2017年の中印国境情勢に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2017.11.24 China Defense Testing helicopters, manned and unmanned, armed and unarmed on the Tibetan Plateau <1712-112408>
 China Dailyが24日、AV500W回転翼UAVが11月18日に、チベット高原の青海省でASM 2発を搭載して海抜高度 4,300mを飛行したと報じた。 AV500Wは10月31日には高度5,006mを飛行したという。
 一方11月9日には、複数ロータUAVのXM20が、全備状態4,600mを飛行している。
2017.10.16 Yahoo 時事通信記事

「中印国境、再び緊張=『中国軍撤退せず』報道も」

<1711-101604>
 中国とインドの係争地ドクラム高地をめぐり、インドで再び中国に対する警戒感が高 まっている。  ドクラム高地をめぐっては、2ヵ月の対立の末、8月28日にインドが「両国が撤退を完了した」と発表し軍事的対立が解消して1ヵ月が経 過したが、Indian Express紙が政府筋の話として今月6日、中国軍はまだドクラム高地にいると報じ、インド軍などは神経をとがらせている。
2017.10.07 China Defense Photo of the day: ZTQ-15 light tank unmasked <1711-100708>
 中国軍が装備しているZTQ-15軽戦車は輸出用のVT-5と全く同じようで、 105mm砲のほかRWS、35mm AGL、12.7mm重機関銃を装備している。
【註】
 この軽戦車は、先般中国軍がチベット高原で試験したと報じられたものと同じとみられることから、中国軍はZTQ-15をヒマラヤ高地における対インド戦用に考え ている可能性がある。
【関連記事:1709-071212 (JDW 2017.07.12)】
2017.09.06 Jane's Defence Weekly India withdraws troops from disputed border areas <1711-090604>
 中国外務省が8月28日、中国軍とインド軍が2ヶ月にわたり対峙していた中国、インド、ブータンの 3ヵ国が国境を接するDoklam地方から、同日14:30にインド軍の兵員と装備が撤退したと 発表した。
 一方、インド外務省は、両国は停戦に合意に基づき相互に撤退したとしている。
 これについて中国外務省は、中国軍は引き続き現地でパトロールを継続しているとしている。
2017.08.28 Yahoo 時事通信記事

「中印、国境対峙解消に合意=ドクラム高地で2ヵ月超」

<1709-082804>
 インド外務省が28日、インド、中国、ブータン3ヵ国が国境を接するドクラム高地で2ヵ月以上にらみ合いを続 けていた中印両軍が、数週間の外交交渉を続けた結果、国境の治安要員の迅速な撤退で合意したと発表した。
 一方、中国はインド軍の撤退に伴って部隊を縮小する方針を示したものの駐留を続けると強調しており、国境 をめぐる問題の根本的解決には至っていない。
2017.08.20 日経新聞

インターネット

中国「1兆円支援」でブータン接近 インドと国境対峙 <1709-082003>
 ヒマラヤ山脈でインド軍と2ヵ月対峙する中国が、第三の当事国ブータンを自陣営に引き込もうと 外交攻勢をかけている。 中国は$10Bに上る経済支援をブータンに提示したとみられ、インドと共闘してきたブータンの対中姿勢は 軟化する。
 中国の外交官は今月上旬にインド人記者団に対し、ブータンがインド軍の侵入場所はブータン領ではないと明確 に伝えてきたと主張した。 侵入場所とは、ブータンと中国が領有権を争うドクラム地方ドラム高原で、インド陸軍と中国人民解放軍が6月から対峙している。 こ の外交官発言が事実なら、ブータンとインドの対中共闘関係のほころびを意味する。
2017.08.16 Yahoo 産経新聞記事

