2018年の注目される軍事技術に関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2018.12.27 Military Times Russia says its new weapon is 27 times faster than the speed of sound <1901-122703>
 Mach 27で飛翔するため迎撃が不可能とされるAvangard
HGVの飛翔試験は12月26日に行われ、ウラル山脈南部からカムチャッカ半島のKura射場まで3,700哩を飛翔した。
2018.12.27 NHK ロシア「極超音速兵器」来年から実戦配備へ <1901-122701>
 プーチン露大統領が26日、Mach 20で飛行する超高速兵器とも呼ばれる新型核弾頭Avangardの開発を終え、来年から配備する方針を明らかにした。 Avangardは発射試験で6,000km離れたカムチャツカ半島の演習場に計画どおり着弾し、一連の開発計画を終えたと明らかにした。  Avangardはロシアが15年前に本格的に開発を始めた全長5mの有翼核弾頭で、BMで打ち上げられ切り離されたあと水平に飛行し、敵のレーダをよけながら攻撃する能力があるとされ、BMDSに対抗するためのロシア軍の切り札の一つとみられている。
【註】
 AvangardはObjekt 4202,Yu-71またはYu-74とも呼ばれるHGVで、 UR-100UTTKhやR-36M2、RS-28 SarmatなどのICBMにMIRV弾頭として搭載される。
2018.12.18 Inside Defense Navy sets 2025 target for deploying offensive, conventional hypersonic strike weapon <1901-121811>
 米海軍作戦部長のリチャードソン大将が、潜水艦発射型超高速滑空弾
CPSを含む海軍の超高速兵器配備時期を2025年とすると述べた。
 これはトランプ政権の方針を反映して2016年に建てた目標を早めたものである。
2018.12.13 Inside Defense Air Force soliciting high-energy laser prototypes for base, aircraft defense <1901-121309>
 米空軍が小型化したレーザ兵器を航空機に搭載するより先に、敵の空投武器から航空基地を防護するため初期の試作機地上配備することを検討している。
2018.12.05 Inside Defense Navy advances work on new booster for potential submarine-launched hypersonic weapon <1901-120506>
 米海軍が先週、非核弾頭の潜水艦発射超高速兵器
IRCPS開発を加速するためLockheed Martin社に$28.5Mを追加支出することを決めた。
2018.11.29 Jane's 360 Technology advancements could reshape Joint Integrated Air and Missile Defense vision <1812-112906>
 米陸軍第32防空BMD軍司令官と
JIAMDO司令官がCSISのイベントで26日、AIの進歩により有人/無人機やUAVがミサイル防衛の領域を急速に変化させており、国防総省が進めているIAMD構想Vision 2020反映させる必要があると述べた。
2018.11.21 Jane's Defence Weekly DoD to prioritise laser scaling <1901-112108>
 米国防総省で研究開発を担当しているグリフィン次官補が
CSISの行事で11月13日に、出力数十kWのレーザ兵器2~3年以内に完成させると述べた。 更に1MW級のレーザをBMDのブースト段階及び中期軌道の迎撃用として軌道上に置くことを考えていると述べた。
 CSISの上席研究員でBMDを担当しているカラコ氏は同日Jane'sに対し、10kWのレーザ兵器がC-RAMC-UAVに使えると述べた。
2018.11.05 Jane's 360 US Army steps towards 2019 delivery of autonomous leader-follower convoy technology <1812-110508>
 米陸軍は省人力と人的損害の軽減を狙った自動操縦無人車両縦隊2019年にも配備しようとしており、陸軍
TARDECは10月下旬に民生用長距離トラック2両と軍用のM915トラクタトラック2両を用いた先導車追随車両縦隊の試験を2哩にわたり実施した。
2018.10.25 Military Times Russia claims US aircraft took control of drones in attempted attack on its Syrian base <1811-102506>
 ロシアの副国防相が25日、米国13機のUAVをシリアLatakia県にあるロシア軍のHemeimeem航空基地に向かわせ、地中海上空で米海軍のP-8 1機がその飛行を制御したが、これらUAVが目標に到達する前に全機を撃墜したと抗議した。
