2007年以前の中国製 MRBM/SRBM に関する報道

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2007.10.08 Defense News China's think and move Army <0722-100803>
 中国人民解放軍 (PLA) の主任務は台湾への侵攻にあり、軍の計画 'Joint Landing Campain' では陸海空軍による迅速奇襲的な統合 作戦計画が練られている。 侵攻は台湾の空港、港湾、主要都市に対し900発以上の DF-11、DF-15 MRBM によ る攻撃と空爆を行ったのちに、揚陸強襲艦と空輸により陸軍部隊を投入する。 陸軍は米国の Stryker BCT に類似した機動部隊により 迅速に全島を占領する。
 米軍の支援を阻止するため、沖縄及びグアム島の基地を DF-21 及び DF-31 で攻撃すると共に、ワシントン への DF-31A ICBM 発射を準備する。 また ASAT 及びサイバー攻撃により指揮通信 ネットワークの分断を図る。
2007.09.10 朝鮮日報

インターネット

中国、台湾を射程のミサイル・・・ <0718-091001>
 台湾国防部が立法院に提出した今年の『中国軍事力報告書』と台湾軍の『5カ年防衛整備計画』で、中国が 台湾を射程とする弾道ミサイルと巡航ミサイルを計900基配備していることを明らかにした。
 報告書では、中国軍が『東海10』(註:= DH-10 (Dong Hai-10)) 巡航ミサイルの改良を続け精度が高まり、射程も台湾全体はもちろん、 周辺国の主要目標も攻撃可能な能力を備えたとしている。
2007.08.15 Jane's Defence Weekly Theories mount over online Chinese missile pictures <0718-081518>
 中国のウェブサイトに PLA が撮影したと見られるミサイルの写真が掲載されたが、これが DF-21 の改良型である DF-25 と見られる。 DF-25 の開発は1996年に一旦中止されたが、1999年に再行されたと報じ られていた。 写真から現在は運用試験段階の模様で、2008年には運用開始になると見られる。
 DF-25 は射程が2,500〜3,200kmで、3個の弾頭を搭載すると報じられているが、写 真では2基の先端形状が異なり、左のミサイル(後方)は 3RV 型と見られるのに対し右(手前)は単弾頭型のようである。 このことか ら DF-25 には二種類の弾頭搭載型があると思われる。
 この写真はキャニスタの先端部が外された状態で、そこから推測するに、DF-25 は全長14m、胴径1.4m、発射重量 20,000kgの単または二段推進で、ペイロードは100〜200ktの弾頭を3個搭載する 3RV 型で 1,800kg、1MTの単弾頭搭載型では1,200kgと見られる。
2007.07.23 Defense News New Chinese missile at delingha? <0717-072303>
 中国は中央北部の Delingha のミサイル発射施設を改良しており、DF-21 と推測される中距離弾 道弾はインドのニューデリーとロシアのミサイル基地3箇所に指向しているとみられる。
 FAS が7月21日に発表した記事によると、Google 衛星写真で DF-4 の発射台が DF-21 搭載用 TEL (Tranport Elector Launcher) 12基 に替わっているのを確認した。 ミサイルの種類については DF-25、DF-31、DF-15 など専門家によって意見が 異なるが、ミサイルはインドを指向しているとする意見が多い。
2007.07 Jane's Missiles & Rockets China develops several DF-15 SRBM variants <0716-070002>
 中国は300〜350発の DF-15 を保有し、DF-11 と合わせて800発が台湾に向けられている。 また 200発程度の新型 LACM も台湾を狙っている。 DF-15 には以下のような各種バーションが開発されている模様 である。
DF-15C 侵撤弾頭型(右図)
 細長い弾頭を搭載し射程は600kmと見られる。
HPM 弾頭型 DF-15
 非核の HPM (High Power Microwave) 弾頭を搭載する。 この弾頭は Shaheen-1 または Hatf 3 用としてパキスタンへ輸出されてい る模様である。
核 EMP 弾頭型 DF-15
 1kT以下の核弾頭を EMP 発生用に搭載する。
長射程 DF-15
 かねてから報じられている射程が800〜1,000kmの DF-15 で、沖縄の米軍基地を攻撃 できる。
機動弾頭型 DF-15
 終末弾道で弾頭が運動する。
クラスタ弾頭型 DF-15
2007.05.26 Yahoo 時事通信記事

「台湾対岸にミサイル900基・・・」

<0711-052601>
 米国防総省は25日、2007年版の中国の軍事力に関する報告書を発表した。 報告書は、中国が1月に実施した ASAT 実験について触れると共に、昨年10月に日本近海に展開していた米空母キティホークの近くに中国の潜水艦 が浮上した事件に触れている。
 さらに、中国が昨年10月までに台湾対岸に約900基の SRBM を配備し、年間100基以上のペ ースで増強していると警戒感を示した。
2007.05.16 Yahoo 産経新聞記事

