
2025.03.03
 09:00
朝日新聞

(Yahoo)

シリア首都近郊の少数派を「防衛準備」 イスラエル、暫定政権に警告 <2504-030314>
 イスラエル国防省が1日、ネタニヤフ首相とカッツ国防相が軍に対して、シリアの首都ダマスカス南郊にある少数派のイスラム教ドルーズ派の居住地を防衛する準備に入るよう指示したことを明らかにした。
 シリアでは2024年12月、イスラム教スンニ派過激派組織のシャーム解放機構 (
HTS) を中心とする勢力がアサド政権を倒して暫定政権を発足させたが、1日のイスラエル国防省の声明は、暫定政権の治安部隊とドルーズ派の最近の衝突を受けたものとみられる。
 AP通信などによると、イスラエル国防省は声明で、「シリアのイスラム過激派のテロ政権がドルーズ派の人々を傷つけるなら我々によって傷つけられるだろう」と警告し、「我々はイスラエルに住むドルーズ派の人々に、シリアのドルーズ派の同胞に危害を及ばないようにあらゆる手段を講じることを約束する」とした。
 アサド政権崩壊後、イスラエル軍はシリア領内の軍事施設などへの空爆を繰り返すほか、ゴラン高原のシリア側の緩衝地帯の複数の場所に部隊を展開している。 今後、ドルーズ派の保護を名目に暫定政権への牽制をさらに強める可能性がある。
【註】
 イスラム教ドルーズ派とは、シーア派の一派イスマーイール派から分派したイスラム教の一派で、レバノンを中心に、シリア・イスラエル・ヨルダンなどに存在する。 ドゥルーズ派共同体の成員は民族的にはアラブ人で、中東全域でおよそ100万人が存在するとされる。
 レバノン内戦時は、キリスト教徒マロン派と激しく対立した。  イスラエルにおいてもごく少数ながらジュリスなどにドゥルーズ派の住民たちが存在していて、ドゥルーズコミュニティは、イスラエル多数派のユダヤ人と「血の盟約」を結び、ドゥルーズ派の男性はイスラム教徒やキリスト教徒のアラブ人とは異なりイスラエル国防軍における兵役義務がある。
2025.03.01
 17:14
Kyuv Independent Israel wants US to keep Syria 'weak' by allowing Russian bases, sources tell Reuters <2504-030118>
 Reuters通信が2月28日に、イスラエルはシリアにおけるトルコの影響力増大に対抗するため、ロシアにシリアの軍事基地を保持させることを含め、米国にロビー活動を行い、シリアを弱体化させ、分散化させようとしていると報じた。
 Reuters通信は、イスラエル当局者はワシントンに、親露派のシリア独裁者アサドを打倒したシリアの新たなイスラム主義支配者がトルコの支援を受ければ、イスラエル国境に脅威を与えるだろうと語ったと、同通信に詳しい4人の情報筋を引用して報じた。
 トルコを封じ込めるため、イスラエル当局者は、ロシアが地中海海軍基地をシリアのタルトゥース州に、フメイミム空軍基地ラタキア州に維持すべきだと米国当局者を説得しようと試みたが、一部の米国当局者を驚かせたと報告書は報じている。
 シリアの新指導部は、軍事基地の運命を巡ってロシアと交渉中で、一部の専門家は、トランプ米大統領は、前任者のバイデン大統領よりもロシアがシリアに留まることにもっと寛容になる可能性があると指摘している。 報道によると、バイデン政権は、ロシアの二つの軍事基地を閉鎖することと引き換えに、シリアに対する制裁を緩和することを提案することを検討したという。
 米国に本拠を置くシンクタンク、Century Internationalのルンド上席研究員はReutersに対し、イスラエルは米国の考え方に影響を与える可能性が十分にあると述べ、新政権は極めて親イスラエル的だと説明した。
 独裁者アサドが12月にロシアに追放されて以来、ロシアはシリアからの資産撤退を開始し、シリアにおける軍事駐留の将来について疑問を投げかけているが、シリアにはまだ多くの資産が残っている。
 ところが、ロシア代表団は、その後、新指導部に会うためシリアを訪れ、プーチン露大統領は、シリアの新指導者シャラーへの支援と協力を約束したと報じられている。
 Bloombergによれば、最近の報道はロシアが東シリアで活動を続けるISISとの戦いでシリアを支援することと引き換えに、限定的な軍事駐留を維持するシリアとの取引に近づいている可能性があることを示唆している。
 ウクライナは、ロシアの軍事的プレゼンスに関して、シリアの新政府にも接触しており、シビハ外相は12月30日にダマスカスを訪問した後に、ウクライナとシリアがこの問題に関して同様の見解を共有していることを示した。
2025.02.25
 06:54
毎日新聞

