2008年のロシア情勢に関する資料

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2008.11.19 Jane's Defence Weekly Russian sub deaths lead India to postpone training <0901-111907>
 ロシア海軍の Type 971 級 (Akula-Ⅰ 級) 原潜が11月8日に日本海で、消火装置の故障からフロンガスを放出し、 20名が死亡、21名が負傷する事故を起こしたのを受け、同級原潜を10年間$700Mで借用する計画であったインド海軍は、 借用開始時期を当初計画の2009年8月15日から数ヶ月延期する。
 これに伴い、訓練のため渡露する40名の出発も見合わせた。
2008.10.22 Jane's Defence Weekly Russian MoD plans major restructure of its forces <0812-102208>
 ロシア国防省が2012年までに大規模な軍の再構築を行う計画である。 軍再編の主たるものは、現在軍管区、軍、師団 、連隊の四階層になっている指揮系統を、軍管区、作戦司令部、旅団の三階層化し、兵力を130万から 100万に削減する。 更に将校の数を33.5万から15万に、将官の数を1,107名から877名に減らし、15あった士官学校を6校に、4校あった軍大学を1校にする。 ただし 、少尉の数は5万から6万に増員する。
 このほかに、4個師団、1個旅団、数個連隊からなり34,000名を擁している空挺軍団 (Airborne Force) に1個空挺旅団を増強 し、6個軍管区にそれぞれ配置する。
2008.10 Jane's Missiles & Rockets Successful Russian SLBM launch refocuses press treatmnet on 'Delta Ⅲ' SSBN forces <0811-100016>
 ロシア海軍が8月1日、保有する RSM-50/R-29R (SS-N-18 Mod 3) SLBM を、2008年初めに北海艦隊に再就役した Delta Ⅲ 級 SSBN から発射する試験に成功したことから、マスコミの注目がこの両者の組み合わせに集まっている。
 現在の計画では太平洋艦隊の2隻の Delta Ⅲ 級 SSBN は、Borei 級 SSBN が完成するとこれに換装される。 Borei 級 SSBN は一番艦と二番 艦が建造中で、2007年に進水した一番艦は2008年に北海艦隊に配属される。 しかしながら Borei 級 SSBN の建造は3隻のみで、 4隻目からは Borei 改級になり、2040年まで使用される。
 Borei 級に装備される SS-N-X-30 Bulava SLBM は試験の失敗を繰り返したが、2008年初めに運用開始になったよう である。
2008.07.30 Jane's DefeceWeekly Russia revises foreign policy <0809-073004>
 ロシアのメドベージェフ大統領が7月12日、今後8~10年間のロシア外交の原則を定めた文書 'Foreign Policy of the Russian Federation' を発簡した。 内容は2000年6月にプーチン元大統領が作成したものと大きくは代わらないが、ページ数は二倍になっている。 国防の原則を定める 文書は2008年末か2009年初頭に発簡される。
 新外交原則では宇宙への武器拡散や BMDS の東欧配備に反対すると共に、NATO の拡大に対抗することを強調している。
2008.07.28 朝鮮日報

