2018年の極東ロシアに関する報道

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2018.12.30 東京新聞 ロシア軍、北方領土に防衛線 ミサイル増強構想判明 <1901-123001>
 ロシア軍が2020年までに千島列島や北方領土に地対艦ミサイルを増強し、全域を覆って防衛線を構築する構想があることが、共同通信が入手したロシア当局の内部文書から30日に分かった。 ロシア当局筋は文書が今年夏以降に作成されたと説明しており、記載されている軍備計画をプーチン大統領が承認したのかどうかは不明だが、千島列島における軍備増強などは、直近のロシアメディアの報道と符合する。
 米国に対抗する核戦力の拠点となっているオホーツク海を守る上で、北方領土を戦略上、重視していることを裏付ける内容で、実行に移されれば日本との平和条約交渉への影響は必至である。
2018.12.18 ロイタ通信

(Yahoo)

ロシア、北方領土の新施設に軍隊派遣へ <1901-121801>
 ロシア国防省が17日、北方領土に部隊を駐留させる新施設を建設したほか、装甲車両用の施設も建設すると発表した。
 ロシア国防省によると、12月25日に択捉島と国後島にそれぞれ2箇所新設した施設に軍人とその家族を派遣する意向という。
2018.12.13 産経新聞 露、極東に最新鋭潜水艦を配備へ ラーダ型 <1901-121307>
 露メディアが13日までに、露太平洋艦隊に最新鋭のLada型潜水艦を装備する新たな潜水艦隊を配置する方針を固めたと報じた。 Lada型は通常動力型で、原潜に比べて小型で静音性に優れるとされる。
 国営ロシア通信によると、Lada型はこれまでに3隻が起工し、一番艦Sankt Peterburgは2004年に進水し試験航行を続けている。 二番艦は来年に海軍に引き渡される予定のほか、三番艦は2021年以降に配備される見通しという。
【註】
 Kilo級の後継と見られるLanda型は水上排水量1,793t、水中排水量2,693tと、Kilo級の2,362t、3,125tに比べてかなり小型であるが搭載武器や速力などの性能はほぼ同級である。
 ただ一番艦が2005年に公試運転を開始したものの就役したのは2010年と、トラブルにより手間取っている。
2018.12.07 NHK ロシア軍 北方領土含む島々にレーダー基地設置か <1901-120701>
 ロシアのInterFax通信が6日、ロシア軍北方領土を含む島々にレーダ基地を新設したと報じた。 具体的に設置した島を明らかにしていないが、ロシア軍が2016年に択捉島と国後島に新型の地対艦ミサイルを配備したことと関連した動きとみられる。
 米太平洋艦隊が5日に、ロシアが主権を主張する海域に駆逐艦McCampbellを派遣して「航行の自由」作戦を実施したと発表した直後にレーダ基地の設置を明らかにした背景には、北方領土を含む地域を軍事的に重視する姿勢を改めて示す狙いがあるものと見られる。
2018.12.06 東京新聞 ロシア極東沖で航行自由作戦 米、過剰な主張けん制 <1901-120602>
 米太平洋艦隊の駆逐艦が5日、ロシア極東ウラジオストク沖のピョートル大帝湾付近を航行の自由作戦の一環として航行した。
 この海域で航行の自由作戦を実施するのは初めてで、国際法を逸脱する海洋権益を主張しているロシアを牽制する狙いという。
ピョートル大帝湾の位置 (Google Map)】
 米軍はウクライナ問題で緊張が高まる黒海でも航行の自由作戦を実施する準備を進めているという。
2018.10.12 産経新聞

(Yahoo)

ロシアが北方領土周辺海域でミサイル演習通告 「日本に配慮」の説明直後に相次ぎ <1811-101207>
 ロシア政府が日本政府に、北方領土周辺の領海などでミサイルの射撃訓練を行うと新たに通告した。 複数の政府関係者によると、ロシア側は11日に国後島の周辺海域などで14日~21日にミサイルの射撃を行うと伝えてきた。 ロシアは8日にも、10日~13日に択捉島の周辺海域などで射撃訓練を行うと通告してきており、活発な活動が浮き彫りになった。
 ロシアは今月、日本の要請に基づき9月の大規模演習北方領土演習地から外したと説明していたが、その直後に相次いで訓練を通告される形となったことから、日本政府は11日に外交ルートで抗議した。
2018.10.12 産経新聞

(Yahoo)

空自スクランブル、過去2番目の多さ 上半期561回 対中国機は58回増 <1811-101206>
 統合幕僚監部が12日、航空自衛隊機の緊急発進回数が今年度上半期で561回だったと発表した。 前年同期と同数で、半期ごとの統計を取り始めた平成15年以降で2番目の多さだった。 国別では中国機へが345回で最も多く、前年同期から58回増加して過去2番目の多さだった。
 ロシア機に対しては211回で前年同期から56回減ったものの、9月にはSu-35 1機が初めて確認されるなど、活発な活動を継続している。
2018.10.09 毎日新聞

