中国の巡航ミサイルに関する報道

年 月 日
出   典
標       題
要             旨
2023.10.15 台北時報 China's DF-1000 missile a threat: defense officials <2311-101501>
 台湾国防部が議会に提出した報告書で、DF-1000超音速中距離CMの脅威を特に取り上げている。
 DF-1000はCJ-10の後継で2019年に北京で行われた閲兵式で公開されている。
 ラムジェット推進のDF-1000はMach 4で飛行し、上昇限度は30kmとされ、
IIR、衛星航法やINSで誘導される。
 射程は公表されていないが、CJ-10が2,000kmであったことから3,000kmを超えると思われる。 仮に2,000kmだとしても台湾、韓国、日本、及びフィリピン北部が射程圏内に入る。
 DF-1000は山東省のPLAロケット軍第656旅団に装備され、年内にはFOCになると見られる。
【註】
 この記事でDF-1000と呼んでいるCMは2019年に公表された射程が2,000~3,000km、速度がMach 4~5とされるDF-100/CJ-100のことではないであろうか。  因みに記事にある写真にはDF-100と明記されている。
2022.01.22 South China Morning Post Taiwan needs strategy to deal with PLA's YJ-12 missile, island's military says <2202-012204>
 台湾の海軍雑誌が、中国のYJ-12が台湾や米国にとっての脅威であると報じている。 YJ-12は陸海空いずれからも発射可能で速度でも射程でも米空母の防空能力を超えると報じている。
【註】
 YJ-12は全長6m、重量1tで、速力Mach 2.5~3.5、射程150~400+kmと見られている。
2020.11.11 Jane's Defence Weekly CCTV footage reveals H-6J is also in PLAAF service <2101-111112>
 中国国営CCTV 7が10月27日にH-6J爆撃機の映像を報じた。 報じられたH-6JはYJ-12ラムジェット推進レーダ誘導超音速対艦ミサイル4発を搭載していた。
 H-6Jは従来
PLA海軍航空隊だけが装備していると見られていたが、今日ではPLA空軍も装備している。
2020.08.26 Jane's Defence Weekly Media reports reveal details about 500 kg gliding sub-muynirions dispenser for PLAAF <2010-082610>
 中国国営CCTV7が8月15日、500kg非推進滑空型子弾散布弾 (sub-muynirions dispenser) を公表した。 2枚の折りたたみ翼と6枚のフィンを持つこのディスペンサの外見は2018年の殊海航空展で公表されたY6-Jと似ている。
 また米国のAGM-154
JSOWにも酷似している。 JSOWの場合は240個の子弾を散布する。
2020.02.26 Jane's Defence Weekly Images show PLAAF J-16 armed with YJ-83K <2004-022603>
 中国国営CCTVが2月16日、射程180kmYJ-83K
ASCMを搭載したJ-16の映像を放映した。 J-16は南京-湘潭を基地とすねる第40航空旅団所属で、YJ-83K 2発を搭載している。
 ターボジェット推進でMach 0.9で飛翔する全長5.3m、重量165kgのYJ-83Kは高度20~30mを巡航し、終末段階では高度5~7mで接近する。
2019.07.10 Jane's Defence Weekly China conducts anti-ship missile test-firing in South China Sea <1908-071007>
 米国防総省が7月2日、NBC放送が中国が6月30日から南シナ海で対艦ミサイルの発射試験を行ったと報じたことを追認した。 中国海上保安当局は6月29日からSubi島の北方110nmの100×60nmの海域に航路警報を出していて、ミサイルはスプラトリー諸島近海の人工施設から発射されたと見られる。
 発射されたのはラムジェット推進で射程が250~500kmYJ-12や射程1,500kmのDF-21D或いは4,000kmのDF-26
ASBMと見られる。
2019.04.17 Jane's Defence Weekly Thailand test-fires C-802A missile <1906-041710>
 タイ海軍が4月5日にアンダマン海で初めて、C-803A中距離
ASCMの発射試験を行った。 Type 053 HT(H)フリゲート艦から発射されたC-803Aは100km遠方の移動目標に向けMach 0.94で飛翔した。
 C-803Aは中国海軍が装備しているYJ-83の輸出仕様で、射程は15~180kmである。
2019.01 International Defence Review China's Hongda details HD-1 supersonic cruise missile family <1902-010002>
 広州市の鉱業及び産業用爆破の専門企業である轟達社が、輸出用の地上発射型対地/対艦用CM HD-1を開発した。 発射重量2,200kgのHD-1は固体燃料ラムジェット推進の超音速CMで、2,716~4,321km/h(註:Mach 2~4)で高度49,212ft290km巡航する。 また高度16~32ftでのシースキミング飛行も可能である。
 ペイロードは400kgの徹甲弾頭又は240kgの破片効果弾頭で、精度はファイバジャイロを用いた
INSとGPSでCEP20m、終末誘導にIRシーカを併用するとCEP≦10mという。
2018.11.14 Jane's Defence Weekly Image confirms ground-launched variant of Chine's YJ-12 missile is in PLA sevice <1901-111410>
 YJ-12ラムジェット推進対艦ミサイル陸上発射型の画像がネット上で公開された。 名称はYJ-12Bと見られるミサイルはCJ-10 CMと同じ5軸
TELから発射された。
 YJ-12の射程は500kmで、ラムジェット作動速度まではロケットブースタで加速される。
【YJ-12 (CM-302) 関連記事:1701-120803 (CMR 2016.12.08)】
2018.11.07 Defense Update New Missiles Unveiled at Airshow China 2018 <1812-110703>
 殊海で行われている航空展で、以下の各種新型ミサイルが公開された。
 ・HQ-8
 
AEW機の様な大型機を400kmの長距離から狙うHQ-8大型SAM
 ・CM-401
 CM-401 ASBM 2発を車載した陸上発射対艦弾道弾システムが公開された。
 CM-401はBP-12A TBMの対艦型と見られ、終末誘導はARHで行われる。 CM-401の主たる目標は空母を含む中大型艦になる。
 ・Fire Dragon
 Norinco社製のFire Dragon誘導ロケット弾220mmから750mmまでの各種が開発されている。
 ・HD-1
 HD-1 ASCMはロケットで加速される液体燃料ラムジェット推進高速超音速ASCMである。
2018.10.24 Jane's Defence Weekly Chinese company claims successful flight testing of HD-1 supersonic cruise missile <1812-102407>
 広東省の轟達爆破社が10月15日、輸出用に開発しているHD-1超音速CMの飛行試験に成功したと発表した。 固体燃料ラムジェット推進のHD-1はまだ実験段階で、開発完了時期は明らかでないが、Global Timesによるとパキスタンと中東の某国が関心を示しているという。
 特にパキスタンはインドのPJ-10 BrahMosシリーズ超音速CMへの対抗として見ている。
2018.10.17 Record China 爆破会社の開発した超音速巡行ミサイルが飛行試験に成功―中国 <1811-101703>
 鉱山やトンネル建設工事での爆破作業を手掛けてきた広州市の宏大爆破社が15日、開発してきた超音速CMが飛行試験に成功して終了したと発表した。 同社が開発中の超音速CMはHD-1と呼ばれ、同社は試験で発射装置、ミサイルの推進装置、飛行制御装置の検証を行い、発射や飛行モードの変更など、定められていた各項目が基準を満たし実験は成功したという。
 HD-1は固体燃料方式で、長年にわたり爆破業務を手掛けてきた同社が固体燃料を手掛けるのは整合性があると言える。
2018.07.11 China Defense CCTV capture of the day: CJ-10 ground-based land-attack missile's parking cave <1808-071106>
 (記事なし、写真3枚のみ)
2018.06.27 Jane's Defence Weekly Images show possible YJ-18 ASCM in Shang-class sub <1808-062708>
 中国CCYVが、習主席が6月11日に北海艦隊の商級 (Type 093) 攻撃型原潜を視察した映像を流した中に、明らかに潜水艦発射型YJ-18
ASCMのキャニスタと見られるものが写っていた。
 YJ-18はロシア製で三段推進の3M-54とよく似た駆逐艦程度の艦船を攻撃する射程290nmのASCMで、 宋級 (Type 039/039G)、元級 (Type 039A/B/C)、商級 (Type 093/093A/093B) 潜水艦のほかも Type 052DType 055駆逐艦にも装備する。
【註】
 3M54はロケットブースタで発射加速してジェットエンジンで巡航し、目標に接近するとロケットモータでMach 2.9まで加速する。
2018.06.06 Jane's Defence Weekly Chinese missiles to receive jamming-resistant antenna <1807-060612>
 中国国営Global Timesが5月24日、23~25日に開かれた第9回中国航法衛星コンファレンスで北京のLi Gong航法技術社が、北斗測位衛星 の信号を妨害環境下でも受信できるアンテナを今年後半にミサイルに 搭載すると発表した。 このアンテナは既にH-6やJ-15には搭載されており、新たに搭載するミサイルとはYJ-12
ASCMやCJ-10 LACMと見られる。
 このアンテナは従来のアンテナであれば1Wの妨害源から10km離れていても影響を受けていたのが100mまで大丈夫 だという。
2017.11.05 China Defense Satellite imagery of the day: Type 093 (Shang Class) nuclear-powered attack submarine with VLS <1712-110505>
 中国ではType 093B商級)と呼ばれ、西側ではType 093Gと呼んでいる
VLSを装備しCJ-10 CM 12発を発射できる原子力潜水艦の画像である。
 CJ-10は射程が1,500kmで、駆逐艦やH-6爆撃機からも発射できる。
 撮影された写真の位置座標は36゚ 6'28.81"N,120゚ 35'0.03"E(36.108003,120.583342)である。
2017.09.13 Jane's Defence Weekly Image suggests YJ-18 ASM has entered PLAN service <1711-091310>
 中国の軍事雑誌Modern Shipsに、Type 052D駆逐艦がYJ-18対艦ミサイルを発射する画像が初めて掲載された。  YJ-18はロシアの
3M-54T (SS-N-27A) Kalibr-NKとよく似た三段推進の対艦ミサイルで、第一段はブー スタ、第二段はCM、第三段はロケット推進弾になっている。
 中国はロシアから潜水艦発射の3M-54E (SS-N-27B、 Club-Sの輸出仕様)を購入しているが、ロシアが3M-54の中国国内生産権を売却した か否かは不明である。
2017.08.16 Jane's Defence Weekly Images indicate possible precisoin-guided version of China's KD-20 LACM <1710-081607>
 中国空軍組合をスポンサとするウェブサイトBlue SkyにCJ-10K/KD-20
LACM光学誘導 式精密誘導型の画像が載った。 画像ではH-6Kの翼下にKD-20とYJ-63/KD-63 LACMが2発ずつ装備されている。
 1,500kmの射程を有するKD-20の光学誘導式はKD-20Aと呼ばれるようで先端に保護カバーがつけられている。  射程180~200kmのKD-63(右図)はTV誘導式で、終末誘導にはIIRが用いられている。
2017.08.10 Jane's 360 Images indicate possible precision-guided version of China's KD-20 LACM <1709-081009>
 中国空軍関連Web SiteのBlue Skyで、光学式精密誘導型と見られるCJ-10K/KD-20
LACM の画像が公開された。 7月中旬に掲載された画像ではH6K爆撃機にKD-20 2発とYJ-63/KD-63 LACM 2発が搭載されているが、KD-20の先端には保 護用のカバーがついていることから、EOまたはIRシーカが付いていると見られる。 新型シーカの付いた射程1,500kmのKD-20は KD-20Aと呼ばれると見られる。
 KD-20はINSとTERCOMレーダ及び測地衛星を使用していた。
2017.01.18 Jane's Defence Weekly China's H-6K bomber shows new strike capabilities <1703-011813>
 2016年12月末に中国のネット上に、H-6Kが6ヶ所ある翼下パイロンに250kg爆弾をそれぞれ6発ずつ、計 36発搭載した画像が流れた。 また12月28日にはCCTVがH-6KからKD-63
LACCMが初めて発射される映像を 流した。 KD-63は全長7.36m、射程200kmのEO誘導CMである。
 この他にH-6KがKD-88 TV/IIR誘導ミサイルを搭載している画像も公表されている。
2016.12.08 Chinese Military Review Chinese CM-302 supersonic anti-ship cruise missile <1701-120803>
 中国
CASC社が殊海航空展にCM-302超音速ASCMを出展した。
 CM-302は250kgの弾頭を搭載しシースキミングで飛行し、射程290kmの性能を持つ。 命中確率は 90%と言う。
CM-302 紹介ビデオ (YouYube)】
【註】
 CM-302はYJ-12の輸出型で、ロケットとラムジェットで推進し、最大速度はMach 3~ 4に達するASCMで、中国版BrahMosとも言われている。
2016.11.16 Jane's Defence Weekly China offers export version of YJ-12 <1701-111603>
 中国CASIC社が殊海航空展で、中国軍が現在装備しているYJ-12超音速対艦ミサイル輸出型 CM-302を展示した。
 YJ-12は弾頭重量250kg、射程280km、命中確率90%で、Mach 1.5~2で巡航し、Mach 3以上で突入 する。
2016.11.10 Defense Update Chinese CM-302 supersonic anti-ship cruise missile <1612-111005>
 