「中国、米空母攻撃ミサイル・・・」

<0711-051601>
 中国軍が、米空母攻撃用の対艦弾道弾の開発に着手するとともに、ロシアから超音速長距 離爆撃機も導入し、対米軍戦術を修正している。
 中国軍が改良に着手したのは、射程1,500〜2,500kmの東風21で、赤外線センサ を取り付けることで米空母攻撃も可能となる。 東風21は100基近くが既に配 備されている。
(関連記事 JDW 2006.01.25)
 また、早ければ年内にロシアから10〜20機の超音速長距離爆撃機 Tu-22M が売却ま たはライセンス生産契約される見通しだ。 Tu-22M は戦闘行動半径約4,000kmで、射程500kmの AS-4 を3基まで搭載できる。
2007.05 Jane's Missiles & Rockets US DoD inspects home market for 'sea-based terminal missiles' <0713-050021>
 米国防総省が Aegis 級艦船を弾道弾から防護する 'Sea-Based Terminal Missile' 計画を開始するため、3月13日に各社に提案を求めた。
 米国は、中国が機動能力を持つ弾頭の新型 TBM を開発していることを懸念している。
2007.05 軍事研究 質的向上続く中国のミサイル戦力 <0708-050002>
= 中国の SRBM、LACM の現状に関する10頁にわたる記事 =
YJ-6
 CSSC-3 対艦ミサイルの空中発射型で、1982年に空中発射試験に成功。
YJ-62
 YJ-6 の液体燃料ロケットをターボジェット化し、射程を200kmに延伸。
YJ-63
 YJ-62 を改良し射程、精度を向上。 中国空軍の3個連隊46機の H-6H が装備。 装備数は 100基で増加中。
2006.05.25 Inside the Pentagon Pentagon report: Chinese Ballistic Missile testing increased in 2005 <0615-052502>
 DoD が5月23日に公表した2006年版中国の軍事力によると、2005年の弾道ミサイル発射試験の回数が増加し ている。
 報告書では台湾海峡の兵力増強が更に図られ、射程1,000km以下の車載型 CSS-6 及び CSS-7 が710〜790基配 置され、年間100発以上の割合で増加している。
 長射程弾道ミサイルも近代化を推進しており、DF-31 の装備化が確認されている。 特に射程延伸型の DF-31A は米本土に到達可能である。 更に中国は Jin 級潜水艦に JL-2 SLBM を搭 載すると共に、対艦、対地巡航ミサイルの増強も同時に行っている。
2006.04 Jane's Missiles & Rockets Taiwanese MND warns of rise in SRBM threst by 2010 <0609-040032>
 台湾国防省は、台湾を狙う中国の DF-11 (M-11) 及び DF-15 (M-9) SRBM が700〜 800発に増えており、2010年には1,800発にのぼるとの見積を明らかにした。 SRBM が配置されていると 見られるのは以下の基地である。
  江西省 Leping
  江西省 Ganxian
  広東省 Meizhou
  複建省 Yongan
  複建省 Xianyou
 これは停滞している PAC-3 の予算実現を狙ったものと見られている。  台湾は現在3個中隊の PAC-2+ を台湾北部に配備しているが、新たに6個中隊の PAC-3 購入を要求している。 国防省は PAC-3 経費を予算要求から外したが2007年予算で再要求する方針である。
2005.10.19 Yahoo 共同通信記事

