2002年の国内情勢に関する報道

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標     題
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2002.12.23 Aviation Week & ST H-2A launch puts Japan on earth watch  日本の NASDA は12月14日、種子島宇宙センターから地球観測衛星 Adeos-2 (Advanced Earth Observing Satellite) 「みどり」の打ち上げに成功した。
= 今後の衛星打ち上げ予定 =
 ・2003年2月:日本初の偵察衛星 2基(解像度1mの光学センサーを搭載;1基、解像度1m〜3m の SAR を搭載;1基) プライムは三菱電機。
 ・2003年8月:偵察衛星 2基
 ・FY-2003:GPS 搭載の MT-SAT-1R
 ・FY-2004:ALOS (Advanced Land Observation Satellite) 及び ETS-8 試験衛星
 ・FY-2005:Selene Lunar Surveyor 及び超高速インターネット衛星 Winds
 2005年には国際宇宙ステーション建造資材運搬に H-UA が使用される。
2002.12 Army White Sands Missile Range
= White Sands Missile Range の紹介記事 =
 ニューメキシコ州にある射場は東西40マイル、南北100マイルの国内最大の軍用施設で、陸海空軍とMDA及び同盟国が開発したミサイル 等の試験評価を行っている。
 陸軍は PAC-3 をはじめとするミサイルシステムや、多連装ロケットシステム及び TUAV の試験を現 在行なっており、海軍は SM Block3-1を、空軍は ABL や巡航ミサイルの実射試験を行っている他、最近で は日本が中距離 SAM システム評価のため射場施設を使用している。
2002.11.11 Aviation Week & ST North Korean threat prompts Japan to armor helo fleet  海上保安庁は北鮮工作船対処のため 2003年予算で、保有するヘリコプタの防護能力の強化 を図るため $49M を要求している。
 細部は明らかにされていないが、装甲板、防弾ガラス及び IR 追尾ミサイル用フレアーの搭載等が検討されて いる模様。
 また、同庁は今後 4年間に新型警備艇 11隻を $412M で導入する意向を示している。
2002.09.03 防衛庁

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平成15年度
 防衛力整備と概算要求の概要
・概算要求総額 5兆43億円(1.3%増)
・装備品購入費 4,757億円(613億円増)
・研究開発費  1,485億円(225億円増)
・海自 FCS-2、小型水上船舶に対する射撃能力の向上
87AW のゼロ要求
新中距離SAMの整備(238億円)
・新中距離SAM訓練装置及び整備実習用教材の整備
・改良ホークの改善(27億円)
・ペトリオットの改善(278億円)
2002.08.26 日経新聞 イージス艦の中枢システム保守作業、
三菱電機が受託
 三菱電機、ロッキード、三菱商事、三波工業の合弁会社 MLS は、イージスシステムの保守作業の一部を2005年から 受託する。
 イージスシステムの保守コストは年間10億/隻と見られるが、当面全体の20〜25%を 請け負い、将来は比率を更に高めることを目指す。
2002.08.18 毎日新聞

インターネット

無人偵察機の導入検討 不審船対策  防衛庁は不審船対策として、航空自衛隊と陸上自衛隊にそれぞれ UAV を初導入する方向で 検討に入った。
 昨年12月に東シナ海で沈没した不審船から対空ミサイルなど強力な武器が見つかったため、今後、有人機での接近は 危険と判断した。
 空自は、技術研究本部がこのほど試作した多用途小型無人機(固定翼ジェット機、全長 4.7m)をベースに日本版プレデターを開発する 方向。
 現在は戦闘機に搭載し空中発射するタイプだが、これを陸上発着型に改良、GPS などの誘導システムで数千mの高度を Mach 1 弱で飛ぶ。
2002.08.14 読売新聞

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防衛庁、対テロの専門部隊を新設  防衛庁は14日、大規模テロやゲリラ、不審船対策の一環として、外国からの特殊部隊攻撃に対処するための専門部隊 を来年度新設する方針を決め、2003年度予算案に計上する。
 部隊は約300人規模で、首都圏の陸上自衛隊の中に編成される。 東京や福岡など大都市に加え、地方都市が 外国からの特殊部隊や武装工作員に急襲された場合、迅速に鎮圧することが最大の目的で、銃などの装備品も軽量化されたゲリラ対策用 を準備し、今年3月に長崎に創設された西部方面普通科連隊と連携して、海岸線も含めて日本全体をカバーする 予定だ。
2002.08.13 毎日新聞