CASC社が殊海航空展でも射程290kmCM-302超音速ASCM を公開した。
 CM-302は90%の命中確率を持ちシースキミング可能なASCMで、250kgの弾頭を搭載する。
2016.09.21 Jane's Defence Weekly China to promote Y-20 transport and J-31 fighter aircraft at Zhuhai Airshow <1611-092110>
 新華社が、殊海隔年開催される国際航空展
AVIC社が Y-20とJ-31を出展すると報じた。
 殊海航空展にはCASCが大型のUAVであるCH-5と、HQ-16A/LY-80N SAMを出展すると言 われ、CM-302超音速ASCMも出展される模様である。
2016.08.19 Yahoo ロイタ通信記事

「中国、次世代巡航ミサイルに人工知能の採用を検討」

<1609-081904>
 国営China Daily紙が中国航天科工集団公司の幹部の話として19日、中国次世代CMに高度な人工知能 (AI)と自動化技術の採用を検討していると報じた。
 同幹部は、われわれは新たなCMの開発に戦闘状況に応じてミサイルを準備できるようにPlug-and-Play技術を採用する計画だと語った。
2016.07.09 China Defense Youtube of the day: The much-talked about South China Sea combat drill <1608-070904>
 中国国防省が9日、中国海軍海南島及びパラセル諸島近海で演習を実施したと発表した。  この演習には同海軍の北海、東海及び南海艦隊が8日から参加している。
 今回の演習で最も注目されたのはH-6が射程400kmMach 4
ASCM であるYJ-12を搭載して参加したことである。
2016.04.27 Jane's Defence Weekly China details new sub-launched ASCM and old LCU <1606-042707>
 中国
CASIC社が、2014年殊海航空展で公表した射程128kmのCM-708UNAを改良した、射程290km 潜水艦発射ASCM CM-708UNBを公表した。 CM-708UNAがYJ-82 (C-802)の改良型であったのに対し、CM-708UNB は射程延伸型のYJ-82、すなわちYJ-83 (C-803)の改良型と見られる。
 CM-708UNBは全長5.05m、重量700kg、弾頭重量155kgで、亜音速で海面上5~7mを飛翔する。
2016.03.30 Jane's Defence Weekly Imagery suggests China has deployed YJ-62 ASCMs to Woody Island <1605-033010>
 中国で有名なブログサイトWeiboが3月20日、地上発射型YJ-62
ASCM発射の画像を掲載したが、この発射地点はパラ セル諸島のWoody島と見られている。
 YJ-62は輸出型で射程280kmのC-602と同じミサイルであるが、射程は少なくとも400kmと見られている。 YJ-62は2008年 以来海軍の沿岸防衛部隊が装備している。
2015.10.30 Stars & Stripes China's supersonic ship killer is making US Navy's job harder <1511-103005>
 U.S.-China Economic and Security Review Commission が10月28日に公表した報告によると、中国の潜水艦発射対艦 CM YJ-18 は射程が290nmで、巡航速度は亜音速であるが、目標から20nmまで接近すると Mach 3 に加速 して突入するため、米艦船の対応を難しくしているという。
China’s New YJ-18 Antiship Cruise Missile
【註】
 亜音速で巡航し超音速で突入するのは、ロシアの 53M-54E5 と全く同じ方式であるが、3M-54E の射程が200kmと見られているのに対し、YJ-18 の射程は530kmであるという点 が注目される。
2015.09.09 Jane's Defence Weekly China showcases new weapon systems at 3 September parade <1511-090901>
 中国が9月3日に行ったパレードには、将官56名を含む12,000名の部隊と、17ヶ国から1,000名の部隊が参加し、40種類以上 500両の陸上武器、20種類以上200機の航空機が参加し、これら装備のうち80%が初めての公式披露であった。
 初めて確認された武器の一つが、ラムジェット推進の空中発射超音速対艦 CM である YJ-12 である。
2015.08.31 Searchina 「H-6K(戦神)」戦略爆撃機・・・グアム島を攻撃可能な位置にまで進出か <1509-083101>
 新浪網によると、中国空軍報道官が14日、複数機種の組み合わせた遠洋訓練を西太平洋で同日実施したことを明らかにした。  H-6K を中心とする編隊の訓練と見られ、同報道官は第一列島線の外側1,000km以上まで飛行と述べた。 グアム島の米軍基地を CM で攻撃できる位置にまで接近した可能性がある。
 H-6K は、中国が1968年にライセンス生産を始めた Tu-16 である H-6 シリーズの最新型で、航続距離は Tu-16 と同程度と見られる。 DH-10 やその改良型 CJ-10 を6発搭 載できるとされ、DH-10/CJ-10 の巡航は2,000~3,000kmとされる。
2014.11.16 Chinese Military Review Chinese WS-43 miniature attack cruise missile system (loitering attack munition) <14121-111603>
 中国が珠海航空展で、索敵攻撃型小型 CM WS-43 を展示した。
 WS-43 は20kgの弾頭を搭載し、60km以内を30分間にわたり遊弋して索敵し、突入攻撃できる。
2013.01.30 Jane's Defence Weekly China advances YJ-12 ASM design <1303-013011>
 中国のラムジェット推進空対艦ミサイル YJ-12 の新たな画像から、2000年珠海航空展で公表された模型とかなり変わ ったことが明らかになった。
【関連記事:JMR 2002.02
 かつての模型は空気取り入れ口が2箇所であるのに対し新たな画像では4箇所になっており、2006~2007年にロシアから購入した Kh-31 (AS-17) を大型化したような形状であるが、遙かに大型になっている。 中国からの情報によると YJ-12 は全長7m、発射重量2~2.5tで、 Mach 2~4、射程250~500kmの性能を有する。
 またこの情報源によると中国は、4.5tある Kh-41 Moskit (SS-N-22) と似たサイズでやはりラムジェット推進の YJ-18 も開発している。 中国は1990年代末に Kh-41 も購入している。
2012.08.01 Jane's Defence Weekly China 'develops navalised DH-10' <1209-080102>
 中国海軍が陸上発射型 LACM である DH-10艦載する計画を進めていることが、試験 艦に搭載されている画像から明らかになった。 DH-10 の発射機は ASCM である YJ-62YJ-83 と同じ要領で搭載されて おり、水上艦に対艦/対地の能力を持たせようとするものと見られる。
 DH-10 は2008年に射程1,500~2,200kmの陸上発射型が第二砲兵に装備され、2010年には空中発射型の CJ-10 が H-6 爆撃機に装備されている。
2012.07.25 China Defense Navalized DH-10 LACM <1208-072503>
 右図は中国の試験艦に搭載された DH-10 LACM の写真で、キャニスタの形状は 陸上発射型とほぼ同じである。 これで DH-10 は、陸上発射型及び空中発射型の CJ-10 と合わせて、三機 種が揃うことになる。 ただ搭載艦が試験艦であることから、開発はまだ初期段階と考えられる。
 写真で DH-10 は YJ-62/63 ASCM と同じ要領で搭載されているため、YJ-62/63 が搭載できず対艦能力を失うこと から、Type 52C 駆逐艦の発展型で現在建造中と伝えられている Type 52D では、垂直発射になる可能性がある。
【註】
 DH-10 は対艦/対地両用とも伝えられており、YJ-62/63 に代えて搭載されることも考えられる。
【関連記事:1011-100501 (朝鮮日報 2010.10.05)】
2012.01.11 Jane's Defence Weekly Iran flexes sea denial muscles <1203-011110>
 イランが12月24日~1月3日に、ホルムズ海峡の脅威を誇示する演習 'Velayat 90' を実施した。 この演習では Qader 及び Nasr 沿岸配備型対艦ミサイルの射撃も行われた。
Qader: 中国製 C-802 のイラン向け改良型で射程200km。
Nasr : 中国製 C-704 のイラン向けで射程35km>
2011.10.17 Aviation Week & ST Farther from shore <1112-101702>
= 中国の軍事力増強に関する記事 =
 射程1,500km以上の DH-10 は、年100基のペースで増強されている。 また H-6 から発射される ALCM 型の射程は3,300kmで、グァムや沖縄が射程圏内に入ると共に、南シナ海、インドネシア、インド洋にも及ぶ。
2011.08.08 Aviation Week & ST Tactical moves <1109-080807>
 中国は DF-21D の開発や空母の建造などで話題になっているが、戦術ミサイルなどの開発も精力的に行っている。
 最も重視されている戦術ミサイルは AAM で、機内弾庫搭載の PL-12C やラムジェット推進の PL-12D などの開発が進んでいる。
 AAM と並んで重視されているのが ASM で、陸上発射の CJ-10(右図)の 空対地型の開発が進められており、Z-10 ヘリや UAV に搭載する KD-10 も発射試験中と伝えられている。
【註】
 CJ-10 とは DH-10(長剣-10)の陸上発射型で、CJ-10 は2009年10月1日の軍事パレードで初めて公開された。
 Wikipedia は YJ-62 とも呼ばれるとしているが、China Defense は別の画像(右図)を YJ-62/C-602 としている。
【当該記事:0912-102601 (China Defense 2009.10.26)】
2011.05.06 China Defense First in service photo of H-6K, "god of war, with a small g" <1106-050602>
 中国空軍第8爆撃機師団に配備された H-6K ALCM 搭載爆撃機で、CL-10 ALCM を 6発搭載できる。
 H-6K は H-6M の改良型で、ロシア製の D-30KP-2 エンジンを搭載している。
【註】
 CL-10 とは DH-10 の空中発射型のことか。
2011.02 Jane's Missiles & Rockets China's air-to-surface missiles go from strength at Airshow China <1103-020009>
 2010年11月16~21日に珠海で開かれた中国航空展で CASC社が各種ミサイルや UAV を展示した。 その中には以下のような空対地武器が 含まれている。
CM-802AKG
 ARH 誘導の対艦ミサイル C-802 を元にした IIR 誘導のミサイルで、対艦を主目的とするが対地 能力も持つ。 射程200~280km、発射重量は700kgで、JH-7A に搭載する。
TB-1
 MANPADS の派生型と見られる対地対空両用ミサイルで、誘導方式は SAL になって いる。
YZ-200(右図)
 CASC社によれば、YZ-200 は50kg、125kg、250kgで、各種誘導装置があり、ロケットブースタや翼キットのあるなしなど9タイプがある。
2010.10.05 朝鮮日報