2018.10.22 Inside Defense Navy reviewing industry proposals for feasibility of fast tracking hypersonic weapon by 2022 <1811-102211>
 米海軍でTrident Ⅱ D-5を担当している部署が先週、海軍が2022年末の
EOCを目指し4年以内に開発を完了し装備できる艦載超高速滑空体 (HGV) について各社からの提案の検討を行った。
2018.10.12 Jane's 360 AFRL assigns X-60A designation to GOLauncher1 hypersonic test vehicle <1811-101209>
 米空軍が、空軍研究所 (
AFRL) がGeneration Orbital社と進めているMach 5~8を目指す超高速飛翔体GO1X-60Aと命名した。
 GO1はGulfstram Ⅲ (C-20A) から発射する安価で柔軟な試験機で、Phase Ⅰは2014年7月、Phase Ⅱは2015年8月、風洞試験に移行するPhase Ⅱ延長は2016年に発注され、2019年後半に計画されている飛行試験の機体を試作するPhase Ⅱ Follow-Onは2017年4月に契約されている。
2018.10.03 Jane's Defence Weekly US DoD set to receive funding boost for hypersonic, directed-energy weapons <1812-100306>
 米議会上下両院が採決したFY19国防権限法では、超高速兵器と
DEWの開発に、国防総省の要求に$617Mを追加配分した。
2018.10.03 Inside Defense DARPA awards contracts to develop booster for potential ground-launched hypersonic weapon <1811-100307>
 米DARPAが9月下旬、陸軍が砲兵火力を凌ぐ射程を目指す超高速兵器Operational Fires (OpFires) 発射用ブースタとなるロケットモータ開発に2社を指名した。
2018.10 International Defence Review Lockheed Martin secures second hypersonic air-to-surface weapon contract <1811-100009>
 米国防総省が8月13日、空軍とDARPAが2014年から
TBGとして開発してきた超高速滑空弾AGM-183A ARRWとして$480MでLockheed Martin社に発注したと発表した。 契約には最終設計審査 (CDR)、試験、量産準備が含まれ、契約期間は2021年11月30日までとされている。
 これとは別に国防総省は4月、Lockheed Martin社に、既存の戦闘機や爆撃機に搭載するジェットエンジン推進式超高速ASM HCSWの開発を$928Mで発注している。
2018.10 International Defence Review Dynetics, Raytheon chase HEL TVD prize <1811-100004>
 米陸軍
SMDCが、IFPCInc2-I Block 2での採用を狙うFMTV 6×6車搭載100kW固体レーザシステムHEL TDV開発の事前設計段階にRaytheon社とDynetics社グループの2社を選定しそれぞれ$10Mで発注する。
 IFPCInc2-IはUAV、CM、RAMからの防護を目指す陸軍の計画で、UAVとCMを対象としたBlock 1はAIM-9X級ミサイルを陸軍が独自に開発した多用途発射機MMLに搭載する。
 対象をRAMにまで拡大するBlock 2にはEMAMMHTK、Iron Domeの迎撃弾Tamirを元にしたSkyHunterの3候補が挙がっていて、2019年4月に機種が決定されるが、HEL TVDもBlock 2の要求を満たすとしている。
2018.10 International Defence Review DARPA effort seeks alternative to GPS <1811-100001>
 米DARPAが衛星に頼るGPSに代わり素子で実現する位置標定/航法/タイミング (
PNT) 装置を開発する原子光統合 (A-PhI) 計画を開始しようとしている。 A-PhIは光ICに接続するレンズ、鏡、プリズムなどの光装置を除去した小型のものになる。
 計画は構成品を開発するPhase 1と、システムを構築するPhase 2からなり、DARPAは18ヶ月かけるPhase 1のBAAを発簡した。
2018.09.28 ロイタ通信

(Yahoo)

フィリピン発明家の「空飛ぶスポーツカー」、初の公開飛行を披露 <1810-092802>
 フィリピンの発明家が、空飛ぶスポーツカーと称する一人乗りマルチコプタVTOL機の飛行を初公開し、10分超のフライトとホバリングを行った。 このマルチコプタVTOL機は6個のリチウムイオン電池16基の回転翼を駆動しており、1~2個が故障しても飛行を続けることができるという。 最大100kgまで積載可能で6mまで上昇でき、最大飛行速度は60km/hに達する。
 この動画がSNSに拡散したのを受け、オーストラリアのStar8社がパートナに名乗りを挙げている。
