ステルス技術に関する記事

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2019.11.13 Jane's Defence Weekly Airbu lifts lid on decret LOUT UAV <2001-111301>
 Airbus社が11月5日、ドイツ政府のステルス技術開発計画の元に2007年から進めてきたステルス UAV LOUTを公表した。
 Manchingにある電波暗室で公開されたLOUTは12×12mの飛ばない機体であったが、この技術はフランスDassaultd社、スペインIndra社と進めている次世代戦闘機FCASに反映させるという。
2019.11.13 Aviation Week & ST Germany's stealth diamond emerges <1912-111308>
 ドイツAirbus社が2007年から開発しているステルス技術検証機LOUTが11月5日、報道陣にに公表された。 詳細はいまだに秘であるがステルス性はVHFからKa-bandという広帯域に有効という。
 全長、翼端長共に12mで重量4tの菱形をしたLOUTは、双発20tのUCAVを目指すものであるが、その技術は3ヵ国共同開発の次世代戦闘機FCASにも反映されるという。
2017.09.18 Aviation Week & ST Shaping things to come <1711-091806>
= 米空軍次世代爆撃機 B-21 のステルス性に関する4頁の記事 =
 B-2やB-21のRCS低減は、少なくとも30~300mHz帯域で有効とみられている。 電波吸収材は 30MHzで-20dB以上、3MHzで-10dBとされている。
2017.08.14 Aviation Week & ST Protecting the flanks <1710-081402>
= 米国のステルス技術の進展に関する5頁の記事 =
・Creaking the code
   "Specular"
   "Edges "diffract"
   "Traveling waves"
   "Creeping waves"
   "Edge waves"
・Protecting the six
・Hopeless diamons
・Broadband stealth
2016.11.07 Aviation Week & ST Cloaking devices <1702-110706>
= ステルス技術に関する4頁の記事 =
Electromagnetic materials
Dirty birds and pie panels
The roach motel
Edge treatments, silver paint and S-curbes
The "magic" layer and the future of ram
2016.08.29 Aviation Week & ST The radar strikes back <1610-082906>
= 対ステルスでの低周波レーダの有効性を説明した4頁の記事 =
 
2016.07.04 Aviation Week & ST Stealth science 101 <1609-070403>
 F-15、Su-27、Tornadoなどの第四世代戦闘機RCS10~15㎡であるのに対し、F-16や Typhoon、Rafale、Su-35、Super Hornetなどの第4.5世代戦闘のRCSは1~3㎡F-35やF-22のRCSはゴ ルフボール大であると言われている。 Su-35はRCS=3㎡の目標を400kmで捕捉できるということからすると、それぞれの捕捉距離 は以下の通りになる。
 ・F-15、Su-27、Tornado: 540~600㎞
 ・F-16、Typhoon、Rafale、Su-35、F/A-18E/F: 300~400km
 ・F-35: 58km
 ・F-22: 36km
 また、S-400の射程は以下のようになる。
 ・F-15、Su-27、Tornado: 316~350㎞
 ・F-16、Typhoon、Rafale、Su-35、F/A-18E/F: 176~145km
 ・F-35: 34km
 ・F-22: 21km
【註】
 この記事からSu-35がF-15を捕捉する距離を570km、F-15のRCSを15㎡と仮定しF-22のRCSを推定すると、ステルス性が求められていないF-15より-48dBで2.4㎤と言うこと になる。
 これは従来推測値として伝えられていたF-22のステルス性能-40dBより更に8dB高い値になる。
2016.04.10 Stars & Stripes How stealthy is Navy's new destroyer? It needs reflectors <1605-041003>
 米海軍の次期駆逐艦Zumwaltのステルス性能について、洋上試験が行われた際に近くにいた漁師がAP通信に対し 、全長610ftのZumwaltは彼のレーダに、40~50ftの漁船程度にしか写らなかったと述べた。
【註】
 両船のRCSの違いを単純に長さの違いの二乗とすると、Zumwaltのステルス性能-22dB~-24dBと言うことになる。
2014.10 International Defence Review Link-Tak develops new VHF warning radar <1411-100002>