インターネット

中国、新型巡航ミサイル『長剣10』を実戦配備 <1011-100501>
 中国は、『長剣-10』 (DH-10) ASCM を既に実戦配備しているという。 中国国営の日刊紙『光明日報』が4日、オー ストラリアの軍事雑誌を引用し、中国は50~250発の DH-10 と移動式発射機20~30基を実戦配備したと報じた。
 DH-10 は2004年に開発が始まり昨年完成した。 射程は1,500~2,000kmで、地上目標だけでなく空母も攻撃できる。 中国は昨年10月に行われた建国60周年を記念す る閲兵式で、このミサイルを公開している。
【関連記事:0911-100601 (Chinese Defence Today 2009.10.06)】
 また米国当局の見解では、中国は『東風-21D』 (DF-21D) ASBM の開発もほぼ完了しているという。
2010.07.24 韓国中央日報

インターネット

『米空母も20分で沈没』…中国メディア‘3大武器’紹介 <1008-072402>
 中国国営新華社通信が発行する週刊誌である国際先駆導報が22日、対艦弾道ミサイル (ASBM) 、アジア最大の潜水 艦艦隊、海岸のミサイル網などを、空母を攻撃する三大武器と紹介し、米国の空母を撃沈させられると伝えた。 DF-21C が空母に命中すれば、甲板を突き抜けてに穴を開け、搭載された武器と船舶油が連鎖的に爆発して20分で沈没すると付 け加えた。
 2008年に開発され今後5隻を追加建造する晉級原潜は射程8,000kmの JL-2 SLBM が搭載されている。 また中国の東南 海岸に射程300~600km級の中短距離ミサイル網がきめ細かく構成され、敵艦隊に十字砲火を浴びせられると、同誌は分析した。
 射程1,800kmの巡航ミサイル DH-10 も配備し、遠海から敵艦を攻撃できると伝えている。
【註】
 DF-21C が甲板に穴を開けるとあるのは、弾頭に炸薬がないと言うことか。
 DH-10 が艦隊を攻撃とあるのは、DH-10 が ASCM であると言うことか。
2010.05 Jane's Missiles & Rockets Nasr-1 is Iran's latest Chinese dragon <1006-050004>
 イランが3月7日、Nasr-1 対艦ミサイルの量産を開始したと発表した。 Nasar-1 は 中国が C-704 を元に開発しイランに移管したミサイルである。
 中国はかねてからイランに対艦ミサイルを供給しており、1990年代初期には C-801 (YJ-8) 及び C-802 (YJ-82) を、その後は軽量短射程型の C-701 をイランの Kosar として供給している。
2009.12.23 China Defense Blog Indonesia to equip navy with Chinese-made missiles <1001-122301>
 インドネシアは2隻の哨戒艇に装備するため、2008年3月に中国から YJ-82 (C-802) 2セット を$11Mで購入した。 インドネシアによると購入価格は MM40 Exocet Block Ⅱ の半値以下であったという。
【関連記事:0906-050902 (China Defense Blog 2009.05.09)】
 インドネシアは現在、C-802 よりスリムな C-705(右図)の購入交渉を行っている。
2009.10.26 China Defense Blog CCTV features a YJ62C/C602C SSM Battalion <0912-102601>
 射程80kmの HY-4 や、135kmの C-802 沿岸配備対艦ミサイルを凌ぐ、射程300+kmの YJ62/C602 は、2006年の珠海航空展で初めて公開されたが、2008年6月の JDW によるとこの時点で既に120基が中国海軍に配備されていた。 また2009年 初めにはパキスタンが120基を購入した。 ただし MTCR の既定によりパキスタン向けの C602 は射程が280kmに制限されている。
 このミサイルは海面上7~9mを Mach 0.9 で飛行し、終末段階では7m以下に高度を下げる。 終末誘導は アクティブ/パッシブ両用のレーダシーカで行われる。
 右図は中国中央電視台 (CCTV) が報じた YJ62C/C602C SSM 大隊の映像である。
2009.10.06 Chinese Defence Today The Chinese military in the 21st century <0911-100601>
国慶節軍事パレード映像

 付図、左上から
   DF-31DF-21DF-11DH-10
2009.10.05 Aviation Week & ST Beijing's big day <0911-100512>
 10月1日に行われた中国建国60周年軍事パレードで、DH-10 (CJ-10) 陸上発射型 LACM、 YJ-62 艦載対艦ミサイルの沿岸配備型 YJ-62AJ-10H-6U 空中給 油機、KJ-2000KJ-200 (Y-8W)、DF-31 DF-21C などが公開された。
 DH-10 LACM は既に運用が開始され台湾海峡近くに配備されている模様である。 空中発射型は H-6H から発射される。
2009.10.02 Yahoo Searchina 記事

「新型ミサイル、閲兵式に次々登場」

<0911-100201>
 国慶節の軍事パレードにあわせ、中国産の新型ミサイル「鷹撃-91」、「紅旗-12」などが閲兵式に次々と登場した。
【註】
 鷹撃-91 とは Kh-31P を 中国仕様に変えて国産した YJ-91 ARM のことか。 また紅旗-12 とは PL-12 AAM のことか。
 右図は3発搭載されていることから DH-10 LACM と思われる。
2009.09.07 China Defense Blog More photos from the rehearsal <0910-090701>
 中国人民解放軍創隊60周年記念軍事パレード予行に参加した各種兵器の写真。 左上より
  DF-15 (M-9) Mod
  DH-10 LACM
  DF-21C
  DF-41
2009.09.06 China Defense Blog PRC's 60th anniversary national day parade, a preview.
2009.07.29 Jane's Defence Weekly Israel to confront Yakhont-capable Syria challenge <0909-072907>
 イスラエルの国防筋によると、シリア射程300kmで Mach 2 の性能を持つ Yakhont を沿岸配備用としてロシアから購入する計画を進めている。 Yakhont が装備されれば SS-N-2 Styx と SS-C-1B Sepal しか保有していないシリアの対艦戦力が著しく向 上し、イスラエル海軍は戦略の見直しを迫られることになる。
 これとは別にシリア海軍は、2006年にイランから6隻購入した Tir級高速艇の1隻に、中国製 C-802 ASCM をイランで国産化した Noor を装備している。 Noor の射程は120kmで、 2006年のレバノン戦争でヒズボラがイスラエル艦に損害を与えている。
2009.03.25 DefenseLink News Article Annual Report to Congress "Military Power of the People's Republic of China 2009" <0904-032601>
 米国防総省の議会への年次報告中国の軍事力 2009」が、25日に公表された。
【註】
 ページ数は2008年版に比べて10頁増えているものの、大統領が替わった割には2008年版と大きな変化は ないが、前文で核、宇宙、サイバ戦などの近代戦への努力が加速していることが、新規に取り上げられている。
 更に、'Power Projection - Modernization Beeyond Taiwan' の次に、インドとロシアの項が追加され、中印、中露関係の変化が取り上げられ ている。
 2008年版で50~250発としていた DH-10 LACM の数は、150~350発と100発増加発射基数も20~30基 から40~55基と、ぼぼ倍増している。
2009.02.25 Jane's Defence Weekly US supports Taiwan as China builds up missiles <0905-022509>
 米国務長官が、台湾への武器売却政策はオバマ政権になっても変更がないことを再確認した。
 台湾国防省によると、中国が台湾に向けている DF-11 や DF-15 SRBM1,600発以上、CM は 200発以上にのぼる。
2009.01.23 Record China 中国系がまた違法輸出、軍事転用可能な電子部品を対中販売-米国 <0902-012301>
(特記すべき記事無し)
【註】

 右図は、この記事と直接関係なく掲載された WF-17D と記された CM とおぼしき写真である。

 Tomahawk と同程度のサイズと見られるが、翼がたたみこみ式でない様であることから ALCM か?

