2001年以前の台湾情勢に関する報道

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標     題
要         旨
2001.12.05 Jane's Defence Weekly Taiwan cancels Patriot contract  台湾政府は、Raytheon社と取り交わした来年度分の Patriot の技術支援契約を破棄した。 これは2000年12月に ミサイル防衛関係国防予算が$30M削減されたことによる。
2001.11.28 Jane's Defence Weekly Taiwan opts for RT2000 launchers  台湾陸軍が60基の Ray Ting 2000 (RT-2000, Thunder 2000, 註:「雷聴-2000」?) MBRL (Multi-Barrel Rocket Launcher) を購入する。 最終的な調達数は150基と見られている。
 RT-2000 は、117mm MBRL Kung Feng-6 (Worker Bee-6, 註:「拮蜂-6」?) の後継で、Oshkosh HEMT に積載され、以下の3種類の弾種を発射できる。
 ・射程 15km 117mm Mk15 弾 20発
 ・射程 30km 180mm Mk30 弾 9発
 ・射程 45km 230mm Mk45 弾 6発
2001.11.28 Jane's Defence Weekly Taiwan seeks AV-8B Harrier  台湾が AV-8B の購入を検討中で、米国政府への正式な売り渡し要求はしていないが、 Boing社との間で交渉が行われている。
2001.11.21 Jane's Defence Weekly USA seeks help to deliver Taiwan sub promise  米国が台湾に対し8隻のディーゼル型潜水艦提供を決めてから半年経つが、未だにどの様にしてこの取り決めを実施 するか決まっていない。
 米国は既に40年間もディーゼル型潜水艦を作っていないので、海外企業との提携が必須となるが、ヨーロッパ企業にはその意向がな い
2001.10.22 Defense News Pentagon seeks European sub designs for Taiwan  DoD は欧州及び国内の主要企業に台湾用デイーゼルエンジン潜水艦設計に関する提案要求を11月中旬を期限として行 った。
 米国は 4月に総額 $4B にのぼる兵器輸出を契約し、このなかに8隻のデイーゼルエンジン潜水艦が含まれているが、国内では製造を行 っていないため提案を求めたもの。
 中国は過去、この種軍事技術供与に不快感を示し外交上の強い対抗措置を行っており、企業の動向が注目される。  ◇
2001.10.10 Jane's Defence Weekly Taiwan announces order for Kidd-class  台湾は米国から4隻の Kidd級 DDG を購入することを決めた。
 米政府高官によると、これは米国が Aegis システムの売却を決めるまでの暫定処置で、Aegis 引き渡しは少なくとも2008年まではな いため、2004〜2008年の間のギャップを埋めようとするものである
 この商談には SM-2 MR Block Uも含まれている。
【註】Kidd-class DDG :
  排水量: 7,289t
  速 力: 33 knots
  武 装: Mk26 双連 SM-2 レール発射機×2
       Mk45 5inch砲×2
2001.09 Jane's Missiles & Rockets Taiwan tests supersonic anti-ship missile  台湾の新型対艦ミサイル Hsiung Feng Vの初ライブファイア試験が実施された。
 Hsiung Feng Vは、射程数百km、速度 Mach 2、重量 1,500kgのミサイルで、ロケットブースタで加速し、 ラムジェットエンジンで飛行する。
 試験に成功すれば、今年末に量産決定がなされる。
2001.09 Jane's Missiles & Rockets Taiwan denies developing tactical ballistic and cruise missiles  台湾の軍当局は、台湾が長距離対地攻撃巡航ミサイル (LACM: Land Attack Cruise Missile) 及び TBM を開発しているとの報道を、きっぱりと否定した。
 射程 1,000km の LACM といわれている Hsiung Feng UE は、対艦ミサイル Hsiung Feng U の改良型対艦ミサイルで、今年末に初試験が予定されている Hsiung Feng V対艦ミサイ ルで使用している新しい技術は使用していないという。
 射程 1,000km Tichin は、米国の反対で1982年に開発が中止された「天馬」の 開発が継続された物と言われ、フルレンジでの試験は実施されていないが、開発は完了しており、2005年には量産に 入るという。