 リトアニアの Litak-Tak社がポーランドで開かれた MSPO 2014 防衛博に、対空 VHF レーダ Amber-1800 を出品した。  Amber-1800 は140~180MHzの帯域に、帯域幅200kHzのチャネルを200個設定している。 最大捕捉距離は高度10,000m以上を飛行する航空機に対し 500kmである。
 アンテナは円形アンテナを2列に24個配し、分解能は距離1,100m、方位6.50゚である。
2014.09.22 Aviation Week & ST Plane spotting <1411-092204>  F-22 や F-35 は高いステルス性を持つと言うが、VHF など波長の長いレーダに対してのステルス性は明らかではない。  B-2 では無尾翼の形状や厚い電波吸収材により長波長に対してもステルス性を持つと言うが、F-22 や F-35 では冷戦時代 にソ連が装備していた P-14 Tall King や P-18 Spoon Rest などの VHF レーダに捕捉される可能 性がある。
2014.09 International Defense Review Tetraedr field tests TRS-2D VHF air surveillance radar <1410-090002>
 Teraedr社が、ベラルーシで開かれた MILEX 2014展に、TRS-2D 対空レーダファミリの VHF 型である TRS-2D VHF を出品 した。
 TRS-2D VHF は150~170MHzの帯域に101波を持ち、最大捕捉距離390km、高度27km、追随可能目標数250の性能を持つ。
 システムはアンテナポスト車と操作ポスト車からなり、最大100m離隔できる。
2014.03.03 Defense News S. Korean firm claims development of wideband radar absorbing material <1404-030304>
 韓国 Cony社が、全周波数域で-10dB以下の性能を持つ電波吸収体 (
RAM ) を開発したと発表した。 この RAM について韓国海洋大学が昨年11月に行った試験では、最大吸収率は98%(註:-17dB)であった。
 この成果は KF-X の開発に生かされるという。
2014.02 International Defence Review Sukhoi publishes PAK FA stealth patents <1403-020002>
 Sukhoi社が2013年12月下旬に提出した特許申請で、
T-50 PAK FAステルス性が明らかになった。
 Su-27 の RCS10~15㎡であるのに対し、T-50 の RCS は0.1~1㎡であるという。
【註】
 この記事からすると T-50 PAK FA のステルス性能は-10dB~-20dBと見られるが、F-35 は-30dB、F-22 は -40dBのステルス性を有すると伝えられている。
【関連記事:0508-040406 (AW&ST 2005.04.04)】
【関連記事:0903-020905 (AW&ST 2009.02.09)】
 因みに Su-35 のステルス性は-10dB~-15dBと言われている。
【関連記事:0402-010001 (IDR 2004.01)】
2010.09.29 Jane's Defence Weekly BAE Systems uses 'Replica' to test future stealth technology <1011-092902>
 BAE Systems社が1990年代から、ステルス技術開発用に Replica(註:右図は機体が上下逆の状態)を製造し、試験 を行っている。
 Replica の形状は F-22 や T-50/Pak Fa ににているが、飛翔を目指しておらず、開発した技術を将来の航空機設計、恐らく UCAV の設計に生 かすことを目的としている。
2010.05.24 Aviation Week & ST Surfacing stealth <1007-052405>
 F-35 のライフサイクルコスト低減のため Lockheed Martin社が採用した新しいステルス (LO) 技 術である 'fiber mat' が明らかにされた。
 既存のステルス機 B-2 や F-22 は電波吸収材のコーティングを要するのに対し、fiber mat は機体重量の42%を占めている複合材が融解した状態で混合 される。
2009.05 International Defence Review Boeing's Silent Eagle reveals stealth technology <0907-050038>
= F-15SE のステルス技術に関する記事 =
 Boeing社が F-15 をステルス化した F-15SE Silent Eagle を公表したが、外見上大きく異なるのは外向きに開いた垂直尾翼 コンフォーマル増槽だけであるため、これだけで40年近く経つ F-15 が Boeing社の言う4.5世代機になったかは疑問 である。
2009.03.24 韓国聯合ニュース

インターネット

国内で建造する艦艇にステルス機能を搭載へ <0904-032401>