2009.01.21 Jane's Defence Weekly China offers closer ties to Taiwan <0903-012106>
 台湾国防省は、中国の胡錦濤主席が両国の軍事交流と信頼醸成を述べたことを歓迎しているが、台湾に向けた1,600発のミサイルの一部を撤去 するとの提案に対しては慎重に対応している。
 台湾国防省によると中国は、DF-11 及び DF-15 SRBM 1,400基、巡航ミサイル200基 を 台湾に向け配備している。
2008.11.10 Aviation Week & ST Weapons array <0812-111006>
= 珠海航空展に見る中国の戦術ミサイルに関する記事 =
 右図は初めて公開された C-705 ターボジェット推進小型 ASCM で、C-602 とにているが それより小型である。
2008.06.11 Jane's Defence Weekly China shores up coastal units with long-range YJ-62C missile <0808-061112>
 中国海軍が福建省の沿岸防備部隊に、YJ-62 長距離 ASCM の改良型である YJ-62C の配備 を開始した。 YJ-62C の射程は YJ-62 の280kmより長いと思われる。 中国海軍はすでに120発の YJ-62C を配備してい る模様である。
 2005年に公表された YJ-62 は、輸出仕様である C-602 の中国海軍向けで、アフガンやイラクで入手した Tomahawk や ウクライナから購入した Kh-55 LACM の技術が取り入れられていると見られている。
2008.06 Jane's Missiles & Rockets Taiwanese assessment details Chinese missile capability <0807-060018>
 台湾の国家安全保障局 (NSB) が3月26日に国家安全保障報告書の改訂を行った。 それによると中国が台湾に向け配備している DF-11 及び DF-15 SRBM の数は1,400発以上に達し、100以上の目標に対し12時間に9発を撃ち込む飽和攻撃 能力を持っている。 更に衛星の迎撃に成功した DF-25 の開発も続けている。
 また2007年末現在で YJ-62A ASCM を含む190発の CM を台湾向けに配備しているが、これは2006年から100発以上増加 している。
2008.04.16 Jane's Defence Weekly Taienese study details Chinese missile threat <0806-041605>
 台湾の国家保安局 (NSB: National Security Bureau) が3月26日に、2006年3月に発行された国家保安報告書の改訂を行った。 それによると中国は台湾 に向けて1,400発以上DF-11 (註:=M-11) 及び DF-15 (註:=M-9) を保有 しており、また衛星の迎撃に成功した DF-25 の開発も継続している。 更に中国は現在、対艦用の YJ-62A を含む190発の CM を台湾に向けており、この数は2006年時点では100発であった。
 NSB によると中国は台湾の100ヶ所にのぼる最重要目標を、12時間以内に攻撃できる。
2008.03.17 Aviation Week & ST What's the threat? <0804-031706>
= 中国の軍備強化に対抗する米国に関する記事 =
 米国では艦船、航空機、UAV に搭載する15~100kW SSL の開発が進められており、Northrop Grumman社は8本の SSL を束ねたブロックセットで100kWを実現している。
 右図は YJ-63 LACM 。
2008.03.10 Aviation Week & ST Non-war <0804-031003>
= 国防総省の報告書での中国軍の近代化 =
 国防総省の報告書によると中国軍は、伝統的な数の優越に頼る戦略から質を重視した戦略に転換しつつある。 特に弾道弾及び CM の強化は 空母機動艦隊との戦闘を念頭に置いている。 12隻保有する Kilo 級潜水艦のうち少なくとも8隻は、終末の20kmで Mach 2.5 に加速する 3M-54 (SS-N-27B) を装備している。 また CSS-5 MRBM は終末誘導用に EO シーカを取り付 け、大型水上艦を狙おうとしている。
 射程2,000kmの DH-10 陸上発射 LACM は20~30個中隊が50~250発を装備している。
 更に ARM の開発も継続しており、Kh-31P (AS-17B) を元にした YJ-91 は JH-7A からの発射試験が行われている。 JH-7A は エスコートジャマとしても使われる。 右図の JH-7A はパイロンにジャマポッドを搭載している。
 射程200kmの S-300PMU2 (SA-20) は2007年7月時点で4個大隊、2008年中に更に4個大隊 が整備される。
【註】
 国防総省の報告書の原文で DH-10 の数は、発射基数が20~30とあり、中隊数が20~30とある本記事の記 述は誤りと見られる。
2007.10 Jane's Missiles & Rockets Indonesia considers C-802 missile for future frigates <0721-100013>
 インドネシアが、オランダで建造中の4隻の Sigma-4 級次期フリゲートに中国の C-802 ASCM を装備する検討を行っている。 当初 Sigma-4 級には Exocet MM40 が装備される計画であったが、Exocet MM40 と Mistral SAM の輸出承認が下りないため、インドネシアは代替機種として1個システム の C-802 を購入してその評価を行っている模様である。
 Exocet の代替としては、インドの BrahMos やロシアの Yakhont (SS-N-26) も検討されている。
2007.09.10 朝鮮日報

