2021年のシリア情勢に関する報道

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2021.11.07 日経新聞 トルコ、シリア侵攻作戦を準備か ロシアと水面下協議も <2112-110704>
 トルコ政府がシリアへの越境軍事作戦の準備を進めていることを表明しており、シリアに影響力を持つロシアと水面下の交渉を行っているとの情報もある。 トルコ国営放送によると、エルドアン大統領はローマを訪れていた1日、同行記者団に「いつでも必要な時に越境作戦を行う。テロ組織との戦いから退却することはない」と語った。
 テロ組織とみなすクルド系武装勢力を掃討し、低迷する政権支持率回復につなげる思惑がある。 シリアと国境を接するトルコ南部では10月にシリア側からの越境ミサイル攻撃を受けてトルコ人警察官2人が死亡したが、トルコはクルド系武装勢力によるものだとして、越境軍事作戦で国境の安全を確保する考えを示唆している。
2021.10.26 Military Times Officials: Iran behind drone attack on US base in Syria <2111-102607>
 米国務省報道官が10月25日の記者会見で、米軍とシリアの反政府勢力が所在しているシリア南部al-Tanfの兵営を先週爆装したUAV 5機が攻撃したことについて、背後にイランがいると述べた。
 その上で、UAVはイラン製であるが、イランから飛来したのではないとも述べた。
2021.10.22 産経新聞

(Yahoo)

シリアの米軍駐留拠点に攻撃 <2111-102202>
 AP通信が、内戦が続くシリア南部米軍駐留拠点に20日にUAVやロケット弾による攻撃があったと報じた。 米兵に負傷者はいないもようである。 現場周辺はシリア、イラク、ヨルダン3ヵ国が国境を接する戦略上の要衝である。
 6月にはシリア東部デリゾール近郊の米軍駐留拠点に対し、親イランの民兵組織によるとみられるロケット弾攻撃があった。
2021.09.30 ロイタ通信

(Yahoo)

ロシアとトルコが首脳会談、シリア情勢や防衛など協議 <2110-093003>
 ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が29日にロシア南部のソチで会談を開き、シリアでの内戦激化への対応やトルコ向けのS-400追加売却の可能性について協議した。
 シリア北西部イドリブ県では、トルコが支援する反体制派とアサド政権やその後ろ盾であるロシアとの間で軍事衝突が起きている。 トルコ政府当局者は会談前に、エルドアン大統領がプーチン大統領に対し、昨年の停戦合意を順守するよう求めると述べていた。
2021.07.20 共同通信

(Yahoo)

シリア政権軍、攻撃再開 北西部、戦闘本格化の恐れ <2108-072003>
 シリアのアサド政権軍が反体制派の最終拠点であるイドリブ県への攻撃を再開した。 17日にイドリブ県で政権軍の砲撃があり、シリア人権監視団によると少なくとも11人が死亡した。
 長期化した内戦は戦線が膠着し、イドリブ県では昨年3月から停戦が機能していたが、7月に入り政権軍の砲撃で民間人の死傷者が増加しており、国連は本格的な戦闘が再燃する兆候だと懸念している。
2021.06.02 Jane's Defence Weekly Russia deploys Tu-22M3s to Syria <2108-060201>
 ロシア国防省が5月25日、Tu-22M3 3機が同日に初めてシリアのHumayim空軍基地に派遣されたと発表した。 同機は地中海における乗員の訓練に使用するという。
 Tu-22M3は戦闘行動半径が2,500~3,000kmと見られ、冷戦時代には主として対艦任務として配備され、Kh-32長距離超音速対艦ミサイルを搭載できることから、地中海へ入った英海軍空母Queen Elizabethを意識しての配備とみられる。
【註】
 Kh-32は1991年代にソ連で生産されたASMで、射程は600~1,000km、上昇限度は40,000mで、最高速度はMach 3.5~Mach 4.6という。
 INSで誘導され終末誘導はアクティブレーダホーミングである。
2021.05.26 AP

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シリアに中距離爆撃機を派遣 地中海への進出を狙うロシア <>2106-052601>
 地中海への足掛かりを強化したいロシアが5月25日、中距離爆撃機Tu-22M3 3機シリア西部ラタキア県にあるフメイミム空軍基地に派遣した。 ロシアの中東地域への爆撃機派遣は、冷戦終結後初めてとなる。 Tu-22M3受け入れのために、フメイミム空軍基地は滑走路を延長したばかりで、2本目の滑走路を改装中である。
 一方、ロシア海軍は近年、地中海に艦隊を巡回配置するというソ連時代のやり方を復活させており、シリア西部タルトゥースにある国外唯一の海軍基地の拡張も、プーチン大統領が狙う地中海での長期的軍事プレゼンス構築の一環といえよう。
2021.04.25 AFP=時事

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シリア沖でイランのタンカーに攻撃、3人死亡 <2105-042502>
 在英のシリア人権監視団が、シリア沖で24日にイランの石油タンカーが攻撃を受け、少なくとも3人が死亡したことを明らかにした。 シリア人権監視団代表は、この攻撃で乗組員2人を含む少なくとも3人のシリア人が死亡したと述べた。 同代表はAFPに、タンカーはイランから来たもので、Baniyas港からそれほど離れていないところにいたと述べた。
 このような攻撃は2011年のシリア内戦勃発以降初めてである。 シリア人権監視団は、イスラエルによる攻撃かどうかは分からないとしたうえで、攻撃がUAVによるものか、ミサイルによるものかも不明だとしている。
Baniyas の位置 (Google Map)】
2021.04.22 ロイタ通信