2018.09.17 Aviation Week & ST B-52 readied for intense hypersonic weapons test and depooyment role <1811-091707>
 現在米空軍が進めているAGM-183A
ARRWHCSWなどの超高速飛翔体の開発や2019~2020年に開始される試験で、大きな翼面や機内搭載能力を持つB-52Hが重要な働きをすると共に、第一世代の空投式超高速兵器ではB-52Hが役割を担いそうである。  B-52Hは今進められているエンジンの換装計画で2050年までは維持されることになりそうである。
2018.09 International Defence Review Oshkosh Defense contracted to develop US Army leader/follower technology <1810-090010>
 Oshkosh社米陸軍従属自動運転車両 (
ExLF) 計画の一環としてPLS車に自動運転装置を取り付ける契約を$49Mで受注した。 契約は2021年3月までになっている。
 ExLFは陸軍が進めている激戦地域への補給を無人で行う地上自動補給 (AGR) 構想の結果生まれたもので、6年間かけて3段階で進められる。
 Increment ⅠでOshkosh社はPLS 2両を受注し2017年9月に自動運転試験を行っている。
 Increment Ⅱでは更に4両を追加して6両で自動運転を行い、同社は現在10両での自動運転の契約を受注しており、2019年当初に安全点検を受ける予定である。
 また2019年当初には2020年はじめに行われる検証試験OTDに向け60両に自動化装置を取り付けを行う。
2018.09.19 Inside Defense Air Force sees 'easiest path' compared to Army, Navy to fielding hypersonic weapon <1810-091905>
 米空軍が空軍協会 (
AFA) の年次コンファレンスで、通常弾頭超高速ミサイルHCSWと二種類の試作品の片方を公開した。
 空軍によると米国にとってHCSWが最も実現しやすい超高速ミサイルで、早ければ2020年にもB-52搭載が実現できるという。
2018.09.13 Inside Defense DOD eyes Common Hypersonic Glide Body for use across Army, Navy, Air Force <1810-091305>
 米国防総省陸海空軍が開発している通常弾頭型の超高速兵器共通の機体
C-HGBに統一し、加速するロケットを各軍固有にする検討を行っている。
 C-HGBとして10年以上開発を経て、完成した技術をCPSに採用したいと考えている。
2018.09.03 Aviation Week & ST Beyond Ballistic <1811-090301>
 米MDA対象脅威BMから超高速兵器に移りつつある。 注目されるのがF-35の役割で単なる
BMEWだけでなく、BMの破壊まで行おうとしている。
 MDAは宇宙配備型迎撃システムでBMのブースト段階からポストブースト段階での迎撃を目指しているが、宇宙配備型迎撃システムで超高速弾を撃墜するのは現実的ではない。 こうしたなか2016年にはF-35BがBMを捕捉し、そのデータをNIFC-CA経由でAegis艦に伝送する試験に成功している。
【関連記事:1611-092108 (JDW 2016.09.21)】
 またAegis Ashoreの役割も期待されている。 FY18~FY20に行われたAegisの迎撃試験FTM-45、FTX-23、FTM-44、FTM-30ではMRBM迎撃に必要なデータ収集のほか、将来脅威対処に必要なデータ収集も行われたと見られる。
 更にTHAADの役割も期待されている。
2018.08.20 Aviation Week & ST Record flight showcases Zephyr pseudosatellite capabilities <1810-082003>
 7月11日にアリゾナ砂漠のYumaを離陸したAirbus社のZephyr Sが8月5日、25時間23分57秒の滞空新記録を打ち立てて着陸した。 この記録は2010年にZephyr 7が同じ場所で記録した14日間を大きく上回る。 また高度記録74,000ftも達成した。 Zephyr 7の飛行高度は40,000ft程度であった。
 英国防省は高高度疑似衛星 (
HAPS) と呼んでいる計画を進めている。
2018.08.20 Aviation Week & ST First U.S. Air Force Rapid Respose Hypersonic Weapon designated AGM-183A <1810-082001>
 中国の星空-2開発を受けて米空軍が最初に開発する超高速兵器AGM-183A
ARRWである。 ARRWはDARPAのTBGを継承するロケット加速式空中発射非推進超高速弾でLockheed Martin Missiles and Fire Control社が担当する。 TBGの開発では最終設計審査 (CDR) 段階での飛行試験を2019年に計画している。 開発の初度契約額は$480Mであるが初期生産分を含めた2023年までの開発費の総額は$780Mにのぼると見られ、2021年EOCを目指している。