(Yahoo)

シリアで「国民対話会議」始まる クルド勢力は招待されず <2503-022505>
 2024年12月にアサド政権が崩壊したシリアで24日、国内の各地域や宗教などの代表が国家の将来像を協議する国民対話会議が始まった。  会議での議論が新たな憲法や政府機構に影響する可能性があり、暫定政権にとっては大きな節目となる。
 AP通信などによると、参加者は約600人とみられ、2日間の日程で新憲法の構成や政府改革、個人の自由、経済問題などを議論する。 暫定政府への提言をまとめる見通しだが、法的拘束力は持たないという。
 暫定政権は少数派などを含む包括的な新政府を樹立する方針で、国民対話会議はその実現に向けた一歩と位置づけられている。 経済制裁の解除を検討している欧米などもその成果を注視している。
 ただ、旧反体制派でクルド人主体のシリア民主軍(
SDF)の代表は招待されなかった。 SDFは北東部で一定の地域を支配し、暫定政権に近いトルコの支援を受ける別の旧反体制派組織と衝突を続けている。 暫定政権にとっては、クルド勢力を新政府に取り込めるかが引き続き大きな課題となる。
 シリアではアサド政権の崩壊後、HTSが率いる暫定政権が発足し、前政権時代に制定された憲法を停止した。 暫定政権のシャラア大統領は3年以内に新たな憲法を策定し、その後に選挙を行う方針を示している。
2025.02.15
 18:01
RBC Ukraine Russia withdraws ammunition ships from Syria - British Ministry of Defense <2503-021506>
 ロシアは弾薬を積んだ船をシリアから撤退させている。 Reuters通信が報じたところでは、英国防省は英国海峡を通過するロシア船6隻を発見した。 最近、英国防省は、英国海峡を弾薬を運ぶ6隻のロシア軍艦と商船の通過を記録した。 英軍は、英国海軍と英空軍が監視した艦船、シリアを出港していると説明した。
 同省によれば、ロシアはアサド政権打倒以来、シリアから軍事資源を撤退させており、これは「中東におけるロシアの野望に対する打撃」だったという。
 これらの艦船は、プーチンが同盟国アサドを見捨てた後、シリアを去ったが、彼らはまだ武装しており、弾薬でいっぱいだった。 これは、ロシアが弱体化しているが、依然として脅威であることを示している」とヒーリー英国防相は述べた。
 英国防省は、シリアからの軍需品の撤退は、ロシアがウクライナでの戦争を優先していることが、アサド政権を維持する能力に影響を与えていることを示していると述べた。
2025.02.09
 09:08
毎日新聞

(Yahoo)

アサド政権下の化学兵器処理を協議 OPCW事務局長がシリア訪問 <2503-020904>
 化学兵器禁止機関(
OPCW)のアリアス事務局長が8日、アサド政権が崩壊したシリアのダマスカスを訪れ、暫定政権のシャラア大統領やシェイバニ外相と会談し、アサド政権が残した化学兵器の処理に向け、OPCWによる支援の方法などについて協議したという。 OPCWによると、会談は長時間にわたり、「生産的で非常に率直だった」という。
 アリアス事務局長は声明で「10年以上、シリアの化学兵器に関する調査は止まっていたが、シリア国民や国際社会のためシリアとともにこの機会をつかみ、事態を打開しなければならない」と述べた。
 シリア内戦では2013年8月に、アサド政権がダマスカス郊外で大規模なサリン攻撃を実施したことを受け、米国とロシアがシリアの化学兵器を廃棄することで合意し、アサド政権は翌9月に化学兵器禁止条約を批准し、保有する化学兵器をOPCWに引き渡すと表明したが、政権による化学兵器の使用はその後も相次ぎ、多くの民間人が被害を受けた。
 アサド政権は2024年12月、旧反体制派による攻勢で崩壊したが、国内には多くの化学兵器が残されており、暫定政権はすべて処理する意向を示している。
2025.02.07
 13:37
Kyiv Post ‘If we get benefits for Syria out of this’ - Damascus weighs keeping Russian bases <2503-020713>
 12月のシリアのアサド政権崩壊後、ロシアはタルトゥース海軍基地から装備と武器の撤退を開始した。
 シリア暫定政府は、ロシア軍基地を維持するかもしれないが、それはシリアの国益にかなう場合に限られると、カスラ国防相は、2月6日に掲載されたWashington Post紙の取材で述べた。 「これでシリアに利益がもたらされるならイエスだ」と、ロシアの基地が残るかどうか尋ねられたカスラ国防相は答えた。
 カスラ国防相によると、シリアの新指導部に対するロシアの態度は、2024年12月のアサド政権の崩壊後、大幅に改善したという。 かつてロシア軍と戦ったグループの一員だった国防相は、「政治には、恒久的な敵はいない」と述べた。
 Washington Post紙は、ロシアが重要な交渉の切り札であるアサド氏の運命を握っていると示唆している。 カスラ国防相は、シリア政府が正式に彼の身柄引き渡しを要求したかどうかは確認しなかったが、会談にはアサドを裁判にかけることについての議論が含まれていたことを認めた。
2025.02.03
 15:01
AP 通信