 それ以外に天弓 SAM を SSM にした射程 100km〜120km の Tien Chi TBM も あり、最終的には 50〜100発が生産される予定である。
2001.09.05 Jane's Defence Weekly Taiwan evaluates EWR systems to counter Chinese threat  台湾は、2種類の対弾道弾用早期警戒レーダの評価を行っている。
 一つは FPS-115 Pave Paw の改良型で、もう一つは AN/SPY-1D(V) を基礎にした、回 転式アンテナのレーダである。
 中国は台湾に向けて350発の TBM を配備しているが、現在台湾は弾道弾を捕捉するレーダを保有していな い。
 これに対して中国は、米国のミサイル防衛の一翼を担うものと反発している。
2001.08.27 Defense News Taipei envisions domestic sub  台湾政府は中国海軍に対抗する軍事力強化のため、デイーゼル発電型潜水艦の国産化を検 討しているが中国の激しい抵抗が予想され、実現は困難な状況にある。
 台湾は潜水艦建造に必要な各種技術の供与を米国に求めているが、中国との摩擦を避けるため難色を示している。
 過去にオランダが2隻の潜水艦を売却した際、中国は外交官の引揚げ措置で対抗した経緯もあり各国は容易に応ずることはない模様。 ◇
2001.07 Jane's Missiles & Rockets Taiwan may have developed an ARM  台湾は「天剣-2」AAM を改造した「天剣-2A」ARM を開発している。
 天剣-2A は、米国が HARM の売却を拒否したことから開発が行われた。
 台湾はこの他 SEAD 兵器として MALD の様なミサイルを開発 している。
2001.06.27 Jane's Defence Weekly Taiwan carries out Patriot-2 live fire tests  台湾は先月 PAC-2 の実射試験を実施した。 この実射は Patriot の米国以外による初めての実射となった。
 試験は弾道弾を模擬した目標に対してと、MPQ-107 目標に対して行われた。
2001.06.20 Jane's Defence Weekly Russians talk subs with Taipei  ロシアの民間ペースと台湾の間で、ロシアの Kilo級潜水艦建造能力の移転について話が 進められている。 ロシア政府はこれを認めていない。
 台湾は、1987/88年にオランダで建造された潜水艇 2隻と、1940年代のアメリカ製潜水艦 2隻を保有しているが、その更新を切望し ており、6〜12隻の取得を希望している。
 ブッシュ大統領はそれまでの台湾政策を見直し、8隻のディーゼル潜水艦取得を支援するとしたが、まだ具体的な方法は見えていな い。
 現在考えられている露台間の取引は、ロシアの技術者を台湾に派遣して潜水艦建造技術を移転しようとす るもののようである。
2001.06.18 Defence News Taiwan officials prepare for their first missile-defence test  台湾は国内で初めてのミサイル防衛発射試験を準備中である。
 台湾の Modified Air Defence System (MADS) はペトリオットミサイルを使用し、中国からの弾道ミサイ ルから首都台北を防衛するシステムで、試験は台湾南部の発射試験場で 6月20日に予定されている。
 中国はこれに対抗して大掛かりな軍事演習を準備している。  ◇
2001.06.11 Aviation Week & ST Regional approach urged to brace Asian security
米国のアジア安全保障に関する分析
 ブッシュ政権は21世紀初頭から10年間の米国安全保障に関し、アジアの安全を重要な課題と位置付けた政策を強力に推進する。
 中国はロシアと友好関係を密接に深め、覇権主義を強めて行く方向にあり、米国は以下の政策を進めるものと予測する。
・中国を牽制する手段としてインドとの関係を醸成
・地域的防衛能力を維持するための日本の支援及び援助
・日韓関係の更なる緊密化を助長
・ベトナム及び台湾の世界貿易機構への参入による自由貿易政策の拡大
 台湾や日本の戦域ミサイル防衛を含めアジアの安全保障は予算的にも政策的にも米国単独でできるものではなく、友好国との緊密な 連携強化が必要とされる。 ◇
2001.05.30 Jane's Defence Weekly Taiwan to test-fire Patriot-2 Plus  台湾は来月に、装備している PAC-2 Plus の実射を台湾南部で実施する。
 PAC-2 Plus は、1993年に米国が輸出を許可し、1996年に台湾に引き渡されていた。
 中国は台湾に向けて、約100発の Dong Feng-11 (東風-11:M-11) 及 び、約300発の Dong Feng-15 (東風-15:M-9) TBM を配備しているとい われている。