 韓国国防科学研究所 (ADD) が24日、1999年から昨年にかけ91億4,000万ウォン(6億4,867万円)を投じて開発した高性能ステルス材料5種が、 艦艇と航空機の武器体系に適用できることが確認されたと明らかにした。 これにより早ければ今年から、韓国で建造さ れる水上艦や地上武器にステルス機能が搭載されることになる。
2009.03.19 韓国中央日報

インターネット

韓国に供給する F-15、ステルス機能適用も可能 <0904-031901>
Boeing社の F-15 将来計画担当副社長が18日、ステルス機能を備えた F-15 最新型の F-15SE (Silent Eagle) を、 2、3年内に生産できるようになるとし、ステルス機能は F-15K にも適用できると説明した。 F-15 に採用されるステル ス機能は、機体に電波吸収塗料を塗り、機内弾庫に武器を搭載する方式で、AAM 4発または 500-lb JDAM 4発を搭載でき る。  しかし構造的な限界から機体尾部から出る IR を抑えることができず、完璧なステルス機能を備えてはいないと評価されている。
 韓国空軍は2010年~2012年に F-15K 21機を追加装備する計画であるが、このうち2012年に生産される5機にステルス機能 が適用できる。
2009.02.09 Aviation Week & ST Raptor's edge <0903-020905>
 Lockheed Martin社は、F-22 の米空軍による追加調達FMS 輸出に期 待を寄せており、今年夏のパリ航空ショーに F-22 を参加させる計画である。
 価格の面では$142Mの F-22 は、500機の LRIP$200Mする F-35 より安い。 性能では 、ステルス性能が-30dBsmの F-35 に対して F-22 は-40dBsmと優れている。 さらに F-22 は Mach 1.78 のスーパークルーズ 性能と、アフタバーナ無しで50,000ft、アフタバーナ使用時に65,000ftの実用上昇限度という高々度性能を持っ ている。
2008.12.15 Aviation Week & ST Raising the ante <0902-121507>
 ロシアは否定しているものの、米政府はイランが SA-20 の導入を進めていると見ている。 ロシアは SA-20 の売却をベラル ーシを経由するなどして、直接売却を否定することもあり得る。
 Almaz Antey社製の SA-20 (S-300PMU1/2) は射程が概略100哩で、米政府はロシアの Su-35 や中国の J-11 より脅威であると見ている。 実際にグルジア紛争で NATO は、この種 SAM の存在を恐れて E-3 AWACS による監視を行わなかった例がある。
 SA-20 や SA-21 には RCS が全方向で-40dBsmである F-22 では対抗できるが、F-35 は-30dBsmと言っても全方向は保証できない。 特にステルス性のない F-15I や F-16I を保有する イスラエルは ECM で対抗するしかない。
【註 1】
 S-300 ファミリを整理すると以下のようになる。
  SA-10 : S-300P
  SA-12 : S-300V  (Antey 300)
  SA-20A : S-300PMU1
  SA-20B : S-300PMU2
  SA-21 : S-300PMU3 (S-400)
  SA-23 : S-300VM  (Antey 2500)

【註 2】
 RCS が-40dBsmとは1㎡/10,000㎡すなわち1c㎡-30dBsmとは1㎡/1,000すなわち 10c㎡であることを意味し、RCS=10㎡の戦闘機に比べるとレーダに捕捉される距離は、-40dBsmで1/18に、-30dBsmでは 1/10になる。
2007.09.10 Aviation Week & ST Family affair <0719-091004>
= 2007年度モスクワ航空ショウ =
 8月21日から26日の間、2007年度モスクワ航空ショウが開催され多数の航空機及び ASM、AAM等の各種ミサイルの模型が展示された。  注目されたミサイルとしては、Tactical Missile Corp. の Kh-38M ASM、Kh-31AD 対艦ミサイル、Kh-58USbK ARM 及び Novator社の KS-172 長距離 AAMと 空中発射型 3M-54 ASCM、3M-14K LACM、Marabou プラズマ方式ステルスシステムを採用した 3M-25 Meteorit 戦略巡航ミサイル等が展示された。
2007.09.03 Aviation Week & ST On Japan's doorstep <0719-090314>
 中国は初期型の核兵器を100~200基備え、最近は潜水艦発射の弾道ミサイル用核弾頭の開発を行っているほか、サイバ攻撃や UAV に よる電子戦攻撃を行う可能性もある。 但し爆撃機や CM 搭載用核弾頭の開発は行っていないもようである。
 日本は、中国や北朝鮮による軍事的示威、恫喝に対処する更なる防衛の強化が求められているが、米軍ではロシアの ステルス型 CM の開発にも懸念を示している。
 Kh-102 Raduga ステルス CM の飛行実験は最終段階に入ったとみられる。  電波吸収材を用いたステルス形状の機体は通常弾頭を搭載し Tu-160 や Tu-95 から発射される。 ロシアは更にプ ラズマ発生型のステルス技術をミサイル用に開発している。