(Yahoo)

シリア民主軍の役割を語る アブディSDF最高司令官 <2503-020312>
 米国が支援するシリアの部隊司令官が2月2日にAP通信の取材で、アサド一族を政権から追放した後は、宗教や民族に関係なく、すべての国民を平等に扱う世俗的、市民的、分権的な国家を建設すべきだと述べた。
 シリア北東部のハサカで行われた取材で、クルド人が主導するシリア民主軍のアブディ最高司令官は、最近ダマスカスでシリアのシャラア新暫定大統領と会談したといい、両者は仲介者の助けを借りて、クルド人の将来も含め、シリアの将来について妥協点を見出すべく交渉しているという。
 アブディ司令官は、米軍はシリアにとどまるべきだと主張する。 なぜなら、ISISが米軍の撤退によって利益を得るだろうし、地域全体の安全保障に影響するからだという。
 同司令官は、米国主導のISISと戦う有志連合が、
SDFダマスカス当局の仲介をしていることを明らかにしたが、詳細には触れなかった。
 アブディ司令官によれば、シリアのクルド人は、イラク北部のように国から分離したり、独自の自治政府や議会を設置したりすることは望んでおらず、地方分権国家で自分たちの地方問題を運営することを望んでいると述べた。
 国内の旧反政府派閥の大半は解散し、新しい軍隊と治安サービスの一部になることに同意したが、それが実際にどのように機能するかは依然として不透明である。
2025.01.30
 05:10
毎日新聞

(Yahoo)

シリア暫定政権の大統領に就任 旧反体制派のシャラア指導者 <2502-013003>
 シリアの国営アラブ通信(SANA)が29日、アサド政権を打倒した旧反体制派組織ハヤト・タハリール・シャム
HTS)のアハマド・シャラア指導者が、同日に開かれた旧反体制派武装組織指導者らによる会議で暫定政権の大統領に就任したと報じた。
 アサド政権下で制定された憲法は停止され、議会も解散した。 シャラア暫定政権大統領の任期は「新憲法を制定するまで」で、暫定的な立法評議会を設立する権限を持つことになるという。
 SANAやアラブメディアによると、この会議では、旧政権時代の軍や治安機関、アサド政権を支えたバース党などの解体も宣言された。 シャラア暫定政権大統領は「いまのシリアに必要なのは、シリアを復興して発展させるという決意だ」と語った。
 シャラア氏は国際テロ組織アルカイダ系の戦闘員としてイラクで反米闘争に身を投じた経歴を持ち、2011年にシリア内戦が始まってからは「ヌスラ戦線」を設立して参戦したが、2016年ごろにアルカイダとの関係を絶ちHTSを結成した。 2024年12月に大規模攻勢を仕掛け、わずか12日間でアサド政権を崩壊させた。
 イスラム主義的な統治への懸念の声もある中、HTSが主導する暫定政権は、国民融和や女性の権利の保障など穏健な方針を打ち出している。
2025.01.28
 07:00
朝日新聞

(Yahoo)