「弾道ミサイル訓練急増、中・・・」

<0521-101901>
 中国人民解放軍が保有する SRBM の発射が最近急増し、1年間に100発を超えるペース に上っている。 発射は訓練や実験とみられ、内陸部の基地で行われているが、実態について中国側は公表していない。
 発射急増は中国がミサイル技術近代化を急速に進めていることをあらためて裏付けている。
2005.09 Jane's Missiles & Rockets China nears deployment of DF-31 solid-propellant ICBM <0518-090004>
 米国防総省の年次報告「中国の軍事力」によると、中国は初の固体燃料 ICBM である射程7,250kmの DF-31 を 2005年か2006年に配備する模様である。 また射程を11,270kmまで延ばす DF-31A 及び DF-31 の SLBM 型である JL-2 の開発も進めている。 DF-31 の IOC は2005〜2006年、DF-31A の IOC は2007〜2009年 、JL-2 の IOC は2008〜2010年と見られている。
 中国が現有する弾道弾の射程と保有数は以下の通りである。
   ┏━━━━━━┳━━┳━━━━━┳━━━━━┓
   ┃      ┃註┃射 程(km)┃ 保 有 数 ┃
   ┣━━━━━━╋━━┳━━━━━╋━━━━━┫
   ┃DF- 3/CSS-2 ┃  ┃ 2,790+ ┃ 14〜18 ┃
   ┃DF- 4/CSS-3 ┃  ┃ 5,470+ ┃ 20〜24 ┃
   ┃DF- 5/CSS-4 ┃  ┃ 8,460+ ┃  20  ┃
   ┃DF-21/CSS-5 ┃  ┃ 1,770+ ┃ 19〜23 ┃
   ┃DF-15/CSS-6 ┃M- 9┃  600  ┃ 230〜270
   ┃DF-11/CSS-7 ┃M-11┃  300  ┃ 420〜460
   ┃JL-1    ┃  ┃ 1,770+ ┃ 10〜14 ┃
   ┗━━━━━━┻━━┻━━━━━┻━━━━━┛
2005.03 Jane's Missiles & Rockets Taiwan makes Chinese ballistic missiles claim <0507-030006>
 台湾の陳総統が1月31日に、中国が台湾を狙って配備した M-11 や M-9 は、合わせて706基にのぼることを明 らかにした。 これは2004年末に国防相が610発とした数を大幅に上回る。
 これらの SRBM が配備されているのは以下の場所である。
 ・江西省 (Jiangxi Province) :Leping、Ganxian
 ・広東省 (Guangdong Province) :Meizhou
 ・福建省 (Fujian Province) :Yongan、Xianyou 
2004.12 Jane's Missiles & Rockets Chinese missile threat to Taiwan increasing <0503-120005>
 台湾の総統、副総統、国防相が、台湾を狙った中国の M-9, M-11 などの SBBM, MRBM は610基に上り、 2005年中には800基に達すると指摘した。
 また国防相は、200基の射程1,600kmの巡航ミサイルについても言及し、現在中国の巡航ミサイル脅威は、90発のイスラエル製 Harpy だけであるが、CEP=10m の Hongniao LACM が今後1〜2年内に完成すると述べた。
2004.07.21 Jane's Defence Weekly Taiwan concerned over Chinese exercises <0414-072111>
= 台湾海峡を挟んだ両国の軍事演習に関する記事 =
 米国国防筋によると、 DF-31 ICBM は未だ開発、試験段階で、 実用化には至っていない。
2004.01.21 Jane's Defence Weekly Chinese puzzle <0402-012108>
= 中国人民解放軍の軍需生産の現状 =
M-9 弾道弾
 CSS-6 及び CSS-7 450発が上海軍管区に配備 されているが、台湾及び沖縄を狙った GPS 方式誘導への改良型の開発が進められている。
F-10A 戦闘機
 F-10A は、あと数年で運用開始。 空軍は200機の配備を考えて いるが、J-X 開発進展の状況によっては更に増える可能性もある。
FC-1/JF-17 戦闘機
 パキスタン空軍は、 F-6 の更新用に FC-1 の 取得を計画しているが、中国空軍の調達については、はっきりしていない。
Su-27 戦闘機
 Su-27 のライセンス生産は、年産15機のペースで順調に推移。
ジェットエンジン
 Kunlun U は F-7, F-8 戦闘機用のエンジン。 初の国内開発ターボジェットエンジンで2003年始めに量産開始。
 JH-7 に搭載する WS-9 ターボファンエンジンは Rolls-Royce Spey Mk 202 を基にした物で、間もなく量産に入る。
Type 093 原潜
Shenzhen 駆逐艦
2003.08.04 Aviation Week & ST Bulking up  このほど公表された DoD による中国の軍事力分析によると、最新型戦闘機と弾道ミサイルの増強に加え、人民軍は情 報/偵察監視能力の強化と UAV、UCAV の開発に着手しており、東アジアの軍事バランスが大きく変化しつつある。
戦闘機
 保有戦闘機の数量は昨年の3,400機から3,200機に減少したものの、これは近代化に伴う旧型 機の廃棄によるものとみられ、ロシアから最近購入した Su-27 や Su-30 を含め 第4世代戦闘機は150機と昨年より50%増加している。
 また、独自開発した J-10 (F-10) は既に少数機が就航し、数年後には運 用が開始されるとみられる。
弾道ミサイル
 台湾に指向する SRBM の数量は昨年の350発から450発に増加沖縄が射程に入る CSS-6 SRBM の改善も進められているとみられる。
 また、潜水艦発射の JL-1 が今年中に配備されるとみられるが、ICBM DF-31 は開発が遅れ配備は5年後以降と見積もられている。
宇 宙
 対衛星システムの開発をすすめ、2005年から2010年に配備されるとみられる。 偵察監視衛星に関しては2007 年を目標に25t級の Low-Earth 衛星と16t級の静止衛星の打ち上げを計画している。
 中国はまた、米軍のアフガンとイラクでの作戦運用を戦訓とし、特殊部隊の増強、戦闘車両による作戦及び UAV、UCAV の使用を積極的 に進める検討を行っているとみられる。
2003.05.29 Inside the Pentagon Report: U.S. nuclear,missile capabilities to remain superior to China's  CFR (Counsil on Foreign Relation) の報告によると、中国は弾道ミサイルと巡航ミサイルの近代 化と備蓄を進め、輸出を行っているが、軍の近代化と技術力は米国に比べ少なくとも20年は遅れている。
しかしながら中国は米国の NMD に対処するため今後 10〜20年間に ICBM 核弾頭の小型化や多弾頭、デ コイの搭載を図ると共に保有数の増強を図るとみられる。
 現在、中国は410〜440発の核兵器を保有しているとみられ、そのうち約140発が中長射程の 弾道/巡航ミサイル弾頭に、150発が爆撃機搭載爆弾に、残りが戦術核砲弾と見積もられており、2015年までに米国に指向する核ミ サイルを現在の10発から75〜100発に増加するものとみている。
 報告では更に、台湾に指向している400発の通常弾頭 SRBM を2010年までに600発以上に増強 し、状況悪化時には航空戦力とともに一挙に政経中枢を破壊するとしている。 ◇
2003.02.08 読売新聞