インターネット

ロシアが抱く「大洋海軍」復活・・・ <0808-072803>
 ロシア海軍総司令官が27日、2012年から5~6隻の航空母艦の建造を開始しすることを明らかにした。 現在ロシア海軍が保有する空母は1991年に 就役したアドミラル・クズネツォフ1隻だけであるため、空母の増強に重点を置いている。 クズネツォフは満載排水量67,000t の中型空母で、搭載可能な艦載機の数は約40機と、満載排水量が97,000tで約90機を搭載する米国のニミッツとは比べものにならない。
 またロシア海軍の元司令官が、地中海に恒久的な基地を必要としていると語り、冷戦終息後に閉鎖されたシリアのタル トゥースおよびラタキア海軍基地を復活させる計画を明らかにした。
2008.07 Jane's Missiles & Rockets Russian air-defence exercises feature live firings of SAMs <0808-070030>
 ロシアで防空演習が実施され、予備役1,200名を含む8,000名の兵員と、空軍、防空軍、陸軍の防空部隊 5個大隊が参加した。 演習は4月1日~21日、4月14~19日、4月19日~25日、4月22日~25日に行われ、4月22日~25日には黒海艦隊も参加し た。
 この演習にはロシア空軍機のほか、ベラルーシの Su-24 やカザフスタンの MiG-31 も参加した。
2008.07 Jane's Missiles & Rockets Russia's SAMs need upgrade, says minister <0808-070028>
 ロシアのイワノフ第1副首相が4月末に、2007年2月に開始された統合部隊防空計画を批判し、陸軍の移動型 SAM を更新する必要性を強調した。
 同副首相によると新型 SAM は輸出に回され、陸軍では旧式 SAM がそのままになっているという。
2008.07 International Defence Review After bearing the strain the Russian Air Force looks towards a brighter future <0808-070011>
= ロシア空軍の現状に関する2頁にわたる記事 =
PakFa
 第五世代戦闘機 PakFa は2007年12月中旬に組み立てが開始された。 2014年には配備 が開始される模様である。
Su-35
 PakFa の開発が遅延した場合に備える Su-35 は、2010年に配備が開始される。
Su-27SM
 Su-27 を多目的戦闘機化する Su-27SM は、最初の24機が2005年に配備され、2020年までの200機が予算化されている模 様である。
Su-34
 Su-24 を改造して全天候化する Su-24M2 は逐次部隊に戻っているが、後継となる Su-34 の最初の6機 が2007年末に配備され、2015年までに70機整備され Su-24M2 と交代する。
Tu-160
 Tu-160 は過去2年間に1機と限定生産が続けられており、予算化されれば2~3年間に更に2機を生産できる。
Mi-28
 最初の2機が2008年1月に配備され、2015年までに67機が装備される。
An-124
 搭載能力120t、航続距離9,400kmの An-124 輸送機は、新型の D-18T Series 4 エンジンを搭載した An-124-100M-150 になり、搭載能力が150t、 航続距離が10,800kmへと性能向上した。
2008.06 Jane's Missiles & Rockets Russian Navy chief identifies shortfalls <0807-060002>
 ロシア海軍参謀長が4月4日に、海軍の戦略兵力に不足を生じていることを認めた。 Bulava (SS-N-X-30) SLBM は 2008年も開発を継続中で、Borei級 SSBN の一番艦である Yuri Dolgoruky は94%完成しているものの、今年11月に就役する計画であった が難しい状況にある。
 Borei級 SSBN は、一番艦は北海艦隊に配属されるが、それ以外は太平洋艦隊の所属になる。
2008.04 Jane's Missiles & Rockets Belarus targets S-400 SAM system purchase <0805-040010>
 ベラルーシS-400 Triumf (SA-21) を購入しようとしていることを、空軍/防空軍司令官が明らかにした。  S-400 購入の時期は明らかにされなかったが、その前に Tor (SA-15) を2~3年内に購入するという。 ただ、購入する Tor が従来型なのか、 2007 MASK 航空展で公表された Tor-M2E なのかは明らかでない。
【 Tor-M2E 関連記事:0721-100001 (JMR 2007.10)】
 Tor-M2 は2008年に試験を終了し、ロシア軍への装備が開始される。
2008.03.07 朝鮮日報

インターネット

ロシアの爆撃機が領空侵犯、・・・ <0804-030701>
 ロシアの Tu‐95MS が5日午前、韓国の防空識別区域(KADIZ)に侵入し、日本海で韓米合同訓練を行っていた米空母 Nimitz 周辺をおよそ20分間飛行した。 Tu-95MS はこの日午前中、日本海の KADIZ 内で訓練を行っていた Nimitz 艦隊から3~5nmの地点にまで 接近し、高度610mで飛行した。
 韓国軍は大邱の第2中央防空統制所(MCRC)がロシア機の領空侵犯を発見し、韓国空軍の F-16 4機以上が出動すると共に、ニミッツからも F/A-18 2機が出動した。
2008.01.07 Aviation Week & ST Raptor meets Bear <0802-010706>
 昨年の11月22日に、米空軍の F-22 がロシアの Tu-95MS Bear H 2機と接近遭遇した。 F-22 2機が、空中給油機及び 指揮統制機と共にこの任に当たった。 通常この任務は F-15C が担っているが、同機の飛行停止措置により F-22 が代わった実施した。
 ロシアは昨年夏以来徐々に、カナダ、アラスカ、英国の沿岸での Bear の飛行を再開している。