シリア制裁、EUが段階的緩和で合意 情勢次第で再び発動も <2502-012804>
 EUが加盟国の外相による会合で27日に、シリアへの制裁を段階的に緩和することで合意した。 今後数週間をかけ、金融取引や石油・天然ガスの輸出など、どの分野の制裁を緩和するか詳細を決めていくという。
 EU高官によると、一部の加盟国からはシリアの人権状況は改善されていないとして、金融制裁を解除することに懸念が示されたため、EUのカラス外交安全保障上級代表は、一部の制裁を緩和しつつ他の制裁を維持する段階的なアプローチで、情勢が悪化した場合は再び制裁を科す、あくまでも一時的な措置だとした。
2025.01.27
 19:04
Reuters 通信

(Yahoo)

EU、対シリア制裁一部解除へ きょう外相理事会で討議 <2502-012715>
 バロ仏外相が27日、2024年12月のアサド政権崩壊を受けシリア安定化への取り組みの一環として、同日開催のEU外相理事会で対シリア制裁の一部解除が決まるとの見通しを示した。
 ブリュッセルに到着したバロ外相は「シリアの国家財政安定化の鍵となる金融機関、エネルギーや輸送に関する一部制裁の解除、一時停止を決定する予定だ」と記者団に語った。
 EUのカラス外交安全保障上級代表(外相)はReutersに、制裁緩和で合意することを期待していると述べた。
2025.01.19
 17:53
Kyiv Independent Syria bans goods from Russia, Iran, Israel <2502-011906>
 シリアの新政権が、1月17日にシリアの財務相が発令した新法令で、ロシア、イラン、イスラエルの全ての商品の搬入を禁止した。 この決定は、同国がイランとイスラエルのパスポート保持者の入国を制限した直後に行われた。
 禁止令によると、陸路と海路の国境検問所で発見された関連商品は没収されると、地域メディアは報じている。
 ウクライナは、12月8日に反政府勢力がロシアが支援するシリアのアサド政権を打倒した後、シリアとの関係を回復するために迅速に動いた
2025.01.16
 14:37
AP 通信

(Yahoo)

ゴラン高原緩衝地帯を占領 混乱に乗じるイスラエル軍 <2502-011607>
 イスラエル国防軍が、イスラエルが実効支配するゴラン高原に近いシリア領内で作戦行動中の同国軍が、過去6週間に戦車など3,300点を超える兵器と武器類を鹵獲したことを明らかにした。 イスラエルのネタニヤフ首相は、同国軍は当面シリア国内の緩衝地帯を占領すると述べた。
 鹵獲した兵器と武器類はシリア陸軍の戦車、対戦車ミサイル、RPG、砲弾、迫撃砲と迫撃砲弾、監視装置などで、兵器武器類の押収と緩衝地帯への進駐は、イスラエルとゴラン高原の安全を確保するために必要な措置だと述べた。
 イスラエル軍は2024年12月に、シリア軍が離脱したゴラン高原の緩衝地帯を管理下に置いたが、1974年の停戦違反だと非難を浴びている。 緩衝地帯に住む住民は、イスラエル軍の進駐に抗議すると同時に、シリア暫定政権がイスラエルに撤退を迫らないことに不満を表明している。 イスラエルは1967年の第3次中東戦争でゴラン高原を占領し、1981年に一方的にイスラエルに併合していた。
2025.01.09
 11:16
RBC Ukraine Syria reportedly blocks evacuation of Russian military equipment from naval base <2502-010908>
 シリアが、海軍基地からのロシア軍装備品の撤退を阻止していると報じられている。
 Moscow Timesが1月9日、新シリア当局が、シリアのタルトゥース海軍基地からロシア軍装備を撤退させるはずだった船の入港を拒否したと報じた。 この拒否は、ロシアが支援する独裁者アサドが反政府勢力によって12月に打倒されたことを受けてのもので、シリアの政治情勢に大きな変化をもたらした。
 Moscow Times紙によると、米国の制裁下にあるロシアの貨物船Sparta Ⅱは、12月11日にカリーニングラード州のバルチースクを出港した後、1月5日からタルトゥース近海を漂流している。
 報告によると、ロシア軍は防空レーダーを解体し、100両以上のトラックに装備を移動させたが、撤退を容易にするための船舶は現在、停泊しておらず、人員と装備は立ち往生している。
 Maritime Exectiveは、シリア新政府からの許可が無く、タルトゥースからのロシアの軍事資産の撤退は行き詰まっているて、ロシア軍機が運航するフメイミム空軍基地が、現在も唯一の有効な退避ルートであると報じられている。
 ウクライナのシビハ外相は12月30日のダマスカス外交訪問で、シリアにおけるロシアの軍事駐留について演説し、ウクライナ外務省のティヒ報道官によれば、ウクライナとシリアの新指導部は、具体的な詳細は明らかにされていないが、この問題に関して同様の見解を共有している。
2025.01.08
 10:52
AFP=時事