インターネット

中国、台湾を射程のミサイル・・・ <0718-091001>
 台湾国防部が立法院に提出した今年の『中国軍事力報告書』と台湾軍の『5カ年防衛整備計画』で、中国が 台湾を射程とする弾道ミサイルと巡航ミサイルを計900基配備していることを明らかにした。
 報告書では、中国軍が『東海10』(▽註:= DH-10 (Dong Hai-10) 巡航ミサイルの改良を続け精度が高まり、射程も台湾全体はもちろん、 周辺国の主要目標も攻撃可能な能力を備えたとしている。
2007.09.03 Aviation Week & ST On Japan's doorstep <0719-090314>
 中国は初期型の核兵器を100~200基備え、最近は潜水艦発射の弾道ミサイル用核弾頭の開発を行っているほか、サイバ攻撃や UAV に よる電子戦攻撃を行う可能性もある。 但し爆撃機や CM 搭載用核弾頭の開発は行っていないもようである。
 日本は、中国や北朝鮮による軍事的示威、恫喝に対処する更なる防衛の強化が求められているが、米軍ではロシアの ステルス型 CM の開発にも懸念を示している。
 Kh-102 Raduga ステルス CM の飛行実験は最終段階に入ったとみられる。  電波吸収材を用いたステルス形状の機体は通常弾頭を搭載し Tu-160 や Tu-95 から発射される。 ロシアは更にプ ラズマ発生型のステルス技術をミサイル用に開発している。
2007.07.25 Jane's Defence Weekly Iran and Syria equip Tir-class fasr attack craft with ASCMs <0717-072510a>
 イラン革命防衛隊海軍 (IRGCNF) 及びシリア海軍が、現有の Tir 級沿岸警備艇Noor ASCM を装備している。 Noor は中国の C-802 をイランで生産した ASCM で、Toloo 4 ターボジェットで推進し120kmの射程を持つ。
 Tir は全長21mで、IRGCNF は10隻を保有する。 最初の2隻は2002年12月に北朝鮮から 輸入され、残りはイランで生産された。 シリア海軍も3隻のイラン製 Tir を保有している。
<0717-072510b>
 ロシアとシリアはシリアの Tartus 港に S-300 (SA-10) を配備する話し合いを行っている。 これ は Tartus 港に展開しているロシア黒海艦隊を防護するためと見られる。
 シリアは2006年中頃から、ロシアの技術、資金援助を受け、Tartus 及び Lattakia 港の整備を行っている。
2007.05.16 Jane's Defence Weekly China unveils recent weapon developments <0711-051604>
 中国の CFTE (China Flight Test Establishment) が最近の成果を記念するビデオの中で、各種ミサイルを公表している。
KD-88(右図)
 JH-7A に搭載される全長約3.5mのミサイルで、ターボジェット/ターボファンエンジン用の空気取 り入れ口が突き出している。 KD-88 には EO シーカ付とアクティブ又はパッシブの RF シーカ付がある。
・新型ジェットエンジンの YJ-8K (C-801)
 C-801 より大型の C-802K とは別物の対艦ミサイルである。
PL-12 (SD-10)
 J-10 及び J-11B に搭載される BVRAAM。
YJ-91
 中国製の Kh-31P ARM。
2007.05.07 Aviation Week & ST Chinese rockets <0711-050708>
 中国の航空兵器開発センタが国産戦闘機によるミサイルの発射試験映像をインターネットで公開した。 映像では中国製 Su-27 であ る JH-11B から発射された PL-12 AAM、JH-7A に搭載した KD-88 戦術 ASM 、同じく JH-7 から発射された YJ-91 ASM (右図) が確認された。
 JH-11B には6発の PL-12 が搭載可能で、過去6~12ヶ月に発射試験を行っている。 KD-88 は E/Oシーカと 電波シーカの2種類が確認され、ターボジェット推進の射程は100km、ロシアの Kh-59M と同 等の能力を持つとみられる。
 YJ-91 は1990年代に若干数を購入したロシアの Kh-31P 中国仕様に変えて国産した ARM である。
2007.05 軍事研究 質的向上続く中国のミサイル戦力 <0708-050002>
= 中国の SRBM、LACM の現状に関する10頁にわたる記事 =
YJ-6
 CSSC-3 対艦ミサイルの空中発射型で、1982年に空中発射試験に成功。
YJ-62
 YJ-6 の液体燃料ロケットをターボジェット化し、射程を200kmに延伸。
YJ-63
 YJ-62 を改良し射程、精度を向上。 中国空軍の3個連隊46機の H-6H が装備。 装備数は 100基で増加中。
2007.04.30 Aviation Week & ST Serching for weakness <0711-043004>
 中国が最近実施した ASAT 実験は地上からの移動式発射機を用いており、 国外での発射や ASAT 兵器の拡散が懸念される。
 また、1990年代の湾岸戦争やコソボ紛争を戦訓とした統合作戦能力の強化と航空機搭載兵器の精密長射程化を推進 している。 右図は H-6 Badger 搭載の YJ/KD-63 巡航ミサイルであるが、現在さらに大型の対艦、対地侵徹 弾頭搭載型が開発中である。 更に米太平洋司令部の報告によると、中国陸軍は情報戦能力を強化しており、 常時 GIG の内容を探査している。
2007.04.25 Jane's Defence Weekly Marching foward <0711-042512>
= 中国の軍事力に関する7頁にわたる特集記事 =
 中国は900発の CSS-6(▽註:DF-15/M-9)や CSS-7(▽註:DF-11/M-11)を台湾に向け配備する一方、 大量の DH-10Hong-Niao-1 とも呼ばれる) や SS-N-22 などの巡航ミサイルを購入している。
 右図は第9軍飛行連隊が装備している WZ-9 ヘリである。
( WZ-9 ヘリ関連記事 JDW 2006.01.11)
【▽註:】
 HN-1 (Hong-Niao-1) は、これまでロシアの Kh-65SE/SD (射程3,000km の Kh-55 (AS-15) の短距離型) の発 展型で、1992年に装備化されたとされていた。 中国は HN-1 のエンジンを改良し射程を延ばした HN-2 や Tomahawk に似た巡航ミサイル HN-3 を開発しており、DH-10 は Hong-Niao シリーズの最新型 HN-2000 と見られていた。
2007.01.31 Jane's Defence Weekly Chinese air-launched cruise missile emerges from shadows <0704-013103>
 中国が DH-10 ALCM の発射試験と配備を開始した模様である。 インターネット で公表された写真では DH-10 (Dong Hai: East Wind) は寸法形状が Tomahawk とほぼ同じで、特に3枚翼フィ ンや RCS 低減のため先端を削った形状のレドームは Tomahawk Block Ⅳ と全く同じ形状である。
 DH-10 の射程は1,500kmで、搭載する H-6 の戦闘行動半径は1,800kmであるが、中 国は H-6 のエンジンを換装し DH-10 を翼下パイロンに3発ずつ、計6発搭載できる H-6K(右図)を開発して おり、戦闘行動半径は更に伸びていると見られる。
2007.01.29 Aviation Week & ST Multiplying missiles <0704-012904>
 台湾国防省は、中国の脅威が増大したことから、2006年度の国防予算を GDP の2.85% (昨年より0.53%増) に 引き上げることを求めている。 中国は現在、CM 100発、TBM 880発を台湾に指向しており、仮にその70%が発 射された場合、空軍の戦闘能力は50%以下になると見積もっている。 また、最新鋭の J-10 16機を浙江省に配置している。
 国防省は中台の戦力比を中国が1.43倍と見積もり、立法府が潜水艦6隻、PAC-3 6個システム、P-3C 12機の 購入を承認しなければ戦力比は近い将来2.8倍に増加するとしている。
2007.01.22 Aviation Week & ST Fiercer Badger soptted <0704-012204>
 中国空軍は Xian H-6 爆撃機の H-6K への改善と、地上発射型長射程 LACM である DH-10 の空中発射型搭載 を計画している。 H-6 は Tu-16 Badger の中国仕様であり、H-6K はエンジンを Il-76 用の D-30 に代える他、搭載機器の改善が行 われている。 航続距離は約1,800kmで、両翼パイロンにミサイルを最大6発を搭載できると推測される。
 また、DH-10 の空中発射型は射程約1,500kmで GPS を搭載し、モックアップは Tomahawk に類似しているが、現在の開発段階は不明である。
2006.11 Jane's Missiles & Rockets Chinese H-6 bomber uses 'improved missiles' <0624-110022>
 中国の H-6 (国産の Tu-16) が翼下パイロンに搭載できる大型対艦ミサイルの数が 、2発から4発に増え、ミサイルも長距離型の YJ-83 (CSSC-8) 及 び YJ-62 (C-602) になった。
( C-602 関連記事 JDW 2006.10.04)
 しかしながら現地で報じられた写真で改良型 H-6 のプロとイブは、翼下に4発の Kh-55/65 (AS-15) を下げて いた。
2006.10.04 Jane's Defence Weekly Chinese missile on export market <0621-100401>
 中国が9月20~24日に南アで開かれたアフリカ宇宙防衛博に C-602 の縮尺モデルを展示し、売り込みを行った 。 C-602 は YJ-62 の輸出名称で、名称から中国製 SS-N-2 Styx である C-601 と関連するように思われるが、全く別の 最新式 ASCM である。
 C-602 はターボジェット推進で280kmの射程を持ち、巡航高度30m、終末で7~10mの高度を飛 行する。 飛行速度は Mach 0.6~0.8 可変である。
 地上発射型は中隊に3発搭載発射機4基を装備し、艦載型は Type 052C 駆逐艦に装備 されており、4発搭載発射機を交互に2基搭載する。
2006.09 Jane's Missiles & Rockets Ground-launched C802 missile hits Israeli Warship <0618-090011>
 7月14日にレバノン沖16kmで行動中のイスラエル海軍 Eilat (Saar 5) 級コルベット艦 Hanit が対艦 ミサイルの攻撃を受けた。 第一報 (毎日 2006.07.15) では爆薬を搭載した UAV が突入したと伝えられていた。 二発目の対艦ミサイルは沖合60kmを航行中のカンボジア船籍の商船に命 中した。
 使用されたのは、ロケット推進の YJ-82 (C802) 輸出仕様としてター ボジェットに代えた中国製で、中国名 YJ-85 と見られる。 右図の中国製自走発射機は C802 3発の搭 載が可能である。
 イランは Noor と言う名称で C802 のライセンス生産を行っており、C802 の射程が120kmであるのに対して Noor の射程は200kmになっている。
2006.08.18 Yahoo 韓国中央日報記事