(Yahoo)

露国防相 日本の要請受け、北方領土演習取りやめ <1811-100901>
 ショイグ露国防相が8日、モスクワを訪問中の河野統幕長から表敬訪問を受けた際に、ロシア軍が9月中旬に実施したVostok 2018演習の際、北方領土で演習を行わなかったのは日本の要請を受けたからだと語った。
 河野統幕長も、北方領土を演習地域から外したことを評価したいと応じた。
2018.09.21 時事通信

(Yahoo)

ロシア戦闘機 SU35 を初確認=日本海上空、空自機緊急発進―防衛省 <1810-092103>
 防衛省が、ロシアのSu-35が19日に日本海上空を飛行し、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進したと発表した。 Su-35はSu-24戦術偵察機などと3機で能登半島沖から北海道沖の日本海を飛行した。
 日本周辺空域でSu-35が確認されたのは初めてであるが、領空侵犯はなかった。
2018.09.17 Record China ロシア海軍が日本海で史上最大規模演習、日本の懸念招く―仏メディア <1810-091705>
 AFP通信が15日、極東やシベリア地域で今月11日から実施されているVostok 2018演習の一環として、15日に極東沿海の半島に位置するクレルク軍事演習場で、海兵部隊が航空機と砲撃の支援を受けて上陸演習が行われたと報じた。
 この上陸作戦演習についてロシア軍のカバレンコ少将は記者に対し「この訓練の特別な点は、太平洋艦隊の海兵、航空力、軍艦、砲兵、工兵、他の特技兵らが参加することだ」と述べたという。
2018.09.06 Military Times Nearly 300,000 troops ready for massive Russian war games to begin, general sayse <1810-090607>
 ロシア軍参謀総長が6日、300,000名を投入する過去30年間で最大規模の演習 "Vostok 2018" が来週開始されると述べた。 演習には中国軍とモンゴル軍も参加してロシア中央部と東部で行われ、蒙中国境から150kmのTsugol演習場で行われる最も熾烈な場面では、中国軍と蒙古軍がロシア軍の一翼となった作戦を展開する。
Tsugol の位置 (Google Map)】
 演習では大規模航空侵攻が模擬され、CM対抗システムも試験される。 海上機動演習もオホーツク海と北太平洋を舞台に行われる。
2018.09.05 Jane's Defence Weekly Shoigu outline Russia's massive 'Vostok 2018' exercise <1810-090504>
 ロシア中央軍管区のウェブサイトが、1981年に実施したソ連陸軍の 'Zzpad (west) 81' 演習以来最大規模の演習 'Vostok (east) 2018' を実施すると報じた。 Tass通信によるとこの演習は9月11~15日にヴォルガ、ウラル、シベリアにかけて29地区と、タジキスタンの第201基地、キルギスタンのKant空軍基地で行われ、300,000名の部隊と36,000点の装備が投入される。 またカザフスタンの部隊も参加する模様である。
 更にショルグ国防相は8月20日、中国軍とモンゴル軍も参加することを明らかにした。 中国国営メディアは8月21日に、中国は3,200名の部隊と900点以上の装備品及び30機の航空機を参加させるという。
2018.09.04 朝日新聞

(Yahoo)

ロシア艦艇28隻、宗谷海峡を航行 防衛省が発表 <1810-090401>
 防衛省が3日、ロシア海軍の艦艇28隻宗谷海峡を、オホーツク海から日本海へ航行したと 発表した。 防衛省による1日20:30頃~2日16:00頃に宗谷岬の北東210kmの海域で、海上自衛隊の艦艇や哨戒機が確認した。 冷戦後に日本側が公表した通過隻数として 最多になる。
 ロシア国防省は8月28日、「演習計画に基づき、艦船40隻が日本海とオホーツク海で活動中」と公表している。
2018.09.02 産経新聞

(Yahoo)