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情報衛星来年2月、初の打ち上げへ  日本初の情報衛星が、来年2月に打ち上げられる見通しになった。
 しかし、収集した情報を政府内で総合的に分析し、実際の政策に生かすための組織の整備が進んでいないため 、情報が有効活用できるかどうかは未知数だ。
2002.08.04 読売新聞

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哨戒ヘリで不審船対応、ミサイル防御など装備強化  防衛庁は3日、昨年12月の奄美大島沖の不審船事件を受けて、今年度以降に配備する海上自衛隊の哨戒ヘリを、ミサ イルをかわす防御装置や機関銃で装備強化することを決めた。
 潜水艦の探知が主目的だった哨戒ヘリは、攻撃を受ける事態はあまり想定されておらず、搭載している攻撃兵器は魚雷だけで、不審船 対策には、装備が不十分との声が高まり、今後配備する哨戒ヘリ SH-60J に
  @ 7.62mm機関銃
  A チャフ、フレア
  B 暗視カメラ
を備え付けることにした。
2002.08.02 読売新聞

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生物兵器「防護車」開発へ  防衛庁は1日、米国で起きた炭疽菌事件など生物兵器の脅威が高まっていることを受けて、最新鋭の生物剤検知器を米 国から購入することを決めた。
 現在、陸上自衛隊に配備されている化学防護車に新たな検知器を搭載し、NBC 兵器全般に対応できる「NBC 防護車」 の開発を目指す。
 2003年度予算案に費用を計上し、研究開発が完了した段階で量産化を検討して、将来的には陸自の化学防護隊に配備する計画だ。
2002.07.12 読売新聞

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統幕議長の権限を強化
    …防衛庁中間報告
 防衛庁は12日、陸・海・空自衛隊の統合運用に向けた検討課題について中間報告をまとめた。  12月に最終報告をまとめ、自衛隊法など必要な法整備を目指す。
 中間報告では、統合運用に向けた基本的な考え方として、現在、個別運用が原則の3自衛隊を効果的に動かすため、「 統合運用を基本とし、それに適合しうる態勢を整備する」ことを明記している。 その上で、統幕議長の責任と権限について、
  @ 3自衛隊を代表して防衛長官を補佐する
  A 自衛隊運用について、防衛長官の指揮は統幕議長を通じて行う
  B 長官の命令を執行する
などを盛り込んだ。 基盤整備の面では、訓練や演習、通信電子装備、後方補給などの態勢を統合させることも検討する。
2002.07.08 読売新聞

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護衛艦にバルカン砲、P-3C にレーダーかく乱材  政府は8日、鹿児島県奄美大島沖で沈没した北朝鮮工作船と見られる不審船が、携帯式ロケット砲や赤外線追尾式地対 空ミサイルなどの高性能装備品を搭載していたことを受けて、対不審船作戦計画を見直す方針を固めた。 具体的には、
 @ 海上自衛隊、海上保安庁の艦艇などの装備を強化する
 A 不審船が抵抗をやめるまで、一定の距離を確保しながら対処する
などが柱で、今後、防衛庁と海保の実務者協議などで内容を調整する。
 装備面で防衛庁は、現在の 12.7mm 機関銃に加え、不審船など小型船を対象とする 20mm バルカン砲の購入 費を2003年度予算案で要求し、イージス艦など護衛艦に配備する方向で調整している。
 また、今年度に開始した、チャフの P-3C への配備を今後、急ぐ考えだ。
2002.07.05 ロイター

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米政府、台湾への空対空ミサイル引き渡しの可能性を検討  米国防総省官は、これまで見合わせてきた台湾への AIM-120 AMRAAM の引き渡しの可能性を 検討していることを明らかにした。
 米政権は、中国と台湾の軍拡競争のきっかけになることを懸念して、同ミサイルの引き渡しを見合わせてきた。
 中国が AIM-120 と同型のロシア製ミサイル AA-12 を試射したとの報道が先週、伝えられたことを受けて、米 政権による台湾へのミサイル引き渡し方針の見直しが浮上した。
2002.07 International Defense Review IDM for Japanese radio  米 ICI 社は、同社が開発した IDM (Improved Data Modem) を、陸空自が装備する 新 VHF 戦闘通信システムに適合させる開発契約を $25M で NEC と結んだ。
 この契約には、IDM 3.04 航空機搭載ユニットを OH-1改及び Apache に搭載することも含まれている。
2002.05.26 神奈川新聞

