2008年のウクライナ情勢に関する資料

年 月 日
出   典
標     題
要         旨
2008.11.26 Jane's Defence Weekly Ukraian firms turn to China after Russia snub <0901-112612>
 ウクライナの軍事産業はロシアへの依存が低下したため、中国やその他の国に販売網を広げよ うとしている。 1991年に中国が Su-27SK を導入した頃にウクライナは44社が部品等をロシアに供給していたが、2006年には Su-30MKK 用に部品等を供給しているのは14社 になってきた。 更に Su-30MKI ではわずか2社になってしまった。
 このような中、Kiev's Radar Plant社は Agat社製の 9B-1101K を改良した、より性能の高い SARH シーカを生産しており、中国空軍はこれを使用できる状態にある。 また Phazotron-Ukraina社は、Su-27 搭載の NIIP N001 レーダの性能強化部品や、MiG-29 搭載 Phazotron社製 N019 レーダの性能強化部品 を製造している。
 中国ではウクライナからの部品輸入に、特に空軍が積極的である。
2008.10 Jane's Missiles & Rockets Russia and Ukraine officially bring an end to early-warning agreement <0811-100010>
 ウクライナ政府が8月31日、ウクライナ領内の2箇所にロシアの EWSMS 早期警戒システム設置を認めた1992年の 協定を終了したことを正式に発表した。 この協定破棄は2008年1月にロシアの上下両院で議決され、実質的に施設は閉鎖されていた。
 ロシアは2015年までに、ウラル南部や極東など、国内の5〜6箇所Voronezh-DM EWSMS を設置する計画で、現在ベ ラルーシ、カザフスタン、アゼルバイジャンに依存している EWSMS 設置を国内に限定する。
2008.08.27 Jane's Defence Weekly Russia agrees ti Black Sea Fleet talks wjth Ukaine <0810-0827005>
 ロシアのメドべーエフ大統領が8月18日、セバストポリを母港とするロシア黒海艦隊の取り扱いについて、ウクライナ と話し合う用意があることを明らかにした。
 8月7日に始まった南オセチア紛争で同艦隊がグルジアに展開したのをうけ、ウクライナのユーチェンコ大統領は8月13日に、黒海艦隊がセバス トポリを出航してウクライナ領海に入る場合は、ウクライナの許可を求めなければならないとの大統領令に署名している。
2008.07.09 Jane's Defence Weekly Ukraine resolute over departure of Russian fleet <0808-070906>
 ロシアの黒海艦隊が基地を持つクリミア半島について、6月23日にロシア外務副大臣が、年間$98Mである使用料の引き 上げを示唆したのに対し、ウクライナ外務省の主席報道官が、1997年に結んだ貸借協定が切れる2017年5月29日以降、ロシア海軍の駐留を認めない ことを明らかにした。
 また、この決定は交渉の余地がないものであるという。
2008.06.17 Yahoo 産経新聞記事

「露『クリミア半島返せ』 ウク・・・」

<0807-061701>
 モスクワのルシコフ市長が、クリミア半島はロシアに帰属すると発言し、悪化する両国関係をさらに刺激している。 クリミア半島の南端には ロシア黒海艦隊が2017年までの20年契約で基地を借りる軍港都市、セバストポリがある。
 クリミアは1954年、当時のフルシチョフ共産党第1書記によりウクライナ共和国に帰属が変更されたが、ルシコフ氏は この決定が憲法に反して行われたと主張している。
 これに対し、ウクライナ政府は1997年の基地貸与契約によっても帰属は明らかとし、2017年で基地貸与を打ち切るよう検討を始めた。
2008.06.16 Yahoo ロイタ通信記事

「ウクライナが NATO 加盟なら・・・」

<0807-061602>
 ロシアのイワノフ副首相が14日、ウクライナが NATO に加盟すればロシアとの軍事産業のつながりはなくなり、貿易面 での協力も縮小すると述べた。 更に副首相は、こうした両国間の分断がどちらにより痛みを生じさせるかは言えないが両国に痛みが生じるだろうと語った。
 ロシアはウクライナとグルジアの NATO 加盟に強力に反対しており、もし加盟すれば軍事行動をとる可能性があるとし ている。
2008.04.23 Jane's Defence Weekly Ukraine proposes schedule for the phased withdrawal of Russian Black Sea Fleet <0806-042305>
 ウクライナが4月15日に開かれたロシアとの外相会談で、1997年5月28日の合意に従い、遅くとも2017年までにクリミア半島から ロシア黒海艦隊が撤退するよう求めた。
 ウクライナ領のクリミア半島にはセバトポールを中心に、空母 Moskva をはじめとする54隻の水上艦と6隻の潜水艦 、4,512の陸上施設、98のビーコン基地があり、18,000の兵員が駐留している。
 クリミア半島を退去する黒海艦隊は、2005年からポロシスクに建設中の基地に移る計画で、一部は2010年に完成する。