 このほかに超高速兵器計画としてはHCSWがある。 空軍はFY22IOCを目指して4月にLockheed Martin Space Systems社に$928Mで発注している。
 ARRWとHCSWは共にロケット加速式であるが、DARPAは2013年にMach 5での飛行を実現したX-51Aの流れをくむスクラムジェット推進HAWCの開発も進めており、Lockheed Martin社のSkunk事業所とRaytheon社が受注を競っている。 Raytheon社はかつてのOrbita ATKl社で現在Northrop Grumman Innovation Systems社と連携してスクラムジェットの開発を進めている。
2018.07.25 Jane's Defence Weekly Raytheon details hypersonic weapon work <1809-072506>
 Raytheon社の先進ミサイル担当副社長がFarnboroughで7月18日に同社の超高速兵器開発について明らかにした。 そ れによると同社は高速滑空兵器 (
HBGW>HBGW) 計画2件scramjet推進兵器計画1件を進めている。
 HBGWではDARPAと米空軍が進めているTBG>TBG計画と、DARPA/陸軍のOperational Fires計画で、scramjet推進ではDARPA /空軍のHAWC>HAWC計画の受注を目指しLockheed Martin社と競っている。
 そのほかに同社は、内容を明らかにしなかったが対超高速兵器計画も進めている。
2018.08.07 Defense News Lockheed-Dynetics team and Raytheon locked in battle to build 100-kilowatt laser for US Army <1809-080704>
 米陸軍が2022年
WSMR試験を開始する計画のFMTVに搭 載した100kWレーザ兵器の機種選定を2019年初期を目標に急いでいるが、Raytheon社とLockheed Matin-Dynetics社が受 注を目指ししのぎを削っている。
 Raytheon社は先月に陸軍のHELTVDを$10Mで受注したと発表したが、Lockheed Martin社と組むDynetics社も6日に二度目のHELTVDを$10M で受注したと発表した。
2018.07.02 Defense Update Raytheon is building a 100kW tactical laser <1808-070204>
 Raytheon社が米陸軍の車載高出力レーザ (
HEL TVD) 計画を$10Mで受注し、FMTV車 に搭載する100kW級のレーザを開発している。
 HEL TVDはIFPC Inc2-IBlock 2 C-RAM/C-UAS計 画の技術検証計画で、Block 2でC-RAM能力が付加された。
2018.07 International Defence Review USN seeks hard-kill aircraft self-protection systems <1808-070002>
 米海軍が対空ミサイルの脅威増大から、ハードキル方式の航空機自己防護システムの検討に入り、2018年中頃に
HKSPCS RfIを発簡しようとしている。
 考えられているオプションは大型機や同行援護UAVの機内に搭載する2,300-lbシステムやポッド搭載の850~2,896-lbシステムまたはBRU-32爆弾弾倉搭載システムなどで ある。
【註】
 ハードキル方式航空機自己防護システムとしては、 Rafael社がヘリ用APS装置Flikerを開発し、RPG弾の迎撃試験に成功している。
【関連記事:1206-050203 (JDW 2012.05.02)】
2018.07 International Defence Review Rafael advances 'downscaleed' Trophy APS development <1808-070001>
 Rafael社が
IFVなどに装備するため開発している軽量型Trophy APSの試験は、今年後半 実施に向け準備が進められている。
 Merkava Mk 3 MBTに搭載するTrophyは850kgで容積が0.69㎥であるが、軽量型Trophyには重量520kg 、容積0.42㎥が求められた。
 このためTrophyはEL/M-2133 F/G-bandレーダと4面アンテナ、迎撃弾MEFPの発射機2基、自動給弾装置1基を搭載しているのに対し、軽量型 は小型の発射機2基と自動給弾装置2基を備えている。
 いずれの型もATGM、RPG、無反動砲弾に加え、MBTの発射する対戦車弾にも対応でき、リアクションタイムは300~350ms、最小捕捉距離20~30m、 撃墜距離10~30mの性能を有する。
2018.06.07 ロイタ通信

(Yahoo)

中国駐在の米外交官が一部帰国、原因不明の病気=米国務省 <1807-060702>
 国務省報道官が6日、中国広東省広州市駐在する複数の米外交官脳損傷 のような原因不明の病気を発症した疑いがあるため、帰国させたと明らかにした。 在キューバ外交官が訴えた症状に類 似しているという。
 New York Times紙は6日に、キューバと中国に駐在する米外交官に、音に関連した原因不明の病気が相次いでいる問題で、国務省が中国で異常な音 を聞いてから体調を壊した外交官をさらに少なくとも2名退避させたと報じた。