「「米のイージス艦に対抗」中・・・」

<0617-081803>
 中国はイージス艦に対抗するためにロシアから Sovremenny 級駆逐艦を続々と取り入れたのに続き、戦闘爆撃 機で運用する射程が250kmある超音速巡航ミサイル"鷹撃-83"を最新駆逐艦などに実戦 配備した。
 昨年末まで SS-N-22 を装備する Sovremenny 級駆逐艦3隻を実戦配備した中 国海軍は、今年中に更に1隻を配備する予定であるが、近いうちにロシアに同級駆逐艦2隻を追 加発注するという観測もある。
2006.08.14 Aviation Week & ST The Iranian connection <0617-081401>
 米軍及び IDF 情報当局は、イランが数百人規模の軍事支援要員をレバノンに派遣し 、ヒズボラの対艦、対戦車ミサイル、UAV の操作訓練や戦闘支援を行っているとみている。 具体的な証拠は確認されていないが、8月9日 の戦闘で、イラン革命防衛隊の兵士が死亡したとの文書が発見された。
 また、コルベット艦 Hanit が C-802 の攻撃を受け大破した事例、ヒズボラの記章を付けた UAV を F-16 が撃墜した事例などにイラン軍兵士が直接関わっているとみられる。 ヒズボラはテルアビブを直接攻撃できると発表したが、射 程210kmのイラン製 Zelzal-2 を使用する公算が高い。
 イスラエルにはこれまでに3,500発のロケット弾が打ち込まれたが、現在1万発以上、発射機 1,000台以上を保有していると見積もられている。 空軍は約300台の発射機を破壊している。
2006.06 Jane's Missiles & Rockets Chines LACMs enter service <0615-060022>
 中国が DH-10 (Dong Hai) LACM の部隊配備を開始し、 既に IOC 状態にあると見られる。
 DH-10 と見られる LACM は広西壮族自治区 Luorong に所在する第821ミサイル旅団に配備され、広東省 Jiansi の第 819ミサイル旅団も LACM 部隊に指定されている。 ただし 819thMB と台湾の距離が750kmであるのに対 し、821stMB は台湾から1,250km離れていてむしろ南シナ海に近いことから、対艦任務も有している模様である。
 DH-10 は X-600 や Hong Niao を元に開発され、最終発射試験は2005年11月に行われ、全 弾が標的の10m以内に着弾したという。
2006.04.10 Aviation Week & ST Firing away <0609-041008>
 イランは先週行った軍事演習で、中国の対艦ミサイル C-701 (YJ-7) の陸上発射型 Kosar 3 (右図) の存在を 明らかにした。
 Kosar 3 は中国の援助で、最終組み上げを国内で行っているミリ波誘導のミサイルで、全重量120kg、 弾頭重量25kg射程25kmである。 C-701 の派生型には Kosar のほか、TV 誘導方式 の TL-10A がある。
 また先週には、同じく中国製対艦ミサイル C-802 の派生型 Noor のヘリコプタによる発射試験を行っている 。 Noor はシースキミングの対艦ミサイルで射程は約200kmである。
 演習ではロシアの Shkval に酷似した高速魚雷の試験発射が行われ映像が公開されたが、イランは独自に国内 開発したシステムであると発表している。
2006.02 International Defense Review Grouching tiger: how China is quietly evolving its missile systems <0604-020013>
= 中国の戦術ミサイル開発能力に関する4頁にわたる記事 =
AAM
 1980年代の中国の AAM は、PL-7≒R550 Magic、PL-8≒Python Ⅲ、PL-10/11≒Aspide など、殆ど海外製品のコピー であったが、1989年の天安門事件以来その道がたたれた。 現在、中国は初めての ARH AAM である SD-10/ PL-12(右図上から三番目)を開発しているが、その主要部の技術は商取引の形でロシアから導入されて いる。 例えばシーカの設計及び構成品は AGAT社から、舵駆動技術は Vympel社、INS は NIIP Moscow社からである。
 PL-8 は J-8 戦闘機に搭載予定で、SARH の PL-10/PL-11 は J-8 及び J-10 戦闘機に搭載されている。
CM
 ウクライナから中国へ不正輸出された Kh-55 (AS-15) は、その後ウクライナやロシアから通常弾頭に改造するキットも輸出されたよう である。 この技術で中国は旧式の YJ-6/C-601 の改良を行い KD-63 (Kong Di-63) を完成させた。 KD-63 は H-6 爆撃機の翼下に2発搭載される。
 2002年に H-6 に4発搭載された KD-63 より小型の YJ-62 が公表された。 YJ-62 は周波数アジャイルのレー ダシーカと GPS/INS 誘導装置を搭載し、280kmを30mの高度で巡航し、終末高度7~10mで突入する。 YJ-62 は Type 052C 駆逐艦に装備された。
TBM
 射程150kmの B611 TBM はトルコとの共同開発で、現在射程250km型が提案されている。
対艦ミサイル
 TL-6/TL-10(右図上から二番目)はイランの注文による対艦ミサイルである。
2005.11 Jane's Missiles & Rockets China offers anti-ship missiles for export <0603-110018>
 中国が C602 及び C802A 対艦ミサイルの売り込みを開始している。
C602
 JY-62 の輸出型で、JY-62 は Luyang Ⅱ 級新型駆逐艦に4発キャニスタを2基搭載している。 陸上型もあり、中隊は指揮装置と3発搭 載自走発射機4両からなる。
C802A
 C-802 の改良型で、全長、翼端長、重量が若干大きくなっている。 やはり陸上発射型もある。
┏━━━━┳━━━━━━┳━━━━━━┳━━━━━━┓
┃    ┃C602 / JY-62┃C802A /JY-85┃C802 / JY-82┃
┣━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━╋━━━━━━┫
┃全  長┃  7m   ┃  6.383m ┃  5.3m  ┃
┃胴  径┃  540mm  ┃  360mm  ┃  360mm  ┃
┃翼 端 長┃  2.9m  ┃  1.22m  ┃  1.18m  ┃
┃重  量┃ 1,350kg  ┃  715kg  ┃  555kg  ┃
┃最大射程┃  280km  ┃  180km  ┃  120km  ┃
┃巡航速度┃Mach 0.6-0.8┃Mach 0.8-0.9┃      ┃
┃巡航高度┃  30m   ┃  20m   ┃      ┃
┃終末高度┃ 7m or 20m ┃ 5m or 7m ┃      ┃
┃弾頭重量┃  300kg  ┃  165kg  ┃  165kg  ┃
┃エンジン┃ turbojet ┃ turbojet ┃ turbofan ┃
┗━━━━┻━━━━━━┻━━━━━━┻━━━━━━┛
2005.10 Jane's Missiles & Rockets China may use improved YJ-62 to arm 052C-class destroyers <0521-100042>
 中国の新型巡航ミサイルの発射試験の様子がインターネットで公表された。 このミサイルは YJ-62 の改良型で、その形状は従来の中国製巡航ミサイルにあまり似ていない。
 YJ-62 は C611 空対艦ミサイルの改良型で、新型 052C ミサイル駆逐艦の主力装備として4発キャニスタが2基 搭載される。 キャニスタは全長8~10m、胴径1.5mであるので、ミサイルは6~7mと見られる。 射程は100nm以上 であろう。
2005.10 Jane's Missiles & Rockets Pakistan tests 500km-range cruise missile for first time <0521-100027>
 パキスタンが、8月11日に Hataf Ⅶ Babur CM の初飛行に成功した。
 Babur は固体ロケットブースタで垂直に発射され、2,000ftに達したらブースタを切り放しジェットエンジンのカバーを開け、翼を展張 したのち機首を下げ、エンジンを始動する。 巡航は超低空で行い500kmを飛行する。 量産 は9月に開始された。
 パキスタンは Babur は完全国産であると強調しているが、中国が 052C 級駆逐艦に装備する YJ-62 改と良く似た構 造になっている。
2005.09.19 Aviation Week & ST Cruise offer <0519-091905>
 中国の巡航ミサイル開発は着実に成果をあげており、9月中旬にロンドンで行われた防衛展示会で CPMIEC社は YJ-63 LACMYJ-62/C602 及び YJ-85/C802A 対艦巡航ミサイルの資料を初めて公開した。
YJ-63 (右図)
 空軍が既に運用中の LACM で、機体はロシアの Styx 対艦ミサイルに酷似している。  誘導には TV シーカを使用し発射母機の H-6 に画像を伝送、終末段階には E/O シーカを使用しているとみられる。
YJ-62/C602
 開発最終段階にある海軍の最新型対艦巡航ミサイルで、全長6.1m、重量1,140kg、長さ0.9m、重量200kgの固形 燃料ブースタで発射され、ターボジェット推進による射程は280km巡航高度は30m、 終末段階は7~10mで飛翔する。 シーカは周波数アジャイルのアクティブレーダで捕捉距離は40km以上とされる。 
 YJ-62 は駆逐艦への艦載型と陸上発射型を当初予定するが、航空機搭載型への改修も可能とされる。
YJ-85/C802A
 YJ-8 を改善した射程延伸型対艦巡航ミサイルで、ターボジェット推進による射程は180km 以上、シーカは妨害に強い周波数アジャイルのアクティブレーダで、艦載及び陸上発射の他、航空機搭載型への改修も可能とされ る。
2005.07.27 Jane's Defence Weekly Potential cruise missile test-launched in China <0516-072701>
 中国がインターネットで公表した YJ-62 の発射試験の写真から、YJ-62 は明らかに従来のこの種ミサイルと は異なる。 中国筋によると YJ-62 は改良型 Type 052 フリゲート艦に装備される艦対艦ミ サイルというが、従来の YJ-6/YJ-61 とはサイズが違う。
( Type 052 搭載新型 ASCM に関する記事 AW&ST 2004.05.31 )
 ただ、長距離 LACM に不可欠な折りたたみ翼等があるかどうかは、この写真でははっきりしない。
(関連記事 AW&ST 2005.07.18 )
2005.07.18 Aviation Week & ST Cruising along <0515-071805>
 中国は長距離攻撃能力の強化を図っており、対艦・対地巡航ミサイルと空対空ミサイルの国産開発を推進している。
 巡航ミサイル開発で注目されるのは対艦用の YJ-62 (右図) で、ほぼ開発を終了し、 艦船の他 Tu-16 爆撃機からの空中発射及び陸上発射型の開発も行われている。
 YJ-62 は射程108nm、全長6~7mで、慣性誘導とアクティブレーダ誘導を併用すると みられ、対地上攻撃用には E/Oシーカを採用していると推測される。
 国産開発のアクティブレーダ誘導 AAM である PL-12/SD-10 は今年初めに実射試験を終え、 量産段階に移行、J-10 への搭載を準備中であり、 J-11 への搭載も予定されている。
 PL-12 のシーカ型式は不明だが、ロシアの技術援助を受けていることから AA-12 Adder と同様のシーカを採 用していると推測される。
2005.05 Jane's Missiles & Rockets Ukraine investigates supply of missile to China and Iran <0511-050016>
 3月18日にウクライナの検事総長が、4年前に18発の Kh-55 (AS-15) ALCM が不法にイランと中国 に輸出されていたことを認めた。
 ウクライナは1,000発以上の Kh-55 を保有していたが、発射母機となる使用可能な Tu-95 や Tu-160 がないた めロシアへ返還されたが、その数は明らかでない。
 Kh-55 の輸出はウクライナも1998年に加盟した MTCR (Missile Technology Control Regime) で厳しく制限されている。 
2005.05 Jane's Missiles & Rockets US claims foreign technology may boost Chinese missile seekers <0511-050010>
 中国は近年、先端技術を利用したミサイルシーカを開発しているが、米国はこれは海外からの技術に依存して いると見ている。
(中国製 EO シーカに関する記事 AW&ST 2004.06.07)
 最近中国は EO シーカを搭載した LACM を開発したが、香港の報道によるとこの分野における海外からの技術 導入が行われた。
 C-701 のシーカを開発した邯鄲の Hanguang Machinery Plantd社が最近開発した FL10TV シーカは胴径18cm、重量15kgで、その技術は2000年にウクライナから入手したものである。 
2005.03.30 Jane's Defence Weekly Ukrainian cruise missile transfer under scrutiny <0508-033001>
 3月18日にウクライナの検事総長が、クチマ政権時代の2001年にイランに12発、中国に6発 Kh-55 (AS-15) CM が不正に輸出されていたことを明らかにした。
 これについて西側情報筋は、不正輸出された Kh-55 は18発より多く、北朝鮮にもわたっていると見ている。  情報筋はかねてより、イランと北朝鮮が ASCM の開発で提携を強化していると指摘していた。 
2005.03.28 Aviation Week & ST Bargain cruise <0508-032805>
 イランと中国が少数の Kh-55 CM をウクライナから非合法に購入したことが明らかになり、米 英両政府は技術拡散に懸念を示している。 調査は現在も継続中で、ウクライナは2001年に核弾頭を除いた中古の Kh-55 を両国に売り 渡したとみられる。 ソ連崩壊によりウクライナには約100発の核搭載 Kh-55 が引き継がれているが、維持整 備の状況は不明である。
 中国は現在、DH-10 CM を開発中のため、Kh-55 を比較参考のため購入したものと推測される。 一方イラン は射程300kmの Raad を開発中だが長射程 CM を保有しておらず、その穴埋めに射程2,500kmの Kh-55 を購入し たとみられる。
 ロシアはこれまでのところコメントを控えている。 ◇
2005.03.18 Yahoo ロイタ通信記事