インターネット

中国、多弾頭ミサイル成功  中国は昨年12月、射程約1,800kmの中距離ミサイル「東風21」の多弾頭化実験に成功した。  中国が多弾頭ミサイルの発射実験に成功したのは初めてと見られる。
 発射実験は、同月中旬ごろ、山西省の人民解放軍戦略ミサイル部隊(第2砲兵)基地で行われ、多弾頭化方式では、 MIRV(各個誘導多核弾頭)技術が用いられたと見られている。
 一方、関係筋によると、昨年までに3回の発射実験を行った新型 ICBM「東風31」(射程約8,000km)は、早け れば今年夏ごろにも実戦配備が始まると見られている。 
 (註:「東風21」は DF-21 (CSS-5: 右図)、「東風31」は DF-31 のこと。)
2002.09 Jane's Missiles & Rockets CSS-5 Mod 2 may have released decoys  中国が7月上旬に行った DF-21 (CSS-5 Mod 2) の発射試験では、実弾頭の他に6〜7個のデコイ 弾頭が使用された模様である。 DF-21 は弾頭放出までに1,300nmを飛行した。
 DF-21 は HE 弾頭又は300kTの核弾頭を装備し、老朽化した液体燃料 DF-3A (CSS-2) IRBM の補完として、1990年代末から装備されてい る。
2001.10 Jane's Missiles & Rockets PLA exercises use missiles in anti-carrier role  中国が最近、弾道弾及び巡航ミサイルを使った着上陸及び対空母演習を行った。 この演習は、8月17日に米軍が南 シナ海で空母2隻を参加させて実施した演習(1日間)への対抗処置と見られる。
 演習では3発の 'JL-21A' SLBM (潜水艦発射弾道弾) が5,000km離れた目標海域に向け発射され、 同時弾着の訓練が行われた。 香港の情報筋によると、JL-21A の CEP は 50mと言われている。
 中国は2隻の SLBM 潜水艦を保有している。 SLBM 潜水艦は、元々12発の JL-1 (CSS-N-3) SLBM を搭載していたが、より射程の長い JL-1A に換装された。 JL-1A は、陸上発射の DF-21A (CSS-5 Mod 5) と類似していると見られ ていることから、JL-21A は JL-1A が改称した可能性がある。
1999.09.08 Jane's Defence Weekly Ballistic boom  世界的な弾道ミサイル脅威は新型の開発と、7種類の新型ミサイルの発射試験により、過去18ヶ月間で大幅に増 大した。 ここで言う7種類のミサイルとは、Ghauri 1、Ghauri 2、Shaheen、Agni 2、Taepo Dong 1、Shahab 3、Dong Feng 31 (DF-31)である。
 北朝鮮とパキスタン、イランは、1992年に Nodog 1 を基礎にした弾道弾の共同開発に同意したと見られている。
= 以下、上記弾道弾の紹介 =
1999.02.24 Jane's Defence Weekly China prepares to field new missile  
1996.05.27 日経新聞 中国、新型短距離弾道ミサイルを実戦配備  中国は榴散弾新型の短距離弾道ミサイル「党風15M」を開発し、実戦配備した。
1996.04.17 Jane's Defence Weekly Ballistic missiles