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イスラエル南部にシリアのミサイルが着弾、近くに原子炉 <2105-042202>
 イスラエル軍によると、同国南部で22日にシリアから発射されたSAMが着弾した。 現場はディモナ原子炉の近くで警報のサイレンが鳴った。 軍の報道官はシリアからのミサイルはイスラエル空軍機に対し発射されたが、目標を越えて原子炉から30kmのディモナ地域に着弾したという。
 イスラエル軍が、報復のため今回撃ち込まれたミサイルの発射機を含めシリアのミサイル基地複数を攻撃したことを明らかにした。 シリアの国営通信社は、イスラエルがダマスカス近郊に向けてロケット弾を発射したが、防空システムが迎撃したと報じた。 ただ、兵士4名が負傷し物理的な被害もあったという。
2021.04.09 ロイタ通信

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イスラエルがダマスカスにロケット弾、シリア空軍が迎撃=国営通信 <2105-040902>
 シリア国営SANA通信が軍関係者の話として8日、イスラエルダマスカス南部に向けて多数のロケット弾を発射したがシリア空軍が迎撃したと報じた。 攻撃はレバノンとゴラン高原の方角から行われたという。
 SANA通信によると、兵士4名が負傷したほか、人的被害も出ている。 ダマスカスの住民は爆発音が少なくとも1回聞こえたとしている。
2021.03.28 Stars & Stripes US-backed Syrian forces raid camp of ISIS families, arrest nine <2104-032804>
 5,000名を超えるクルド軍が3月27日に米軍等の支援を受けて、シリア北東部のal-Holキャンプに対しISIS掃討作戦を行った。
al-Hol の位置 (Google Map)】
 この作戦でクルド軍は、新たなISIS戦闘員の取り込みを行っていた9人を逮捕した。 Al-HolキャンプではISIS戦闘員とその家族など62,000人が居住していた。
2021.03.15 時事通信

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トルコ支配地にミサイル攻撃 シリア北部 <2104-031505>
 トルコ国防省と在英のシリア人権監視団が15日、トルコが支援する反体制派が支配するシリア北部に対しミサイル攻撃があり、市民数人が負傷したと主張した。
 トルコ当局は、アサド政権の支配地、北部アレッポの基地からBMが発射されたと訴えている。
2021.03.01 ロイタ通信

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イスラエルがダマスカス近郊の標的を攻撃=シリア軍 <2104-030101>
 シリア軍が28日、イスラエルがシリアの首都ダマスカス近郊ロケット弾で攻撃したとの声明を出した。 ロケット弾はゴラン高原から発射されたもので、シリア軍が大半を撃墜したとした。
 イスラエル軍の報道官はシリア軍の声明について問われ、コメントを控えたが、イスラエルのガンツ国防相は26日、イランのシリア侵入を阻止するためにほぼ毎週行動を取っていると述べていた。
 地域の情報当局筋によると、イラン革命防衛隊Qods部隊とイランが支援する民兵組織は、ダマスカスの南近郊にある複数の地下基地多数の兵士を駐留させているという。
2021.02.26 産経新聞

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米軍、シリアの親イラン系勢力に空爆 バイデン政権下で初 <2103-022603>
 米国防総省のカービー報道官が25日、米軍がシリア東部にある親イラン系のシーア派武装勢力の施設に対して空爆を実施したと発表した。 空爆では、カティブ・ヒズボラやカティブ・サイード・シュハダなどの親イラン系勢力が利用する、国境管理地点にある複数の施設が破壊されたとしている。
 2月中旬以降に相次いだイラクの米軍関連施設に対する攻撃への対抗措置だと指摘し、大統領は米国や有志国連合の人員を守るために行動するという明確なメッセージをイランに対して送るものだと強調した。
 報道官によると、今回の作戦はバイデン大統領の指示で実施されたもので、バイデン政権が親イラン勢力を対象に空爆を行ったことが明らかにされたのは初めてである。
2021.01.22 Stars & Stripes Israeli warplanes fire missiles at targets in Syria, kill four <2102-012208>
 シリア国営SANA通信が、1月22日早くにシリア東部に対しイスラエルからのミサイル攻撃があり4人家族が死亡しその他の4人が負傷したと報じた。 これとは別にイスラエル軍はレバノンからイスラエルに飛来したUAV 1機を撃墜したと発表した。
 消息筋によると、イスラエルは先週シリア東部イランが支援する部隊を空爆し、57名以上が殺害され数十名が負傷したと言う。
 シリア人権監視団によると、2020年にイスラエルはシリア国内の軍事基地、兵舎、車両など135箇所に対し39回の空爆を実施した。
2021.01.14 AFP=時事

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イスラエルがシリア空爆 内戦下で最多の57人死亡 <2102-011401>
 在英シリア人権監視団が13日、シリア東部で12日夜にイスラエルがシリア政府軍や親イラン派部隊を目標とした空爆を実施し、57人が死亡したことを明らかにした。 シリア内戦開始以降、イスラエルが行った空爆によるものとしては最多の死者数となった。
 同監視団によると、武器庫や軍の陣地を狙った18回の空爆で、シリア政権軍の部隊少なくとも14人とイラクの民兵16人、親イラン部隊「ファーティマ旅団のアフガニスタン人隊員11人が死亡した。 残る16人の国籍は明らかになっていない。