「ウクライナ、中国とイラン・・・」

<0507-031801>
 18日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、2001年にウクライナからイランにミサイル12基、 中国にミサイル6基が不正輸出されていたことをウクライナ政府が初めて公式に認めたと伝えた。
 同紙が伝えたところによると、ミサイル18基は X-55 と呼ばれる巡航ミサイルで射程は3,000km。 ただし不 正輸出されたミサイルはいずれも、核弾頭は搭載していなかったという。 
【註:】
 X-55 はロシア語表記で Kh-55 のことで、NATO コードで AS-15 と呼ばれる核弾頭戦略巡航ミ サイルである。 現在はその一部が通常弾頭の Kh-555 に改修されている。
2005.03.07 Aviation Week & ST China showdown <0506-030702>
 米国内では EU の対中国武器禁輸措置解除に強い不満を示し、解除された場合欧州への兵器部品の発注を停止 する等の制裁措置を議会で検討している。
 これに対し、英仏は大使や国防相を米に派遣し、留意を求めているが、議会の説得には至っていない。
 米は解除がアジアの軍事バランス、特に台湾海峡の緊張を増大させることを懸念しており、CIA は中国が戦闘機や艦船そのものではな く、指揮統制、偵察監視、各種ネットワーク化、最先端のアビオニクスの導入を狙っていると推測している。
 更に中国は各種ミサイル、潜水艦、J-10(右図)をはじめとする戦闘機、防空システムの近代化を図っており、2015 年までには数百発の最新型 LACM を装備するとみている。 ◇
2004.12 Jane's Missiles & Rockets China tests extended-range missile <0503-120002>
 2004年9月に中国が長距離戦略巡航ミサイルの試験に成功した模様である。 香港筋によると、実験には党軍 事委員会の副主席が立ち会った。
 このミサイルは Hongnaio 2000 或いは Conghai-10 と呼ばれる Hongnaio Ⅲ の改良型 で、後者の射程が3,000kmであるのに対して Hongnaio 2000 の射程は4,000kmと言われている。
 終末誘導はアクティブレーダホーミングで、YJ-83 対艦ミサイルと類似のシーカが使用さ れている。 機体にはある程度のステルス性があり、Hongnaio Ⅲ 同様に高度10mを巡航 できる。
2004.11.17 Jane's Defence Weekly China aids Iran's tactical missile programme <0422-111714>
 中国の Hongdu 航空企業グループが、JJ/TL-6B(右図下)、JJ/TL-10A、KJ/TL-10B(右図上)の3種類の新型ミサイルを中国航空ショー 2004に展示した。 これらはいずれもイランへの輸出用と見られる。
 KJ は空対艦、JJ は地対地の意味で、TL は Hongdu製を表す。
 この他に C-701 対艦ミサイルの新型 C-701R が COSIC社から展示された。 C-701R は EO シーカ付 C-701T ミリ波と見られるアクティブレーダシーカにしたもの で、有効射程は25kmである。 これもまたイラン向けと見られる。
2004.11.17 Jane's Defence Weekly Turbofan engine boasts greater thrust capability <0422-111713>
 中国の CAIC社傘下の GTE (Gas Turbine Establishment) が、WS500 ターボファンエンジンシリーズを開発し 、中国航空ショー2004に展示した。
 WS500 は500daNの推力を持ち、UAV のエンジンに適しているが、ビジネスジェット機にも使える更に高推力型 も開発しており、シリーズとして180daN~800daNが開発されている。
 GTE は推力が10,000kg以下の軽ガスタービンエンジンの開発を焦点としている。
【註:】
 推力の単位 'daN' とは 'deca N' のことと見られ、1daN≒1kg となる。
2004.11.08 Aviation Week & ST Chinese fireworks <0422-110808>
 中国はこれまで外国に頼ってきた各種誘導兵器の国内開発を積極的に進めており、特に長射 程 LACM と対艦ミサイルの開発推進は、台湾海峡に新たな緊張をもたらす。
DH-10 LACM:
 開発の最終段階に入った対地攻撃型で射程は1,500km以上、慣性誘導を行い、中期に飛行修正を実施、画像照 合と終末誘導に GPS と E/O シーカーを使用している模様である。
YJ-63 空中発射型 ASCM:
 開発の最終段階に入っている H-6 (Tu-16 のライセンス国産機) 搭載用の対艦ミサイルで、推進にターボジェットを用い、終末誘導に E/O シーカーを使用している模様である。 H-6 には4発搭載を狙っている。
YJ-12A ASCM:
 現在開発中の超音速対艦ミサイルで、模型がエアショーに展示された。
SD-10/PL-12 AAM:
 2006年~2007年の装備化を目指す射程約70km、重量180kgで、独自開発のアクティブレーダシーカを搭載する。  SD-10 は輸出仕様でパキスタンと共同開発中の JF-17 に搭載を予定する。
E/O シーカー
 YJ-63 に搭載する KD-63 及び KDD-88 をエアショーに展示した。 KDD-88 の搭載機種は明らかにされていない。
2004.11.08 Aviation Week & ST Guided development <0422-110805>
 中国航空ショーに輸出仕様対艦ミサイル TL-10 (FL-8) と TL-6 (FL-9) が展示され た。 また、国内開発を推進中の第四世代 IIR 誘導の AAM も併せ展示された。
TL-10
 全長2.5m、重量105kgで射程は27km。 空中発射型の TL-10A は TV シーカ、TL-10B はレーダ誘導で、イラン 製ミサイル Kosar と極めて似通っている。 IIR 及びミリ波シーカの開発も同時に行っている。
TL-6
 重量350kgで射程は15km、イラン製の Nasr と同一設計とみられ、ヘリ及び固定翼機から発射する。
C-701 ASM:
 これまで E/O シーカであったが、ミリ波レーダシーカを搭載した新型。
AAM
 IIR シーカと搭載 TVC 技術を適用した第四世代ミサイル。
2004.11 Jane's Missiles & Rockets Pakistan tests missile <0502-110017>
 パキスタンのムシャラフ大統領が7月29日に、10月に新型巡航ミサイルの発射試験を行うと発表した。 このミサイルは 射程300km以下の海軍用兵器で、航空機、艦船、陸上から発射される。
 低空を高速で飛行すると言われるものの詳しい諸元は不明であるが、中国製の巡航ミサイルと同じと見られて いる。
2004.10 Jane's Missiles & Rockets China test fires new land-attack cruise missile <0423-100017>
 中国が第二世代 LACM である射程1,500km DH-10 (Dong Hai-10:東海-10) の発射 試験を行った。
 DH-10 は陸上発射型で、終末誘導にディジタル sxene-matching 誘導を取り入れており、 CEP は10mと見られている。
 この他に中国は第一世代の ALACM である射程400~500kmの YJ-63 (Ying Ji-63:撃鷹-63 ) の配備を開始した模様である。
 YJ-63 は Tu-16 のコピーである H-6 爆撃機の翼下から発射され、500kgの弾頭を積んでMach0.68で飛行する。 終末誘導には何らかの EO が用いられている模様で、CEP は10~15mになる。
 終末誘導が TV 方式であった場合には観目線の通信リンクが必要となるが、中国は2001年にイスラエルから Harpy UAV を導入し現在運 用している。
 H-6 爆撃機の1機には翼下の4ヶ所に CM 用のパイロンが取り付けられており、今後25機の H-6 が同様に改造 される模様である。
2004.08.21 Yahoo 読売新聞記事

「中国、新型ミサイル実験に・・・」

<0415-082101>
 中国の航空宇宙開発の関係者が、新型ミサイルの飛行実験に成功したことを明らかにした。 ミサイルは極め て高い精度で目標に命中し、実験には曹剛川国防相が立ち会ったという。
 ミサイルの名称や射程など具体的な情報は一切明らかにしていないが、外交筋は巡航ミサイル紅鳥の新型との 見方を強めている。 香港紙「明報」は、新型巡航ミサイルの射程は3,000kmで、命中精度は 5mの範囲としている。 同紙によると、射程1,500kmの紅鳥は1996 年に配備されているという。
 この実験成功により巡航ミサイルの配備に拍車がかかる可能性がある。 
【註:】
 『紅鳥』は対地攻撃巡航ミサイルのことで、紅鳥-1 (HN-1: Hong Niao-1)、HN-2、HN-3、HN-2000 の4種類が 報じられている。
 明報が伝える1996年に配備された射程1,500kmの紅鳥とは HN-2 のことで、今回試験が行われた射程3,000kmの 紅鳥とはHN-3のことと思われる。 因みにHN-2000の射程は4,000kmと伝えられて いる。
2004.08.17 Yahoo ロイタ通信記事