2007.06.18 Aviation Week & ST Stealth rules <0714-061817>
 F-35 や海軍の UCAS-D に採用されている最新のステルス技術は高周波数に効果を発揮するが、F-117 を探知 できる低周波数に対してもステルス性を発揮するとみられる。
 AESA レーダは長距離から小型目標を捕捉追随できるほか、ビームを集中することで電子攻撃兵器にもなりう ることから、間もなく F-22 に電子攻撃能力が付与される。
 Raytheon社は、AESA 技術用いた MANPADS 対処試験を行っている。
2007.05.28 Aviation Week & ST S-shaped stealth <0712-052802>
 AESA レーダに代表されるレーダ技術の向上に対応して、ステルス技術の改善が継続的に進められている。 AESA レーダは小型目標、 特に遠距離から向かってくるステルス巡航ミサイルを捕捉できる。 レーダから機体を発見し難くするには、 特に排気孔周辺ののステルス化技術が重要であり、F-22 は大型の遮蔽物を使用、B-2 は階段状の排気孔を用 いて低識別化を図っている。
 現在、最新の技術として X-45 や UCAS-D の設計では S 型排気孔が用いられており、レーダ信号の反射削 減、排気孔の冷却及び赤外線の削減に高い効果を発揮する。
2006.11.06 Yahoo 産経新聞記事

中国製ステルス模型お披露・・・」

<0622-110601>
 中国の軍事技術を一堂に集めた航空ショーが広東省珠海市で開かれ、世界の30ヶ国以上からさまざまな戦闘機や爆撃機、衛星ロケット などが展示され、世界各国の軍事産業関係者らでにぎわった。
 測位衛星誘導の長距離ミサイルや大陸間弾道ミサイルが展示されるなか、とくに注目を集めたのは 「暗剣」 UAV で、コンセプト段階の模型だが、形状は米軍のステルス戦闘機に良く似ていて、ステルス性をもっている。
2006.07.26 Jane's Defence Weekly Skunk Works unveils Polecat <0616-072601>
 Lockheed Martin社が7月19日に Farnborough 航空ショーで、Polecat 高々度 UAV を公表した。 Polecat は 2003年3月に同社の自社資金で開発が開始され18ヶ月で完成したが、2005年まで飛行しないでいた。
 機体は翼端長が27m、全備重量4,000kgで、454kgの搭載能力を有する。 レーダに対 する極めて高いステルス性(VLO: Very Low Observable)を持ち、今後 U-2 の後継や Global Hawk の補完として使用することができる。
 一連の初期試験は終了しており、2006年後半には恐らくセンサを搭載した試験が行われ、その後高度限界である60,000 ~65,000呎での試験が行われると見られる。
(関連記事 AW&ST 2005.09.05)
2006.07.19 Jane's Defence Weekly Worth the cost? <0616-071914>
= ステルス/対ステルスの動向に関する4頁にわたる特集記事 =
J-UCAS の場合
英国の試行
Barracuda の場合
Active cancellation
戦闘機のステルス技術
 プラズマ TV スクリーンと同じ技術を用いたプラズマステルスでは20dBの効果。 元々は 3M-50 Meteorit 超音速 CM 用に開発された技術
( Meteorit 関連記事 AW&ST 2005.04.18)
各種対ステルスレーダ
  Nagira nanosecond GW radar
   ロシア製、300MWパルスの送信技術は未成熟 クラタも大
  Metrie VHF/UHF radar
   アンテナ開口は25m
  Jindalee bistatic OTH radar
   アンテナ長は数km
  Silent Sentry PCL (Passive Coherent Location)
   Lockheed Martin社製で TV 等の送信電波を利用
( PCL 関連記事 「携帯電話レーダに関する資料」)
  中国の OTH radar
   1960年代から研究、2000年代初期に試験を実施
  Vera-E passive radar
( Vera-E 関連記事 JDW 2004.10.20)
2006.04.26 Jane's Defence Weekly Hidden problems of stealth <0610-042609>
= JSF のステルス技術移管問題に関する論説記事 =

(ステルス性能等の具体的記述はない)

2006.03 International Defense Review Barrakuda technology advances <0607-030001>
 EADS社の Barrakuda ステルス UCAV 実験機のステルス技術は、BAE、Saab、Dassault などの 競合各社を凌いでいる模様で、そのサイズも全長9.5m、翼端長8.75mと、5,500kgの X-45A 並みである。
 エンジンには Snecma/Turbomeca社製 Larzac を搭載しているが、排気口形状から X-45A の F-124 などの更に大型のエンジンが搭載さ れる可能性がある。 しかしながら単純円形の排気口は実用機向きではなく、今後ステルス性を持たせた排気口に交換 される可能性がある。