2018.05.29 Inside Defense Air Force seeks information on off-the-shelf, airborne laser to defend aircraft, bases <1806-052907>
 米空軍報道官が、航空機自己防護のため搭載する レーザ兵器の試作機を急いで開発し試験をする計画であることを明らかにした。
 High-Energy Laser Flexible Prototypeと呼ばれるこのレーザ兵器は既存技術を用いて契約から12ヶ月で作られるという。
2018.05.14 C4ISR net DARPA has a full team to grab drones mid-air <1806-051405>
 DARPAが進めているC-130から複数のUAVを発進させ回収するGremlins計画で最終段階となるPhase 3の担当が Sierra Nevada社 (SNC) グループに決まり、21ヶ月$38.6Mの契約が4月に行われたことが9日に明らかにされた。
 SNC社グループの回収システムはDynetic社が担当しており、同社は5月上旬にGremlin単機の空中での回収に成功してい る。 DARPAはこの試験結果から、目標とする30分以内に4機を回収できる目処がついたとしている。 DARPAは複数機 の発進回収試験を2019年末に計画している。
2018.05.09 DARPA HP Gremlins on track for demonstration flights in 2019 <1806-050910>
 米DARPAが2019年末を目標に進めているC-130からUAVを発進回収するGremlins計画は現在計画のPhase 3にあり、 計画通り2019年に飛行試験が行われる状況にある。
 最近Yuma試験場で行われた
CFTでは安全な発進と回収に成功しており、DARPAは4機を30分以内に回収するとの目標に 自信を持っている。
2018.05.07 Aviation Week & ST Power via laser beam moves closer to reality <1807-050709>
 シアトルの小企業PowerLight社は10年前にNASAの宇宙エレベータ構想にレーザを使って電力を供給する提案をして以来、 レーザビームでUAVやUGVに電力を供給する研究を行っている。
第一段階
 ファイバケーブルで70Wのレーザビームを送り、レーザ受信機の光電素子で電力に変換する。
第二段階
 地上に1,000ft離隔して固定された送受信機間で500Wのレーザ光をおくる。
次の段階
 移動するUAV/UGVを追随して電力伝送を行う。 狙っているのは300mから数㌔㍍を1kW送達する装置である。
2018.05.07 Aviation Week & ST Airborne recovery could expand operations by unmanned aircraft <1807-050708>
 米DARPAが21ヶ月間$32.5MにのぼるGremlins計画のPhase 3Dynetics社を選定した。  Phase 2まで競っていたGA社は脱落した。 Phase 3のハイライトは2019年後半に行われるC-130を用いたUAVの回収試験で、4機のUAVを30分以内に 空中回収することになっている。
 この計画でDynetics社はUAV搭載品の開発は行わない。
2018.05.03 Jane's 360 BAE Systems reveals PHASA-35 solar-powered HALE UAV <1806-050304>
 BAE Systemsが2019年の試験飛行に向け準備中の、1年間の滞空能力を持つPHASA-35 HALE UAV 構想を公表した。 1/4モデルであるPHASA-8(註:Zephyr 8のことか)は2017年に飛行している。
 Persistent High Altitude Solar Aircraft (PHASA) と呼ぶこのUAVは翼端長が35mもあるのに、重量は150kgでしかない。
2018.05 International Defence Review Light saber: US Navy HRLIOS award set to bring laser weapons into the fleet <1807-050008>
 米海軍が2月6日、初の量産型レーザ兵器
HELIOS 2基をLockheed Martin社に$150Mで 発注した。 2基は2020年に納入され、1基はWSMR、もう1基はDDG 51 Flight ⅡA駆逐艦に搭載 される。 その後14基が三次に分けて発注され、総額は$942.8Mになるという。
 HELIOSが目標とするのは小型舟艇とUAVで、出力は60kW~150kWになる模様である。
2018.04.18 Jane's Defence Weekly US Navy on track to install laser weapon on LPD 27 <1806-041810>
 米海軍がNavy Leagueで4月11日、かつて前方洋上基地艦 (
AFSB) Ponce に装備たレーザ兵器 LaWSの次世代型を、2019年2Qまたは3QにLPD 27 Portlandに搭載する準備を進めていることを明らかにした。