「中印国境対峙 中印軍、西部国境で小競り合い」

<1709-081602>
 Times of India紙など複数のメディアが、インドと中国の国境地帯の西部カシミール地方のラダック付近で15日 、中印両軍の兵士による小競り合いが発生したと報じた。 小競り合いは、両国の実効支配線で仕切られているパンゴン湖の北岸土手で起 きた。
 インド消息筋は同紙に対し、中国兵が2度にわたりインド領へ入り込もうとしたためインド兵 が阻止したところ、双方の間で投石などの小競り合いが発生したと明らかにした。
 中国兵は鉄棒を手にしていたもようで、両軍兵士が軽傷を負い、双方はその後現場から撤収した。
Pangong湖の位置 (Google Map)】
2017.08.03 NHK インド北東部の開発 道路整備などで日本が支援 <1709-080303>
 インドにとって戦略上重要な北東部の開発について、日印政府関係者ら40人が出席した会合が3日にニューデリーで開かれ、 日本が支援して道路などの整備を重点的に進めることで一致した。
 モディ政権は、ミャンマーと国境を接する北東部をインドと東南アジアを結ぶ戦略的に重要な地域と位置づけ、この地 域の開発を最優先の課題に掲げており、日本の支援を受けることで、北東部の開発に弾みをつけて、成長が続く東南アジアとの結びつきを強めたいと考えて いる。
【註】
 深度東北部は、1914年にチベット政府とイギリス領インド帝国の間で取り決め られた国境線「マクマホンライン」の有効性を巡って中印が国境紛争を繰り返して いる軍事的要衝で、中国がチベット側で道路、鉄道、空港などの整備を進めているのに対し、インド側ではインフラ整備の遅れが問題になっている地域である。
 この意味で日本政府がこの地域での道路網整備の支援に乗り出すのは、日本が中印国境紛争でインド側の支援に乗り出すことを意味する。
2017.08.02 Jane's Defence Weekly China to take extra measures on border amid stand-off with India <1709-080210>
 中国がインドに対し、自国領土を侵害していると抗議し、どれだけの代償を払っても主権を守ると警告した。
 中国は7月中旬頃に海抜5,000m以上のチベット高原実弾射撃訓練を実施し、その模様を国営TVを通じて報じ た。 この演習には迫撃砲、車載榴弾砲、
MRL、対空砲などの重火器と、ATMRPG、重機関銃なども参加した。
 また香港のSoutjh China Morning Post紙は7月18日、中国軍がチベットに数万㌧の軍事物資を輸送して演習を実施したと報じた。
2017.08.02 日経新聞

インターネット

中国、国境巡りインドに撤退要求 <1709-080207>
 中国外務省が2日、インド、ブータンとの国境地帯で続く緊張で中国の立場を説明する文書を発表し、 インド部隊が中国側の領土に侵入したとして無条件でのインド軍撤退を要求した。
 文書によると、インド部隊270名が6月18日に中国側に侵入しその後最多で400名が越境したと主張し、7月末現在で40名が中国領土内にとどまっているとしている。
 文書で中印境界は、1890年に中国と英国間で結ばれた条約に基づき決まっていると、 インド側による越境を示すとする写真も掲載した。
2017.07.27 Yahoo 産経新聞記事

「中印、国境対峙40日 強硬姿勢崩さぬ中国、インフラで領有の既成事実化図る」

<1708-072701>
 中国がドクラム地区での道路建設について官製メディアなどを通じ連日、インドを激しく非難し インド軍の撤退を要求しており、問題となっている道路建設は単なるインフラ整備ではなく、係争地を自国領に組み込む国策の一環と の見方が強く、習近平政権は南シナ海における人工島の造成同様、断固として推進していく構えである。
 中国外務省報道官は26日、問題を解決するには、中国領に不法に越境してきたインド部隊の撤退しかないと強調した。
2017.07.18 東亜日報 中国、インドとの国境付近で大規模な火力演習…国境紛争「一触即発」 <1708-071802>
 チベットとインドのシッキム、ブータンの3ヵ国の国境が接するトカラ地域で、中国がインドの領土に道路を 建設したためにインド軍が出動したとインドが主張し、中国はインド軍が国境を侵犯して中国軍が対応したと反論している今回の衝突は 、両国関係全般に深刻な悪影響を及ぼしている。
 こうしたなかChina Dailyなど中国国営メディアは17日、中国人民解放軍チベット高原 海抜5,000m地点で各種重火器を動員した大規模演習を行ったと報じた。 報 演習では山岳戦用に開発 された軽戦車も参加したという。
 中国メディアは今月初めにも、海抜5,100mの地域で陸軍部隊が実弾演習を行ったと明らかにした。
2017.07.12 Jane's Defence Weekly China confirms trials of new tank in Tibet <1709-071212>
 中国国防省の広報官が6月29日、陸軍がチベット高原新型軽戦車の試験を実施した ことを認めた。 この記事は画像と共に、中国のウェブサイトGuancha.cnで6月11日に公表されていた。
 この軽戦車は105mm砲を装備しており、形状はType 96やType 99Aに似た箱形をしている。
2017.07.05 Jane's Defence Weekly India and China exchange accusations of border incursion <1708-070511>
 中印間の
LoACのインド側でインドが支配するシッキム州で6月17日以来、 両軍のにらみ合いが続き、双方が非難の応酬を行っている。
2017.06.29 産経新聞