(関連資料 JDW 2006.02.08)
 EADS社は UCAV 以外にもステルス機の研究を進めているが、同社は費用対効果から RCS は 同級機に比べて10~20dB減程度と見ている。
2005.10.03 Aviation Week & ST Stepped-up stealth <0520-100303>
 EADS社は有無人航空機のステルス化を推進するため、ドイツにレーダ信号測定用の大規模施 設を建設中で11月から使用を開始する。
 この施設の測定範囲は0.5~100GHzで、ステルス性能の目標としている0.001~0.01㎡ の RCS 測定を行う。 この目標値は F/A-22 の性能を10dB上回る。 また UAV については 0.0001㎡が可能としている。
 同社は独国防省から、ステルス UAV 技術実験機 Brrakuda の製造を受注し、偵察用の URAV (Unmanned Reconnaissance Air Vehicle) 及び攻撃用の UCAVの研究を進める。 ステルス UAV の本格的開発は URAV が2005年~2010年、 UCAV が2020年~2025年と予測されている。
2005.08.08 Aviation Week & ST Curtains for stealth <0516-080804>
 BAE Systems社は、戦闘機のステルス化技術について研究を進めており、機体の低識別化設計だけでなく RCS の低減に関する研究にも 重点を指向している。
 英空軍の Eurofighter Typhoon は元来ステルス機ではないが、同社はレーダ反射信号の低減に向け、様々な方策を検討しているとみら れる。
 同社は研究の細部を明らかにしていないが、他の企業筋は米露が開発中のプラズマ磁界を利用したものではな く、電波吸収材や特殊な補助システムによる、機上レーダの遮蔽や敵レーダに対する反射電波の拡散を研究して いることを示唆している。
2005.07.06 Jane's Defence Weekly Production techniques gear F-35 for stealth <0514-070610>
= F-35 のステルス性確保のため、製造段階での努力にする記事 =
 Lockheed Martin社が製造を担当する翼は、最大の複合材料部品で、同社が日本の F-2 開発 過程でその製造技術を習得した。
2005.05 Jane's Missiles & Rockets Use of add-on covers could make ordnance stealthy <0511-050009>
 Northrop Grumman社が、誘導爆弾に取り付ける RCS 低減材を提案している。 これ により機外爆装しても航空機のステルス性をあまり損なわなくなる。
 RCS 低減材は三層からなり(細部略)、JDAM の場合であれば弾体の上下面及び先端に取り付けられる。
2005.04.04 Aviation Week & ST The future stealth <0508-040406>
 米の国防予算は今後20年に大幅な削減が予想されるため、DoD が要求する安価で高性能な UCAV の実現を疑問 視する意見がでている。
 Boeing社は戦闘機、爆撃機、UAV 及び兵器を組み合わせて運用する検討を行う組織を創設し、完全なステル ス性能の追求だけでなく、High-Low Mix 装備、有人機との併用、ミサイル等のステルス化等を総合的に検討している。
 因みに F-35 の RCS は-30dBsm (ゴルフボール程度)、F/A-22 は-40dBsm (ビー玉 程度) である。
2005.01 International Defense Review Sukhoi Flanker aircraft benefit low-observable modifications <0503-010007>
 100機以上の Su-27/30 LO (Low-Observable) 改造を施され、ヘッドオン時の レーダ捕捉距離を50%低減している模様である。
 これらの Su-27 シリーズはインドや中国に輸出されていることから、昨年インドが米空軍の F-15C と行った 'Cope India' 演習で、 このシステムが使用された可能性が浮上している。
 LO 技術には RAM (Radar Absorbent Material) が使用され、以下の様になっている。
空気取り入れ口壁面に RAM を吹きつけ塗装
コンプレッサ前面に RAM を塗布
・F-16 で行っている Have Glass 及び Have Glass Ⅱ と同様に、レドーム内面に周波数選択スクリーン (FSS) を装着
2004.10.25 Aviation Week & ST Disappearing act <0421-102503>
 DoD は次世代の有無人機、特に昼間に低空で長時間滞空する機種にはこれまで以上にステルス性が必要と認識しており、機体を見えに くくする Visual Stealth の研究が DARPA で行われている。
 敵地の奥深く侵入させて運用する UCAR や HPM 搭載機は、目標から0.5mileの距離まで接近することとなり、RCS の低減や IR 放射の 除去では不十分となっている。
 研究は極秘裡に進められ、細部は明らかにされていないが、ある種のポリマーコーティングにより機体の色を変え、 周囲の背景に同化するものとみられる。