 但しPortlandへは外付けで他の艦載武器システムとの連接はないという。
2018.04.18 C4ISR net Dynetics wins $38 million contract for Gremlins drone program <1805-041808>
 C-130から安価で再使用可能な複数のUAVを発進させ空中で回収することを目指す米DARPAのGremlines計画は、$38.6Mかけて21ヶ月間行われる Phase 3にDynetics社が単独選定された。
 18日に公表されたところによると、同社は空中給油と似たやり方でUAVの発進と回収を行う。 同社によると 4機のUAVを30分以内に回収するのが目標であるという。 同社は航続距離が600哩以上のUAVを設計していると言う。
2018.04.18 Defense News Air Force awards nearly $1 billion contract for a hypersonic cruise missile <1805-041806>
 米空軍が18日、空軍が計画している2件の超高速兵器開発の1件目である超高速CMの開発に Lockheed Martin社を選定したと発表した。 この計画は超高速、通常弾頭の
ALCMを開発するもので、計画の総額は $928Mと見込まれている。 同社はかつてX-51A Waveriderを担当した実績がある。
 もう1件であるTBGはDARPAと協同で進めており、2022~2023年に試作する計画である。
【関連記事:1805-031405 (JDW 2018.03.14)】
2018.04.12 Jane's 360 Boeing makes investment in UK's Reaction Engines <1805-041210>
 Boeing社のHorizonX部門が、英Oxfordshine社が開発している
SABREエンジンで中心となっているReaction Engine社へ投資したことを発表 した。
 SABREエンジンはジェットとロケットを組み合わせジェット推進ではMach 5、超高速飛行と宇宙空間では ロケットモードでMach 25を実現するもので、Reaction Engine社は超軽量熱交換器を担当している。
2018.04.09 Jane's 360 Singapore’s Wigetworks readies production-spec Airfish 8 WIG craft <1805-040906>
 シンガポールのWigetworks社が2018年末までに量産型Airfish 8 (AF8)
WIG機の設計を完了 する。 同社は2機のAF8を試作している。
 AF8は全長17m、全高3.5m、翼端長15m、MTOW 5,550kgで、燃料を含む搭載能力1,150kg、速力120kt、巡航速度80~90kt 、航続距離300nmの性能を持つ。
 全備状態でも喫水は0.5mでしかなく、高度1~3mをWIG効果を利用して飛翔するが、障害物の飛越などに際しては 7mまで上昇可能である。
2018.04 International Defence Review Northrop Grumman launches testbed to help develop swarm tactics <1806-040014>
 米DARPAが将来の歩兵小部隊が装備する小型ロボット集団
OFFSET 計画をNorthrop Grumman社を中心に進めている。
【関連記事:1704-030008 (IDR 2017.03)】
 OFFSET計画は250以上のUAV及びUGV集団を操作するもので、Northrop Grumman社がとりまとめを担当している。
2018.04 International Defence Review US Army request expeditionary and mobile systems to counter, 'low slow, and small' unmanned aircraft systems <1806-040013>
 米陸軍が小型、低速、低高度UAVから部隊を防護する2種類の防護システムを速やかに装備する方針で、2月14日に
M-LIDS計画とE-LIDS計画の二件でRfIを発簡した。
 計画の詳細については明らかにされていないが、いずれの計画も誘導弾であるという。
2018.03.28 Jane's Defence Weekly USAF struggling with stabilising airborne lasers <1805-032803>
 米空軍が航空機搭載用に開発している自衛用レーザ
SHiELDのfont color=red>空間安定化に取り組んでいる。
 SHiELDは50kWレーザでF-15搭載を目指し2018年中頃に試験を開始する。
2018.03.25 Military Times Two Army brigade combat teams will get to test an autonomous robot vehicle this year <1804-032504>
 米陸軍が来週、2個
BCT 10個中隊の実員によるSMETの部隊試験を実施する。
 SMETは装備1,000-lbを搭載して歩兵分隊に随行する自動操縦UGVで、今まで各種試験が行われてきたが部隊試験は初めてである。