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海上監視へ軸足シフト、海自哨戒機 P-3C 同乗ルポ  海上自衛隊厚木基地の哨戒機 P-3C が、対潜哨戒から洋上監視へ任務の軸足を移している。
 昨年12月、奄美大島沖で起きた不審船事件を受けた措置で、来年度以降には、さらに「細かな任務内容の見直しが当然ある」(海上幕 僚監部)という。
 海自では、対潜哨戒機という呼称も最近『対潜』が外れた
2002.04.05 時事通信

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防衛庁 F-2 戦闘機今年度中の実戦配備断念を認める  航空自衛隊が運用試験中の支援戦闘機 F-2 について、防衛庁は5日、機体を急激に傾けた際、水平 尾翼などに設計時に想定した以上の荷重がかかるなどの欠陥を改善するため、技術設定を改良した飛行制御プログラムソフトを 2002年度中に導入すると発表した。
 同庁はこの改良のため、運用試験を今年度末まで続けることにしており、当初進めてきた今年度中の実戦配備が不可 能になったことを認めた。
2002.04.05 日経新聞 試合前後の競技場、半径3km内レーダで監視  サッカー・ワールドカップの試合開始2時間前から、終了1時間後までの間、競技場周辺3km以内を、上空750mにわたり 飛行禁止空域にする。 大規模イベントなどに航空法に基づく飛行禁止は初めて。
 飛行禁止中は、空自警戒管制組織や AWACS で監視する。
 韓国では、競技場にスティンガを2基ずつ配備するほか、F-16 戦闘機などを警戒飛行させる。
2002.04.04 日経新聞 日本見下ろす巨大物体

  米国の極秘衛星か

 日本の NPO 「日本スペースガード協会」が、岡山県美星町に設置した口径1mの望遠鏡が、日本を見下ろす静止軌道上 に、継続的に軌道制御をしている直径約50mの巨大衛星があるのを発見した。
 米空軍が公表している人工衛星リストにないことから、通信傍受用の極秘衛星と見られ、エ シュロンに組み込まれている可能性もあると見られる。
2002.03.31 毎日新聞

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急旋回時、F-2 機体に過大荷重 戦闘能力に影響か  航空自衛隊の F-2 支援戦闘機が、急旋回の際に機体の一部に予測を超えた大きな荷重がか かり、機体の疲労が進むおそれなどがあるため、防衛庁が搭載コンピューターの制御プログラムを改修していた ことが30日分かった。 この結果、旋回半径が大きくなり戦闘能力に影響が出る可能性もあるという。
 F-2 の機体は9Gに耐えられることになっているが、試験飛行などの結果、高度3,000m前後の低高度の急旋回時 などで、2〜3Gにもかかわらず、主翼や胴体の下にあるミサイルと燃料用タンクを搭載する部分の強度が、限界 となる場合があった。
 さらに同機は、レーダーも目標から外れやすいなどの欠陥が見つかったため、防衛庁は6月までに終える予定の運用試 験を、数ヶ月間延長することを決めている。
2002.03.18 Aviation Week & ST EH-101 expected to fill Japanese Maritime role  日本の海上自衛隊が 2002年度予算で調達する大型ヘリコプターの候補として、伊英製の Agusta Westland EH-101 に期待が高まっている。
 海上自衛隊が購入を予定しているのは、MH-53 対潜ヘリの後継として 2機、南極観測隊用 S-61 の後継として 3機の計 5機で対抗機種 には Sikorsky S-92 があがっている。
 企業提案は3月18日、日本企業関係者は 1機 $40M の EH-101 が有利とみている。 EH-101 は既に警視庁が 1999年に 1機を導入している。
 なお、エンジンの選定は未決定で川崎重工ーRolls Royce の RTM-322 と石川島 IHI‐GE の CT700/T6A1 が候補にあがっている。
 海上自衛隊の 2006年からの次期中期では更に 9機の導入を計画しており、川崎重工のヘリ組み立てが予定さ れている模様。 
2002.03.03 時事通信