 技術的には極めて複雑かつ困難な状況にあり、技術検証までに少なくとも5年を要するとみられる。
2004.08.09 Aviation Week & ST Furtive exploration <0415-080901>
 フランスは戦闘機、UCAV 及び巡航ミサイルにプラズマ磁界を利用するアクティブステルス技術の実用化を目 指している。
 研究は2003年に開始され、基礎的なプラズマアンテナを作成した段階で、2~3年後の独、伊、スウェーデンと の共同開発への移行が期待されている。
 RFエネルギーをプラズマ磁界により吸収させるこの種技術は、米、露も1980年代から研究を進めており、特に ロシアは第五世代戦闘機と戦略巡航ミサイルへの実用化を目指している。
2004.05 International Defense Review JSF security technology costs up to US$1bn <0409-050001>
 JSF はアメリカにとって初のステルス機の輸出となるが、共同開発国に輸出される JSF は概観は同じで あるが、米国向けの機体よりステルス性能が劣ることが明らかになった。 JSF の開発費が$1B近くも超過して いる原因はステルス技術の保全に関する部分が多い。
 JSF は他のステルス機同様に、アクティブジャマや牽引式デコイを装備せず、ステルスモードの場合には AAM を高オフボアサイトで使用できない
2004.01 International Defense Review Hostile radar range cut on Su-35s <0402-010001>
= ロシアが公開した Su-35 戦闘機の RCS 低減策に関する詳細情報 =
 ロシアが開発した電波吸収体とステルス技術により、敵レーダによる Su-35 の発見距離を半分にすることに 成功した。
 ロシア科学アカデミに属する Sukhoi社の ITAE 研究所が100時間以上の Su-35 の RCS 低減試験と、プラズマによる RCS 低減の実験を実施した。
・機体の複雑な形状を多面体の集合として捕らえる数学モデルを開発した。
・空気取り入れ口の反射を低減するため強磁性体からなる電波吸収剤をタービンブレードに0.5mm~1.4mm厚で塗布し10~15dBの RCS 低減 を実現した。
・コックピット内からの反射を防止するため電波を反射するキャノピを採用した。
・金属とポリマの多層構造によるプラズマ堆積効果を利用した。 プラズマ技術は排気口及びアフタバーナのセ ラミックにも適用した。
・RF 波の透過/反射を切り替えるレドームの設計を行った。 レドーム内は硫化カドミウムかカドミウム/セ レンの薄膜半導体で覆った。
2003.09.03 Jane's Defence Weekly BAE lifts lid on Joint Strike Fighter electronic warfare suite  F-35 JSF に装備される統合型電子戦装置の概要が、徐々に 明らかになってきた。
 統合型電子戦装置の取り纏めは、F/A-22 の実績を持つ BAE社が担当するが、 JSF の電子戦装置は F/A-22 に比べ価格、重量の半減が求められている。
 F/A-22 ではステルス性確保のため、4開口面に156素子を配置した「見えにくいアンテナ 」が搭載されており、JSF も同様な形になると見られる。
2003.08.11 Aviation Week & ST Lo and behold
= ロシアのステルス技術の現状に関する紹介記事 =
 ソビエト時代の第2中央科学研究所はステルス研究を30年にわたり行っていたが、ロシアになってからは、TsNⅡ と名称を変え、低識別 (LO)/ステルス化技術の研究開発を行っている。
 ステルス戦闘機 PakFa の実用化は2015年以降とみられ、TsNⅡ はレーダ ー吸収材や機体形状といった従来の技術の他、プラズマによるアクティブステルス技術の研究を重視している。
 現在、開発の最終段階にある戦略巡航ミサイル Raduga Kh-101 をベースに LO/ステルス化する構想研究も並 行して行われている。
 TsNⅡ では PakFa や長距離巡航ミサイルの他、Tu-22M3 Backfire C の後継爆撃機の研究も同時に行われてい る。
2002.10.28 Aviation Week & ST Advanced stealth appears in Boeing 'BOP' prototype  Boeing 社が独自に開発した BOP (Bird of Prey) は次世代ステルス機開発のため大いに 貢献している。
 BOP は JSF 開発のため試作され、ステルス技術では優れていたが結果的には Lockheed Martin 社にプ ライムをゆずることとなった。
 同社のステルス技術は X-45 UCAV に引き継がれ、着々と成果をあげつつある。
2002.10.21 Aviation Week & ST Russians eye plasma fields to cut cruise missile RCS  ロシアのミサイル設計局は高々度巡航ミサイルの RCS を減少する方策として、プラズマ磁界を適用 する研究を行っている。
 プラズマは高周波エネルギーと影響し合いこれを吸収する性質を持っており、ステルス性を向上する。