インターネット

インドの中国非難にブータン参戦 インドでは中国製品不買運動も <1707-062906>
 ブータンのナムギャル駐インド大使が28日、中国軍ドクラムにある ブータン陸軍の兵舎に向かう道路の建設を始めたとして、中国側に抗議したことを明らかにした。
 中国外務省はこれに先立ち、インド国境警備隊がシッキム地域の中印境界を超えて中国領に入り、ドンラン(ドクラムの中国名)で、中国国境部隊の通常の活動を 妨害したとインドに抗議していた。
 ドクラム高地はインド領に突き刺さる中国領チュンビ渓谷に隣接しており、南のインド主要部と北東部を結ぶ細長いシリ グリ回廊に中国軍が侵入すればインドは東西に分断されるため、一帯は戦略的に重要な地域であるため、インドはブータンに支援を与え、軍を駐留させている。
2017.06.26 Yahoo 産経新聞記事

「中国軍がインド側の塹壕破壊 中印がにらみ合い」

<1707-062605>
 インドのPTI通信が当局者の話として26日、中国人民解放軍が中印両国の境界を超えて印北東部シッキム州に侵入 したと報じた。 現地司令官同士の協議が20日に行われたが、緊張が続いているという。
 塹壕2ヵ所を破壊し、インド軍と10日間にわたりにらみ合いになっており、中国へ向かうインドのヒンズー教巡 礼者の一団も阻止した。
2017.06.21 Jane's Defence Weekly India to deploy armed Rudra helicopers near disputed border with China <1708-062112>
 インド陸軍が国産のRudra武装軽ヘリ1個飛行隊12機を、中国との国境に近いアッサム州に 配備する計画である。
 RudraはHAL社が設計製造した実用上昇限度6,000mのヘリで、機首のTHL-20ターレットM621 20mm砲、左右の固定翼に併せて4発のMistral ASMまたは12発ロケット弾 ポッド4基を搭載できる。
2017.06.06 NHKニュース 中国軍ヘリ インドに越境着陸か モディ首相が釈明要求へ <1707-060601>
 インドのスワラジ外相が5日、中国軍のヘリ2機越境してインド北部のウッタラカンド州に侵入 し、短時間着陸したことを明らかにした。 インド国営通信は政府関係者の話として、越境してきた中国軍の攻撃ヘリは5分間にわた ってウッタラカンド州にとどまったあと、中国側に戻ったと報じている。
 これについてインド政府は中国側を批判し、モディ首相が中国の首脳と会談する際に釈明を求めていく方針を明らかにした。
2017.04.26 Jane's Defence Weekly ... and begins first-ever joint military exercise with Nepal <1706-042610>
 中国軍とネパール軍が4月16日、初めての合同演習'Sagarmatha Friendship 2017'を10日間の日程で開始した。
2017.04.17 Yahoo 産経新聞記事

「ネパールと中国、初の合同軍事演習開始」

<1705-041702>
 ネパール軍と中国軍初の合同演習が、16日にカトマンズで始まった。 ネパール陸軍報道官によると、目的は対 テロで、25日まで10日間の日程で行われる。
 中国にはネパールへの影響力を強める狙いがあるとみられ、ネパールと安全保障や経済で密接な関係を持つインドを刺激しそうである。