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F-2、実戦配備にまた遅れ 来年度末まで試験延長  三沢基地に配備されている支援戦闘機 F-2 試験期間が再び延長されることが分かった。
 開発段階から指摘されていた機体自体の性能に関する問題に加え、レーダーの能力が F-15 戦闘機の 1/3 程度 と低いなど、「このままだと、実際の領空警備に当たるスクランブル待機にはとても就けられない」との反発が出たためだ。
 当面は現在行っている運用試験を延長して来年度末までとした上で、スクランブル待機に就けるのはさらに1年後の 2003年度末までとする方針だ。
2002.03.02 東京新聞

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空自F2レーダー不具合 緊急発進困難に  航空自衛隊の F-2 支援戦闘機に取り付けられているフェーズドアレイレーダーの不具合か ら、F-2 が領空侵犯対処を始めるのが困難な状況になっていることが分かった。 不具合の内容は、
 @ 探知距離が極端に短くなる現象が起きる
 A 相手機が画面から突然消える
 B 自動追尾が外れる
という。 関係者は大幅な改修が必要としている。
 防衛庁の技術担当幹部によると、F-2 の開発中、機首にあるピトー管がレーダーの障害となることが分かり、レーダーを改修した。  問題は解決したはずというが、今回の不具合もピトー管との折り合いが原因との見方が出ており、ピトー管を 主翼に移すなどの設計変更が必要になる可能性がある。
2002.01.17 時事通信

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生物兵器対応で専門チーム編成、防衛庁が基本方針  防衛庁は17日、米国での炭疽菌事件の発生などを踏まえ、生物兵器への対応強化に向けた基本方針をまとめた。
 除染や救護に即応できる専門チームの編成のほか、
  @ ワクチンの安定的確保
  A 防護器材や解析施設の整備
  B 実動訓練の実施
などが柱となっている。
2002.01.09 読売新聞 新防衛大綱、PKO「本務」に  防衛庁としては、次期新中期防衛力整備計画(2006〜2010年度)を策定するのに併せ、2005年度ま でに新大綱を策定する方針だ。
 平和維持のための国際協調では、自衛隊法を改正して、防衛出動や治安出動などと並ぶ本来任務に PKO を位置づけ るかどうかを検討する。 具体的には自衛隊法三条(自衛隊の任務)に防衛出動、治安出動とならんで新たに国連平和維持活動 を盛り込むことを検討している。
 大規模テロ、ゲリラへの対処では、迅速な初動対処を図るため、現場に普通科連隊を移動させるためのヘリ部隊の 増設など部隊編成や装備を見直す。
 大綱見直しの方向性として、以下の6項目があがっている。
  @ 大規模テロ、ゲリラ等の「平時の脅威」への対処
  A 情報収集、分析力の強化
  B 平和維持のための国際協調
  C RMA への対応
  D 陸海空各自衛隊の統合運用
  E さらなる日米関係の強化
2002.01.08 毎日新聞

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防衛大綱見直し 沿岸警備や早期警戒 テロ、不審船教訓に強化  防衛庁はテロ以降中断していた「防衛力のあり方検討会議」(議長・中谷元防衛庁長官)を1月18日に再開して、有 識者からの意見聴取など検討を本格化させ、大綱改定に向け03年度中に結論をまとめる方針だ。
 76年に策定された大綱は、冷戦終結を踏まえ95年に初めて改定された。 その後わずか6年で再改定に乗り出したのは、テロのような 事態が起きたあとの対応よりも、未然防止に自衛隊がどう関与すべきか、また、不審船事件などで「 侵略への備えより領域警備が必要」(幹部)という認識が強まったことも背景にある。
2002.01.05 日経新聞 哨戒機用探知システム 日米共同開発へ  米国防総省は、P-3C の後継機に搭載する電子探知システムを、日米共同で開発する方針 を固めた。
 しかしながら、P-3C の後継機開発を巡っては、旧来のプロペラ機の性能向上で問題ないとする米側と、新型ジェット機を開発し、 民間機の国産化計画に繋げたいとする日本側との間に大きな溝があるため、同床異夢になる可能性も否定でき ない。