(Yahoo)

シリアのクルド戦闘員標的に軍事作戦警告 トルコ外相 <2502-010804>
 トルコのフィダン外相が7日、シリアのアサド大統領失脚後、「無血」の政権移行に向けトルコが求める条件が受け入れられない場合クルド人勢力に対する軍事作戦を開始する可能性があると警告した。
 フィダン外相はCNNトルコに対し、クルド人民兵組織のクルド人民防衛部隊
YPG)がトルコ側の要求を受け入れなければ、「必要なことを行う」と語った。 具体的に何を指すか問われると「軍事作戦」だと答えた。
 YPGはISIS掃討作戦において西側諸国から重用されているが、トルコとしては、自国内で非合法化されているクルド労働者党PKK)とつながりがあるとみている。 PKKはトルコ政府とは数十年にわたり敵対関係にあり、同国およびその西側同盟国からはテロ組織と認定されている。
 フィダン外相は、「外国から来たテロリスト戦闘員はシリアを去り、PKK指導部も去らなければならない。 残りの幹部は武器を置き、新体制に参加するべきだ。 これは無血で問題のない移行のためだ」と述べた。
 米国がYPGを支援しているにもかかわらず、トルコはシリアに介入するかとの質問には、「過去にアフリン、ラスアルアイン、タルアビヤドで行ったことがある」と語り、シリア北部での軍事作戦に言及し、「それはわが国の国家安全保障が要求することで、他に選択肢はない」とし、新たな軍事作戦を躊躇しない考えを強調した。
2025.01.08
 07:09
時事通信

(Yahoo)

シリアの「脱独裁」疑問視 現在も弾圧横行 人権監視団代表 <2502-010801>
 シリア国内で独自の情報網を持つ在英NGOのシリア人権監視団のアブドルラフマン代表が6日、時事通信のオンラインでの取材に応じ、シリア暫定政府の実質的な指導者シャラア氏は元来「独裁者だ」と強調し、現在もシリアで弾圧が横行していると指摘して、暫定政府による宗教・民族融和路線の推進を疑問視した。
 1ヵ月前のアサド政権崩壊後、旧反体制派の暫定政府は政治犯として逮捕されていた多くの人々を刑務所から解放した。 シャラア氏は少数派や女性の権利を尊重する姿勢を示し、強権的なイスラム過激派というイメージの払拭を図っているが、アブドルラフマン氏は、暫定政府を主導するシリア旧反体制派の主力組織のシャーム解放機構(
HTS)がアサド政権崩壊前から支配していたシリア北西部の刑務所は、かつて抗議活動への参加などHTSに反抗して捕らえられた人々で「満杯だ」と指摘し、暫定政府メンバーが旧政権の基盤だったイスラム教アラウィ派の人々を殺害する事例が相次いでることを挙げ、国内外に向けた「暫定政府は穏健派だというプロパガンダ」の陰で抑圧が続いているとの見解を示した。
2025.01.03
 16:36
Kyiv Post Russia to Move Forces From Syria to Libya – HUR <2502-010305>
 ウクライナ国防省 (HUR) の中央情報局が、現在タルトゥース港に駐留しているシリアのロシア部隊は、アフリカへの移転のための船を待っていると述べた。
 HURはTelegramで「2025年1月5日にロシアの大型揚陸艦Ivan GrenAlexander Otrakovsky、そして乾貨物船Spartaシリアの港に到着する予定で、3隻は現在、地中海のタルトゥースに向かっており、 Alexander Otrakovskyには、ロシア海軍第121揚陸艦旅団参謀長のダヴィティアン1等大佐が乗艦している。 2025年1月8日には、さらに2隻のロシア船多用途貨物船Sparta II油送船Ivan Skobelevタルトゥースに停泊する予定で、これらは現在ジブラルタル海峡を通過する準備をしている」と報じている。