 所要のプラズマを発生させるには低高度では極めて大きな出力源を要するため、高度 20,000m 以上の高速巡航ミサイ ルへの適用を検討している。
 ロシア国防省もまた、巡航ミサイルのレドーム内にプラズマ発生装置を取り付け、プラズマ磁界でミサイルを覆う構想研究を行ってい る。
2002.07.03 Jane's Defence Weekly MBDA trials active stealth techniques for future strike weapons  MBDA社が Thales社と共同で開発している 'Active Stealth' について、初めて明らかにし た。
 Active Stealth は巡航ミサイル等に使用する目的で開発されており、既に何回かの飛行試験が行われている。 MBDA社では2010年台 での実用化を目指しており、多分改良型の Storm Shadow/SCALP EG ファミリの 巡航ミサイルに取り入れられるものと見られる。
 Active Stealth にはコンフォーマルアレイを用いたスマートスキン式の TR アレイが使われ、翼前縁、操舵 翼面、エンジンのインテーク等 RCS が大きくなる部位に取り付けられる。
 レーダ波を受信し変調して再送信しても、レーダに識別されてしまうとの懸念もあるが、MBDA社は「その懸念はあるが、そのため、そ もそも発見されにくい巡航ミサイル等の低空小型ミサイルに利用する」としている。
2002.01 International Defense Review How LO can you go ?
= 米国のステルス航空機の変遷に関する記事 =
 1970年代に行われた「Red Team」運用分析を基に開始した F-117 と B-2 ステルス機の開発技術は、F-22 に引き継がれ現在は F-35 や UAV、UCAV に新しい技術と方法を取りいれながら進歩を続けている。
 米軍は1985年には 130機以上の B-2 爆撃機と F-22 を含み 800機のステルス機導入を計画していたが、ソ連崩壊により B-2 は大幅 に機数を減らし、1999年4月にセルビアで F-117 が撃墜されて以降、その衝撃は大きくステルス化、低識別化の研究が鋭意進められれ ている。
 ステルス機は当初言われていたほど万能ではなく、大きな問題は、F-117 や B-2 は対航空戦や目視による直接的な 地対空の脅威に対処する手段を持たないこととされている。
2001.10.31 Jane's Defence Weekly USAF enhancing capabilities of B-2  B-2 爆撃機の追加生産の是非が論じられている中、空軍は現存する21機の B-2A Block 30 の、戦 闘能力向上計画 (Block 40) を進めている。
 その1は、電波吸収体の改善 (AHFM: Advanced High Frequency Material) で、従来乗組員昇降口の様な アクセスパネルにステルス性確保に使用していたテープファスナの、約60%を取り除くことができる。
 AHFM により B-2 の整備性が通常の航空機並に改善される。
 その2は、弾薬搭載能力の改善で、B-2 が従来16発の 2,000-lb JDAM しか搭載できなかったのが、 80 発の 500-lb JDAM を搭載し、別々の目標に指向させることができる ようになる。
 EGBU-28 (Enhanced GBU-28) GBU-37 に代わり搭載が可能になる 4,700-lb 'bunker buster' で、既に Operation Enduring Freedom で使用されている。
 その3は、通信機能の改善で、Link-16 に加えて Ultra-High Frequency Extremely High Frequency SATCOM (satellite communication) 装置がが付加される。
2001.08.27 Aviation Week & ST Lockheed Martin touts JSF stealth improvement  Lockheed Martin 社は 空軍要求の JSF のステルス性は低すぎるとして、主契約を獲得 すれば改善を提案する用意があると主張している。
 JSF のステルス性は -30dBsm が要求値であるが、F-22 では -40dBsm であり、 JSF が装備化される8~10年後ロシアの SAM 開発の焦点は RCS の小さい巡航ミサイルや UCAV 対処となるものと思われ、不充分とし ている。
2001.06.20 Jane's Defence Weekly Counter-stealth: the unconventional approach  LO (Low Observable) 技術に多大の経費が投ぜられているなか、世界各国で安価な対ステルス技 術計画が進められている。
Tamara システム: HTT-Telsa 社(チェコ)
 LO 機が出すレーダー、無線、レンジファインダー、IFF 等の電気的信号から目標を探知、追随する
Silent Sentry passive detection システム: Lockheed Martin 社
 民間の FM 及び TV 放送局の電波が LO 機を照射した時に発生するドプラー信号を探知、追随する
携帯電話地上局を利用する検知システム: Roke Manor 研究所 (英)