 台湾は更に、6個中隊分の PAC-3 の取得を希望している。
2001.03.28 Jane's Defence Weekly Taiwan deploys Sky Spear extended-range missile  台湾は 'Tien Chi' (「天槍」)SSM を開発し、既に50発程度 を Tungyin 島ともう1カ所の、合わせて2カ所のサイトに配備している。
 このうち Tungyin 島では、サイロに入れられ、「天弓2型」SAM 中隊で掩護されている。
 'Tien Chi'は「天弓2型」を2段推進にしたもので、大陸まで届く射程を持っているが、 ペイロードは僅か100kgしかない。
 この大きさの弾頭では効果が望めないため、別の疑念がもたれている。
2001.03.28 Jane's Defence Weekly Beijing concern over US move to sell weapons to Taiwan  ブッシュ大統領は、4月末にも台湾への武器売却の決定を行うが、中国はこれに神経を尖らしている。
 特に Aegis システム搭載のアーレーバーク級駆逐艦については、その対 TBM 能力付与が未完であるにもかかわらず問題になって いる。
 中国はこれが1982年の台湾への武器売却制限に関する米中合意に対する重大な違反行為であると主張している。
 台湾が売却を希望している武器は30種類に及び、その中には Kidd級駆逐艦、AGM-88 HARM, P-3C, AIM-120 AMRAAM, JDAM, AH-64 Apache, M1 Abramsなどが含まれている。
2001.03 Jane's Missiles & Rockets Taiwan to test-fire supersonic anti-ship missile  台湾は4月に対艦ミサイル Hsiung Feng V (註:「雄風」?)の発射試験を、台 湾東方洋上で行う。
 Hsiung Feng V は台湾の第3世代対艦ミサイルで、亜音速であった Hsiung Feng TUと違って、ラムジェット推進により Mach 2 以上(一説では Mach 2.3)で巡航し、最大射程は明らかにされていないが、台湾タイムスによる と 600km(今までは200kmと見られていた)とされている。
 台湾では既に Hsiung Feng V の巡航ミサイル型の検討を開始している。
 一方、米国と台湾は、Hsiung Feng Vと類似の SS-N-22 を装備したソブレメンヌイ級駆逐艦(註:米海軍 EP-3 が偵察中に中国 の F-8 と接触事故を起こした駆逐艦)が配備されたことに強い関心を持っている。
2001.03 Jane's Missiles & Rockets Taiwan deploys missiles to Kinmen and Matsu  台湾は2000年初期に導入した Stinger と Avenger を運用開始した。
 両システムは、既に「天弓U」が配備されているボンフー諸島(註:ポンフー諸島は台湾本島の西、丁 度中国と台湾の中間地点に浮かぶ、人口12万人の小さな島々)に配備された。
 台湾は対艦ミサイル Hsiung Feng U (註:「雄風」?)を2000年末に金門島に配置している。  同じミサイルは既に馬租島に配置されている。
 台湾の新しいミサイルは3〜4月に行われる実射演習で、Patriot と共に発射されることになっている。 この演習では開発中の Hsiung Feng V の実射も行われるとみられる。
2000.09.13 Jane's Defense Weekly Taipei develops anti-radiation missile for Ching-Kuo IDF  中華民国(台湾)は、空中発射 ARM を開発中である。 このミサイルは航空管制レーダ(及び対空レーダ?)を 対象としている。
 システムの名称はまだ分からないが、AIM-7 Sparrow を元に開発した中距離 AAM である「天剣2」( TC-2: Sky Sword 2 )のシ ーカを改造したもののようである。 
2000.09 Jane's Missiles & Rockets Taiwan develops next-generation strike missiles  台湾は現存する2種類のミサイルの能力向上計画と、以下の4種類の新規開発計画を持っている。
・SSM
 短距離弾道弾「青蜂(Ching Feng)」、射程950kmの「天馬(Tien Ma)」
 に続く、射程1,000〜2,000kmの弾道弾
・天矛(Tien Chi)SSM
 射程300km、弾頭重量500kgの弾道弾
・対地巡航ミサイル
 ?蜂(Hsiung Feng)対艦ミサイルの発展型で射程は300km以上。
 Hsiung Feng Vとの説もある。
・ARM
 天剣(Tien Chien)2 中距離 AAM の派生型。
1999.03.10 Jane's Defence Weekly Taiwan puts $600m into missile programmes