2014年のイラン情勢に関する資料

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要             旨
2014.12.10 Jane's Defence Weekly Iranian fighter programme remains on drawing board <1502-121012>
 イランが MiG社の協力で2001年以来国内開発しているという戦闘/軽攻撃機 Shafaq は、未だ に図上の段階にあるようである。
 イランが2年に一度開催している Kish 航空展が11月18~21日に開かれたが、今回も Shafaq は写真のみの展示であった。
2014.12.10 Jane's Defence Weekly Iranian Phantom strikes Islamic State in Iraq <1502-121003>
 イランが11月23日に、少なくとも1機の F-4 Phantom で、イラク領内
IS に対し空爆を行った。
 この地域ではトルコとイランだけが F-4 を保有しているが、トルコは IS に対する空爆に参加しにいことを明確にしている。
2014.12.03 Yahoo 時事通信記事

「イラン軍、イラク東部で空爆か=標的はイスラム国」

<1501-120307>
 AFP通信によると、米国防総省のカービー報道官が2日、イラン軍の F-4 戦闘機が過去数日間、イラク東部
IS への空爆を行った可能性があることを明らかにした。 米軍と協調した攻撃ではないとしている。
 事実なら、イランが対イスラム国で空爆に踏み切ったことが初めて明るみに出たことになる。
2014.10.01 朝日新聞

インターネット

イラン、レバノン軍を支援へ イスラム過激派対策後押し <1411-100107>
 イランで国防外交政策を統括する最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長が9月30日に訪問先のレバノンで、イランがレバノン 軍に装備品を提供することを明らかにした。 イランはレバノンのシーア派組織ヒズボラを支援しているが、レバノンの正規軍を支援するのは異例である。
 レバノン軍はシリアとの国境付近でアルカイダ系武装組織『ヌスラ戦線』とたびたび交戦しており、シリアから侵入してくるイスラム過激派と戦う レバノン軍を後押しするのが狙いとみられる。
2014.10 International Defence Review Iran plans to double the range of its Ghader anti-ship missile <1411-100005>
 イランが近く、射程を延伸した Ghader
ASCMSayad-3 長距離 SAM の発射試験を行う。
 Ghader は Noor (C-802) を発展させた射程300kmの ASCM であるが、発射試験が来年に予定されている改良型は、射程が Ghader の二倍Moqtader と呼ばれる。
 同じく来年発射試験が行われる Sayad-3 は、米国の SM-1 を元にした Sayad-2 の改良型と見られる。
【註】
 SM-1 はドーサルフィンであるのに対し、Sayad-3 は画像( 1411-100003 の図で赤いミサイル)からすると弾尾に4枚翼を持っており、空力特性は 全く別と思われる。
2014.10 International Defence Review Iran reveals its Bavar-373 SAM <1411-100003>
 イランが、ロシアの
S-300P と同等と自称する Bavar-373 SAM の画像を公開した。 イ ランはロシアから輸入するはずであった S-300MPU2 の契約を2010年に破棄されているが、未確認ながら2008年にベラルーシから S-300PT を入手したとも報じられている。
 公表された画像によると Bavar-373 は S-300 が使用している 5V55弾や 48N6弾とは僅かに異なる形状をしている。
2014.09.26

イラン:防衛隊、イラクで活動 <1410-092601>
 イラン革命防衛隊航空部隊司令官が24日、革命防衛隊の精鋭部隊『コッズ』の司令官がイラク入り し、
ISIL との交戦でイラク側を支援したと語った。
 しかし、コッズの司令官は助言をしただけとして部隊動員は否定した。
2014.09.22 日経新聞

インターネット

中国艦隊、イランに初寄港 <1410-092201>
 イランのメディアによると、中国海軍の駆逐艦と後方支援艦が20日にイラン南部のバンダルアバス港に 寄港した。 中国艦隊はソマリア沖での海賊対策の任務に向かう途中に寄港したもので、数日後に出港してイラン海軍艦艇と救難活動を中心とした合同演習を行う予定 であるという。
 中国艦隊のイラン訪問は初めてで、両国海軍の交流促進などが目的としているが、ペルシャ湾に司令部を置く米第5艦隊を牽制 する狙いもあるとみられる。
2014.09.17 Jane's Defence Weekly US confirms Iran is fielding anti-ship ballistic missiles <1411-091710>
 米国防総省が1月に議会に提出したイランに関する報告書で、同国が高性能機雷、小型高性能潜水艇、沿岸防備
ASCM 、攻撃用舟艇と共に、ASBM秘密裏に配備していると、イランの ASBM 配備を公式に認めた。 イランの ASBM Khalij は Fateh-110 TBM に EO シーカを付加したもので、射程と弾頭重量は Fateh-110 と同じ300km 、650kgになっている。
 射程が300kmであればペルシャ湾内及びホルムズ海峡での海上での動きにとって脅威となるが、米 CSIS は報告書で、イランは水平線の先の 海上情報を入手する手段を持っていないと、その有効性を疑問視している。
2014.09.10 Jane's Defence Weekly Iran expands long-range early-warning radar network <1411-091008>
 イランが今年初めに長距離早期警戒レーダを公表したが、衛星写真から同型のレーダが更に2ヵ所 設置されていることが判明した。
【関連記事:1407-061114 (JDW 2014.06.11)】
 このレーダは高さ39m、幅55mのフェンス状アンテナ4面からなり、360゚にわたり1,000kmの覆域を持つとみられる。
2014.09.10 Jane's Defence Weekly Iran announces progress on long-range SAMs <1411-091007>
 イラン防空部隊司令官が8月28日~9月1日の間に、2種類の長距離 SAM を開発していると述べた。
Bavar-373
 S-300P と外観寸法が同じ
Talash-3
 S-200 に国内技術を組み合わせた長距離 SAM で、短距離 SAM の Talash-1 は2012年、中距離型の Talash-2 は2013年に公表されている。
2014.09.02 Defense News Iran unveils new missile, radar systems <1410-090204>
 イラン空軍司令官が2日、新型の SAM システムと2種類のレーダを公開した。
Talash-3 SAM
 従来システムより高高度での撃墜が可能になり、最早ロシアの S-300 は必要なくなった
Arash-2 対空レーダ
 小型 UAV を150kmで捕捉する能力を持つ。
Kayhan 対空レーダ
 ミサイルや UAV の位置を標定できる。
2014.08.28 東京新聞