「中国、新型誘導ミサイル実・・・」

<0415-081701>
 中国新聞社が17日、中国が開発製造した新型ミサイルの実験が数日前に行われ、満足のいく成功を収めたと伝 えた。 ミサイルは高精度で、正確に標的に命中したという。 ミサイルの射程や重量などは明らかにされていない。
 ミサイルは中国航天科工集団公司が開発したもので、国防相が実験に立ち会ったとされる。
2004.08 Jane's Missiles and Rockets China7S Type 052C destroyer armed with new anti-ship missile <0417-080015>
 中国が、建造中の Type 052C 駆逐艦に、新型の対艦ミサイルを搭載する模様である。
 同艦には全長8~10m、胴径1.5mのキャニスタ4基を束ねた発射機が2ヶ所に設置されている。 これは C-803/YJ-82 を装備する Type 052B のものとは異なる。 中国は対地攻撃型もある C-XXX を開発中と伝えられていた。
 1999年に中国は、Kh-15 (AS-16) と良く似た対地攻撃巡航ミサイルの模型を公表しており、また別に全長6m、 胴径0.52m、発射重量1,600~2,000kgで、150~410kgの弾頭を搭載して400km飛行する、超高速巡航ミサイルを開発中 とも伝えられている。
(関連記事 AW&ST 2004.05.31)
2004.06.07 Aviation Week & ST Threat asseccment <0411-060703>
 DoD が公表した2004年版中国の軍事力によると、中国軍の近代化と技術革新は着実に進 められている。
 台湾向けに配備している SRBM が500発に増加し、ICBM は来年までに20発から30発に増強、10年以内には60発 を保有するものと推測している。
 戦闘機は国産開発の J-10 は運用開始までに更に数年を要するとみられるが、今年ロシアから 24機の海軍仕様の Su-30 を購入する。 戦闘機の近代化とパイロットの技能向上により、アジアでの 米中空軍力は10年以内にほぼ同等となると見積っている。
 UAV は航続距離の短い機種を既に運用を開始しており、長時間滞空の機種の開発に重点が置かれている。 また、新型攻撃ヘリ Z-10 が仏、伊の協力により開発を終え、昨年初飛行を行ったものとみている。
 最近中国が展示した最新型シーカー(右図)は、YJ-63 陸上攻撃巡航ミサイル用と推測され ている。
2004.05.31 Aviation Week & ST Chinese developing new antiship cruise missile <0411-053102>
 中国が Type-052 級最新型駆逐艦に搭載する新しい長射程対艦巡航ミサイルの開発が最終段階に入っている。
 写真(右図)にみられる2基発射用キャ二スターは、長さ8~10m、直径1.5mで、それぞれ4発のミサイルを格納 しているとみられる。
 ミサイルの仕様は明らかにされていないが、射程は数百kmで、亜音速または遷音速 で飛行するものと推測され、対艦攻撃以外に、沿岸の対地攻撃にも転用可能と推測される。
2004.04.07 Jane's Defence Weekly US urges Taiwan to acquire air-to-air missile <0407-040708>
 米国 DoD が台湾へ SLAMRAAM 導入を強力に働きかけている。 中国が 今年中に配備すると見られている YJ-63 対地攻撃巡航ミサイルに 対処するためである。
 台湾は Avenger や Antelope など各種防空システムを装備しているが、米政府首脳は中国の急速な軍備拡張への対応が遅いと批判して いる。
2004.02.25 Jane's Defence Weekly Iran ready to field maritime cruise missile <0405-022507>
= イランの Ra'ad 巡航ミサイルに関する記事 =
 イランは弾道弾の Shahab と、巡航ミサイルの Ra'ad の2本建てでの、戦略ミサイル体制を考えている模様である。
 HY-2 (CSSC-3) をターボジェット化したイランの Ra'ad は目下試験中であるが、既に量産も開始されている。 イランは恐らく 300発程度の HY-2 を保有している。
 Ra'ad は HY-2 の胴体を延長してエンジンを搭載しているが、イランは1990年代に UAV 用として Tolloe 4 ターボジ ェットエンジンを開発した実績がある。
 シーカにはアクティブレーダホーミング方式が考えられるが、イランは Ra'ad と一緒に Noor 対艦ミサイル(中国の YJ-82 (C-802) のインド型)用に DM-3b アクティブレーダシーカを開発 したことを公表している。 但し Ra'ad と DM-3b の関係については明らかにされていない。
 Ra'ad の開発への北朝鮮の関与を指摘する専門家もいるが、イランはミサイルに関して中国との結びつきが強く、北 朝鮮関与の可能性は低い。
2004.02.11 Jane's Defence Weekly Taiwan seeks surveillnce radar to counter PLA threat <0404-021105>
 米政府は、中国が第一世代低空飛行巡航ミサイル YJ-63 を、今年後半 か来年にも前方に配備すると見ている。
 米国防総省は1月末に、台湾に FMS で提供する SRP (Surveillance Radar Programme) の提案要請の事前通知を行った。
 SRP は1基の UHF フェーズドアレイレーダと、2基の MWC (Missile Warning Center) から成り、 台湾北部に設置される。 台湾が資金を準備できれば、台湾南部に設置するもう1セットも調達される。
 SRP には弾道弾、航空機の警報と船舶の追随能力が求められ、Lockheed Martin社と Raytheon社が提案を行う と見られる。
 Raytheon社は AN/FPS-115 Pave Paws EWR を元に、航空機や巡航ミサイルの捕捉能力を付加した システムを提案する。
 Lockheed Martin社は MEADS に使用する LM Digital UHF Radar を元にした、レドーム付き回転面 アンテナ方式の DBF レーダと、ギャップフィラ用として AN/TPS-59 レーダを提案する。
2004.02.02 Aviation Week & ST Iranian cruise effort <0403-020202>
 イランは Silkworm の機体にターボジェットエンジンを搭載して射程を延伸した巡航ミサイ ル Raad を開発し製造に入った。
 Raad は対艦用で、国産開発のターボファンジェットエンジンを搭載し射程350km以上 、アクティブレーダーシーカーと500kgの通常弾頭を装備する。 また、艦船若しくは陸上のどちらからも発射可能で、適当な終末誘導装 置を取り付ければ陸上攻撃用にも改修が可能である。
 Raad の装備によりイランのスタンドオフ対艦攻撃能力は飛躍的に向上するとみられ、開発には北鮮の技術協力 が確実視されている。 北鮮は2003年に Silkworm の機体を用いた対艦巡航ミサイルの試験を日本海で行っており、イランの計画と連携 したものとみられている。
2003.11 Jane's Missiles & Rockets Iraq planned 1,000km-range missiles
= 米イラク調査団が報告した各種戦略兵器開発状況に関する記事 =
 イラクが北朝鮮の支援を受け、中国製 HY-2 対艦巡航ミサイルを改造した2種類の対地攻撃 巡航ミサイルを開発していた。
Al Faw
 射程を HY-2 の100kmから150~180kmに延伸した対地巡航ミサイルで10発を製造した。 内2発がイラク戦争で発射され1発がクウェート に着弾した。
Jenin
 HY-2 の液体ロケットエンジンを、Mi-8 ヘリの TV-2-117 または Mi-17 ヘリの TV-3-117 タービンエンジンに換装した、 射程1,000kmの対地巡航ミサイルである。
2003.08.25 Aviation Week & ST Growing threat  米軍は弾道弾と CM の拡散を憂慮しているが、DIA はこのほど ICBM と地上攻撃型巡航ミサイル (LACM) の脅威が増 大しているとする分析結果を明らかにした。
 報告によると CM については、各国の研究開発がこれまでの対艦から対地攻撃用に移行しており、予算充当率 も約48%に増加している。
 この傾向は他の情報機関もつかんでおり、中国は2030年までに数百発の LACM を保有すると見積もられている。
 右図は南ア共和国が来年以降装備化する射程185mileの LACM Torgos で、諸外国への輸出を目指している。
 ICBM に関しては中国が機動型 DF-31 の開発と、DF-31A の射 程を4,500mileから7,000mileに延伸する計画を持ち、 イラン (Shahab-5?) や 北鮮 (Taepo Dong-2) が ICBM の開発を進めている。
2002.02 Jane's Missiles & Rockets Ramjet missile may have an anti-ship role  中国が開発中の新型ミサイルの模型写真から、その詳細が見えてきた。
 このミサイルは Ying Ji 12 (Eagle Strike)(註:「鷹撃」?) と呼ばれ、インテグラ ルラムロケットのミサイルと見られ、全長は概ね5m、巡航速度は Mach 2.0~2.5 程度、 最大射程は100~120kmと見積もられる。
 主たる用途は対艦ミサイルのようであるが、ARM や対地攻撃型の開発も可能と思われる。 事実 対地攻撃用の YJ-22 の名前も伝えられている。
2001.08 Jane's Missiles & Rockets China flight-tests new cruise missile  中国は C-802/YJ-2 対艦 ASM を改良した LACM (Land Attack Cruise Missile) の初の 発射試験を5月に実施した。
 このミサイルは、弾頭重量 500kg、射程 200km といわれ、その誘導技術は第3国で鹵獲された Tomahawk、 ロシアから導入した Kh-55SE (AS-15 の通常弾頭型) 巡航ミサイル、及びイスラエルからの技術が使 われている模様である。
FAS の C-802/YJ-2 のページ
2001.04.23 Inside the Army Analyst warns of increasing foreign interest in cruise missiles  米国の民間研究所「Institude for Foreign Policy Analysis」の分析専門家は諸外国の巡航ミ サイルに関する現状について、対艦用から対地攻撃用への転換が進んでいるが、米国はこれに対し 全く無防備に近く、早急な対応が必要であると警告した。
 巡航ミサイルは現在、少なくとも 81ヶ国が75種類 80,000発を保有し、90% が対艦用であるが、近い将来 少なくともロシア、中国、インド及びイラクを含む 9~10ヶ国が射程 100~1,000km の対地攻撃用への変換 を行うと分析している。
2000.09.06 Jane's Defence Weekly New pictures released of C-701 anti-ship missile  空中発射型の C-701 対艦ミサイルは、射程 15kmで、30~ 50kgの破片榴弾弾頭を搭載している。
2000.09.06 Jane's Defence Weekly More details on Chinese cruise missile programme  Hong Niao (紅鳥?)ファミリの中国巡航ミサイルについて、詳細が明らかになった。
HN-1
  ・HN-1A: 陸上発射型 600km射程
  ・HN-1B: 空中発射型 650km射程
  ・弾頭: 90kT核、又は 400kgHE
HN-2
  ・HN-2A/-2B: 陸上発射型 1,800km射程
  ・HN-2C:  潜水艦発射型 1,400km射程
HN-3
  ・陸上発射型のHN-3Aと水上・潜水艦発射のHN-3Bがある。
  ・最大射程: 2,000~ 3,000km
  ・巡航高度: 10~ 20m、 巡航速度: Mach0.9
HN-2000
  ・最大射程: 4,000km
2000.01.12 Jane's Defence Weekly China's new cruise missile programme‘racing ahead’  非公式情報ではあるが、最近中国の核搭載巡航ミサイル開発は予想以上に進んで いると推測される。
 X-600 と呼ばれる核搭載巡航ミサイル開発は、1977年に開始され 1995年にロシアの報告文書で明らか にされた。現在、最も新しい潜水艦及び航空機搭載型射程 2,500km級 HN-3 の開発が行われ ている模様。運用が確認されているのは地上発射型 HN-1(1992年装備化) と HN-2(1996年装備化) 。
 なお、イラク、アフガン、ボスニア及びコソボ等で発射された600発以上のトマホークの内少なくとも 6ケースの不発弾が報告確認されており、これが中国に送られコンピュータ、エンジン、機体及び GPS/INS 等の技術が利用されている公算も否定できない。