 多数の民間移動電話端局を利用し、目標の位相変化から探知、追随する
「Passive Coherent Location システム: 中国が運用
 Silent Sentry と同様の原理と推定されている
2001.06.20 Jane's Defence Weekly Stealth Europe:
欧州各国のステルス技術開発状況
 1980年代後半に出現した F-117 や B-2 といったステルス機に代表される LO (Low Observable) 技術は米国の独壇場であったが、 欧州諸国の企業は着々と技術を蓄積し、今後 10年以内にステルス機を共同実用化する準備を行っている。
BAE (英)
 英国は米国とのステルス技術に関する協定を締結しているため、米国技術を他国にリリース出来ないことから、独自のステルス開発 、米国との JSF に関する研究開発及び他国とのステルス以外の共同研究を別々に実施している。
Dassault Rafale (仏)
 独自に行った巡航ミサイル MBDA Storm Shadow の LO 設計は米国が最大限の評価をし ている。 また、最近無人試作機 Aeronaf Varidation Experimentale の縮尺モデルを公表した。
Daimler Chrysler Aerospace(独)
 ステルス開発計画 TDEFS (Technology Demonstrator for Enhancement and Future System) を実施して おり、形状技術および電波吸収体技術を継続して研究開発中。
EADS' Military Aircraft(独)
 TDEFS を適用した Mako 軽戦闘機/訓練機プロジェクトを実施中の他、現在、Dassault、BAE、Saab (スエーデン)と ETAP (Europian Technology Aquisition Programme) と呼ばれるステルス試作機の共同開発に向け、数ヶ月以内にMoU締結 を準備中で伊とスペインが更に加わる予定。
2001.06.20 Jane's Defence Weekly Counter-stealth in the USA  米国の研究者は、ステルス機開発段階の初期から対ステルス及び対低識別化 ( CLO: Counter Low Observable) 技術の研究を併行して進めている。
 これは主としてステルス機の脆弱性に起因する識別技術の研究であるが、同時に LO (Low Observable) 脅威対処もその目的となっ てきている。
 CLO 技術は大きく通常レーダーの改善、ラジカルレーダー及びレーダー以外のセンサーの3つに区分される。
レーダーのアンテナを大きくする:海軍 YEZ-2A プロジェクト
レーダーの帯域を大きくする:海軍 WARLOC プロジェクト
低周波数及び超広帯域レーダーの開発
Bistatic レーダーの開発
2001.06.20 Jane's Defence Weekly Hidden agenda  米国の新しいステルス及び LO (Low Observable:低識別化) 改善技術はようやくヴェ ールを脱ぎつつあるが同時に、より実用的かつ輸出可能なステルス機の製造とその使用方法の検討作業が進められている。
 ステルス機の RCS は現在、-30~-40dB/㎡ とされているが最近行われた Lockheed Martin 社をはじめと する研究では -70dB/㎡ 以上の結果が得られている。
 ステルス及び LO 技術は大きく RAS (Radar Absorbent Structure) 及び RAM ( Radar Absorbent Material) に区分され、X-45B UCAV-N のような無人機と F-22、JSF、 F-117 及び B-2 に適用されている。
 特に F-117 は1999年にセルビアで撃墜されて以来、RAM の改善が行われ、機体の75% にシートタイプからスプレータイプの電波吸 収体が使われ、2005年に改善が終了する。
 今後の航空機輸出にあたっての問題点は、ステルス及び LO 技術の流出にあり、米国はその対応に苦慮している。
2001.04.23 Aviation Week & ST Stealth is still hot JSF topic  Lockheed Martin 及び Northrop Grumman の両社は、このほど JSF やその他の戦闘機に適用し得る 新しいステルス改善設計を明らかにした。
 これは機首に取り付けるセンサー用窓の形状と装着に関する改善で、機体構造と並行に設置することによりレーダー反射を狭くする 効果を持つ。
 両社はこの秋の JSF 機種選定で主契約社に指定されれば、2007年には EMD 段階の試作機にこの設計を適用したいとしている。
2001.03.19 Aviation Week & ST Stealth engine advances revealed in JSF designs
【JSF 試作機の設計にみるステルスエンジンの開発進展についての分析】
 JSF 試作機の開発機種選定は6ヶ月後に迫っているが、選定の要因には価格、信頼性、整備性及びステルス性、低識別性の改善が挙 げられる。
 特にステルス性に関しては Boeing、Lockheed Martin 両社とも電波吸収体 (RAM:Radar Absorbing Material )、エンジン部及び Weapon bay (兵装格納庫) に独自の設計を行っている。