インターネット

イラン、新型の遠心分離機を試験 欧米反発も <1409-082809>
 イランのサレヒ副大統領兼原子力庁長官が、ウラン濃縮能力が飛躍的に高まる最新型の遠心分離機 の試験を行ったことを明らかにした。 六フッ化ウランは注入しておらず、濃縮は行っていないが、イラン核問題の包括解決に向けて同国と協議を続ける欧米が反発する可能性 がある。
 試験を行った最新型の遠心分離機は、イランが現在保有する旧型の20倍程度の濃縮能力があるとみられ、イランは核燃料の生産が目的としているが 、実際に稼働すれば核兵器用の高濃縮ウランの製造も容易になる。
2014.08.24 Defense News Iran unveils new missiles, drones <1409-082408>
 イランが24日、2種類の新型ミサイルと2種類の新型 UAV を公表した。
 ・Ghadir: 射程300kmの地対艦/艦対艦ミサイル
 ・Nasr-e Basir: シーカ付きホーミングミサイル
 ・Karar-4: 敵の航空機を追随監視する UAV
 ・Mohajer-4: 画像収集、マッピング用 UAV
2014.08.24 Defense News Iran says it downed Israeli drone over nuclear site <1409-082407>
 イラン革命防衛隊が、ナタンツのウラン濃縮設備上空に接近したイスラエルのステルス UAV をミサイルで 撃墜したと発表した。
2014.07.30 Jane's Defence Weekly Iran's Caspian fregate under-going sea trials <1409-073009>
 イランカスピ海で1,400t軽フリゲート艦 Jamaran
の試験を行っており、 半年以内に就役するとみられる。
 二番艦 Damvand も2013年3月に進水しているが、二番艦は対空レーダに AWS-1 ではなくプレーナアレイレーダを採 用している。
2014.06.04 Jane's Defence Weekly Iran fires new Nazeat rocket variant <1407-060415>
 イランが5月23~24日に実施した演習で、回転安定弾頭切り離し式ロケット弾 Nazeat を発射した。  Nazeat は4個のロケットを噴射して胴体を回転させて精度を高めるもので 、射程140km、弾頭重量230kgで、
CEP射距離の5%という。
2014.05.21 Jane's Defence Weekly IRGC unveils new missile development <1407-052111>
 イランの最高指導者ハメネイ師が5月11日に革命防衛隊
IRGC を訪問し、鹵獲した RQ-170 のコピー機や各種誘導武器を視察した。
 この日特に重要であったのは Fateh-110 の新型である Hormuz-1Hormuz-2 で、Hormuz-1 は ARM 、Hormuz-2 は ASBM であるという。
 イランの ASBM には、同じく Fateh-110 を元にした Khalij Fars があるが、Khalij Fars が EO/IR 誘導であるのに対し Horumuz-2 は RF 誘導とみ られる。
 このほかに YJ-62/C-602 と似た射程700kmの CM Ya Ali も公開された。
2014.05.13 Yahoo 時事通信記事

「イランが兵器製造支援=スーダンとの関係強化―報告書」

<1406-051302>
 スイスの独立調査機関 Small Arms Survey が12日、イランスーダンの兵器製造支援で重大な役割を果たしているとする 報告書を公表した。 報告書はイランとスーダンの軍事的つながりは年々強まっていると指摘ししている。
【関連記事:1301-121003 (読売新聞 2012.12.10)】
【関連記事:1211-103003 (毎日新聞 2012.10.30)】
 報告書によると、イランがスーダンに対し、中国に次いで大量の兵器を輸出していることも明らかになった。 イランと中国から輸入された兵器の一部は、スーダンや南スー ダンの反政府勢力の手に渡っているという。
2014.05.12 Yahoo 時事通信記事