露軍機が日本列島を周回、空自スクランブル 東方経済フォーラムの前に「特異な飛行」 <1810-090202>
 防衛省統合幕僚監部が1日、ロシア軍Tu-142 2機が同日午後に日本を周回飛行するのを確認 したと発表した。 統幕によるとTu-142は北海道沖から反時計回りに飛行して対馬海峡を経て沖縄本島と宮古島間を通過後、太平洋を北上した。 空自は4個方面隊の戦闘機 を次々に緊急発進させ、不測の事態に備えた。
 同一のロシア軍機による日本列島周遊が明らかになるのは、昨年1月以来である。
2018.08.21 NHK 極東地域でのロシア軍大規模軍事演習 中国軍が初参加へ <1809-082103>
 ロシアのショイグ国防相が20日、来月行う大規模演習ボストーク2018に、中国軍とモンゴル軍が参加すると発表した。  この演習はが2010年以降、4年に1度行っており、今回は北方領土を含む極東シベリア地域で行われる見通しで、ショイグ国防相は 前例のない規模になると強調した。 ロシアと中国は6年前から毎年、海軍が合同で演習を行っているが、この演習に中国軍が参加するのは初めてである。
 中国国防省によると、中国からは3,200名とヘリを含む航空機が参加するという。
2018.08.04 NHK "北朝鮮が核開発継続 新たな手口で制裁逃れも" 国連 報告書 <1809-080404>
 北朝鮮に対する制裁決議実施状況を調べる国連安保理の専門家パネルが上半期について中間 報告書をまとめ、3日に制裁委員会に提出した。 報告書はウラン濃縮が行われてきた北朝鮮の核施設にある5MWの原子炉が2015年12月以降、今年2月から4月の数日間を除 いて稼働し続けており、北朝鮮が6月の米朝首脳会談で完全な非核化を約束した以降も核開発を続けているとしている。
 また今年4月に東シナ海の公海上でロシア船籍タンカーからベリーズ船籍タンカーに石油精製品を積み替えたのち北朝鮮の港で荷揚げされた 瀬取りが行われたと指摘し、発覚しにくいようした新たな手口だとしている。
 さらに北朝鮮が安保理決議で輸出が全面禁止された石炭を、今年3月~4月にベトナム沖の公海上で船籍不明の複数の貨物船に 洋上で積み替えたこともわかったとしたほか、北朝鮮との合弁企業の新設禁じた決議に違反して ロシアが建設分野などで合弁事業を行っているとしている。
2018.08.04 NHK ロシア軍 択捉島に戦闘機を試験配備か <1809-080401>
 ロシアサハリン州のメディアが3日、択捉島のヤースヌイ空港にロシア空軍の戦闘機が試験的に配備 されたと報じた。 NHKが入手した3日にヤースヌイ空港で撮影された写真では、Su-35が少なくとも3機駐機しているのが確認された。
 ロシア国防省は今のところ正式なコメントを出していないが、同メディアは、「今回の試験的な配備は、本格的な配備に向けた第一段階だ」と 報じており、ロシアが北方領土の軍備を着々と強化しているものと見られる。
2018.04.18 NHK 北方領土などで軍事演習開始 ロシア 兵士2500人以上参加 <1805-041804>
 ロシア軍が18日、北方領土の択捉島や国後島などで2,500名以上が参加する 大規模な演習を始めたと発表した。
 ロシア軍の東部軍管区の発表によると、演習が始まったのは北方領土の択捉島や国後島なども含まれるロシア極東のクリル諸島の演習場で、兵員2,500名以上と 戦車や迫撃砲などの陸上部隊のほか、海軍からは太平洋艦隊の艦艇も参加し、実弾射撃など実戦的な訓練を行うという。
2018.03.27 朝日新聞 ロシア軍、択捉島を拠点に迎撃訓練 基地化進む可能性 <1804-032702>
 InterFax通信が、ロシア軍が26日に択捉島の空港を拠点に周辺空域でSu-35が迎撃訓練をし たことを明らかにしたと報じた。 訓練をしたのは、ハバロフスク地方の基地所属の2機で、訓練後に基地に戻った。  択捉島にはソ連時代に戦闘機が常駐していたが、現在常駐する航空部隊はヘリコプタ部隊だけ とみられており、2月に同空港を軍民共用にすると発表して以来、本格的な軍事利用が明らかになるのは初めてで、今後基地化 が進む可能性もある。 基地化が進んで戦闘機が配備されれば、周辺空域のロシアの戦闘力が大幅に向上することになる。
2018.02.28 Jane's Defense Weekly Russia deploys two S-400 batteris near Vladivostok <1804-022806>
 Digital Globe衛星が2017~2018年に撮影した画像からロシアがウラジオストック近郊のS-300PSをS-400 2個中隊に換装 したことが明らかになった。
 2017年12月3日の画像ではウラジオストック東方のかつてS-300PSが配備されていた場所にS-400が写っており、2018年1月24日の画像にはウラジオ南方に2個目のS-400 中隊が写っていた。
2018.02.21 Yahoo 産経新聞記事

「露軍爆撃機2機、北方領土から沖縄まで飛行」

<1803-022102>
 統合幕僚監部が20日、ロシア軍のTu-95 2機が同日午前から午後にかけ、太平洋上空を日本列島に沿って沖縄本島付近まで 進出する長距離飛行を行ったと発表した。  統幕によると、2機は北方領土から太平洋に入り、八丈島の北方、沖大東島の南方を経て沖縄本島の南方まで進出したのち、再び八丈島北方を通過して引き返した後、 日本海に入りロシア側に去った。
 ロシア軍機が同様のコースで太平洋を沖縄付近まで飛行したのは、2013年11月16日にTu-142 2機が、同17日に Tu-95 2機が確認されて以来で、昨年1月24日にはTu-95 2機が日本海から逆時計回りに日本 列島をほぼ一周している。
2018.02.14 Stars & Stripes Russia's arms buildup puts Japan on defensive in islands dispute <1803-021406>
 先週2,000名のロシア軍が日本の北方領土の四島(ロシアは南千島と呼称)で演習を行った ことに対し、日本政府がロシアに対し正式に抗議した。