 試験は4候補機種のうちの1機種を選定して実施される。
2018.03.23 Defense News France tests radar to detect and track ballistic missiles, satellites <1804-032304>
 フランスがDRTLP(註:フランスの防衛研究局)と
OTHレーダをミサイル防衛に使用しようとしている。 また同 レーダは衛星の捕捉追随も視野に入れいているという。
 Oneraが22日、昨年末にミサイルの捕捉追随実証試験用として同レーダの1/8モデルを受注したと発表した。 高さ20mの試作品 は昨年、Biscarrosseミサイル試験場内のHourtinに向け搬送されている。
2018.03.21 Military Times Need to destroy a bunch of drones? New technologies target them and take them out <1804-032106>
 米陸軍とRaytheon社が
C-UAVとしてHPMHELの試験MFIE を2017年12月にオクラホマ州Ft. Sillの陸軍火力センタで実施した。
 この試験ではHPMで33機HELで12機合わせて45機のUAVを撃墜した。 Raytheon社はHPMと HELの組み合わせが有効と見ている。
2018.03.21 Defense News Laser weapon for KC-135 'still in the infancy stage' <1804-032105>
 米空軍当局者が19日、空軍は戦闘機やガンシップに搭載する
HPM兵器を開発しているが、この兵器を他のKC-135空 中給油機など他の航空機に搭載することも検討していると述べた。
 Lockheed Martin社は空軍との$26.3M契約で、SHiLDを開発している。 SHiLDはポッド搭載で、電源装置、 冷却装置、ビーム制御装置などが組み込まれる。
2018.03.21 Defense News U.S. Army successfully demos laser weapon on Stryker in Europe <1804-032102>
 在欧米陸軍がこの週末にStrykerに搭載したレーザ兵器
MEHELによる 実射試験に成功した。 MEHELは5kWのファイバレーザで、陸軍が2017年春にMFIE計画の一環として行った 試験では12機のUAVを撃墜している。
 在欧米陸軍はレーザと平行したC-UAV計画としてRF兵器であるCMIC計画も進めて いる。
2018.03.12 Aviation Week & ST UK's Magma UAV to demonstrate flapess fluidic control <1805-031209>
 英Manchester大学がBAE Systems社の協力の元で、操舵翼を使わずにエンジンの排気だけで飛行制御するMagma計画を進 めている。
 2017年9月に初飛行しUAVはMagmaの縮小型機で、現在は操舵翼で制御された飛行を行っている。
2018.03.12 Aviation Week & ST China's electromagnetic weapon surge <1805-031208>
 電磁式発射機 (
EML) の開発競争で3月7日に中国がポールポジションを取った。 米海軍は2016年までに 高速輸送艦JHSVに電磁砲 (EMG) を搭載する計画であったが計画中止 を決めている。 しかしながら海軍はFY19にBAE Systems社の155mm EMGに$45.8Mを計上している。 またもう少し小型のEMGであるGA社の Blitzerの開発も続行している。
 中国はEMLによる宇宙への発射装置を開発しているほか、射程200~600kmのEMGと、射程10~200kmの 自衛用EMG、更に射程10kmのレーザ砲を装備した"万能艦"を計画しているほか、ERL式の対潜魚雷発射装置長距離CM 射程600~1,000kmのBM発射装置も検討している。
2018.03.12 Aviation Week & ST Russian roulette <1805-031202>
 プーチン露大統領が3月1日に5種類の新型核兵器を公表したが、
 ・RS-28 Sarmat 200t ICBM
 ・Kh-47M Kinzhal
ALBM
 ・ロケット加速 HGV
 ・Status-6 核推進魚雷
 ・核推進 CM
射程2,000kmでMach 10のKh-47M ALBM9K723 Iskander-MをMiG-31から発射するALBMにしたものと見られるなど、核推進 CM以外は既に予想されたものであった。
 唯一予想外であった核推進CMも目新しい技術ではなく、1960年代に米国がPluto計画の元に射程180,000 kmの超音速低高度 (SLAM) GLCMとして開発している。 SLAMはエンジンを2基試作したものの計画は 1964年に中止になっている。
2018.03.08 Military Times Yemen coast a ‘live fire laboratory’ for firing lasers <1804-030802>
 米海兵隊司令官が議会下院歳出委員会で、イエメン沖合の米艦小型の脅威との戦闘のためレーザ 兵器を搭載したいとの考えを示した。