「『米無人機の複製成功』=近く試験飛行―イラン」

<1406-051202>
 イラン国営テレビが11日、2011年12月に押収した米国の RQ-170複製に成功したと発表し、同機 とそっくりの機体が写った映像を伝えた。
 当局者は近く飛行試験を実施すると語った。
2014.04.30 朝日新聞

インターネット

イランのアザデガン油田、中国企業と契約打ち切り <1405-043004>
 イラン石油省が29日、南西部アザデガンの油田開発で、中国国営の中国石油天然ガス集団 (CNPC) との契約を、事業の遅れを理由に打ち切ると発表した。 CNPC は2012年に開発を始めたが 、計画にある油井185ヵ所のうち7ヵ所しか採掘できていない。
 イランは、近い将来の欧米からの制裁全廃を見越し、油田開発契約の見直しを進めており、関係者によると日本や欧州による開発 を望んでいるという。
 アザデガン油田は、日本が2004年に権益を獲得し日の丸油田と呼ばれ124億円を投じたが、イランへの制裁強化を米国に求められて2010年に撤退し CNPC が後を継いでいた。
2014.04 International Defence Review Iran plans to deploy Bavar 373 long-range SAM <1405-04009>
 イランが第五次整備5ヶ年計画が完了する2015年末までに、Bavar 373 長距離 SAM の 量産と配備を開始するという。 Bavar 373 の開発は、2010年にロシアが
S-300PMU-1 の売却計画を破棄したことで開始 され、イランは Bavar 373 の能力は S-300 を越える称している。
【関連記事:1211-110016 (JMR 2012.11)】
2014.03.12 Jane's Defence Weekly Iran rolls out ballistic missiles <1405-031213>
 イラン国防省が3月5日、Ghadr、Qiam、Fateh-110、Khalij Fars 弾道弾の部隊への引き渡し式を実施した。
Ghadr: Shahab-3 の最新型
Qiam: Shahab-2 の発展型
Fateh-110: 射程300km の
TBM
Khalij Fars: Fateh-110 の ASBM
2014.02.11 Yahoo ロイタ通信記事

「イラン、長距離ミサイルの発射実験に成功─国防軍需相=国営 TV 」

<1403-021102>
 イラン国営 TV が、長距離ミサイルを含む新たな国産ミサイル2基の発射実験に成功したことを国防軍需相が明らかにしたと伝えた。
 また国防相は、一基がレーダ回避能力を備えた次世代長距離地対地弾道弾で、もう一基がレーザ誘導ミサイル Bina だとした。
【註】
 ロイタ通信英語版の記事 'Iran test-fires long-range missile: minister ' によると、新型長距離弾道弾は破片効果弾頭を搭載するという。 またレーザ誘導ミサイル Bina は ASM/SSM であるという。
2014.02 International Defence Review Iran tests air-launched cruise missile <1403-020008>
 イランが実施中の演習で12月21日、Ghader CM を戦闘機から発射した。 2012年8月に初公開され た Ghader は、艦載型と沿岸配備型が報じられていたが、空中発射型は初めて報じられた。
 Ghader は中国製 C-802 のイラン型であるが、全長を C-802 より18~20cm延ばして燃料搭載量を増やし、射程を C-802 の120kmから 200kmに延ばしている。
2014.01.19 Defense News UAE-Iran islands deal would face major obstacles <1402-011902>
 イランが占領しているホルムズ海峡近く3島UAE に返還する交渉は、 オマーンの仲介で6月から進められており、大小 Tunbs島の返還では合意している。
 現在は残る Abu Musa 島の返還に向け詰めの交渉が進められていて、イランは同島周辺の海底権益を UAE は陸上における主権を確保する方向にある。
 この交渉に伴いオマーンは、湾岸地域全体を見渡す戦略的要衝である Ras Musandam 山脈の戦略的拠点をイランに提供する とみられる。
【註】
 ムサンダム特別行政区は、オマーンを構成する4つの特別行政区の一つで、ホルムズ海峡に面したオマーンの飛び地である。 飛び地領土の本体全体を指してムサンダム半島と も呼ぶ。
 ムサンダム半島は対岸のイランとの間にホルムズ海峡を形成しており、東はオマーン湾、西はペルシャ湾である。 地形は峻険で、1800mを超える山々がそびえる。  地理的にも経済的にも UAE との結びつきが強い。
Wikipedia
2014.01.13 Defense News Iran mulls replacement for Russian S-300 missile system <1402-011302>
 イラン国営 Fars News が13日にイラン国会議員の話として、
S-300代替機種の検討 を行っていると報じた。 イラン外相は S-300 に代わるシステムの引き渡しを求める方針であるという。
 ロシアは2007年に、イランに S-300 5個システムを$800Mで売却する契約を行ったが、国連決議と米国、イスラエルなどの圧力を受け、2010年に当時のメドベーエフ大統領が この契約を破棄したため、イランはジュネーブの国際法廷に$4Bの違約金支払いを提訴していた。