 同様のレーザ兵器は揚陸艦Ponceが装備していた。
2018.02.13 Defense News US Army could get laser for short-range air defense in under 5 years <1803-021307>
 FY19予算要求で、米陸軍50kWのレーザを
SHORADに取り入れようとしていること 明らかになった。 M-SHORADと呼ばれるシステムにはFY19で$118Mが投じられ、暫定システム3個大隊FY21末IOCを目指している。
 Boeing社とGD社が開発したStrykerとAvengerを組み合わせたシステムでもレーザ兵器の搭載も可能としており、陸軍はStrykerに5kWレーザを 搭載したMEHELをMFIX 2017展で公開している。 またLockheed Martin社もHEMTT車に60kW レーザを搭載することに成功している。
 米陸軍はサウスカロライナ州兵のAvenger 1個大隊だけに頼っている在欧陸軍のSHORAD能力不足に危機感を持っており、その強化が急務と認識 している。
2018.02 International Defence Review Australia seeks guidance on quantum technologies <1804-020001>
 豪国防省の科学技術 (
DST) グルーブが量子技術を防衛装備に取り入れる提案を大学、 企業、国立研究機関などに求めている。
 量子技術は2017年3月に豪国防省が設立した次世代技術基金AUD730M ($575M) でも優先課題の一つに挙げられており、DSTグループは量子センサ、測位システム、航法シ ステム、タイミングシステムなどへの応用を期待している。
2018.01.30 Jane's 360 Lockheed Martin to develop HELIOS laser weapon for DDG 51 Flight IIA destroyer <1802-013003>
 米海軍がDDG 51 Flight ⅡA駆逐艦に装備するレーザ兵器
HELIOSにLockheed Martin 社のAculightを選定した。
 HELIOSは60~150 kWHEL兵器で、FY20試験用としての 2基の納入を求めている。 【関連記事:1709-080004 (IDR 2017.08)】
2018.01.22 Jane's 360 ADS achieves 'world-first' functionally safe APS <1802-012205>

 Rheinmetall社の子会社であるドイツのADS社IECの安全基準IEC61508の安全基準 (SIL)3を、世界で初めてクリアしたAPS ADS-Gen3を開発した。
 記事の図はLeopardo 2A MBTに装着したTop Attackに対応したADS-Gen3である。

2018.01.22 Jane's 360 D13's MESMER applies RF manipulation for C-UAS <1802-012204>
 D13社がRaytheon社と共同で同社製MESMERC-UAV装置として米国防総省と試験を実施しており、 Black Dart C-UAS演習にも参加している。
 今まで民生用に使われてきたMEMERはJammingではなく、相手のUAV制御波に対しRF電力の優越乗っ取り、着陸させ たり追い返したりさせるものである。
2017.01.10 Jane's Defence Weekly ARL develops on-demand, 3D-printed micro-UAVs <1803-011008>
 米陸軍研究所 (
ARL) が3Dプリンタを使ってmicro-UAV数時間以内 に製造するソフトを開発した。
 これによりユーザは、任務遂行に必要なUAVをカタログから選択し、手な入れることができるようになる。
 右図は第2海兵師団第2戦車大隊のHettinga伍長が組み立て飛行させたmicro-UAVである。
2018.01.10 Inside Defense Navy eyeing laser weapon tech demo for next San Antonio-class ship <1802-011006>
 米海軍が
AFSB Ponceで行ったレーザ兵器の技術試験を発展させ、San Antonio級ドック型揚陸艦LPD-27 Portlandにレーザ兵器を搭載する計画を進めている。
2018.01 International Defence Review AFRL awards final component contract for SHiELD project <1802-010005>
 SAMやAAMから防護するため小型高出力レーザ兵器戦闘機に搭載する
SHiELD計画を進めている米空軍研究所(AFRL)が、2017年11月上旬にレーザ発振装置 LANCEの開発と量産化を$26.3MでLockheed Martin社に発注した。 AFRLはSHiELD計画を三分割し、レーザポッドを2016年12月に$90Mで Boeing社に、ターレットを2016年8月に$39MでNorthrop Grumman社に発注している。
 Lanceを受注したLockheed Martin社はファイバレーザを束ねた方式で2017年初期に陸軍のHELMTT用として 60kWを達成している。